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更新日:2021年10月25日
奥山専門研究員が第57回日本医学放射線学会秋季臨床大会で教育講演を行いました。
奥山専門研究員が第57回日本医学放射線学会秋季臨床大会で教育講演を行いました。
- 発表日
オンデマンド配信2021年10月4日から31日 - 学会名
第57回日本医学放射線学会秋季臨床大会 - 開催地
WEB開催 - 演題
核医学1『RI内用療法の原理から最近のトピックまで』 - 演者
奥山智緒 - 要旨
RI内用療法(=RI治療、核医学治療)とは、目的とする組織や臓器に親和性のあるRI標識薬剤を投与し、集積部位のRIから放出されるβ線やα線により内部から放射線照射をする治療である。
病変特異的に集積するメカニズムを利用し全身に分布する病変に照射できること、飛程の短いβ線やαを用いるため周辺組織への障害少なく選択的に照射できることを特徴とし、現在日本では、I-131Iを用いるバセドウ病や、分化型甲状腺癌の治療に加えて、Y-90標識ゼヴァリン治療、去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)に対するRa-223(ゾーフィゴ)治療が保険適応となっている。
分化型甲状腺癌に対するI-131治療については、わが国でも1950年代からの歴史があるが、2018年に作成された甲状腺腫瘍ガイドラインにより、目的がアブレーション(high risk 患者に対する残存甲状腺床の除去)、補助療法(画像で捉えられない微小残存すると考えられる癌病変の治療)、治療(顕在する肉眼的残存腫瘍や遠隔転移への治療)に明確に分けられ、アブレーションに対しては30mCiの外来投与が可能であるが、補助療法に対しては治療と同様100mCi以上が必要と定められた。
しかし、わが国では、実施可能なRI治療病床が不足しており、補助療法目的でも外来アブレーション治療をせざるを得ない症例が多いのが実情である。
2008年に承認されたゼヴァリン治療においては、β線放出のY-90標識製剤投与の実施に先立ち、γ線放出核種のIn-111標識製剤による画像検査を行い、重篤な有害事象が危惧されるような異常分布を認めないことを確認する。
核医学を用い、γ線を用いた画像診断(diagnosis)とβ線やα線を用いた内用療法(therapeutics)を行う一連のアプローチはtheranosticsと呼ばれ、個別化医療にもつながる考え方である。
Ra-223は、2016年に日本で初めて承認されたα線製剤であり、その高い生物学的効果のために、(骨転移の疼痛緩和治療目的で使用されていたβ線製剤のSr-89とは異なり)腫瘍縮小効果や生存期間の延長が期待できる薬剤として、我が国におけるRI内用療法の中で最多の件数を占めるようになった。
Theranosticsの考えに基づき、近年、褐色細胞腫やパラガングリオーマに対するI-131-MIBGや、神経内分泌腫瘍に対するソマトスタチン受容体製剤のLu-177-DOTATATEは有効性が確認され製造販売承認申請が行われており、近々の承認が期待されている。
また、前立腺特異膜抗原(PSMA)を標識する製剤やAt-211やAc-225などのα線製剤の研究・開発も進んでおり、RI内用療法は、今後ますますの発展が期待される領域である。