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電気硝子ユニバーサポート株式会社を訪問しました!

滋賀県労働委員会は、障害者雇用の取組み事例を学ぶため、9月15日に電気硝子ユニバーサポート株式会社(大津市)を訪問しました。民間企業への訪問は、今回で3回目となります。

集合写真

電気硝子ユニバーサポート株式会社は、日本電気硝子株式会社の特例子会社であり、1980年に設立され、全国で6番目の特例子会社として認定されています。法定雇用率の達成はもちろん、採用後の雇用定着にも力を入れており、高い雇用定着率を実現しています。2022年には滋賀労働局からその取組みを評価され、障害者雇用に関する優良な中小企業に送られる「もにす認定」を受けています。

同社は滋賀県内に3つの事業所(大津事業所、高月事業所、能登川事業所)があり、障害者は各事業所で、ビルメンテナンス業務や警備業務、軍手等製造業務、クリーニング業務など、親会社である日本電気硝子株式会社のものづくりに間接的に参画する事業に従事しています。

今回の訪問では、日本電気硝子株式会社の展示室にて多様な製品の特徴や使用されている高度な技術について説明を受けた後、電気硝子ユニバーサポート株式会社での障害者雇用の取組みについて意見交換を行いました。

意見交換の様子

展示室では、特殊ガラス製品の生産工程や製品の特徴などについて、従業員の皆さんから丁寧に分かりやすく説明していただきました。ガラスは他の物質と混ぜることができる特徴があり、ガラスを混ぜることにより強度をアップさせたプラスチックは、自動車の部品や建築資材など様々な製品に利用され、鉛を含んだ放射線を遮断するガラスは、原子炉や放射線を扱う医療現場で利用されているとのことです。

その後は、障害者雇用の取組みについて、労働委員会委員と電気硝子ユニバーサポート社員との意見交換を行いました。合理的配慮の取組みや関係機関との連携、職域拡大の検討などについて様々な意見が交わされました。

同社では、障害のある従業員が他の従業員を指導する「ジョブサポーター制度」を導入しており、従業員のモチベーションアップや支援体制の強化を図っています。このことにより、ジョブサポーターになりたいと意欲をもって働く従業員も増えたとのことで、障害のある従業員がリーダーシップを取ることで、他の従業員にも良い影響を与えているとのことです。また、障害者の働ける職場をさらに拡大していくため、職域拡大の取組みにも力を入れており、これまで外部に委託していた業務を障害のある従業員が担うことができるようになったとのことでした。

今回の訪問を通して、障害者にやりがいを持って働き続けてもらうための同社の長年の努力や多くの工夫を学ぶことができました。また、従業員一人ひとりと丁寧に向き合うことをとても大事にしていることを感じました。

労働委員会では今後もこうした取組を通じて、労働現場への理解を深め、労使双方が良好な関係を維持できるよう、活動を続けていきます。