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最新の文献から【臨床的研究】

C-24-3-1 皮膚バリアの構築と早期アトピー性皮膚炎との関連:縦断的出生コホート研究⇒出生時の皮膚バリア評価の意義Chittock J et al. Association between skin barrier development and early-onset atopic dermatitis: A longitudinal birth cohort study. J Allergy Clin Immunol 2024; 153: 732-41. ★★

128名の出生コホートを対象に、生下時からの経時的な皮膚バリア機能と4つの主要なフィラグリン遺伝子多型を評価して、生後12か月までのアトピー性皮膚炎発症との関連を検討。様々な皮膚バリア評価と発症との強い関連は見られなかったが、フィラグリン遺伝子多型とは関連が見られた。これらの評価指標を組み合わせることで早期からの発症リスク予測につながるか、さらに検討が必要。

 

C-24-3-2 牛乳、ピーナッツ、鶏卵アレルギーの成人患者における経口面英療法の長期的臨床成績:パイロット調査⇒成人の効果は限定的Thomander T et al. Long-term clinical outcome of oral immunotherapy in adults with milk, peanut, and egg allergy: a pilot study. J Allergy Clin Immunol Pract 2024; 12: 776-8.

成人の食物アレルギーの治療成績に関する報告は限られている。本論文は、成人食物アレルギー患者30名に対して経口免疫療法を施行した成績をまとめた。2年以上継続できたのは14名にとどまった。中断した16名の理由は社会的理由(引っ越し、妊娠、意欲低下)が7名、副反応が10名であった。

C-24-2-1 ピーナッツアレルギーの成人期および思春期患者におけるASP0892の安全性と免疫薬理:2つのランダム化試験⇒安全性は確認できたFerslew BC et al. Safety and immunopharmacology of ASP0892 in adults or adolescents with peanut allergy: two randomized trials. Allergy 2024; 79: 456-470.

ピーナッツDNAワクチンであるASP0892(皮下注、筋注)の安全性、有効性について31名の成人例、20名の思春期例を対象に検証。局所の発赤が見られたが、重篤な副作用はなく、一定の免疫学的変化が見られた。但し、臨床的効果は見られなかった。今後はカプセル化してより効率的に取り込まれるようにすることや、投与量の変更、投与期間の延長など、さらなる工夫が必要。

 

C-24-2-2 卵に対するアレルギー反応の重症度や閾値の予測因子としての好塩基球活性化試験(BAT)⇒BATをもっと臨床に役立てようRadulovic S et al. Basophil activation test as predictor of severity and threshold of allergic reactions to egg. Allergy 2024; 79: 419-431. ★★★

150名の小児に対して通常加熱卵製品(baked egg)に対する二重盲検法による負荷試験を施行し、パスした症例にはさらに低加熱卵製品(loosely cooked egg)の負荷試験を施行。負荷試験結果とBAT、特異IgE値、皮膚プリックテストなどとの関連を検討した。その結果、BATがアレルギー反応の重症度、閾値を予測する最も良いバイオマーカーであった。

 

C-24-2-3 電子医療記録データを用いて食物アレルギーのリスクを層別化するための機械学習のアプローチ⇒機械学習でリスクを選別Landau T et al. A machine learning approach for stratifying risk for food allergies utilizing electronic medical record data. Allergy 2024; 79: 499-502.

機械学習の手法を用いて、4077名の食物アレルギー患者、95686名の対照者のデータベースを後方視的、横断的に解析して食物アレルギーのリスクを層別化。妊娠中や乳児期の抗菌薬投与、乳児期のアトピー性皮膚炎、などのリスク因子が同定された。

 

C-24-2-4 スフィンゴ脂質のクラスと小児喘息や喘息リスク因子との相互関係⇒スフィンゴ脂質と喘息の関係を網羅的に解析Chen Y et al. Sphingolipid classes and the interrelationship with pediatric asthma and asthma risk factors. Allergy 2024; 79: 404-418.

997名の6歳小児コホートを対象に、77種の血中スフィンゴ脂質と小児喘息、呼吸機能、その他のリスク因子などとの関連を検討。スフィンゴ脂質の増加は喘息やリスク因子と関連していた。中でもセラミド増加は、リスク因子とのみ関連していた。

 

C-24-2-5 第一相試験によるピーナッツアレルギーペプチド免疫療法の安全性と作用機序⇒安全性は確認有効性は?Voskamp AL et al. Phase 1 trial supports safety and mechanism of action of peptide immunotherapy for peanut allergy. Allergy 2024; 79: 485-498.

ピーナッツ抗原由来の7つの短いペプチドを組み合わせた製剤であるPVX108の安全性及び作用機序につき第一相試験で検討。好塩基球活性化試験では活性化能は低く、ヒトへの投与でも安全性が確認された。免疫学的にはピーナッツ反応性ヘルパーT細胞フェノタイプのうち、CCR6陽性Th17 / ST2陽性Th2A比の低下が認められた。

 

C-24-2-6 鶏卵に感作された乳児は出生時からCD4陽性エフェクターメモリー制御性T細胞を持っている⇒生まれる時から決まっている?Gamez C et al. Egg-sensitized infants have elevated CD4+ effector memory T regulatory cells from birth. Clin Exp Allergy 2024; 54: 34-45. ★★

生後4~6か月の乳児92名(卵感作例41名、非感作例51名)について免疫学的特徴を解析。感作乳児では、血中CD4陽性制御性T細胞、CD4陽性エフェクターメモリー制御性T細胞、好塩基球表面IgE受容体I発現増強、などが見られた。これらの変化は出生時点の臍帯血でも観察された。

 

C-24-2-7 スウェーデンの乳児食事ガイドライン改訂はアレルゲン性のある食品の早期摂取に結び付いている⇒でもアレルギーは減ってないOsterlund J et al. Revised Swedish infant feeding guidelines are associated with earlier introduction of allergenic foods. J Allergy Clin Immunol 2024; 153: 461-470. ★★★

スウェーデンでは2019年にガイドラインが改訂され、生後1年目にアレルゲン性のある食品の早期摂取が推奨されるようになった。そこで改訂前の2016~2018年生まれ1925名と、改訂後の2019~2021年生まれ1761名の出生コホートを対象に調査したところ、摂取開始時期は確かに早まったが、生後18か月までの湿疹、食物アレルギー、IgE感作率に有意差はなかった。

 

C-24-2-8 小児における網羅的メタボロームプロファイリングによって同定された喘息、アトピーの新たな経路⇒喘息が最も特異的Lejeune S et al. Untargeted metabolomic profiling in children identifies novel pathways in asthma and atopy. J Allergy Clin Immunol 2024; 153: 418-34.

アメリカとフランスで計1470名の小児をリクルートして、アトピー体質の有無、喘息の有無により4群に分類してメタボローム解析を行なった。喘息あり群が最も特異的なパターンを示し、胆汁酸、スフィンゴ脂質、リン脂質などの増加、ポリアミン、トリプトファン、γグルタミン酸などの低下、などの特徴が見られた。宿主‐病原体、または腸内細菌の反応による修飾が示唆される。

 

C-24-2-9 小児および親に対する舌下アレルゲン免疫療法の実臨床におけるコンプライアンスと決定因子⇒3年続けるのは半数程度Okubo Y et al. Real-world compliance and determinants for sublingual allergen immunotherapy in children and parents. Allergy 2024; 523-525. ★★

舌下免疫療法(SLIT)の十分な効果を得るためには少なくとも3年継続することが必要とされるが、実臨床でのコンプライアンスは不明であった。本研究では、日本メディカルセンターの2015年から2021年のデータベースを用いて3種類(シダキュア、ミティキュア、アシテア)のSLITのコンプライアンスを検討。開始3年後のコンプライアンスは半数程度に低下。低年齢小児ほどコンプライアンスは良く、逆に思春期は最低であった。若年成人では子どもと一緒にやっているとコンプライアンスが良かった。

 

C-24-2-10 乳児における卵白、牛乳、小麦の定量的リスク評価⇒乳児の閾値は?Takada K et al. Quantitative risk assessment of egg-white, milk and wheat in infants. Allergy 2024; 533-536.

乳児期早期からのアレルゲン性食品摂取が食物アレルギー予防につながるといわれているが、どの程度の量が安全で有効かは不明である。本研究では、2014年から2022年の間に国立成育医療研究センターで実施された鶏卵、牛乳、小麦の経口負荷試験データを後方視的に解析、乳児におけるED05(5%の症例で誘発症状が起こる量)を算出。但し、地域差が想定されること、重症例に偏っていること、などの問題があり、一律の基準設定は難しい。

 

C-24-2-11 乳幼児のアナフィラキシー治療におけるアドレナリン投与に関連する因子⇒早期診断とアクションプランが重要Pistiner M et al. Factors associated with epinephrine use in the treatment of anaphylaxis in infants and toddlers. J Allergy Clin Immunol Pract 2024; 12: 364-371.

アナフィラキシー治療時に、とりわけ乳幼児において必要時にアドレナリン使用率が低いことが問題とされている。本研究では食物アレルギーによる重篤なアナフィラキシーを経験した3歳未満小児の保護者に対してアドレナリン使用状況を調査。過去に食物アレルギーと診断されていること、アクションプランを提供されていることがアドレナリン使用を高めることにつながっていた。

 

C-24-2-12 国民健康栄養試験調査(NHANES)および多民族動脈硬化調査(MESA)において、一般的な食物抗原に対するIgEが循環器疾患死亡率と関連している⇒感作だけでも有害?Keet C et al. IgE to common food allergens is associated with cardiovascular mortality in the National Health and Examination Survey and the Multi-Ethnic Study of Atherosclerosis. J Allergy Clin Immunol 2024; 153: 471-478. ★★★

成人の2つのコホート(NHANES4414名とMESA960名)を用いて、食物アレルゲン感作と循環器疾患死亡リスクとの関連を検討。少なくとも1つのアレルゲン、特に牛乳、陽性例のハザード比は有意に高かった。習慣的にアレルゲンを摂取している人に限るとハザード比はさらに上昇し、エビ、ピーナッツもリスク因子となった。今回見つかった関連性の機序や因果関係は不明であるが、今後の検討が必要。

 

C-24-2-13 小児における経口負荷試験結果の予測因子⇒少量でも食べていたほうが良い?Ito N et al. Predictors of oral food challenge outcome in young children. Clin Exp Allergy 2024; 54: 64-66.

2021年から2022年にかけて東京の一施設で実施された食物経口負荷試験1478回の結果を分析。定期摂取(原因食物を閾値以下の量で定期的に摂取すること)をしていると、特に鶏卵やピーナッツにおいて負荷試験時の閾値が有意に低下することを示した。免疫寛容が誘導されるものと推測。

 

C-24-2-14 多項目食物アレルギー治療としてのオマリズマブ⇒ランダム化試験で有効性を確認Wood RA et al. Omalizumab for the treatment of multiple food allergies. N Eng J Med 2024. DOI: 10.1056/NEJMoa2312382. ★★★

ピーナッツおよび他に少なくとも2つ以上の食物アレルゲンに反応する患者177名を対象にオマリズマブを2~4週毎に16~20週投与群とプラセボ群で閾値上昇の有無を比較。投与群ではピーナッツ(67% vs 7%)、及び他のアレルゲンに対して反応閾値が有意に上昇していた。今後はより長期投与の有効性や、治療中断後の経過について追跡する予定。

 

C-24-2-15 IgE依存性牛乳アレルギー小児の管理のための段階的解除法(milk ladder)の安全性と有効性⇒自宅で少しずつ、が有効Heng TA et al. Safety and effectiveness of a milk ladder for managing children with IgE-mediated milk allergy. Clin Exp Allergy 2024; 54: 61-63. ★★

2011年から2020年までに自宅での段階的解除(milk ladder)を実施した171名小児の経過を後方視的に検討。87%の症例で解除に成功した。アレルギー反応は起こったが、3例のアナフィラキシー誘発は誤食事故によるものであった。

 

C-24-1-1 マウスおよびヒトの皮膚において、家庭用洗濯洗剤がバリアを障害して炎症を惹起する⇒ゆすぎ残しがアレルギーを招くRinaldi AO et al. Household laundry detergents disrupt barrier integrity and induce inflammation in mouse and human skin. Allergy 2024; 79: 128-141.

皮膚バリア機能の障害がアレルギー疾患に結び付く可能性が指摘されている。本研究では、家庭用洗剤やSDSが皮膚バリア機能に与える影響をin vivoのマウス皮膚とex vivoのヒト皮膚で検討。洗剤はEISやTEWLで評価した皮膚バリア機能を障害した。また、プロテオミクス解析で皮膚バリアに関連した遺伝子発現に変化がみられた。

 

C-24-1-2 生後から15歳までの小児におけるアトピー性皮膚炎併存疾患のつながり⇒網羅的解析で見た他疾患との関連Kim JH et al. Cascade of atopic dermatitis comorbidities in children after birth to 15 years. Allergy 2024; 79: 153-163.

韓国で2002年に出生したコホートの国民健康保険データを15歳まで追跡し、アトピー性皮膚炎症例67632例と対照群270528例について併存疾患の種類や頻度を時系列で比較。熱性痙攣に始まり、便秘、ぜん息、その後は食物アレルギー、アレルギー性鼻炎、精神疾患、自己免疫疾患など多くの疾患がアトピー性皮膚炎と関連していた。

 

C-24-1-3 妊娠中の母の菜食主義と子どものアトピー性皮膚炎発症との関連⇒発症減らすかもSu YC et al. Association between a maternal vegetarian diet during pregnancy and the occurrence of atopic dermatitis in children. Pediatr Allergy Immunol 2023; 34: e14052.

台湾で2005年に生まれた24,200組の母子コホートから背景をマッチさせて408名の菜食主義者と4080名の非菜食主義者を抽出。生後18か月時点の児のアトピー性皮膚炎発症率を比較すると、菜食主義者の母から生まれた児のほうが低かった(オッズ比0.65)。

 

C-24-1-4 スギ花粉症患者において舌下免疫療法は抗原特異IgEの結合活性を低下させる⇒IgEの結合活性を変えるNakamura K et al. Sublingual immunotherapy decreases the avidity of antigen-specific IgE in patients with Japanese cedar pollinosis. Allergy 2023; 78: 3268-3271. ★★

スギ花粉症で舌下免疫療法を受けた60名と対照群10名について抗原特異的IgEの結合活性をInhibition Assayで評価。治療により結合活性は経時的に低下した。それと平行してTfh2細胞頻度は変化なかったが、Tfh13細胞頻度は上昇しており、結合活性低下の機序を説明するのかもしれない。

 

C-24-1-5 ピーナッツ経口免疫療法後に持続的脱感作に到達した小児の長期間追跡調査⇒持続的脱感作のその後は?Lee ASE et al. Lont-term follow-up of children who achieved sustained unresponsiveness after peanut oral immunotherapy. J Allergy Clin Immunol Pract 2024; 12: 255-6. ★★

経口免疫療法を行って持続的脱感作に到達した小児44例について、その後の実生活におけるピーナッツ摂取の実態を中央値で552日後(146~1588日後)まで追跡。全例がピーナッツ摂取を維持できていた。

 

C-24-1-6 乳児期の経口負荷試験における、ピーナッツ摂取による多臓器症状の頻度と予測因子⇒Arah2が最もよい指標にKeet CA et al. Frequency and predictors of multisystem reactions to peanut in infant oral food challenges. J Allergy Clin Immunol Pract 2024; 12: 252-254. ★★

ピーナッツアレルギー乳児52名(年齢中央値8か月)につき、経口負荷試験による全身反応の頻度や予測因子を検討。アドレナリン投与を必要とする全身反応は23%で見られた。Arah2特異的IgE値が全身反応出現の予測に最も有用であった。

 

C-24-1-7 1~4歳のピーナッツアレルギー児におけるピーナッツ舌下免疫療法後の脱感作と寛解⇒低年齢ほど有効Kum EH et al. Desensitization and remission after peanut sublingual immunotherapy in 1- to4-year-old peanut-allergic children: a randomized placebo-controlled trial. J Allergy Clin Immunol 2024; 153: 173-81. ★★★

50名のピーナッツアレルギー幼児(1~4歳)を対象に、舌下免疫療法(SLIT)実施群25例、プラセボ群25例に分けて、その有効性を検討。36か月間の実施後、SLIT群の脱感作率は79%、その後3か月中断後の寛解率は63%であった(プラセボ群ではいずれも0%)。低年齢群ほど有効率が高かった。危険な副反応は起きなかった。

 

C-24-1-8 二重盲検プラセボ対照食物負荷(DBPCFC)とオープン法の比較⇒かつてゴールドスタンダードと言われたが…Jessen FB et al. A comparison of double-blind, placebo-controlled food challenge and open food challenge. Allergy 2023; 78: 3204-11. ★★

小児および成人のピーナッツアレルギー患者に対してDBPCFC法(86回)とオープン法(318回)の経口負荷試験を実施して、陽性反応の重症度や閾値を比較。DBPCFC法は手間暇かかるわりにはその優位性を示す結果は得られなかった。一方でDBPCFC法のほうがグレード3の誘発症状の頻度が高かった。プラセボ負荷で誘発症状がみられたのは1例のみだった。

C-23-12-1 腸内細菌叢は食物アレルギー小児においてぜん息および人種と関連している⇒人種差は菌叢差?Mahdavinia M et al. Gut microbiome is associated with asthma and race in children with food allergy. J Allergy Clin Immunol 2023; 152: 1541-9. ★★

黒人食物アレルギー(FA)児は白人食物アレルギー児よりもぜん息合併率が高いことが知られている。本研究では30名の黒人FA児、122名の白人FA児を対象に、腸内細菌叢を検索。BacteroidesやBifidobacteriumなど人種による腸内細菌分布の差がぜん息合併率の差と関連していた。

 

C-23-12-2 ピーナッツアレルギーの進展における腸内細菌叢とメタボロームの縦断的な変化⇒変化を追跡してわかったことChun Y et al. Longitudinal dynamics of the gut microbiome and metabolome in peanut allergy development. J Allergy Clin Immunol 2023; 152: 1569-80. ★★★

アレルギーリスクのある122名の出生コホートにつき、乳児期と小児期(9歳前後)に腸内細菌叢や代謝産物の解析を行い、その変化を観察。122名中35名がピーナッツアレルギーを発症し、87名は発症しなかった。発症児と非発症児で乳児期の腸内細菌α多様性やメタボロームの違い、さらにはその後小児期にかけての変化に違いが観察された。とりわけ、発症の回避と酪酸、イソ吉草酸の産生が正に、ヒスチジン代謝経路が負に関連していた。

C-23-11-1 食物摂取早期開始のガイドラインに更新された後の、オーストラリアにおける乳児の救急受診⇒アナフィラキシー受診頻度に変化なしChow SJ et al. Australian infant food allergy emergency presentations following updated early food introduction guidelines. J Allergy Clin Immunol Pract 2023; 11: 3473-7.

オーストラリアでは2016年にガイドラインが改訂され、アレルギー食品の早期摂取を特にハイリスク児で促すようになった。その結果、食物アレルギーやアナフィラキシー増加につながることが懸念されたが、2015年から2018年にかけて食物アレルギーはやや増加したがアナフィラキシーの増加はなかった。

 

C-23-11-2 腸内細菌叢のエンテロタイプによって喘息の炎症の特徴が異なる⇒腸-肺枢軸のエビデンスSohn KH et al. Different inflammatory features of asthma according to gut microbiome enterotype. Allergy 2023; 2997-3000. ★★

80名の喘息患者と45名の対照者について腸内細菌を分析。喘息患者において、クラスター分析によって3つのエンテロタイプ(G1、G2、G3)が同定され、G1からG3になるにつれて喘息の炎症パターンはnonTh2タイプとなった。喘息炎症のエンドタイプが腸内細菌のエンテロタイプと関連するというエビデンスが得られた。

 

C-23-11-3 食物アレルギーモデルマウスにおいて短鎖および長鎖フルクタンの組み合わせによる経口摂取が腸内細菌叢を変化させ、食物アレルギー予防につながる⇒フルクタンの組み合わせが有効Takahashi H et al. Combined oral intake of short and long fructans alters the gut microbiota in food allergy model mice and contributes to food allergy prevention. BMC Microbiology 2023; 23: 266. ★★

食物アレルギーモデルマウスにおいて、短鎖フルクタン(1-kestose)と長鎖フルクタン(inulin)を組み合わせて投与することで、腸内細菌叢の変化を伴って食物アレルギー発症が抑制された。

 

C-23-11-4 小児における食物たんぱく誘導性腸炎(FPIES)の耐性獲得⇒半数は2歳までに耐性獲得Okura Y et al. Tolerance acquisition in solid food protein-induced enterocolitis syndrome in children. Clin Exp Allergy 2023; 53: 1216-1218.

一施設で経験したFPIES症例57例の経過を後方視的に観察。卵黄または小麦によるFPIESの50%は2歳までに耐性を獲得した。男女差や特異IgEの有無による差はなかった。不必要な除去をなくすために定期的な評価が必要。

 

C-23-11-5 スウェーデンの双生児研究における腸内細菌叢と喘息⇒有意差なしMubanga M et al. The gut microbiome and asthma in a Swedish twin study. Clin Exp Allergy 2023; 53: 1212-15.

スウェーデンの双生児コホートを用いた研究で、喘息児と対照児の間で腸内細菌叢の構成に有意差はなかった。

 

C-23-11-6 予測因子に注目した実臨床における経口食物負荷試験の結果⇒アメリカの一施設における負荷試験のまとめMustafa SS et al. Outcomes of oral food challenges in a real-world setting, with predictors of outcomes. Ann Allergy Asthma Immunol 2023; 131: 655-660.

過去3年にわたるアメリカの一施設における経口負荷試験の成績をまとめた。

C-23-10-1 経口免疫療法によって鶏卵や牛乳から脱感作した小児における運動誘発アレルギー反応⇒牛乳のほうがリスク高いTsuji G et al. Exercise-induced allergic reactions in children desensitized to hen’s eggs and cow’s milk by oral immunotherapy. J Allergy Clin Immunol Pract 2023; 11: 3187-94. ★★★

2010年から2014にかけて急速経口免疫療法を行った鶏卵アレルギー48例、牛乳アレルギー32例について、脱感作後に摂取後運動誘発試験を行なって症状誘発したもの、または試験はパスしたが実際にエピソードのあったものをEIARDとしてその頻度を検討した。鶏卵アレルギーで21%、牛乳アレルギーで53%がEIARDと判定された。さらに5年度でも鶏卵アレルギーで2.1%、牛乳アレルギーで34.4%において症状が残存していた。

 

C-23-10-2 即効性、粉末タイプ、針不使用の点鼻エピネフリンスプレー:アナフィラキシーの将来の治療⇒針の恐怖からの解放Tal Y et al. Fast acting, dry powder, needle-free, intranasal epinephrine spray: a promising future treatment for anaphylaxis. J Allergy Clin Immunol Pract 2023; 11: 3047-54. ★★◎

エピネフリン筋注の自己注射薬に代わってスプレー方式のエピネフリン薬(FMXIN002)が開発された。筆者らは、12名の成人を対象に投与試験を行なった結果を報告。筋注と比べて効果発現はより早く、針不使用で、ポケットサイズで、安全で、利用者にとって便利であり、筋注に代わるものとして期待できる。

 

C-23-10-3 アトピー性皮膚炎予防のためのエモリエント製剤:BEEP試験における費用対効果⇒スキンケアを費用対効果の視点で評価Sach TH et al. Emollients for preventing atopic eczema: cost-effectiveness analysis of the BEEP trial. Clin Exp Allergy 2023; 53: 1011-9.

1394名の乳児を対象にしたBEEP試験で毎日のエモリエント製剤による保湿が湿疹を予防する効果について検証。生後の1年間に保湿することに費用対効果はないとの結論に。

 

C-23-10-4 食物アレルギーおよび好酸球性胃腸障害における特徴的なCRTH2陽性CD161陽性(peTh2)メモリーCD4陽性T細胞サイトカインのプロフィール⇒両疾患で共通点と相違点Makiya MA et al. Distinct CRTH2+CD161+(peTh2) memory CD4+T-cell cytokine profiles in food allergy and eosinophilic gastrointestinal disorders. Clin Exp Allergy 2023; 53: 1031-1040.

食物アレルギーおよび好酸球性胃腸障害(EGID)においては健常者と比べてpeTh2細胞が増加していたが、そのサイトカインプロフィールには違いがあり、EGIDではIL-5やIL-13を産生したのに対し、食物アレルギーではIL-17AやIFN-γを産生した。

 

C-23-10-5 アナフィラキシー歴のある患者に対する少量ピーナッツ負荷試験後の長期予後⇒少量負荷で予後を予測Akamatsu N et al. Long-term prognosis after low-dose peanut challenge for patients with a history of anaphylaxis. Pediatr Allergy Immunol 2023; 34: e14031. ★★

ピーナッツ少量負荷を行ったピーナッツアレルギー小児を対象にその後の経過を後方視的に検討。少量負荷パス群ではアナフィラキシー歴の有無にかかわらず、その後2年間で耐性獲得する頻度が多かった。

 

C-23-10-6 乳児に対するピーナッツ早期摂取:電子カルテの標準化によるガイドライン遵守の改善⇒支援ツールで早期摂取を促すHerlihy LE et al. Early peanut introduction in infants: improving guideline adherence with EMR standardization. Pediatrics 2023; 152: e2023062371.

早期からのピーナッツ摂取がピーナッツアレルギー予防に有効とのエビデンスはあるが、その実践は臨床現場でまだ広まっていない。アメリカで乳児期からのピーナッツ摂取を促すため、電子カルテ内に支援ツールを作成し小児科健診の現場に広めることで、ピーナッツ早期摂取率が0%から34.6%に向上した。

C-23-9-1 ELFEコホートにおいて補完食の摂取状況は食物アレルギーのリスクと関連する⇒早期摂取のアレルギー予防効果を疫学データで示すAdam T et al. Complementary feeding practices are related to the risk of food allergy in the ELFE cohort. Allergy 2023; 78: 2456-2466. ★★★

フランスにおける6662名の小児コホート(ELFE)を対象に乳児期の補完食(complementary feeding)摂取状況と5歳までのアレルギー疾患との関連を検討。補完食開始の遅れ(6ヶ月以降)は食物アレルギーと、生後8か月で食事多様性が低いことは喘息と、生後10か月で2種類以上の主要アレルギー原因食品を摂取していないことは鼻結膜炎や食物アレルギーと関連していた。最後の関連は早期アレルギー発症群を除外した解析でも有意性が残った。

 

C-23-9-2 ピーナッツアレルギー小児に対するピーナッツ経皮免疫療法における免疫応答の進展⇒IgG4/IgE比が予測に有用Bastin M et al. Immune response evolution in peanut epicutaneous immunotherapy for peanut-allergic children. Allergy 2023; 78: 2467-2476. ★★

ピーナッツアレルギーに対するViaskinを用いた経皮免疫療法による血中抗体価の変化を追跡。治療群ではピーナッツ特異IgG4が上昇した。特異IgG4/特異IgEの比率やArah1特異IgE値の組合せで治療反応性予測が可能であった。

 

C-23-9-3 牛乳アレルギー小児におけるステップダウンアプローチ:ランダム化コントロール試験の結果⇒加水分解乳で安全に耐性誘導Nocerino R et al. The step-down approach in children with cow’s milk allergy: Results of a randomized controlled trial. Allergy 2023; 78: 2477-2486.

60名の母乳栄養をしていない生後6ヶ月未満の牛乳アレルギー小児を対象に、最低4週間のアミノ酸乳摂取後、カゼイン加水分解乳+Lacticaseibacillus rhamnosus GG摂取に切り替えた群(ステップダウン群)とアミノ酸乳を続けた群で12か月後の耐性獲得率を比較。ステップダウン群では29名中14名が耐性獲得したのに対し、アミノ酸乳群では30名中1名しかしなかった。ステップダウンアプローチは安全に耐性誘導できた。

 

C-23-9-4 モモアレルギーに関するヨーロッパと日本の研究:Prup7に対するIgEが重症度と関連する⇒ヨーロッパと日本で同時に解析Kallen EJJ et al. A European-Japanese study on peach allergy: IgE to Pru p7 associates with severity. Allergy 2023; 78: 2497-2509. ★★

ヨーロッパの12施設および日本の1施設から計1231名のモモに感作またはモモによる誘発症状のある患者を選び、5つのモモコンポーネントとスギ花粉コンポーネントであるCup s7に対する特異IgE値を測定。Pur p7感作が重篤なモモアレルギーのリスク因子となることを確認。血清学的検査と臨床的及び人工統計学的背景を合わせることでより重篤度を予測できる可能性がある。

 

C-23-9-5 卵加工品や軽く調理した卵に対するアレルギーを予測するために、ダブルブラインドプラセボ対照食物負荷(DBPCFC)と比較したアレルギー検査の診断的有用性⇒BATがベストKrawiec M et al. Diagnostic utility of allergy tests to predict baked egg and lightly cooked egg allergies compared to double-blind placebo-controlled food challenges. Allergy 2023; 78: 2510-2522. ★★◎

卵アレルギー疑いの150名小児を対象に好塩基球活性化試験(BAT)、特異IgE、皮膚プリックテストを行ない、続けて卵加工品や軽く調理した卵を用いたDBPCFCを行って、各検査の精度を比較。BATが最も正確な診断につながり、負荷試験の実施回数を減らすのに有効であった。

 

C-23-9-6 妊娠中の母親へのω3補充は子どもの食物アレルギーリスクを低下させるが、小児への補充は効果がない⇒生まれる前からの介入が大事Huynh LBP et al. Maternal omega-3 supplementation during pregnancy, but not childhood supplementation, reduces the risk of food allergy diseases in offspring. J Allergy Clin Immunol Pract 2023; 11: 2862-71.

ω3不飽和脂肪酸投与がアレルギー予防に有効とされているが、どのタイミングで補充すべきか明らかではない。本研究では、妊娠中の母親または生まれてからの小児に対するω3補充が生後3年以内、または3年以降の食物アレルギーリスクに与える影響について過去文献をメタ分析した。その結果、妊娠中または授乳中の母への補充が最も効果的であり、逆に小児への投与は効果がなかった。

 

C-23-9-7 腸内細菌の成熟度が小児の食物アレルギーに対する予防効果をもたす⇒出生順位効果は腸内細菌で説明できるGao Y et al. Gut microbiota maturity mediates the protective effect of siblings on food allergy. J Allergy Clin Immunol 2023; 152: 667-75. ★★★

兄弟が多いと食物アレルギーになりにくいことが知られているがその機序は不明であった。本研究では1074名の出生コホートを対象に、生後1ヶ月、6ヶ月、1歳での腸内細菌叢解析と1歳時点での食物アレルギーの有無を検討。ランダムに抽出した323名について、microbiota-by age z score (MAZスコア)を求めて成熟度の指標とした。兄弟が多いとMAZスコアが高くなり、食物アレルギーのリスクは低下した。成熟度は兄弟が多いことによる食物アレルギー抑制効果に63%ほど関与していると考えられた。

 

C-23-9-8 妊娠中の食事多様性と子どもの早期のアレルギー症状⇒食物アレルギー予防は妊娠中の食事からBoden S et al. Diet diversity in pregnancy and early allergic manifestations in the offspring. Clin Exp Allergy 2023; 53: 963-968. ★★★

スウェーデンの出生コホートを用いた前方視的研究により、妊娠中の母親の多様な食事摂取が小児期早期の食物アレルギー発症を抑制することを報告。他のアレルギー疾患には影響がなかった。

 

C-23-9-9 COVID-19によるロックダウン中に生まれたCORALコホートにおける生後2年目のアレルギーの状況⇒コロナで乳幼児のアレルギーはどう変わった?Hurley S et al. Atopic outcomes at 2 years in the CORAL cohort, born in COVID-19 lockdown. Pediatr Allergy Immunol 2023; 34: e14013. ★★

2020年の新型コロナウイルスによるロックダウン時に生まれた365名を2歳まで追跡してアレルギー疾患の状況をパンデミック前と比較。アトピー性皮膚炎有症率は上昇したが、食物アレルギー発症は低下傾向であった。食物アレルゲン早期摂取の介入が有効であった可能性、抗菌薬の使用が減って母乳栄養が増えたことなどにより腸内細菌叢が変化して耐性誘導を促進した可能性、などが考えられるが、一般化するにはコホート規模が小さくバイアスがかかっている可能性も。

 

C-23-9-10 アドレナリン事故注射薬による薬剤副反応:フランス薬剤ビジランスデータベースの解析⇒手指への誤注射が一番多いPouessel G et al. Adverse drug reactions from adrenaline auto-injectors: Analysis of the French pharmacovigilance database. Clin Exp Allergy 2023; 53: 955-958. ★?

1984年から2022年にかけてのフランスにおける薬剤による副反応のデータベースをもとにアドレナリン事故注射薬の副反応を解析。42件あり、そのうち28件は過去4年間に起こったものであった。手指に誤って針を刺すケースが33件で最も多かった。

 

C-23-9-11 健康乳児コホートにおける、IgE依存性及びIgE非依存性食物アレルギー小児の早期成長に関する縦断的評価⇒IgE依存性と非依存性で違うRosow R et al. Longitudinal assessment of early growth in children with IgE- and non-IgE-mediated food allergy in a healthy infant cohort. Ann Allergy Asthma Immunol 2023; 131: 362-368.

903名の健康な小児コホートを対象に、IgE依存性、および非依存性食物アレルギーを発症した児の成長につき前方視的に調査。IgE非依存性である食物蛋白誘導性アレルギー性直腸炎(FPIAP)例では疾患罹患中の生後1年目には成長障害がみられたもののそれ以後は回復した。一方、IgE依存性の場合、特に複数の食物アレルゲンがある場合は、1年後から優位な成長障害がみられた。

 

C-23-9-12 食物アレルギーと乳児期栄養法関連はあるのか?⇒母乳栄養で食物アレルギー多い結果にLachover-Roth I et al. Food allergy and infant feeding practices. Are they related? Ann Allergy Asthma Immunol 2023; 131: 369-375.

1989人の乳児を対象に、生後2か月までの栄養法に基づき、母乳群、混合群、人工乳群に分けて生後12か月までの食物アレルギー発症率を比較。母乳栄養児で有意に高い結果となった。

C-23-8-1 カナダアナフィラキシー登録制度のデータからみた小児の小麦誘発アナフィラキシー:臨床的特徴と管理⇒小麦アレルギーでアナフィラキシーを起こす子どもの特徴Perlman L et al. Pediatric wheat-induced anaphylaxis from the Cross-Canada Anaphylaxis Registry: Clinical characteristics and management. J Allergy Clin Immunol Pract 2023; 11: 2592-4.

カナダにおいて2011年から2022年にかけてアナフィラキシーの登録制度に登録された小麦アレルギーによる小児のアナフィラキシー113例を分析した。4分の1の症例では病院受診前、受診後を含めてアドレナリン投与が行われていなかった。

 

C-23-8-2 食物アレルギーに対する経口免疫療法の自宅摂取時における重症アナフィラキシー反応⇒自宅で誘発するリスク因子は?Nachshon L et al. Severe anaphylactic reactions to home doses of oral immunotherapy for food allergy. J Allergy Clin Immunol Pract 2023; 11: 2524-33. ★★

経口免疫療法(OIT)中に自宅でアドレナリン投与を必要とする重症のアナフィラキシーを起こした症例につき検討した。一施設で2010年から2020年までにOITを実施した1637症例中、30例が該当した。そのうち9症例は反復性で、3例はICU管理となった。リスク因子として、牛乳OIT、喘息例、ダニ感作、などが挙げられた。

 

C-23-8-3 小児におけるアレルギー性鼻炎の疫学:体系化した総説とメタ分析⇒子どもの鼻炎過去10年間の動向Licari A et al. Epidemiology of allergic rhinitis in children: a systematic review and meta-analysis. J Allergy Clin Immunol Pract 2023; 11: 2547-56. ★★★

2012年から2022年にかけて発表された小児アレルギー性鼻炎(AR)に関する文献のうち22文献を厳選し、メタ分析を行なった。医師診断によるAR頻度は10.48%、自己申告によるAR現症は18.12%、自己申告によるAR既往は19.93%であった。医師診断によるARはこの10年で増加傾向にあった。

 

C-23-8-4 母及び乳児期の血清カロテノイドが乳児期のアトピー性皮膚炎発症と関連している⇒母のカロテノイドに予防効果Inoue Y et al. Maternal and infant serum carotenoids are associated with infantile atopic dermatitis development. Allergy 2023; 78: 2323-2326. ★★

妊娠中の母の野菜摂取が児のアトピー性皮膚炎を予防するとのデータはあるが、カロテノイド量を直接測定して比較した報告はなかった。本研究では、妊娠36週における母の血中カロテノイド量や、母乳中、臍帯血中、生後1歳時点での児血中のカロテノイド量を測定して、生後1歳までのアトピー性皮膚炎発症との関連を検討。母の血中カロテノイド量が低いと児のアトピー性皮膚炎発症リスクが高いという有意の関連を示した。

 

C-23-8-5 胆汁酸第二経路は小児期早期における食物アレルギー持続を予測する⇒胆汁代謝物が食物アレルギーの経過を左右するLee SY et al. The alternative bile acid pathway can predict food allergy persistence in early childhood. Pediatr Allergy Immunol 2023; 34: e14003.

乳児期の腸管内メタボローム解析と、食物アレルギー発症や持続との関連を検討。食物アレルギー児と健常児では胆汁代謝物に相違が見られた。食物アレルギー児では、第二経路で合成された一次性胆汁代謝物が低下していた。さらに食物アレルギー持続例では、健常児や寛解例と比べて相違が見られた。これら代謝物は血中鶏卵特異的IgEレベルと相関し、また食物アレルギー群では腸管内Clostridiaが減少しており、それはウルソデオキシコール酸と相関した。第二経路の一次性胆汁代謝物は食物アレルギーが持続することのバイオマーカーになり得るかは、今後の再現性を含めた検討にかかっている。

 

C-23-8-6 母の中等量ピーナッツ摂取が児のピーナッツ感作やアレルギーに対してもたらす予防効果⇒ほどほどに食べるのが良い?Landau T et al. The protective effects of moderate maternal peanut consumption on peanut sensitization and allergy. Ann Allergy Asthma Immunol 2023; 131: 231-8. ★★

LEAPスタディのデータをもとに、乳児期にピーナッツを除去していたハイリスク児303名を抽出し、授乳中の母のピーナッツ摂取が6歳時点での児のピーナッツ感作やアレルギー発症に与える影響を検討。母が授乳中に週5g未満の中等量ピーナッツ摂取をしていると、全く食べないかまたはそれ以上に食べていた例と比べて児のピーナッツ感作が有意に抑制され、また有意差はなかったがピーナッツ発症も抑制された。

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