食物アレルギー 当科の治療方針

早期解除を目指した食物アレルギーの段階的解除について

食物アレルギー 治療方針について
イラスト

段階的解除とは?

最近の研究により、普通に食べたらアナフィラキシーのような重大なアレルギー反応を起こす子でも、症状が出ない程度のごく少量の摂取から始めて1~2週間の短期間で急速に食べる量を増やしていくいわゆる急速経口免疫療法が早期に解除を得るために有効であることが報告されるようになり、注目を集めています。ただ、この治療を一般に導入するにはまだ確立されたプロトコールもなく、摂取量の増量中に思いもかけないアナフィラキシー反応を起こすリスクも高いです。当科では食物負荷試験により初期量(アレルギー反応が出ず安全に摂取できるだろうと思われる量)を確認した上で、初期量から始めて数カ月ぐらいかけて少しずつ摂取量を増やしていく、いわゆる段階的解除を行います。これは、より安全に早期の完全解除へつなげるための少なくとも現時点では一番現実的な方法と考えています。

具体的方法

1)食物負荷試験

30分ごとに増量する従来の方法でごく少量の食物負荷を行い、現状において症状が出ず安全に摂取できるだろうと思われる量(初期量)を決定します。

2)段階的食物解除

自宅で、初期量の食物を平日日中に摂取して、アレルギー反応が起こらないか経過を最低1時間観察します。問題なければその量での摂取を自宅で平日日中週2回程度続けます。約2か月毎に外来受診して、摂取量を2~3倍程度増量して最低1時間様子をみる増量負荷試験を行い、大丈夫ならその量でまた自宅で平日日中週2回の摂取を続けます。最終的な目標量は個々のケースで相談しながら決定します。目標量に達した後も、原則としてしばらくは継続的な摂取を続け、食べられる状態(持続的脱感作と言います)を維持します。

3)検査

施行前と施行中には定期的(おおむね半年ごと)に血液検査、皮膚検査などを行い、抗体価や皮膚反応の推移を追跡します。

緊急時対策

1)自宅での対応

増量中、または目標量に達して維持中に、何らかのアレルギー症状が出る可能性があります。急を要する症状はたいてい摂取して1~2時間以内に起こります。病院で観察中に起こったときは速やかに対応します。自宅で摂取したときにアレルギー反応が起こった時は、症状の程度に応じて頓服の内服薬や自己注射薬であるエピペンを使用していただき、速やかに病院へ連絡または受診して下さい。具体的な対応策については個別にお話します。

2)学校・園での対応

場合によっては朝に自宅で摂取した後、学校・園に行っている間にアレルギー反応が起こることもあり得ます。その場合は学校・園の先生に対応してもらう必要がありますので、事前に十分な話し合いが必要です。この点についても個別にお話させていただきます。

この方法に関する注意点

1)この方法はまだ確立されたものではなく、あくまでまだ試みの段階の解除法です。
2)実施してもすべての人に有効とは限りません。
3)いったん食べられるようになった摂取量においても、運動、体調不良、疲労など様々な要因によってアレルギー反応が再び起こる可能性があります。
4)摂取量が目標値に達した後でも、しばらく食べないでいると久しぶりに食べたときに再びアレルギー反応がおこることがあります。
5)緊急時の薬として、あらかじめ内服薬と自己注射薬(エピペン)を処方して保管しておいてもらいます。
6)自宅での摂取におけるアレルギー反応が心配な方は、一定期間入院していただいて病院で摂取を続ける方法もあります。その場合、学童なら守山養護学校へ転校する必要があります。
お問い合わせ
病院事業庁 小児保健医療センター
電話番号:077-582-6200
FAX番号:077-582-6304
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