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令和元年度実績

過去の特定健康診査結果を利用した特定保健指導時に活用できるツール

生活習慣病は自覚症状がほとんどないまま進行するため、健診は対象者個人が自ら健康状態を理解して生活習慣を振り返る絶好の機会と位置付けることができます。そこで、過去の健診結果を活用し、健診対象者が自らの健康状態を理解しやすいツールを活用することで、健診結果に客観性が加わり、行動変容を促すことが期待できます。

本ツールは、実際のメタボ該当者に対する特定保健指導時に活用することを想定しています。従来の指導材料と併用して、本ツールを使って指導することで、メタボ該当者に対してより強い行動変容を促す事が可能と考えられます。

ツールの見方、使い方については、以下のパワーポイント資料をご覧ください。

本ツールの有用性

 協力いただいた県内5市1町の特定保健指導等の指導現場で本ツールを試験的に利用してもらいました。その結果、自分の順位を知って『驚いた』や『知って良かった』と回答した割合は76.1%であり、これらの回答をしたメタボ該当者のうち、『行動変容を起こそうと思った』割合は78.6%でありました。また、実際に本ツールを使用して指導を行った保健師や栄養士など指導者が『指導の参考になった』と回答した割合は、90.0%でありました。

この結果から、本ツールを用いて保健指導することで、より行動変容を促しやすい結果になることが考えられました。

なお、本ツールは、当所から滋賀県保険者協議会長あてに送付し、各団体あてに送付をしていただいております。

各市町および2次医療圏域の健診結果からみる生活習慣改善のポイント

 背景および方法

 日本再興戦略(平成25年6月14日閣議決定)において、全ての健康保険組合に対し、レセプト等のデータの分析、それに基づく加入者の健康保持増進のための事業計画としてデータヘルス計画の取組が求められています。

 そこで今回、県内19市町国保の特定健康診査結果等のデータを用いて、市町・2次医療圏ごとの検査値(BMI,腹囲,血圧,血糖,脂質)および質問票(喫煙・飲酒・運動習慣など)の該当割合を集計するとともに、検査値と質問票との関連を解析しました。また、集計した該当率が県全体と比較し望ましいか否かを比べるためにリスク偏差を計算し、市町・2次医療圏域ごとに県全体と比較しました。

 具体的な表の見方や計算方法については、下の『分析の流れ.docx』のファイルを参照してください。

各市町および2次医療圏域別の検査値および質問票の該当割合

各市町および2次医療圏域別のリスク偏差

ジェノグラム作成ツール

 近年、児童相談所の対応事例が増加し、対応する職員が多忙となっています。中でも、相談事例の報告のジェノグラムの作成に時間がかかるとのことでありました。

 そこで、大津・高島子ども家庭相談センターの虐待対応係と協働でジェノグラム作成ツールを開発しました。ツールは業務用パソコンに一般的にインストールされているエクセルのマクロ機能を使用しました。使い方は、下の『ジェノグラム作成ツールの使い方.docx』を参照してください。

 大津・高島子ども家庭相談センター職員談:実際に使用した結果、従来15~20分かかっていたジェノグラム作成の時間が、約半分の10分弱程度でできるようになり、電話対応や対面業務等の時間を増やす事が可能となった。