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滋賀の環境教育

滋賀県教育委員会では、「学校教育の指針」で、平成24年度滋賀の学校教育の重点に「環境教育の推進」を位置づけ、「持続可能な社会の実現に向けて主体的に行動できる人づくり」を推進しています。滋賀の豊かな自然や母なる琵琶湖等の身近な環境や、地球全体を視野に入れた環境などに関心を持ち、これらの環境に対する人間としての責任と役割を理解し、環境にやさしい生活や地域の環境保全活動等の積極的な行動と、環境に配慮した生き方の育成が重要と考えています。
そこで、身近な琵琶湖や河川、森、林などの生物調査や学校生活における省エネルギーやリサイクルなど、より充実した環境教育の推進に努めています。

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本県における環境教育の経緯

昭和30年代から40年代にかけ全国的に公害が多発した時期に、琵琶湖でも時を同じくして人為的富栄養化現象が急速に進行しました。その結果、藻類の異常繁殖による浄水場の目づまり(1964年)、水道水のカビ臭(1969年)、淡水赤潮(1977年)、アオコ(1983年)などの環境問題が生じました。

本県では、水環境にかかわるこれらの問題を解決するために、従来進められていた自然愛護教育や公害教育では十分でないとの捉え方から、個人の生き方・在り方を考えることに力点を置いた環境教育の取組が始まりました。

そして、環境教育の普及啓発に大きな役割を果たしたのが、教育行政の中で進めた環境教育振興のための施策です。県教育委員会では昭和 49 年 (1974 年 ) に「環境保全に関する指導資料」、昭和 51 年 (1976 年 ) に「環境教育実践事例集」(小学校編)、昭和 52 年 (1977 年 ) に同中学校編などの発行により、環境教育の理念の普及に当たり、昭和 55 年 (1980 年 ) からは環境教育実践推進校を小・中・高等学校を対象に 30 校指定し、環境教育の県内各地における具体的な実践推進に取り組みました。平成7年 (1995 年 ) までの 17 年間に、県内ほぼ全域においてこの指定を行い、環境教育の実践推進を通じてその普及が図られてきました。昭和 56 年(1980 年 )3月 には、学校での環境教育の取組を支援するため、環境教育副読本「あおいびわ湖」(小学校編)、「あおい琵琶湖」(中学校編)、「琵琶湖と自然」(高等学校編)、を発行し、今日まで改訂を重ね活用しています。

また、昭和58(1983)年のびわ湖フローティングスクール「うみのこ」就航、平成13(2001)年第4回全国環境学習フェアの開催、平成14年度より農業体験学習「たんぼのこ」事業が実施されました。
滋賀県では、平成16(2004)年4月1日に「滋賀県環境学習の推進に関する条例の施行および推進計画」、平成20(2008)年3月には「持続可能な滋賀ビジョン」が策定され、さらに、平成23年3月には、「滋賀県環境学習推進計画」を改定し、「滋賀県環境学習推進計画(第2次)」が策定されたことなどにより、環境教育が県内各校に広く行きわたり、熱心な取組が見られるようになっています。

uminoko

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環境教育に関する現職研修

学校の環境学習は、教科等や総合的な学習の時間などの教育課程に位置づけられ、地域や学校の実態に応じた体験活動に積極的に取り組みながら実施しています。
その環境学習の充実には、指導者の環境教育に対する理解と指導力の向上が欠くことのできない条件です。
そこで、本県では次のような研修の機会を設定し、指導力の向上に努めています。

しが環境教育研究協議会(幼小中教育課と琵琶湖保全再生課による開催)

  • 開催時期:8月上旬
  • 参加対象:県内小・中・高等学校および特別支援学校の環境教育担当者
  • 内 容:各種学校における実践事例の発表と意見交流等

平成29年度のしが環境教育研究協議会では、小・中・高等・特別支援学校・私立学校を合わせて116名の環境教育担当教員を対象に、エコ・スクールの実践発表、教員や環境教育関係者によるパネルディスカッション、琵琶湖博物館学芸員による実技研修および施設見学、各校の環境教育に関する年間指導計画作成を実施しました。
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環境教育副読本の発行

環境教育を具体的に進めていくには、資料が必要です。各指導者が個別に資料をすべて用意するのは大変な労力を伴います。そこで、県教育委員会では、環境教育を熱心な指導者だけができる教育とするのではなく、すべての教員が環境教育を指導できるようにするため、校種ごとに環境教育副読本を発行しています。小学校編「あおいびわ湖」、中学校編「あおい琵琶湖」、高等学校編「琵琶湖と自然」の初版は、いずれも昭和55年(1980年)に発行しています。

この副読本には、次のような特徴があります。

  • 副読本は、理科、社会科、家庭科、道徳、特別活動、総合的な学習の時間などで活用できる内容で構成しています。
  • 副読本の内容は、琵琶湖をはじめとした水環境や森林の緑など本県にかかわるものだけでなく、地球規模の環境問題なども盛り込んでいます。
  • 各校種編とも、掲載資料の更新などを目的にほぼ 5 年ごとに改訂を加えています。現在は、小学校編「あおいびわ湖」五訂版(平成22年3月改訂)、中学校編「あおい琵琶湖」六訂版(平成23年3月改訂)、高等学校編「琵琶湖と自然」六訂版(平成24年3月改訂)を使用しています。
  • 副読本は、小・中学校には1学年の児童生徒数分を、高等学校には各校1学級分を全校に配布して、学校に保管しながら活用しています。
環境教育副読本表紙

環境教育情報の提供

各学校の取組が環境教育としてふさわしいものなのか、改善する余地はどこにあるかなど、絶えず検討することが必要です。県教育委員会では、こうした取組を支援し、県内の優れた実践を全県に紹介することにより、環境教育の質的な充実を図るため、環境教育モデル校(平成8年度~平成27年度)を設置してきました。
平成28年度からは、環境教育モデル事業(平成17年度~平成27年度)の事業とエコ・スクール事業(H13~ 琵琶湖保全再生課主管)を一本化し、琵琶湖保全再生課と連携したエコ・スクール支援事業の取組を開始しました。


エコ・スクールの実践事例

お問い合わせ
滋賀県教育委員会事務局幼小中教育課