オオクチバスやブルーギルなど琵琶湖で増えた外来魚の駆除技術や生息量の評価を実施しています。
外来魚対策研究
電気ショッカーボート(以下、EFB)を用いることで、外来魚、特に「産卵期のオオクチバス親魚」を効率的に駆除することができます。EFBを活用してオオクチバス(以下、バス)を継続的に駆除している曽根沼(彦根市)では、バス成魚(体長約20cm以上)が大幅に減少し、それに伴ってホンモロコをはじめとする多くの在来魚・エビ類が増加しています。しかしその一方で、未成魚のバス(体長約20cm未満)が急増する「リバウンド現象」が発生しました。バスを根絶(あるいは低密度に管理)するには、同現象の克服が必要です。
電気ショッカーボートによるオオクチバス成魚の1時間あたり捕獲尾数(左軸:青)および小型定置網におけるオオクチバス未成魚の1日あたり捕獲尾数(右軸:赤)の経年変化
この研究は、水産庁の委託事業「河川流域等外来魚抑制管理技術開発事業」の一部として実施しました。
琵琶湖では、毎年様々な方法(事業)で、多くのオオクチバス、ブルーギルが駆除されています(水産課ページへ)。水産試験場では、こうした外来魚駆除事業の効果を把握し、今後の駆除目標を決定するための調査研究を行っています。
琵琶湖で電気ショッカーボート(EFB)により捕獲されるオオクチバス、ブルーギルの体サイズ、年齢、獲れ具合を調査しています。
漁業者が駆除したオオクチバス、ブルーギルの体サイズ、年齢、駆除量と上記調査結果とを総合して、琵琶湖におけるこれらの生息量を推定しています。
上写真では、4本の輪紋(▽マーク)があることから、満4歳であることが分かる。耳石の輪紋から推定した年齢情報を利用して生息量の推定を行っています。
近年、チャネルキャットフィッシュとコクチバスが県内で分布域を拡大させています。いずれも漁業や生態系などへ大きな悪影響を与えることから、国により特定外来生物に指定されており、その生息量が低位なうちに早急に対策を講じなければ、オオクチバスのように琵琶湖や河川の生態系や漁業に多大な影響を与える恐れがあると考えられます。
ダム湖の産卵床で捕獲されたコクチバス親魚(左:遮光型カゴ網、右:小型三枚網)
調査研究で得られた知見を基に「 コクチバス駆除マニュアル(滋賀県)」を作成しましたのでご活用ください。
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