○ごみの散乱防止に関する基本方針

平成4年7月1日

滋賀県告示第317号

滋賀県ごみの散乱防止に関する条例(平成4年滋賀県条例第20号)第8条第1項の規定により基本方針を策定したので、同条第3項の規定により公表する。

ごみの散乱防止に関する基本方針

水と緑が豊かな湖国滋賀。この自然の中、私たちは多くの恵みを受け、美しい風景にうるおいとやすらぎを求めてきた。

しかしながら、近年、便利で豊かな生活を追い求めるうちに、使捨て商品容器があふれ、これらは散乱ごみとなり、美しい景観を損ね、琵琶湖の水質にも少なからず影響を及ぼしてきた。

滋賀県では、これまで美しい湖国を未来に引き継ぐため、県民ぐるみの一斉清掃や美化活動を促す啓発などを進めてきたが、さらにごみのない快適でさわやかな県土づくりを目指すため、平成4年3月30日に滋賀県ごみの散乱防止に関する条例を公布した。

今、私たちは、豊かな人間性をはぐくむ美しい環境を取り戻す第一歩として、この条例を基盤に、散乱ごみをなくす行動を起こさなければならない。

この基本方針は、同条例第8条第1項の規定に基づき、ごみの散乱防止に関する施策を推進するための基本的事項について定めるものである。

第1 ごみの散乱防止についての県民等、事業者および土地占有者等の啓発および意識の高揚に関する事項

ごみのないさわやかな環境を築くためには、県民や県を訪れる人あるいは事業者等の環境美化に対する理解が必要であり、モラルの向上を目指し、啓発活動の徹底を図る。

1 啓発の方法

ごみの散乱は、個々人のモラルの低下により引き起こされることから、その対策は、人々の環境美化に対する意識の高揚およびモラルの向上を図り、実践活動に結び付けていくことが大切である。このため、次の方法で積極的な啓発活動を推進する。

(1) 行政の広報媒体による啓発

(2) ラジオ、テレビ、新聞等による啓発

(3) 環境美化キャンペーンおよびイベントによる啓発

(4) ポスター、パンフレット等各種啓発資材の作成

(5) 標語、ポスター図案等の募集

2 生活習慣の確立

ごみのないさわやかな環境を築くためには、常に環境美化意識を持ち、行動することが求められている。このことから、あらゆる機会を通して環境美化に関する知識の普及を行うとともに、積極的な美化活動の実践につながるよう生涯学習の観点から、次の取組を推進する。

(1) 家庭での取組

(2) 地域での取組

(3) 学校での取組

(4) 職場での取組

(5) 実践活動のための手引書の作成

3 ドライバーに対する啓発

道路周辺等における空き缶等のごみの散乱は、車からの投捨てが大きな要因となっている。このことから、ドライバーのマナーの向上を図るため、警察署、交通安全協会、安全運転管理者協会等の協力を得て、ドライバーに対する啓発活動を推進する。

4 観光客等に対する啓発

琵琶湖やそれを取り囲む山々の美しい景観は、多くの観光客、サーファー等の魅力ある憩いの場となっているが、これら観光客等によるごみの放置が目立ってきている。このことから、観光客等のマナーの向上を図るため、観光事業者、観光協会等とともに、観光客等に対する啓発活動を推進する。

5 事業者に対する啓発

ごみの散乱防止を推進するに当たっては、事業者の意識を高め、事業者が自らの取組を進めることはもとより、事業者による消費者等への啓発等も大きな効果を与えるものである。このため、事業者は、次の事項を内容とする事業活動に応じた効果的な取組を推進するものとする。

(1) 社員教育の実施

(2) 清掃美化事業の実施

(3) 消費者に対する啓発

(4) 環境美化協定の締結

(5) ごみ回収容器の設置および管理

(6) 回収システムおよび減量システムの研究開発および実施

(7) 自動販売機自主規制地域における飲食料の自動販売機の設置抑制

(8) チラシ配布者、イベント開催者等による利用者に対する指導

(9) 環境美化キャンペーン等の実施

6 土地占有者等に対する啓発

ごみの散乱している状況を放置することは、さらにごみの投捨てを誘発することにつながるため、土地の占有者または管理者は、常に美しい景観を保持するよう、次の取組を推進するものとする。

(1) 利用者に対するごみの投捨て防止等の啓発

(2) 清掃美化事業の実施

7 県民運動

県民の関心と理解を深めるために環境美化の日「5月30日、7月1日および12月1日)を設定したところであり、今後さらに一層の県民総参加による運動を展開するため、次の取組を推進する。

(1) 清掃美化活動の実践

(2) 県民一斉清掃運動への参加

(3) 各種団体と連携した広域的な啓発

(4) 美しい湖国をつくる会等ごみの散乱防止を目指した活動団体の育成

第2 地域におけるごみの散乱防止の推進に関する事項

ごみの散乱防止については、啓発等による未然防止対策と併せて、清掃美化管理対策を実施していくことが必要である。また、これらの施策は、清掃行政の一環として、従来から市町が主体となり地域の状況にあった取組がなされてきている。

そこで、本条例の制定を機に、さらにごみの散乱がなくなるよう、市町における関係者と一体となった第1に掲げる啓発等の実施および次の事項を内容とする地域の特性を生かした施策の実施を推進するものとする。

(1) 清掃美化事業

(2) ごみ持帰り運動

(3) 空き缶回収機等の設置

(4) 花いっぱい運動等の地域美化イメージを高める事業

(5) ごみ回収容器の設置および管理

(6) 事業者によるごみ回収容器の設置および管理に関する指導

(7) 容器入り飲食料販売者に対する空容器の回収容器の設置および管理ならびに周辺清掃に関する指導ならびに消費者への啓発の指導

(8) 自動販売機自主規制地域における飲食料の自動販売機の設置抑制の要請

(9) チラシ配布者およびイベント開催者に対する周辺清掃の指導

(10) ごみの散乱防止に関する事業者およびその関係団体との美化協定の締結

(11) ボランティアによるごみの散乱防止に関する協議会活動に対する指導および支援

(12) 環境美化推進員制度の導入

(13) リサイクル・ごみ減量化の推進

(14) ごみの散乱防止およびごみの減量化等を推進する組織体制の整備

(15) その他ごみの散乱防止に関する調査研究および有効な事業

第3 美化推進地域の設定および美化推進地域におけるごみの散乱防止に係る事業の実施に関する事項

琵琶湖岸、観光地等の本県を代表するような自然景観等の優れた地域については、特にごみの散乱防止について積極的な対応が望まれていることから、美化推進地域として設定し、重点的な美化事業を推進する。

美化推進地域については、次により設定するものとする。

ア 琵琶湖岸については、原則として美化推進地域として設定するものとする。

イ アに定めるもののほか、美化推進地域の設定は、次の地域について行うものとする。

(ア) ごみの散乱が著しい地域

(イ) 自然保護地域等の美化保全に努める必要がある地域

(ウ) 観光地、リゾート地域等その利用者が多く、ごみの散乱するおそれのある地域

(エ) その他美化推進地域として設定することが必要と認められる地域

美化推進地域の設定の公表は、県公報によるものとする。

なお、地域を表示する図面は、滋賀県琵琶湖環境部循環社会推進課、各環境事務所および美化推進地域が設定される市町役場に置くものとする。

2 美化推進地域における事業の実施

美化推進地域が設定された市町において次の事項についての計画が策定され、これに基づき事業が実施されるよう必要な援助を行うものとする。

(1) 美化推進地域の概要

(2) 散乱ごみ防止対策の取組に関する事項

ア 啓発に関する事項

イ 清掃美化事業に関する事項

ウ 施設の整備に関する事項

エ その他事業推進のために必要な事項

(3) 美化推進協議会の設置に関する事項

第4 ごみの散乱防止のための組織体制の整備に関する事項

ごみの散乱防止については、県民等、事業者、各種住民団体、県が一体となって、緊密な連携を図り、計画的な施策を推進することが重要であることから、これに必要な組織体制の整備を進める。

1 環境美化、ごみの減量化等の施策について、関係者との連携を図るために、県、事業者、各種住民団体等を構成員とする協議会を設置する。

2 前項の協議会において、ごみの散乱防止に関する取組を実施する広域推進体制の整備についての検討を行う。

第5 その他ごみの散乱防止に関する重要事項

1 自動販売機自主規制地域の設定は、次の地域について行うものとする。

(1) 美化推進地域

(2) ふるさと滋賀の風景を守り育てる条例に基づく沿道景観形成地区のうち自主規制地域として設定することが必要と認められる地域

(3) その他自主規制地域として設定することが必要と認められる地域

2 ごみ減量化等の推進

物の大量生産、大量消費の社会背景の中で、排出されるごみが増大してきており、これに伴い散乱ごみも増加し、ごみの散乱防止を図るうえで、大きな障害となっている。こうしたことから、ごみの減量化、再利用・再資源化について調査、研究を進め、その実施に努めることとする。

(一部改正〔平成9年告示185号・12年240号・13年203号・16年705号・17年443号・19年233号・21年274号・24年198号〕)

(平成13年告示第203号)

この告示は、平成13年4月1日から施行する。

(平成16年告示第705号)

この告示は、平成17年1月1日から施行する。

(平成17年告示第443号)

この告示は、平成17年4月1日から施行する。

(平成19年告示第233号)

この告示は、平成19年4月1日から施行する。

(平成21年告示第274号)

この告示は、平成21年4月1日から施行する。

(平成24年告示第198号)

この告示は、平成24年4月1日から施行する。

ごみの散乱防止に関する基本方針

平成4年7月1日 告示第317号

(平成24年4月1日施行)

体系情報
第11編の2 生活環境/第3章 公害規制
沿革情報
平成4年7月1日 告示第317号
平成9年4月1日 告示第185号
平成12年4月1日 告示第240号
平成13年3月30日 告示第203号
平成16年12月20日 告示第705号
平成17年4月1日 告示第443号
平成19年4月1日 告示第233号
平成21年4月1日 告示第274号
平成24年4月1日 告示第198号