この法律は、ストーカー行為を処罰する等、つきまとい、ストーカー行為等について必要な規制を行うとともに、被害者の援助措置などを定め、個人の身体、自由及び名誉に対する危害の発生を防止し、生活の安全と平穏に資することを目的として制定されました。その後、平成25年、平成28年に改正が行われました。
そして、令和3年5月26日、ストーカー規制法は、一部が改正・公布され、同年6月15日に施行(GPSに関する規定は8月26日施行)されました。
〇「ストーカー行為」とは
同一の者に対し、「つきまとい等」や「位置情報無承諾取得等」を反復して行うことをいいます。
〇「つきまとい等」とは
あなたに対する恋愛感情や好意の感情、またはこれらの感情が満たされなかったことへの恨みなどの感情を充足させる目的で、あなたやあなたの身近な人(配偶者、親戚など)に、下記の行為を行うことをいいます。
1.つきまとい、待ち伏せ、進路の立ちふさがり、住居、勤務先、学校その他相手方が現にいる場所若しくは通常いる場所の付近での見張り、押し掛け、 うろつき
・あなたを尾行する、待ち構える、行く手を塞ぐ行為。
・あなたの家、職場、学校の他、あなたが現にいる場所若しくはあなたが日常的に利用する駐車場や通勤経路、頻繁に利用する店、出演するイベント会場等、そこに行けばあなたと会う可能性のある場所の付近での見張りや押し掛け、うろつき行為。
2.行動を監視していると告げる、又は知り得る状態に置く
・あなたの行動を監視して口頭で伝達したり、メールや置き紙等により、あなたが気付く状態に置く行為。
3. 面会、交際や義務のないことを行うよう要求する
・あなたに義務のない面会や交際、復縁を求める行為。
・一方的な物品の送り付けや、不作為の要求をする行為。
4.著しく粗野又は乱暴な言動をする
・ぶしつけで荒々しい言葉を浴びせたり、暴力を振るう、物を壊す等の行為。
5. 無言電話や、拒まれたのに、連続して、電話をかけ、文書、ファクシミリ、電子メールの送信等をする
・無言電話をかけたり、拒否されたのに、短時間や短期間に何度も、電話をかけ、手紙や封書等を送りつけ、ファックスや電子メール、SNSのメッセージ等を送信する行為。
6.汚物、動物の死体その他不快な感情にさせる物の送付、又は知り得る状態に置く
・ゴミや糞尿、虫等、社会通念上、あなたに不快感や嫌悪感を抱かせる物を送りつけたり、あなたが気付く状態に置く行為。
7.名誉を害する事項を告げる、又は知り得る状態に置く
・あなたの社会的評価を傷付ける事項を告げたり、メールやインターネット上の書き込み等により、あなたが気付く状態に置く行為。
8.性的に恥ずかしいと思わせるような事項を告げる、又は知り得る状態に置く
・卑猥な言葉を告げたり、わいせつな写真、文書等の送りつけや、あなたが気付く状態に置く行為。
〇「位置情報無承諾取得等」とは
1.あなたの承諾なく、あなたの所持する位置情報記録・送信装置(GPS機器等)の位置情報を取得する行為
2.あなたの承諾なく、あなたの所持する物に位置情報記録・送信装置(GPS機器等)を取り付ける行為
(例)
・GPS機器等を利用して、あなたの位置情報を無断で取得する
・当初、合意の下で互いの位置情報を共有していたが、あなたが拒絶した後もなお引き続きあなたの位置情報を取得する
・あなたの自動車等にひそかにGPS機器等を取り付ける
・プレゼントにGPS機器等を仕込んで、あなたに交付する
・あなたの持ち物の中や、あなたが移動に用いる自動車等の中にGPS機器を入れておく
(注意)「位置情報無承諾取得等」の規制は、令和3年8月26日より施行されます。
〇早期に手を打つ
そのうち収まるだろう、と安易に考えている間に、ストーカー行為はエスカレートしていきます。早め早めに対処しましょう。警察等への相談もできるだけ早く!
〇個人情報の保管はしっかりと
公共料金の明細書など、氏名、住所、電話番号が分かるものは、シュレッダー等で細断してから捨てましょう。
また、SNS等から個人が特定される危険性があるため、SNSへの投稿や画像の掲載をする際は、慎重に行いましょう。
〇断固拒否の姿勢を示す
あいまいな態度はかえって相手を期待させてしまうだけです。電話を着信拒否にする、メールは受信拒否にしたりアドレスを変える、SNSはブロックする、手紙は受領拒否する等、拒否の態度を明確にしましょう。
〇一人で悩まない
自分一人で解決できる問題ではありません。家族など信頼できる人や警察に相談し、協力してストーカーに立ち向かいましょう。
〇被害にあったら記録を残す
証拠を残すために、被害状況をノートにメモしたり、電話やメール、SNS等の記録を残しておいてください。
〇普段から防犯対策に心がける
防犯ブザーを持ち歩く。(防犯ブザーは近くの交番などでも貸し出しています)
暗がりや、人通りの少ない場所は避け、緊急時に逃げ込める場所を確認しておく。
ドアや窓は二重ロックにする。ドアを開けるときは周囲に注意し、必ず相手を確認する。
部屋の中が見えないように、カーテンを遮光性のものにする。
毎日の行動パターンを変更する。
ナンバーディスプレイ機能付きの電話を設置する。電話会社の迷惑防止サービスを利用する。
ストーカー被害で悩んでおられる方は、一人で悩まずに、警察へご相談下さい!!
あなたの意思を尊重し、あなたを守ることを最優先に考えて、相談体制を整えています。