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男性の生きづらさ コラム「男もつらいよ」/滋賀県立男女共同参画センター “G-NETしが”

男性も性別による生きづらさを抱えています。男性だからこその生きづらさや悩みについて、男性相談員によるコラムを掲載します。「しんどい思い」を抱えたら、また、抱える前に是非ご一読ください。

第1回 テーマ「弱音を吐いてもいいんです」

Q 男性は悩まない?

A 男性も悩むが、一人で抱え込むことが多い。

皆さんはちょっとしたおしゃべりや相談と聞いたとき、どのようなことをイメージするでしょうか?多くの方は女性が集まってしゃべっていたり、相談している場面が浮かぶかもしれません。では、男性には悩みなどないから相談はしないということでしょうか。実はそうではありません。内閣府が2012年に行った調査では、悩みがある男性は2人に1人いますが、同じくらい「男は弱音を吐くべきではない」と思っている男性が多いのです。つまり、悩みはあるけど、こんなこと男性の自分が言うことじゃない、自分の弱いところを他人に見せたくないと思っている男性が多いのです。(G-NETしが男性相談員)

第2回 テーマ「自分だけではありません」

Q 男性に生きづらさはない?

A 2人に1人の男性が生きづらさを抱えている。

2014年のクローズアップ現代の調査では男性の約54%が生きづらさを抱えています。何をそんなに生きづらいのかと思われる方もいるかもしれませんが、理由として「男として求められている役割」「男らしさの幻想」などが挙げられています。一昔前は「男性は仕事」をしていればいい、という考え方が一般的でしたが、最近では「ワークライフバランス」「イクメン」という言葉に象徴されるように仕事以外の役割も求められてきています。しかし、これまで同様、「仕事も完璧にしなければならない」「一家を男性が支えなければならない」という考えも変わらず持ち合わせているのです。(G-NETしが男性相談員)

第3回 テーマ「まずは聴いてもらうことから」

Q 話を聴いてもらうことに効果はある?

A ストレスや攻撃性の低減、その後の自己成長へと繋がる。

多くの男性は「聴いてもらうだけでは何も解決しないじゃないか」、「何かアドバイスをしてほしい」、と目に見える結果を重視する傾向があります。もちろん問題を早く解決したいと、なにかしらの手立てを求める気持ちはよく理解できますし、すぐに解決できる悩みはそれでもいいと思います。ですが、すぐに答えが出ないような悩みの場合(大概はこちらの方がほとんどですが・・)、自分の話を聴いてもらうことは何の意味もないのでしょうか。そんなことはありません。特に自分の気持ちを聴いてもらう体験は、焦っている気持ちが和らぐ、視野が広がる、自分自身で問題に取り組んでいこうと思える、などのポジティブな効果をもたらします。(G-NETしが男性相談員)

第4回 テーマ「無意識にとらわれないように」

Q 男性は自分の気持ちを話さない?

A 気持ちを話す経験が不足しているため、どう話せばいいのか分からない。

よく女性は感情的に物事を捉え、男性は論理的に捉えることが多いと言われています。確かにそういう一面はあるかもしれません。では、元々そのような捉え方の違いがあったのでしょうか。人間は遺伝要因と環境要因のどちらもが大きく影響して性格など発達していくと考えられています。例えば、幼い時から「男なんだから泣くな」「男の子が泣くなんてみっともないわよ」と言われることが多かったら、自分の気持ちを話そうと思うでしょうか。このように、男性は自分の気持ちを知らず知らずのうちに無視したり、押し込めたりする傾向をもっています。

第5回 テーマ「ストレスをため込まないで」

Q 男性は忍耐強いから自殺する人は少ない?

A 男性の自殺者は女性の約2倍。

皆さんは男性と女性の自殺者数を知っているでしょうか。厚生労働省の調査では、令和2年の男性自殺者数は14,055人、女性は7,026人です。つまり、男性の自殺者数は女性の約2倍となっています。では、なぜ男性が多いのでしょう。その1つの要因は、男性はストレスをこまめに解消しにくいためと言われています。わくわくするような楽しいイベントや自分の感情をさらけ出す喧嘩などした後、自分の心がすっきりした経験はないでしょうか。人間は自分の気持ちを表現することでストレスが和らぐのですが、このようなことは日常生活で頻繁にはありませんよね。そのため、多忙でまとまった時間を取る余裕がなくなると、男性はストレスを溜め込み続け、限界に達してしまうといえるでしょう。一方、女性は日常的に自分の気持ちを話す機会をもちやすいので、こまめにストレスを解消しているといえます。

第6回 テーマ「自分の気持ちを表に出すこと」

Q 気持ちを押し込めすぎると、どうなりやすい?

A 自分の気持ちに鈍感になりやすい。

気持ちを押し込めることの何がいけないのか、すぐに怒ったり、泣いたりしているよりいいんじゃないのか、と思われる方もいるかもしれません。確かに感情を出しすぎるのも考え物です。ですが、感情を押し込めるというのもいろんな影響があります。その一つは自分の気持ちを感じづらくなり、力で要求を通そうとすることです。例えば、夫が仕事から帰ってきたとき、食事の準備がされていなくて妻を叩くということがあったとします。おそらく夫は「食事が用意されてなくて嫌だった」「ないがしろにされたようで悲しい」「仕事で疲れて帰ってきてるのにひどい」などいろんな気持ちを抱いたことでしょう。このような気持ちを自分の頭の中で言ったり、その場で妻に言うことができれば、叩くという行動は起こりづらくなりますが、そのためには自分がどういう気持ちになったのか気づく必要があるのです。

男性の生きづらさコラム

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〒523-0891 滋賀県近江八幡市鷹飼町80-4 (JR近江八幡駅南口から徒歩10分)
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