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人権教育課トピックス(令和5年度)

このページは、令和5年度当課事業を紹介するページです。

人と人とが豊かにつながる学校づくり共創事業

人と人とが豊かにつながる学校づくり共創事業では、教職員が児童生徒一人ひとりとのつながりを豊かにするとともに、子ども同士のつながり、教職員同士のつながり、学校と保護者・地域のつながりを豊かに築いていくという視点を大切にし、人権教育を基盤に据えた学校づくりを進めていくための支援を行っています。県内の小中学校(3校)を実践研究のベース校として指定し、アドバイザーである園田雅春先生(元大阪教育大学教授)、県教育委員会による訪問支援を行いながら人権教育の推進および自尊感情育成のための取組等を実施しています。

校区全体研修
校区での全体研修
小グループでの意見交流
小グループでの研修

ベース校からの感想(一部抜粋)

  • 豊かな人間関係を形づくっていくためには、子どもたちの活動を保障し、教師が説明する時間を少なくしていくことが必要であると教わりました。
  • 多様性に視点を向け、子どもたちの学習指導を計画することにより、子どもたち一人ひとりの考え方の違いや表現の違い、個性などが以前よりよく見えてきたように思います。
  • 普段の授業等の指導や行事など、子どもたちの学校生活全般について、「子どもの意見の尊重」や「異なる考えを持った人と協働していく良さ」など人権の視点から見直すことができ、指導の中で大切にしたいと思うことが増えました。
  • 生徒の話し合い活動が活発になり、思いを伝えあうことができていたと思います。 

生きぬく力の礎育み事業

生きぬく力の礎育み事業とは、推進学区の関係者が子どもの課題や背景を共有し、課題解決に向けて連携・協働した実践活動を進める事業です。

2期8年の事業であり、子どもたち一人ひとりが大切にされ、安心して過ごすことのできる居場所づくり、自己有用感や自己効力感等を味わうことのできる出番づくりに取り組むことによって、生きぬく力の礎となる自尊感情を育むことをめざしています。

各推進学区で、取組を進めていただいていますが、推進学区事務局担当者が年に3回集まる事務局会や県内の校園所、関係機関の教職員等を対象とする交流研究会を実施しました。

今年度の事務局会では、事業説明やグループに分かれての情報交換や取組報告の他、県スクールソーシャルワークスーパーバイザーの小林美保子さんから「子どもへ関わる職種の連携体制のあり方について」、畿央大学教授の大久保賢一さんから「子どもたちの適応と成長を支えるポジティブ行動支援」と題して講演いただきました。

 また、交流研究会は7月27日、28日、31日、8月2日の4日間、近江八幡会場・甲賀会場・大津会場・彦根会場の4カ所で開催しました。事業説明の後、県スクールソーシャルワークスーパーバイザーの上村文子さんから「困難な状況にある子どもへの支援について」のお話を聴いたり、異校種・他地域の教職員と小グループに分かれ情報交換をしたりしました。

小林SV講演
第1回事務局会
交流研究会上村先生講演
交流研究会講演
情報交流
異校種による情報交流
大久保教授講演
第3回事務局会

参加者の感想(一部抜粋)

  • 「×」ではなく「〇」と捉えて「◎」を増やそうとする発想は、子ども一人ひとりと肯定的に関わるうえでも大切なことだと思いました。(事務局会の参加者より)
  • 罰的な対応による副作用、「今」を肯定しながら子どもを育てていくことの大切さについて納得することばかりでした。(事務局会の参加者より)
  • 「その子の持っている力を発揮できるよう環境を整えていく」という言葉を聞いたときに、自分の保育を振り返りました。一人ひとり得意なこと苦手なことが違い、好きなことをたくさん増やし、それが発揮できる場を作っていきたいと思いました。(交流研究会の参加者より)
  • 就学前の自由遊びと高校の行事は、実はつながっていて、出番をつくり、任され、やりきり、協力するということが、自尊感情の育成に大きな効果があるのではと気づくことができました。(交流研究会の参加者より)

人権教育基礎講座

この講座では、二年次教員が人権教育における基本的な内容を講義や演習をとおして学び、人権感覚と実践力、指導力を高めることをめざします。

6月23日に大津会場で、6月27日に近江八幡会場で講座を実施し、268名の参加がありました。年々、希望者が増え、会場いっぱいの参加者の中で実施しています。

講義と演習「自分を解放するための人権教育~部落問題学習を核として~」

 土田光子さん(大阪多様性教育ネットワーク共同代表)

講義土田光子さん
講義
ペアワークの様子
ペアワーク

受講者の感想(一部抜粋)

  • 私は今まで人権学習を進める上で、思いやりや心がけに関する内容や意見を取り上げるなど、どこか道徳と混同してしまっていた部分があることに気づきました。
  • 「人権教育で大切なことは批判力」という言葉が特に印象に残りました。周りからの評価や言葉を当たり前に受け入れるのではなく、なぜ?と疑いの目をもって考えていくことが重要だということを学ぶことができました。
  • 教師は集団の中で争い事があってはならないと思いがちですが、争い事がむしろ成長のチャンスだととらえることが大事だと感じました。その中で折れない心を育てることが大切であると学びました。

人権教育ミドルリーダー育成講座

この講座では、学校の中でチームとして人権教育を推進するミドルリーダーの育成をめざしています。

7月26日・8月22日・11月20日の3回の講座をとおして、各班が課題別研究に取り組み、最終日には研究を発表しました。

課題別研究では、次の3つのコースに分かれました。

Aコース…教職員の人権感覚を高めるための方策

Bコース…一人ひとりの自尊感情を育み、互いに高め合う集団づくり

Cコース…個別的人権課題を通して実践的態度を育てる学習プログラム

 

1回目:講義と演習「学校における人権教育推進リーダーとなるために」

 園田雅春さん(元大阪教育大学教授)

2・3回目:課題別研究での指導助言講師

 神野ちどりさん(元東大阪市立枚岡東小学校長)

 沖本和子さん(大阪多様性ネットワーク共同代表)

 岡田耕治さん(大阪教育大学特任教授)

園田先生講演
第1回講義
Aコースの講義
Aコース
Bコース2回目
Bコース
Cコース2回目
Cコース
発表に向けての準備
グループ協議
全体会
全体発表

受講者の感想(一部抜粋)

  • 年齢や経験年数にかかわらず、学び合う意識を持つことが必要だと思いました。「これで間違いない」ではなく、自分に何が足りないという視点はいつまでも持っておかないといけないと思います。謙虚な気持ちで関わっていきたいです。
  • 教師も子どもも共感が大切で、安心して居場所を作ることにつながることがわかりました。どのテーマでも「安心」が心に育てば、自分も他者も大切にできるという仮説があり、育ちや教育の中で大切にすべきところなのだと感じ、大切にしていこうと思いました。日々の中で子どもたちをしっかり見て受け止めたいです。
  • 学校生活の中で子どもたちが課題に出合ったときに、立ち止まって「じゃあ自分たちだったらどうする?」「あなただったらどうする?」という問いを投げかけ続けていくことが大切ではないかと感じました。
  • ミドルリーダーとして、職場の同僚性を高めるために、自分には何ができるのかを考え、人権が大切にされる風土を同僚とつくりあげていきたいです。