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2024年度(令和6年度) 心の教育相談センター不登校研修会

1.趣旨

 本県では、不登校への対応は喫緊の教育課題となっており、児童生徒の将来の社会的自立に向けて支援を行うという視点が強く求められています。 また、不登校の中には、その背景に発達障害の影響が見られるケースが少なくなく、発達障害について正しく理解するとともに、個々の障害の特性に応じた適切な指導や必要な支援が重要になってきています。
 そこで、学校及び各教育機関担当者などの資質向上を図るため、不登校と発達障害をテーマにした研修会を開催するものです。

 今年度は、不登校と関わる発達障害、精神医学の知識について理解を深め、指導・支援につながるよう研修を進めます。

2.対象

・県内の小学校、中学校、義務教育学校、高等学校ならびに特別支援学校の教員

(教育相談担当者、不登校対応コーディネーター、通級指導担当者、学級担任等)

・県または市町の関係機関、教育委員会の指導主事等

(教育相談担当者、不登校対応担当者、教育支援センター職員等)

 *参加者数

 1会場での集合研修・・・・・・・・・・・55名(令和5年度 46名)

 2オンデマンド研修(事後Web配信)・・ 241名(令和5年度194名)

3.研修日程・会場等

<日時>

令和6年(2024年)10月23日(水)13時30分~16時30分(受付13時~13時25分)

<会場>

滋賀県総合教育センター 新館4階 研修室A

<日程・内容>

〇説明

「県内における不登校の状況と研修の趣旨について」

〇講義

 「不登校をあえて理解しないPART2

 安易にわかろうとしないために ~発達障害、精神医学の知識を踏まえて対応の基本に立ち返る~」

 滋賀県心の教育相談センター専門医(滋賀大学保健管理センター教授)

 久保田泰考先生

〇グループワーク(意見交流会)

講義の様子1
講義の様子2
意見交流会の様子
会場の様子

4.受講者アンケートより

〈会場受講者より〉

  • 不登校の現状、県や文科省の指針、考え方等、幅広く研修でき有意義な時間でした。日頃は具体の対応を求められる現場にいる中で、久保田先生の医学的な知見からのお話はとても新鮮でした。グループワークも意見交流ができ、とても学びとなりました。
  • 講義では、「ひとつの解決策としての不登校」という言葉が印象に残りました。子どもからのSOSと受け止め、学びたいと思ったときに学べる環境を整える、という意識を大切にしたいです。一方、あらたな不登校を生まないために学校としてできること、行きたくなる学校づくり、という話題がグループワークの中で話せたことが有意義でした。
  • 医療の立場からお話を伺う機会がなく、「不登校」について考える際に様々な見方をし、多面的多角的に捉えようとしていかなければならないと改めて感じました。様々な校種の先生方と交流できたことも非常に有意義だったと思います。

〈オンライン受講者より〉

  • これまでの教員人生の中で「不登校」と呼ばれる生徒には数多く関わってきましたが、「特効薬はない」という実感があります。様々な要因が推測されていても、対応している際は「本当のところはどうなんだろう?」と考えることが多かったです。今回の研修を通し、不登校の要因となるような基礎的な知識を蓄積しつつ、関係者で多面的、多角的に生徒のことを考え、対応していく必要性を再認識することができました。
  • 医療の立場からの講義がたいへん参考になった。どうしても学校に来てほしいと思ってしまうが、立ち止まって考える、子どもの選択として尊重する面が必要だと感じた。
  • 不登校傾向のある児童や行き渋りの見られる児童、また、登校はしているが、集団生活に困り感の高い児童など、さまざまなサインを出している子どもたちの対応についてアセスメントする上で、今回の研修でお話くださったような知識や考え方は、実際に対応していく現場の教員の視点を広げるという意味で今後さらに必要になってくると感じています。一方で、正解がわからないまま試行錯誤をしながら個々の対応を考えていくときに、つい、わかった気持ちになって、AならばBがよいというように考え方が固定されてしまわないように気をつけなければとも思いました。今回は、オンデマンドでの参加でしたが、多くの先生方と実際の教育現場での実例について交流して学びたいと思いました。
  • 昨年度に引き続き「あえて理解しない」といったタイトルをどのように受け止めるとよいのか・・と考えながら受講した。安易に関わらないためにも、個々それぞれ様々な理由や背景があることを受け止めて、子どもを多面的に理解することの大事さを改めて学んだ。学校・地域・仮想空間など、自分自身が「心地よい居場所」を感じ、興味関心の幅を広げたり、やってみたいと思えることを見つけたりと、子ども自身の発信をうまく後押しできるように「仕組んでいく」ことを校内関係者や保護者と共に一緒に考えていきたい。
お問い合わせ
滋賀県心の教育相談センター 滋賀県野洲市北桜(滋賀県総合教育センター内)
電話番号:077-586-8125