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教育長定例記者会見〔令和8年(2026年)6月17 日〕

配布資料

概要

(教育長)
皆さん、こんにちは。これから6月の会見を始めさせていただきます。まず1点目、配布していますオレンジ色のチラシをご覧ください。学校における働き方改革について、保護者の皆様に広くご理解とご協力をお願いするため、新たに啓発のチラシを作成しました。働き方改革は、教員の負担軽減という側面もありますが、それ以上に、子どもたちの学びの充実のための取組であると考えています。教員が子どもたちと向き合う時間を十分に確保し、心身ともに健康でいきいきと教育活動に取り組むことが、子どもたちのより良い教育につながると考えます。一方で、学校を取り巻く課題は年々複雑化、そして多様化しており、その全てを学校だけで担うには限界があります。これからの学校教育を支えていくためには、学校だけではなくて、家庭や地域の皆様との連携協力が不可欠だと考えます。今回のチラシには、県民の皆様に、学校現場の現状を知っていただき、子どもたちのより良い学びの環境づくりに向けて、ご理解とご協力をお願いしたいことや、今年4月に説明しました、学校における働き方改革取組計画の趣旨や、具体的な取組内容を掲載したものになっています。このチラシは、各学校を通じて連絡アプリなどによって、保護者の皆様に周知をさせていただくとともに、ウェブページにも掲載をいたします。学校、家庭、地域が共に子どもたちを支える機運を広げていきたいと考えておりますので、県民の皆様に知っていただけますよう、記者の皆様のご協力をぜひともお願いしたいと思います。
続いて2点目でございます。お手元の資料の4ページをご覧いただけますでしょうか。滋賀の県立高等学校魅力化プランに基づきまして、令和9年度より野洲高校におきまして、「シン・野洲高校」ということで新たな取組が始まります。コンセプトは、地域社会から信頼される学校、そして学び直しなど多様な支援を必要とする生徒に対応できる学校、フレキシブルな時間割を選択することができる学校として、主に以下のような取組を実施します。まず、特色の一つとして、週4日、6校時または7校時に自由選択科目を設定します。学び直しを希望する生徒や、進学をめざす生徒、そしてスポーツや部活を頑張りたい生徒、そして趣味やアルバイトなどを希望する生徒など、多様なニーズに対応します。アルバイトについては、今年3月に野洲市と野洲高校との間で包括連携に関する協定を結んで、野洲市とも連携し実施します。進学をめざす人については、野洲高校で開設されていない科目を大津清陵高校の通信制において習得することを可能しています。これは県内の全日制では初めての取組となります。また、フレキシブルな時間割についてですが、朝起きにくい生徒や、朝の満員電車での登校を苦痛に感じる、そういった生徒への対応として、2校時から授業が受けられる時間割を設定しています。このように、野洲高校では、生徒のニーズに合わせて自由選択できる時間や、2校時からの授業開始などフレキシブルな時間割を設定し、誰一人取り残すことのない教育の実現に向けて取組を進めていきます。本日は野洲高校の校長先生に来ていただいておりますので、お話をいただきたいと思います。
(野洲高等学校校長)
皆さんおはようございます、野洲高校校長です。野洲高校の現状についてですが、皆さんはどのようなイメージをもたれているでしょうか。なかなか、言葉では伝えきれない部分もありますが、非常に学力の幅が大きな学校です。それに加え、部活、サッカーとか野球等、そこを極めて頑張っている生徒もたくさんいます。それとは反対に、いろんなことに興味がなくて、時間を持て余している生徒もいます。また、本校だけではありませんが、特別な支援、合理的配慮が必要な生徒も一定数増えてきています。さらに家庭状況が非常に困難で、福祉的な支援が必要な生徒もいます。そのような中で、本校の現状の課題をどうするべきかということを、令和4年度から魅力化事業が全県的に始まっていく中で、令和6年度から、多様な学びに対しての研究事業を県と共同歩調を取りながら取り組んできました。その研究の一つの成果として、令和9年度の入学生から教育課程を大きく変えて、学校改善を図っていく形になりました。誰一人取り残すことなく、それぞれの良いところを伸ばし、それぞれが考えている未来像ができるだけ実現できるような形をめざします。多様な学習コンテンツを用意し、生徒たちの夢や希望がきちんと実現できる学校づくりを進めていきたいと考えています。それに加え、今年の3月に野洲市と包括連携協定を結びました。3つの柱があり、学校の改革を行政の方でしっかり支援していただくということです。1つ目の柱は多様な学びについて、2つ目の柱がスポーツや文化です。これは地域との連携事業として重要度があると思っています。3つ目は、野洲市に県立の普通科の高校は本校のみとなります。やはり最終的に地域にしっかりと開かれて、地域から本当の意味で信頼される学校になっていかなければならないと思っています。地域に開かれた、本当に信頼される学校ということが3つの柱として続いております。教職員の思いとしては、このように教育課程を変えることによって、学校の中での教育内容を今まで以上に充実させて、生徒たちの成長を促していく。そのことに加え、連携協定をもとに、いろいろと外の方、特に年齢の違う人たちと混じり合って、学校の中で学んだことが、外の世界でさらに経験として上書きされるような形で学校改革を進めていきたいと思っています。教職員も非常に前向きな姿勢で取り組んでいます。来年以降、充実したものになりますように、皆様の方でもご支援いただければと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
(教育長)
県としまして、取組を応援してまいりたいと考えておりますので、ぜひ県民の皆様に広報いただけると幸いです。
それでは3点目でございます。「こども としょかん」の新たな事業について説明します。「こども としょかん」の新たな事業として「図書館を知ろう」について紹介いたします。資料の6ページ目をご覧ください。子どもに一番身近な学校図書館を切り口に、図書館のことを知ってもらうことをねらいとしています。開催日は夏休みの2日間、草津会場と彦根会場で行います。対象は小学校3年生から6年生の児童で、各会場30人ずつ先着順で募集したいと思います。このワークショップを通して、図書館に興味をもつ子どもを一人でも増やすことを目標にしています。学校図書館は各学校によっていろんなカラーがあります。このワークショップを通してその状況を知ってもらい、学校図書館への興味・関心をもっていただきたいと思います。また、図書館は調べ学習ができる場所でもあります。図鑑を使うことで、図鑑の創作過程を知り、学校図書館を身近に感じてもらいたいと考えています。そして、ワークショップを通して、学校図書館で働く学校司書の仕事について知ってほしいと思います。参加した子どもが、家族や友だちに学校図書館のことを話したくなったり、面白いと感じたりできる工夫をしていきたいと思っています。具体的な内容ですが、県内の様々な学校図書館の写真を使ったクイズ形式のグループワークや、昆虫図鑑ができるまでの話、図鑑の使い方の実習を通して図書館のことをもっと知ってもらえるようにしています。学校図書館は読書する場所、読書センターとしての役割だけではなく、学習をする場所、学習センターといった役割もあります。そういった側面にスポットライトを当て、図鑑や百科事典などの参考資料の使い方を教える場でもあります。運営スタッフとして、19市町の小中学校の司書が参加予定です。学校司書がこの事業に参加することで、子どもの学校図書館への関心の現状等を学校司書自ら知ってもらい、講師による図鑑の使い方の指導法なども合わせて学びながら、さらなる学校図書館の利用促進につなげることも目的としています。明日6月18日10時から募集を開始いたします。各会場30名の定員に達し次第、募集を終了いたします。申し込みは「しがネット受付サービス」にて行います。開催要項やお手元のチラシを各学校に周知するとともに、「こども としょかん」ポータル、滋賀県学習情報提供システム「におねっと」で公開をします。お問い合わせは、生涯学習課「こども としょかん」サポートセンターです。記者の皆様にはぜひ広報していただきますようお願い申しあげます。
(中日新聞)
シン・野洲高校について質問します。先ほどの説明にもありましたが、何事にも興味がもてなくて時間をもて余している生徒をどうフォローしていくかが課題だと思いましたが、そのような子どもたちの背景や課題はどこにあり、今回のプログラムを取り入れることにしたのか教えていただけますか。
(野洲高等学校校長)
野洲市との連携事業の中で、学校公開週間を設定し、小・中学校の先生に、本校の生の様子を見ていただくということを実施しました。小・中学校の先生からすると、自分たちが育てた子どもたちの一部が高校生となり、今このような現状を抱えていることを深く認識していただいたと感じています。お話させていただく中で、まず出てきたのが、学習のつまずきは人それぞれだということです。学びに向かっていく意欲について、つまずいたところから修正がきかない状況がたくさんあるのだと思います。そういった課題の対応についても、今後、小・中学校の先生とお話をしながら進めていきたいと思っています。この教育課程編成の中で、学び直しをするための選択教科を作ろうと考えています。小・中学校の学習内容を自分で必要であるならば受講をして、最低限の学力を身につけてほしいと考えています。そのため、高校の教員が今年度、野洲市内の小・中学校へ出向き、いろいろと授業参観をさせていただき、学び直しの授業がより充実した形になるよう工夫していきたいと思っています。
(中日新聞)
この自由選択科目にある、学び直しを希望する人向けの基礎科目は、具体的に小・中学校レベルの学習がもう一度学べるということでしょうか。
(野洲高等学校校長)
基本的には、全学年設定をします。学び直しの自由選択については、1・2年生が主になっています。基本は英数国になりますが、それに加えて、理科、社会でも興味があることに関してしっかりと取り組めるような科目設定をしていきたいと思っています。
(中日新聞)
英数国はそれぞれ中学校レベルの学習でしょうか、小学校レベルの学習でしょうか。
(野洲高等学校校長)
そのあたりは個々の生徒の状況を見ながら考えていきたいと思います。
(中日新聞)
一律に設定するというよりは、生徒の学力のレベルを見て、スタートを決めるということですね。個別教育に近いのでしょうか。
(野洲高等学校校長)
科目選択としては設定をしていますが、おそらく運用していく中で小学校の学習内容でつまずいている子ども、中学校の学習内容でつまずいている子どもがいると思います。個別に対応するような学習スタイルになっていくと思います。
(中日新聞)
1対1でその子どもの学力を見て、きめ細かく対応されるということですか。
 (野洲高等学校校長)
できるだけきめ細かく対応していきたいので、この自由選択の学び直しの科目が50人も60人希望があるとそれは大変かと思っています。
(中日新聞)
2つ目の進学をめざす人向けの対応科目とは、大津清陵高校の通信教育を念頭に置いておられるのですか。
(野洲高等学校校長)
自由選択の中でも、2・3年生に進学対応の科目を入れたいと思っています。小論文も、大学入試でたくさん実施されますので、そこがカバーできるような選択科目の方を設定しております。それから、大津清陵高校との併修につきまして、本校の教育課程からは、数学Cを省いています。比率的にはごく一部ですが、理系で四年制大学に進学をしたいと考えている子どもがいるならば、3年で数学Cを併修でとってもらえると思っています。また、理科の基礎科目の方は教育課程で入れていますが、地学がありません。これも大学理系の方で活用できる部分も出てきますし、2年時に地理探究も自由選択できるようにしています。つまり、少数の進学者に対しても、いろんな形で対応ができるような教育課程をめざしています。
(中日新聞)
小論文は大津清陵高校ではなく野洲高校で対応されるということですか。
(野洲高等学校校長)
大津清陵高校での併修となると、継続性の観点で指導の間隔が長くなることが予想されます。野洲高校の教員が指導することによって、回数を重ねての指導がしやすくなっていきます。
(中日新聞)
学校で用意されるのは小論文以外にありますか。
(野洲高等学校校長)
国数英に関しては、進学対応を考えた自由選択については2年から3年の間に内容がシフトチェンジをしていきます。
(中日新聞)
学び直しの場合と同じように、一人ひとりの学力や志望校において、ちょっとレベルを上げていく、その中に数学Cや地学は野洲高校にカリキュラムがないので、そこは大津清陵高校の通信を活用しながら履修できるということですね。3つ目は6時間目に部活動をすることができるということですか。
(野洲高等学校校長)
大体の学校が1日6時間、5日間で週30コマあると思います。今回、月火、木金は全員が必ず授業を受ける時間が5時間目までの設定になっています。6時間目の時間を自由に選べるという形にしています。この6時間目の使い方が自由選択を取ったりとか、クラブ活動入れたりとか、それから運動のことをもっと学びたいのであれば、体育の専門科目が自由選択の中にあります。そういう形でそれぞれが選べる形になります。
(中日新聞)
月火木金は5時間までが必修ですね。水曜日はどうなんでしょうか。
(野洲高等学校校長)
水曜日は全員6時間となっています。
(中日新聞)
この選択というのは、月火木金に実施され、全校生徒が一人ひとり選べるということですね。そして6時間の時間帯からアルバイトに行くことも可能なのですね。
(野洲高等学校校長)
家庭的に支援をしなければならない生徒が一定数おります。そういう実情を考えた時に、アルバイトを一律禁止するのではなく、自活していくためにも必要だという考え方に立つと、何もせずに時間をもて余すよりも、就労体験ができることを奨励しても良いと思っています。野洲市との連携協定が結べたので、野洲市の方からアルバイトの紹介等の話も進めていけると思います。そういった点でも連携をしながら就業体験を積ませていただいて、その先の就職にもつながっていけばと考えています。そこの制度については今検討中です。
(中日新聞)
自由選択科目、多様な学びをという取組について、県立高校では野洲高校が初だと伺いました。この制度を県立高校に導入するにあたり、なぜ野洲高校なのか。県教育委員会として野洲高校にこの制度を導入するねらいを教えてください。
(教育長)
まず、県教育委員会が選んだわけではありません。ま冒頭の説明の時にもありましたが、本県では各県立高校を魅力化していくという魅力化プランに取り組んでいます。その中で、野洲高校の魅力化の一環として取り組んでおられる中の一つの到達点として、この対策をされると認識しています。野洲高校には野洲高校に対するスクールミッションを伝えています。そのスクールミッションに基づいてスクールポリシーを作成しています。そこから、いろいろ検討し、今回の形となっています。実際におられる生徒と向き合う中で、より良い教育を検討された結果だと思います。
(中日新聞)
野洲高校のスクールミッションを教えてください。
(高校教育課長)
野洲高校のスクールミッションですが、3つあります。1つ目、未来を拓く心豊かでたくましい人づくりのため、生徒の自立する力・伝える力・協働する力・創造する力等の生きる力を育成する学校。2つ目、地域と連携・協働した学びによって人とのつながりを大切にする心を養い、社会の持続可能な発展に貢献できる人材を育成する学校。3つ目、多様な学習ニーズ等に応じて生徒の個性や能力を伸ばし、確かな学力や豊かな人間性・社会性・主体性を養い、新たな価値を創造する力を育成する学校です。
(びわ湖放送)
2点お尋ねします。学び直しについては入学の時点で選べるものなのでしょうか。
(野洲高等学校校長)
この自由選択科目にどういう科目があって、どういう中身で学習を進めていくかについては、入学してきた生徒全員にきちんと伝える必要があります。その後、大体1学期ぐらいを目途に本人で選択の有無を決めてもらいます。その過程の中で、中間・期末考査もあります。本人の希望だけではなくて、教員からのアドバイスも受けながら決めていければと思っています。
(びわ湖放送)
入学してから決めるのですね。
(野洲高等学校校長)
そうです。実際どういう科目がどんな内容で実施されているかが分からない状態では選べないと思います。実際にやってみないと分からないところがありますが、やはり多様なニーズに応えるためにも可能な限り生徒の希望の方が叶うような形で運営したいと思います。
(びわ湖放送)
教員の幅広いスキルが共有に必要になると思いますが、県として何かサポートする予定はありますか。
(教育長)
野洲高校の取組に対して、教員の幅広いスキルが必要になってきます。今回の学校改革をしていく上で生じる様々な学校の課題に対しては、我々としてもサポートしていきたいと思っています。そこは学校側が、これから実際に運営を図っていく中で、その時々の状況に応じて対応していきます。
(読売新聞)
シン・野洲高校について質問します。先ほど働き方改革のチラシが共有されました。こういった働き方改革を進めるにあたり、今のこのシン・野洲高校の内容を拝見すると、一人ひとりの学習レベルに応じた勉強を教えたり、自由選択ができたりするというのは、一方で教員への負担が増えないかという懸念があります。そこに対しての対策を教えてください。
(野洲高等学校校長)
基本的には時間外労働を増やさず取組を進めていきたいと思います。教員がスキルを高めていくことについては、仕事をする上で当然のことだと思います。小・中学校へ授業見学に行くことについては、これまでの業務からプラスアルファの対応になると思いますが、それも基本的には業務時間内で取り組める形を作っていきたいと思っています。また、学習を自立させていくために、外部との関係を活用していきたいと思っており、きちんと連携していくことが必要だと思いますので、協定も結んでいます。学校の業務時間外で生徒が関わっていくことについては、地域としっかりと連携をし、教育をしていただけるような仕組みづくりをしていきたいと思っています。
 

(読売新聞)
今県立高校の在り方検討をされている中で、例えば湖北地域ですともっと選択肢が少ない生徒も多いかと思います。これをモデルとして、滋賀県内の他の県立学校に広げていく予定はありますか。
(教育長)
県立高等学校については今まさに在り方を検討し始めているところです。その中で、同時に魅力化についても各学校でそれぞれ取り組んでいただいています。これから、野洲高校での取組が生徒にどのように受け入れられ評価されるか注目をしていきたいと思っています。野洲高校の事例がより良いものであれば、そのことは他の学校にも波及していくと思います。そこはきちんと注視していきたいと思います。直ちに他の地域で同時に何か始める話はありません。
(毎日新聞)
始業が2校時からというのは、野洲高校が初めてでしょうか。
(高校教育課)
現在2校時始業を行っている学校はありませんので、野洲高校が始めれば、初めてという形になります。
(毎日新聞)
大阪の学校では、いわゆるヤングケアラーの子どもたちに配慮して遅く開始する学校があるという記事を見たことがあります。今回発表されたことは現実を直視されたのだと受け止めました。やはり子どもたちの現状を先生たちとしては無視できないという状況があったのでしょうか。
(野洲高等学校校長)
現実的にはそういう生徒も一定おります。ただ単に、怠けという捉え方で2校時の登校を認めるというわけではありません。ここを柔軟な時間割にすることで、今言われたような状況にある生徒や、不登校傾向の生徒、いわゆる学校から離れていく可能性がある子どもたちをできるだけ取り残したくないと考えます。
(毎日新聞)
高校だけで実践するのは大変だと思います。教育長として、同時進行で進めていきたいことはありますか。
(教育長)
今、学校の現場において学力の差が随分課題になっています。結果はまだですが、学力調査の結果も明らかになります。子どもたちの解答を見ていると、本当に答えることができない子どもたちもいると見受けらえます。その背景は様々だと思います。そこは昨年度から市町の教育委員会や教育長とも話をさせていただいています。特に全く解けない子どもたちの対応について、市町の取組を共有しながら、全体の底上げをめざしています。今回の野洲高校での取組について、小中学校段階で学習についていけず、悩んでる生徒にとって、このような形の高校生活がある、ということを示すことはすごく大きな意味があると思います。そのことで一人ひとり生徒のやる気や将来展望につなげていきたいと思います。
(朝日新聞)
学び直しの部分で、小中学校の授業に見学に行かれたとありましたが、学び直しの授業は高校の先生が担うのか、それとも市と連携を結ばれたので内容によっては小学校の先生の方が適していることもあるかもしれません。そのような授業の共有の部分等今後考えておられることはありますか。
(野洲高等学校校長)
現時点では、やっぱり小中学校の授業をまず知ることからスタートしています。対象の生徒の年齢や発達段階が違いますので、声のかけ方や、なかなか意欲をもってもらえない生徒に対してどういうアプローチをされているのか、そういったことも学んだ方が自分たちの授業に生かせるのではと思っています。なお、あくまでも高校の授業なので、小・中学校の先生が学び直しの授業をすることはできないと思っています。そこは高校側の教員が研鑽を積んでカバーしていきたいと思います。
(京都新聞)
シン・野洲高校は県教育委員会からの指定ではないとありましたが、そもそもの出発点を教えていただけないでしょうか。令和6年度から研究事業として始まったとありましたが、これは研究事業の対象校として野洲高校を指定して取り組まれたのですか。そしてその前段に、野洲高校に課題があったということで手を挙げられたのか。出発点を教えてください。
(高校教育課長)
研究指定校につきましては、伊香高校の「森の探究科」、守山北高校の「みらい共創科」と同じ形で研究指定を受けました。県としても、普通科の学校で、今後、さらに魅力をもってほしいという学校を研究指定校とし、それぞれの学校で考え、新しい学科を作られた学校があったり、それから野洲高校のようにカリキュラムを変えたりという形となっています。
(京都新聞)
野洲高校が感じた問題意識から県教委に発案されたわけではないということですか。
(高校教育課長)
当時、校内では総合学科新設という意見も出ていました。校内でプロジェクトチームを作り、目の前にいる野洲高校の生徒たちがよりよい形で卒業していくかということを考えた結果、このような形になりました。
(京都新聞)
野洲高校から自発的に提案したわけではなくて、県教委の魅力化のプランの中で、研究事業校に指定されて、そして野洲高校の中で考えられ、野洲高校が現在の方向性を挙げられたという流れでよいでしょうか。
(高校教育課長)
魅力化については全ての学校に指示はしてますが、早めに取り組むという形で、教育委員会としては先ほど挙げた学校に指示しています。
(京都新聞)
学び直しが大きいポイントかと思いますが、野洲地域の小中学校だけではなく、県立高校自体の倍率が厳しくなっている中で、他地域にも野洲高校の特色をPRし、新しく生徒を呼び込む予定はありますか。
(野洲高等学校校長)
PRについて、今回初めての公表になるので、この後、それぞれ情報が広がっていくと思っております。学校としては、まず中学校の先生方を対象に、具体的に学校が変わること、生徒たちがどんなことを選択できるかについて知っていただけるように、説明会を企画しています。
(京都新聞)
それは野洲地域の中学校を対象ということですか。
(野洲高等学校校長)
県内全ての中学校が対象です。
(京都新聞)
シン・野洲高校という名称なんですけど、どれぐらいこのキャッチーな名称を使ってPRされる予定ですか。
(野洲高等学校校長)
できましたら、このままご活用いただきたいと思います。キャッチーという点がキーワードになってくると思います。
(京都新聞)
来年度から動きがあると思いますが、すでに市とは連携され実施されていることもあると思います。学校公開週間と授業参観以外に何かもうすでに動きだしているものはありますか。
(野洲高等学校校長)
野洲駅前が今再開発をされています。この春、社会実証実験を野洲市でされておりまして、その社会実証実験の一つのコンテンツとして、本校の軽音楽部とダンス部の生徒がパフォーマンスを披露しました。また、野球部が市内の幼稚園、保育園にティーボールの出前講座を行うようなことを始めております。それから今年度、保健体育課の事業で中高の合同部活動の事業をさせていただくことになりましので、この後、2学期以降の気候が落ち着いた時期に、サッカー部と陸上部において、中学生と高校生が一緒に部活動をしていく企画を進めています。
(京都新聞)
保護者や生徒対象のアピールの場としては、夏休みの学校体験等が含まれると思いますが、どのくらい詳細を説明される予定でしょうか。
(野洲高等学校校長)
8月7日(金)に第1回目の学校説明会を予定しています。例年は学校で開催していましたが、今年度は守山市民ホールで開催します。このカリキュラム変更のタイミングに合わせ、制服も変える予定です。そのお披露目を8月7日にしたいと思っています。できれば記事の中で8月7日に実施するということを取り上げてお書きいただけたらと思います。
(京都新聞)
制服はどのように変わりそうですか。
(野洲高等学校校長)
校内でプロジェクト委員会を作り、約1年かけて、生徒の意見を取り入れながら進めています。今の制服とは趣、それから見た目、色が大きく変わると思います。申し訳ありません、詳細についてはお答えできません。
(NHK)
水泳学習についてですが、野洲市の方で来年度から中学校の水泳指導を取り止めることを発表されました。プールの老朽化と猛暑対策だと聞いていますが、一方で守山市の方はプールを集約化して、屋内プールを開設しようとしています。公教育でありながらも、一方は廃止し、一方は拡充するという全く正反対の状態になっていると思いますが、教育長としてどう受け止めておられますか。
(教育長)
基本的に水泳学習の実施については、各市町の教育委員会が、それぞれの地域の実情や学校の状況を踏まえて判断することとなっています。そうした中で、それぞれの市が適切な選択だと考えられた結果だと認識しています。もちろん水泳学習ができた方がいいのではないか、一方で水泳学習の環境を維持するだけの財政力の状況もあると思います。そうした中で、どこをどう捉えていくのか判断された結果だと思います。
(NHK)
一方で教員に聞くと、野洲に赴任すると水泳学習がなくて、また別の市町に行くと、水泳学習があるので指導の経験がバラバラになるという問題も出てくると思います。そこはいかがでしょうか。
(教育長)
水泳指導の経験の有無の差は生じるかもしれません。教員がそれぞれ配属されている学校で経験することは、水泳に限らず様々だと思います。基礎的な教科を教える場合についても、子どもたちの状況は学校によってずいぶん違いがあります。そういう経験のあることが強みでもあり、そういう経験のないことが弱みであるとすれば、今後教員自らの学びにも変えていただきたい思います。
(NHK)
水難事故で中学生が亡くなる事故が全国で相次いでいる中で、水泳学習は実体験であり、教員の負担が大きいとは言いますが、それだけ教員がピリピリしている様子が子どもたちに水は怖いものだということを認識させることにもつながると思います。この水に触れるという学習を廃止して、いかにこの水の危険性や対処法を子どもたちに伝えていくのか教えてください。
(教育長)
実際に水に触れる経験をどう捉えるのかだと思います。もちろん水に少しでも触れるに越したことはないとは思います。私の感覚ではありますが、各家庭でプールや海水浴に行くことが、昔に比べるとずいぶん減っていると感じています。それぞれの子どもがどういう経験をしてきたかも影響すると思います。ただ授業の中で、水泳学習を経験したり、家庭で琵琶湖や海で泳いだり、水と関わる様々な状況があると思います。何らかの形でそういった経験が積まれていくと良いと思いますが、水泳学習の有無については、各市町で判断されるところです。一方で水泳学習がなくても、水難事故防止につながる心得については、必ず授業で取り上げることになっています。実体験の有無と、少しでも子どもたち水に触れあう機会が増えるよう学校だけではなくて、それぞれの家庭も含めて、考えていく必要があると感じています。

(びわ湖放送)
市町の中学校が水泳学習を廃止するという選択肢が取れるように、小学校での水泳学習の強化等は検討されていますか。
(教育長)
県教育委員会で水泳学習の強化のための事業などは考えておりません。
(京都新聞)
部活動の引率についてです。県立学校に実態調査をされましたが、私立学校は中旬ぐらいにはまとめると聞きましたけれども、県教委に結果は来ていますか。
(保健体育課長)
現時点では報告はありません。どのような形で取り扱うかについても私学振興課で検討しています。
(京都新聞)
県立高校の在り方検討委員会について、昨日第3回目が7月10日に行われるという資料提供がありました。1回目、2回目を振り返っての教育長の受け止めをお願いします。
(教育長)
1回目2回目については、特にこれからの県立高校の在り方がどうあるべきなのか、それぞれの分野の委員の皆様からご意見をいただきました。本当に県立高校を取り巻く状況というのは変化が大きく、子どもたちの状況も様々になってきています。また、私立学校の授業料の無償化の拡大という側面もありますし、そもそも子どもたちが減ってきている現状もあります。さらに、いろんなテクノロジーがどんどん進化しています。そういう中で、これからの学びがどうあるべきかを真剣に議論していただいたと受け止めています。
(京都新聞)
いろんなアンケートもされましたが、印象深かったこと、新たな発見等はありますか。
( 教育長)
委員の皆さんからそれぞれの立場でご意見をいただきましたが、そうした中でも、子どもたちの状況が本当に様々であるということです。例えば保護者の方、企業の方から見られたときに、様々な子どもたちの状況があるということ、それを高校教育という中でどう対応し、これからの子どもたち一人ひとりの成長に向けて取り組んでいくのかが一番大きな課題だと認識しました。印象に残っているという意味でいうと、本当にそれぞれの見方、それぞれの立場からの見方が様々あるなということです。
(京都新聞)
統廃合を含め検討していくということですが、1、2回目はまだ具体的には踏み込んでいませんでした。おそらく知事選後に議論もされていくと考えています。その中で、教育長は10年前の長浜北高校、彦根翔西館の統廃合に実務で携わられたと思います。
(教育長)
私は携わっていません。
(京都新聞)
それは失礼しました。特に今後、そのファクターとして地元との折衝や政治的な部分が現れてくるかもしれませんが、10年前の教訓やどういったところを大事にして今後進めていかれますか。
(教育長)
在り方を検討していく前提として、様々な高校教育を取り巻く状況があります。そこをまずはしっかりと議論し踏まえた上で、どういう教育がこれから必要かということをしっかり考えたいと思います。その上で、子どもたちが置かれている状況に応じて、どういった学校が必要とされるのか、またそれは、どういった場所に必要か、やはり子どもたちの選択が狭まることないようにしていきたいと思います。併せて各市町が方向性をどう捉えているのかもしっかりと聞いていく必要があるかと思います。例えば規模の大きな学校が必要であるということも考えられますし、一方で少人数ならではの教育を必要とされる場合もあると思います。そのようなことを、この在り方検討の委員の皆さんと議論をしながら、次のステップに進めていきたい思います。そういう意味では、前回の10年前の議論で教訓というところで、前回はどちらかというと、教育委員会の中で議論がされていたという側面があったと感じましたので、より幅広くオープンにいろんな議論をしながら考えていきたいと思います。
 

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