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教育長定例記者会見〔令和7年(2025年)1月20日〕

配布資料

概要

(教育長)

皆さんおはようございます。本日もどうぞよろしくお願いいたします。それでは、本日の資料に基づきまして説明をいたします。配布資料2ページから4ページは、1月から2月にかけての県教育委員会の広報事項です。後日、資料提供による詳細のお知らせなども予定しておりますので、ぜひ、取材等を通じて発信いただければ幸いでございます。

それでは、話題提供ですが、本日は2件ございます。

まず1点目でございます。お手元の資料の5ページを御覧ください。県立三雲養護学校石部分教室の、「いしぶん地蔵と湖南三山」について説明します。

県立三雲養護学校石部分教室は、平成25年に、三雲養護学校高等部の一部として、県立石部高校の敷地内に設置され、平成30年度より「職業コース」が開設されました。今年作業学習では、2.3年生は「木工」「窯業」「布加工」「食物加工」「農業」の5つの作業種目からひとつを選択し、2学年が合同で学習しています。今年度で12年目を迎えています。

将来の職業的自立と社会参加を目指し、1年生で週に9時間、2.3年生では週に10時間の「作業学習」に取り組んでいます。「木工班」では、ベンチ、木箱、パソコンラックやコースター、メガネスタンド等の小物類を製作しています。「窯業班」では、食器類、植木鉢、置物などを製作しています。「布加工班」では、さをり織りをあしらった、バッグ類、名刺入れ、キーホルダー、コースターなどを製作しています。「食物加工班」では、本格的なパンを焼いています。種類は20種類にのぼり、中の具材まで生徒が調理しています。これらの作業学習で製作・栽培した商品を、各学期に石部分教室において、保護者や地域の方々を対象とした「いしぶんマーケット」で販売しています。今年は地域のイベント等に計6回出店させていただき、多くの方々に石部分教室のことを知っていただくことができました。

さて、ここから今回ご紹介する「いしぶん地蔵」の説明となります。コロナ禍の令和3年にさかのぼりますが、当時は学校教育活動にも様々な制限があり、「いしぶんマーケット」についても、従来の形では開催できず、窯業班では食器類の在庫が増える一方となっておりました。そこで、様々な制限を受けた学校生活を送る中で、コロナが早く終息し、人々が平穏に生活できる日々が訪れることを願って、「祈り人」が製作されました。

その「祈り人」がこの度、国宝を有する湖南三山の各寺院(長寿寺・常楽寺・善水寺)のご理解とご協力をいただき、「いしぶん地蔵」として、それぞれの参道や境内に飾られることとなりました。それぞれの寺院で、設置場所についても工夫いただいております。また、その姿を見つけて写真に収める方の姿も見られ、さらにその写真をSNSに投稿されている方もおられると伺っております。

来年度は、三雲養護学校の50周年、そして湖南三山の20周年の記念の年となります。今回のつながりを契機に、三雲養護学校がより地域に根差した学校になっていくこと、そして子どもたちが地域とともに成長してくれることを願っております。また、各寺院の「いしぶん地蔵」の様子やこれらが製作された経緯とともに、先輩たちから脈々と受け継がれた、作業学習の伝統や現在の生徒の頑張りを、県民のみなさんに広くお伝えいただきたいと存じます。

そしてこのニュースが、「いしぶん地蔵」を製作した卒業生たちの耳に届いてくれることを願います。

2点目でございます。お手元の資料の6ページを御覧ください。2月16日(日)に「北の近江振興 高校生サミット 集え!北の高校生たちよ!」を高島市のガリバーホールで開催します。

この事業は、昨年度から実施しております「北の近江振興プロジェクト」の取組のうち、「挑戦する若者が育ち・集う北部へ」についてのアプローチの一つです。高校生の皆さんが考えた北部地域の未来についての探究の成果を県民の皆様に発表します。発表するのは北部地域の9つの高校で学ぶ生徒の皆さんです。8月から、地域で活躍する方々の講演やフィールドワークなどを通して、地域の魅力や課題等を探り、その活用や解決策について学校単位で研究を進めてこられました。

それぞれの探究テーマを見ていただきますと、自然とのかかわり方とか、あるいは人口増加に向けた取組、福祉の魅力発信、観光客の誘致、まちづくりなど、持続可能な地域づくりに重要なテーマばかりでございます。

サミットには私も参加する予定です。発表を聞いて、どんなことを深く学び、考えたのか、聞かせていただくのを楽しみにしております。ぜひ、県内の多くの方に来ていただいて高校生の発表を聞いていただくとともに、中学生の皆さんにも高校の取組を知っていただくよい機会になればと考えております。

ぜひとも取材等もよろしくお願いいたします。私からは以上です。

 

(読売新聞)

三雲養護学校の窯業の取組で2点お聞きします。コロナの時にお地蔵さんを作ってなぜそれが今飾られるようになったのかという経緯と、コロナで在庫が売れなくなったという話がありましたが、もう売れたのでしょうか。

 

(教育長)

コロナ時に作品を売る機会がなくなり、令和3年に窯業の講師の方がアイディアを出されまして先生と話し合って生徒に提案されたのがきっかけです。できるだけ楽しい学校生活が早く戻って来て欲しいという思いを込めて作られたということで、当時は学校に置かれていたのですが、聞いておりますと、長寿寺の住職さんが、「参道等に飾る生徒の作品があれば相談してください」とお声かけをいただいたのがきっかけで、せっかくだから、湖南三山である常楽寺、善水寺もご協力いただけないかとお話したら、快諾いただいたのでこのような取組が始まりました。在庫の状況については三雲養護学校石部分教室の奥村副校長にお答えいただきます。

(三雲養護学校副校長)

コロナ後、マーケット等を開かせていただく中で作ったものは売れていたのですが、在庫が残ったままで、作る分だけが売れるという形でした。先ほど教育長からも説明ありましたように、特に外部に販売会を5、6回させていただくことがありまして窯業に関してもよく売れて、今では逆に作っていかないと売るものがないという状況にもなっています。布加工のカバンを置いていますが、在庫はゼロでここにあるものは、私の私物です。現在、おかげさまで在庫はゼロという状況でございます。

 

(読売新聞)

 では結局は全部売れたということですね。

 

(三雲養護学校副校長)

はいそうですね。地蔵の方も学校に飾ってはいたのですが、片付けて在庫品と一緒に倉庫にありました。そのような状況の中でお声かけをいただけたので、改めて日の目を見る機会をいただいきました。

 

(読売新聞)

お地蔵さんはそれぞれの寺に三つぐらい飾ってあるのですか。

 

(教育長)

5体から8体飾ってあります。

 

(読売新聞)

各寺に5体から8体飾ってあるんですね。分かりました。3学年で57人の生徒と書いてあるのですが、窯業をやっている生徒はどれくらいいるのですか。

 

(三雲養護学校副校長)

8名ほどの生徒が取り組んでおります。

 

(読売新聞)

大体例年、そのような人数ですか。

 

 

(三雲養護学校副校長)

生徒数が年によって変わってきますので、今それぐらいいるんですけれども、来年は少し作り手が減りそうな状況にあります。

 

(読売新聞)

ここで職業的な技術を身に付けて、皆さんどういうところに就職するのでしょうか。

 

(三雲養護学校副校長)

直接それぞれの作業を活かしたというところに繋がるのは実際には少ないですけれども、働くということはどういうことか、働く上でどういうことに気をつけなければならないか、そういったところはどこの班に所属しても、統一して指導しております。例えば技術的なところで、すごくミシンが上手い子もいたりするのですが、全く別のところに就職します。しかし、いろんな安全への配慮でありますとか、作業手順をしっかり守って仕事をするとかそういったところはしっかり身につけてくれていると思っております。

 

(読売新聞)

 例えばどういった業界に就職するのでしょうか。

 

(三雲養護学校副校長)

様々な作業所に多くの方が就職しております。

 

(読売新聞)

 ありがとうございます。

 

(中日新聞)

北の近江振興高校生プロジェクトなんですが、定員は何名になりますか。

 

(魅力ある高校づくり推進室長)

 会場のキャパは490人でございます。

 

(中日新聞)

申し込み、参加費が不要ですけど、キャパを超えてしまうということはないのでしょうか。

 

(教育長)

超えると大変嬉しいのですが。参加されるのは高校の関係者が主ですが、あとは高島市で行いますので、地域の興味のある方が来ていただければありがたいと思っております。

 

(中日新聞)

これは2回目になるのでしょうか。1回目はいつですか。

 

(教育長)

そうですね。1回目は去年の2月に長浜市の木之本で実施しました。

 

(中日新聞)

去年、2024年でしょうか。

 

(教育長)

はいそうです。2024年の2月です。

 

(京都新聞)

石部分教室の件なんですが、地蔵はもう今は作られてはいないということでしょうか。

 

(三雲養護学校副校長)

令和3年に作られてずっと置いてあったんですけど今回こうして表に出てきて、今の窯業班の生徒が自分たちも作ってみたいというような思いがございまして、実は新しいものを製作中でございます。

 

(京都新聞)

それもいしぶん地蔵ということで作られているのでしょうか。

 

(三雲養護学校副校長)

そうですね。新しいいしぶん地蔵ということで作っております。ただ、まだそれをどうするかというのは決まっておりません。

 

(京都新聞)

この長寿寺さんから「何か生徒の作品で飾るものがあれば言ってくださいね」という投げかけがあったということですが、ここの背景をもう少し詳しく教えていただけますか。何かもともとお付き合いがあったのでしょうか。

 

(三雲養護学校副校長)

元々高校の教員をされていた住職さんと私がたまたま顔見知りだったということがありまして、個人的に紅葉の季節にお参りさせていただいた時に久しぶりにお出会いして、今石部分教室にいるんですという話の中で長寿寺さんが参道にいろいろ可愛らしいものを飾っておられるっていうことがありましたので、ぜひ何かあればどうぞというふうに声をかけていただきました。それですぐに次の日にもっていかせていただきました。

(京都新聞)

いしぶん地蔵の特徴みたいなのがありますか。

 

(三雲養護学校副校長)

窯業班の生徒が作る作品は揃った食器を作ったりしますので、マニュアル化されているというか指導を受けた形で作られており、生徒それぞれの自由度が少なかったんです。けれども、この地蔵を作る時については、一定の手順を指導されたものの、サイズについては、それぞれ自分の思いをのせてもいいという形で作っています。特に見ていただく方に、優しい気持ちになっていただけるように、優しい表情というのを、特に生徒は気をつけて作っていたと当時の先生に聞いております。

 

(京都新聞)

このチラシのところに三つのお寺で私達を見つけてくださいっていう文言が載っているんですが、何かこのSNSでも広く発信されるとか、これがうまいことバズるじゃないですが広がるような何か仕掛けをされていますか。

 

(教育長)

まずはこの湖南三山に来てもらうことが非常に大切だと思っております。国宝もあって、特に紅葉の季節がいいので、ぜひとも来ていただくと見ていただけると思うので、そういうせっかくの機会ということで、湖南市さんとも一緒にPRしていければと思います。どういう手法でやるかはいろいろ学校とも相談しながら工夫をしていければと思います。

 

(京都新聞)

 ありがとうございます。

 

(朝日新聞)

いしぶん地蔵なんですけども、令和3年に作られた生徒さんにとってSNS等で反響があることに対してどういう影響があるのか教えていただけますか。例えば自信に繋がっているとか。

 

(三雲養護学校副校長)

当時の担当の教員も異動をしておりまして、連絡は直接とれていない状況です。ただ、いしぶんマーケットの宣伝をしている中で、卒業生がたくさん来てくれているのでそこから口コミで広がってくれたらなというふうには思っております。やっぱり先ほども言っていただきましたけれども、本校の生徒が自分のやっている仕事に対して自信を持つことがとても大事なことですので、そういうふうに繋がってくれると学校としては嬉しいなというふうに考えております。

 

(朝日新聞)

いしぶん地蔵が置かれる期限というのはありますか。

 

(三雲養護学校副校長)

期限はございません。なるべく長く置いていただけたらなと思っております。

 

(NHK)

北の近江振興サミットですが、昨年に引き続き実施されるのは、何かしら成果なり、やってよかったなということがあって2回目だと思うのですが、どういうことが成果としてあって、今回はどういうことをさらに期待されているのかということをお願いします。

 

(教育長)

滋賀県の北部には様々な資源やいいところがあります。逆に言えば、課題も多くあると思います。昨年私も発表を聞かせていただいた時に、こんな課題に高校生は興味を持って調べるのだなとか、改めて高校生が自分たちの住んでいる湖北地域にはこんな資源があるのだな、こんないい所があるのだな、でもあまり知られてないと自らが気づいてくれる良いきっかけになっていると感じました。高校生は高校生なりに発想があって、いろんな取組について、地域に出ていって地域の方と話し、どうしていくべきか地域の人と一緒に考えるきっかけになったのではないかと思います。逆に高校生が頑張っているし、地域の人たちから応援してあげようというお話にも繋がっていると思うので、前回と今回で少しテーマが変わる部分もありますが、今後も違うテーマで取組が進めていければと思っております。特に今回、例えば北星の介護福祉士などは、これから高齢化の中で大きなテーマです。そういった分野でも高校生がどう考えて取り組もうと思っているのかというのをPRしていくことが大事だと考えています。

後は自然がいっぱいあるけど、人口が減っていって、やはり観光客を増やして関係人口を増やしていかなければならないなとか、それぞれの学校でまだまだ考えてもらえるテーマはあると思います。次年度以降、北の近江振興全体の取組を考えていくことを期待します。

 

(NHK)

北部の課題の中に人口減少というところがあって、やはり若い人たちが出ていってしまう。高校生であれば進学とか就職とかで、北部を離れてしまって帰って来ない。そういう意味で、この高校生サミットは自分自身が当事者であり、その課題の対象であるということに関して、高校生はどういう風に感じていて、教育委員会としてはどういうアプローチをしているのでしょうか。

(教育長)

例えば一旦、大学や就職で湖北から県外に出られる方がいます。そういう方たちに高校の魅力化を進める中で話を聞いていると、実は自分の住んでいるところである長浜市、高島市、米原市にはこんないいものがあったり、頑張ってくれている人たちがいるけど、あんまりそういうことを高校時代とかに学んだり体験したりすることが少なく、知らなかったという声があります。改めて体験することのよさとか、可能性に気づいてもらうため、全員残っていただくことが一番いいと思いますが、それは現実的ではないので、こういうことで興味関心を持って、可能性を見つけ、そして高校生が地元に残ってもらったり、また将来また戻ってきてもらったりするためのきっかけにもなるのではないかと考えております。また、そのことを積み上げていくことで湖北のよさがPRされていくのではないかと思っています。都会に行っても自分の故郷にこんないいところがあるということを広げてもらうことで、東京から湖北の方に観光に来ていただくこともできるし、場合によっては東京で興味がある人が移住していただくことがあるかもしれません。そういったことを知ってもらうこと、あるいは学ぶことが私は非常に大切だと思っております。

 

(毎日新聞)

知事の年頭あいさつで、高校生の昼食を外部から届けるしくみというのを県教委主体で行われるとお聞きしました。今後どういった形で進めていくのか教育長のお考えをお聞かせください。

 

(教育長)

知事がおっしゃったことについて、私が今ここでは話しにくいところがありますが、やはり多くの高校生がお弁当を持っていっています。知事がおっしゃった昼食の課題については、保護者が毎日、お弁当を作るのは大変だろうということが発言の背景にあると思っています。お弁当を用意できないときはどうするのかというと、学校の周辺のお店とか学校内でパンを売っているところがありますので、パンを買って食べたりしているけれども、子どもたちに美味しくて栄養を考えたお弁当をどうしたら届けられるのかを考えてもいいのではないかと、保護者の皆さんも毎日お弁当を作っているけれど、作れないときは、何か学校で斡旋してもらえたら楽になるのではないかというようなお声も学校の中から出てきていたので、県の教育委員会として県立高校と私学の方も連携しながら、今どんな声が学校に寄せられているのか、既に何か工夫をされているところがあるのか等、ここはまずはしっかり実態を把握して、どんな取組を進めていけばいいかを考える必要があると思っております。今いろんなところで弁当等を斡旋、調整するサービスをやっておられる企業さんもあると聞いております。そういった企業さんの取組も参考にしながら進められればと考えております。

(読売新聞)

同じく知事が年頭に高校の魅力化について挨拶でおっしゃっていたのですが、アグリ、マイスター、クリエイターなど新たなテーマで魅力化を進めていきますということと、生徒数の減少を踏まえた高校のあり方の検討であるとか計画的な施設改修に向けた議論を始めますとおっしゃっているのですが、ここは詳しく言うとどういう事なのでしょうか。

 

(教育長)

一つは高校の魅力化をいくつか重点を置いてやっておりますが、知事がおっしゃったところは職業系の高校で、農業高校、工業高校、商業高校、これが3年ぐらいのスパンで例えば長浜農業高校のアグリの取組とか、それから彦根工業はもっと長くて、もう5年たっていますが、マイスターハイスクール、いわゆるものづくりの取組で地域の地場産業と一緒になりながらの取組とか、そして今年から始めています大津商業高校のDMOの取組とか、そういう取組を引き続きレベルアップしてやっていくというのが一つあると思います。職業系の高校も行きたいと思う中学生が少なくなってきている学校もあれば、逆に結構たくさん来てくれる学校もありますので、その辺の状況を見ながら取組を考えていく必要があると思います。それともう一つ、本県の高校もかなり老朽化してきています。高校は45校ありまして、一時に作ったという感じですし、特に昭和の30年代40年代の学校というのはもうかなり古くなってきています。今後どうすればいいかを考えなければならないのが、この令和7年8年ぐらいだと思っています。今後、もっと寿命を延ばすのか、建て替えるのかを考える時に高校自体をどうするのかということを考えずに建て替えたり改修したりするのはどうかという話になりますので、そこはセットで考える必要があります。それと併せて、高校の体育館のエアコンというのも、避難所になる小中学校については、国も交付金を出して進めますが、高校についてどうするかはセットで考えていかなければならないので、いわゆる学校の環境整備を考えるにあたって、高校のあり方も考えなければいけないテーマだと思っております。これについては今、どういう方向で進んでいかなければいけないのかを考えているところでございます。

 

(読売新聞)

ここで言っている高校のあり方ということは、学校数や規模についても考えているという話ですよね。

 

(教育長)

そうですね。まず高校の魅力化で、それぞれの地域に魅力のある学校をつくるし、様々な高校生がいますので、その様々な高校生の学びの場として高校を作っていくというのと、全体として、今13,000人強おります中学卒業者数が12,000人、11,000人、10,000人とだんだん減っていく中でその高校の規模や配置を含めて考えていく必要があると思っております。ただ今すぐに統廃合しましょうという答えがあるわけではございません。

(読売新聞)

もう一点、魅力化の関係の中でアグリとかマイスターとかクリエイターとおっしゃっているのは、今の守山北高校とか伊香高校とは別のものですか。

 

(教育長)

そうですね。職業系のものです。

 

(読売新聞)

それは楽しみですね。実態を踏まえて高校をどうしていこうか、今後どうするのかという話をしていくということですね。

 

(教育長)

そうですね。当然29校ある普通科とさっきも言いました農業科、工業科、商業科とか、あるいは総合学科という高校もありますし、美術科、体育科、音楽科など、そういったことを考えるのと、トータルで考えて子どもが減っていくのは事実なので、そういうことをしっかりと見据えながら考えなければいけないと思っております。

 

(読売新聞)

あと一つだけ別件ですけど、先月も聞いたと思うんですけど生成AIの活用についてです。年末に、文部科学省のガイドライン改訂案というのが出されてですね。初等中等教育段階における生成AI利活用ガイドラインを国が出しているんですけど、それを読むと校務と授業でそれぞれこのように考えましょうということが示されていて、先月も聞いたんですけど、校務については有用だから先生たちについてはやっていったらいいんじゃないですかという趣旨のことが書いてあり、学校現場ではリスクをちゃんと理解させた上で、使えるかどうかを調べてやってくださいという趣旨のことが書いてあります。小学校は特に慎重に使ってくださいと書いてあります。じゃあどうするのかということを、教育委員会が方向性を示すべきですよって書いてあるんですが、先月、教育長のお考えはちょっとそんなに前向きに取り入れられないというものだったかと思っているんですけど、改めて教育委員会としてこういう国の指針が出されていますけど、今後、全国的にどう活用していくのか、していかないのか議論が高まってくると思いますが、滋賀県では、教育委員会としてどうしていくという考えはありますか。

 

(教育長)

そうですね。この質問はなかなか難しいですね。確かに校務で効果的なものはどんどん使っていくのが良いかなと思います。一方で、元々生成AIが出てきたときにどうするのかというところは、特に発達段階において、その利用につきまして、例えば15歳未満の人は勝手に使用しないでくださいとか保護者の同意がいるとかそういう制限が元々あったと私は理解しております。では高校生の段階であれば使えるのか、あるいは大学生なら使えるのかということですが、そこは情報モラルとの関係もあると思います。やはり情報モラルの認識を高めてもらう必要があるというのが、学びに関する私の意見です。ですから、情報モラルをしっかりと学びながら使い方を考えていくのが大切だと思いますが、危険だからやめておこうというものではないと考えています。ある一定の発達段階であれば、活用については前向きに考えることも必要なのではないでしょうか。ただ小学校の段階から生成AIを使うのは、リスクが高すぎるような気がします。

 

(読売新聞)

教育委員会として先生はこうしたらいいですよとか、生徒に教えるのはこうしたらいいですよ、みたいなことを示せとガイドラインでは書いてあるのですが、そこはどうしていくとかお考えはあるのでしょうか。何か示していくのでしょうか。

 

(教育長)

そうですね。そう書いてあるものは、示していく必要が当然あると思いますし、学校現場も結構悩んでおられると思いますので、県教委としてどんな形でお示しできるのか少し時間をいただいて、示す方向で考えていきたいと思います。

 

(NHK)

ちょっとマニアックな質問ですけれども、先週、東京の方でJAが主催する和牛甲子園という大会がありまして、高校生たちが畜産の技術を競うというものです。最近毎年、岐阜の高校が入賞していて、飛騨牛を県ぐるみでブランド化しているようですけど、結果を見てみると、滋賀県の学校がなかなか入賞には至っていないということで、近江牛があるにもかかわらずという声が去年取材いった中で出ていたんですけれども、県として畜産教育に関してはどういうふうに考えておられますか。

 

(教育長)

長浜農業高校で肉牛を飼っておられて、去年か一昨年かに鹿児島の方に出品をしていただいております。その点は私よりも高校教育課の臼井課長が長浜農業にもおられたので、臼井課長から現場の実態とか畜産に即した内容をお話しいただきたいと思います。

 

(高校教育課長)

今、長浜農業高校は県内高校の中で唯一、肉牛の飼育をやってくれています。人工授精から始まって出荷までの全てを学校で子どもたちが取り組んでくれています。日野にあります畜産技術振興センターと連携しながら、最新の和牛飼育技術という形で学校にも年間何回も足を運んでいただいて、子どもたちと交流、応援していただきながら技術の向上ができるように学習を進めていただいております。逆に生徒が技術センターで勉強させてもらう機会も持っております。先ほど教育長からおっしゃっていただいたように、2年前の全国和牛能力共進会に近江牛を出させていただいたところです。なかなかいい牛だと評価をいただいたんですが、大きな賞までにはいたっていないというところです。子どもたちも頑張ってくれていますので、これからも引き続き、長浜農業高校で取組を続けていただいて、しっかりと学習して欲しいと思っております。

 

(教育長)

○〇甲子園というのはたくさんありますので、全部優勝したら素晴らしいことだとは思いますが、それに向けて、それが一つのきっかけとして学びが深まることに意義があると思います。いろんな取組を、それぞれの興味関心をもってやっていただくことが重要ですし、県教育委員会としても高校生をサポートできればと思っております。ただ学校現場だけでやるのも大変で、県庁に農業の関係の職員も多くおられるので、そういった方の協力を得ながらやっていくことがこれらからは大切だと思っております。畜産技術振興センターの話も出ましたが、関係者との協力を意識しながらやっていくことが大切だと思っております。

 

(NHK)

先の議会でもありましたけれども、学校の健診のあり方で、文科省からは原則着衣、県教委でも昨年度に関しては原則着衣と打ち出されてと聞いております。その中では着衣であったけれども胸までめくらなきゃいけなかったとか、着衣と言っていたけれども、脱衣だったという事例があったと聞いております。徹底がいいのかどうかわからないですけども、3月に県も子ども基本条例の制定を目指している中でやっぱり子どもの声を聴くというのは非常により重要になってくるのかなと思うんですけれども、健康診断のあり方というのは次年度以降どのように考えておられますか。

 

(教育長)

確かに答弁をさせていただいた時も、県立学校においては一校を除いて、基本着衣でやっていて、その一校については、工業高校の男子生徒が脱衣で実施したということでした。ただ、記者がおっしゃるように子どもたちの思いや声が大切だと思います。またはこの検診にご協力いただいている学校医の先生方がきっちり異常がないかどうかを確認したいという思いもありますので、ここは学校とその学校医さんがしっかり話をして、共通認識をした上で、今おっしゃるように生徒とか、保護者にも誤解のないようにしっかりと説明しながらやっていくことが大切です。基本は着衣になると考えていますが、地域の医師会を含めた学校医のみなさんと学校の話し合いをしっかり進めながらやっていくことが必要だと思いますので、県立高校は県が行っていますが、市町立の場合は、市町の方も関わってまいりますので、そのことは意識してやっていくのが大事だと思います。一方的にやるのではなく、話し合いをしながらやっていかないと、学校医のご協力があって初めて健康診断が成り立っていますので、丁寧にやっていく必要があると思います。

(NHK)

もちろんそうだと思うんですけども、学校医や医師会はスムーズに間違いなく見落としなく健診をするのは脱衣の方が良いことは前提で、ただ子どものプライバシーを考えず脱衣で健診していいという話ではないので、調整をしていくのは教育委員会や学校なのかなと考えると、医師の声を聞くのか、子どもの声を聞くのかっていう非常に難しいバランスを求められていると思うんですね。そういうときに子どもたちにとって頼りになるのは、先生、学校しかいないので、その時に「医師会としっかり医療的なことを」と言われてしまうとどうしようもないところがあります。そうではなくて、子どもたちのプライバシーや子どもたちの思いを伝えていく仕組みだとか、そこは学校任せにするのではなく、教育委員会が後ろにいてあげた方がいいんじゃないかなと思うのですが、そのあたりどうでしょうか。

 

(教育長)

そうですね。確かに個々の学校が整理すると、差が生じてしまうと思いますので、そこは県と市の教育委員会がどういう姿勢で臨むのか、また担当者会議とかもありますので、実態を把握した上で、方向性を定めていければと思います。県の教育委員会の方向性を参考に市町の教育委員会もご検討いただくという形が必要で、理解を得られるように、そこは丁寧に進めていくことが大切だと思います。

 

(京都新聞)

高校の少子化や魅力化の件でちょっとお伺いしたいんですが、この再編の議論というのがあるなら令和8年度に行うということなんでしょうか。

 

(教育長)

そうですね。県庁全体で公共施設の更新改修の計画をもう一度作り直すというのは、令和7年度中にどうしていくのかという議論がされますので、そのときにここの高校は改修更新していくなど一定の方向性を示していく必要があると思います。そのため、令和7年というのを目安として申し上げているということでございます。

 

(京都新聞)

長寿命化計画等は高校独自のものがあるということでしょうか。

 

(教育長)

いや、県庁全体の公共施設です。

 

(京都新聞)

それに合わせる形で何か協議会を設けることはあるのでしょうか。

 

(教育長)

あくまで県の公共施設の建物をどういうふうに更新なり改修していくかということですので、そこには当然客観的ないろんなデータも必要です。そのデータの確認などは当然していきますが、そのデータを確認した上で総量が出てきますので、何年間でどのように取り組んだらいいのかということが出てくると思います。

 

(京都新聞)

県立高校が45校ですかね。これ今後、例えば5年後10年後の方針を示すとか、そういった議論ではないということですか。

 

(教育長)

まだそこまでは出ておりません。それも含めどうするかを考えなければならないと思っております。

 

(京都新聞)

それは他の何か公開の場でそういう議論されるのか、それとも庁内でされるのでしょうか。

 

(教育長)

進む方向性によってだいぶ違ってくると思います。他府県でも高校の再編を打ち出されるところは、協議会等を設けて地域の意見を聴いたりされますので、そのような場合は当然そういった取組が必要だと思います。そうではなく、校舎や体育館をどういう形で今後整備していくのかという話であれば、果たして協議会を設ける必要があるのかどうかというのがありますので、どういう方向性を出していくかでやり方は変わってくると思います。

 

(京都新聞)

建物が前提で、来年度にそれをどうしていくかというのが最初ということで、再編云々という話では必ずしもないということですね。

 

(教育長)

今のところそうですね。

 

(京都新聞)

高校入試が本格化しますけれども。この前もお話を伺ったんですけど、この現状の最後の入試制度として、この制度としてはどういう総括をされていますか。

 

(教育長)

高校生が様々な形で高校を選べる仕組みについては毎年、考えてきたことで、普通科をどうするのかということや、皆さんご存知の全県一区の制度もありますし、それから特色選抜、スポーツ・文化芸術推薦選抜、推薦選抜というやり方がありまして、それぞれの学力検査以外の要素で取り組むというやり方をずっと続けてきました。細かい学校のやり方は少しずつ変わっておりますけど、改めて高校入試をどうするかということで、令和5年にかけて議論をいただいて、その結果が令和8年度入学者選抜からの新しい入試制度になります。現入試制度は一定の役割を果たしてきたけれど、まだまだより良いものにしていく、あるいは子どもたちの選択とか、子どもたちが自分で学びたい学校をどのように選べばいいのかという点と、それから今入試が長期にわたっていることの学校現場の負担、そして子どもたちの負担等々を考えて新しい制度にしましたので、今よりもより良い制度になるように1年間進めていきます。現制度は一定の役割を果たせたと認識しておりまして、現制度のいいところは新しい入試制度でも引き継いでいくことになると思います。スポーツを得意としている子たちが高校でそのスポーツに打ち込みたいという思いを実現できるような取組もしていくと思っております。

 

(京都新聞)

昨年度、県教委から生理とかになった場合の追検査について、これは国の方に方でも話題になって、県教委としてこれまでも対応していたけれど、改めてその取扱いに関して学校や市町教委に昨年初めて通知という形で出されたと思うんですけど、本年度の対応としてはいかがでしょうか。

 

(教育長)

基本的には昨年度と同じ対応となります。

 

(京都新聞)

通知はいつ出されますか。

 

(高校教育課)

受検上の配慮についてはもう通知を出しておりまして、昨年度と同様です。入試上、配慮を求める場合は事前に申し出ていただくというような形ですでに出しております。

 

(京都新聞)

わかりました。最後にこの受験生へのメッセージや呼びかけがございましたらお願いします。

 

 

(教育長)

そうですね。コロナの頃は出したこともありますが、何か改めて受験生に対して私からのメッセージを出す予定はないです。

 

(京都新聞)

改めてではなく、この場でお言葉をいただければと思います。

 

(教育長)

この場でもし皆さんに申し上げるのであれば、体調管理には十分気を付けて臨んでいただきたいと思います。土日にありました共通テストにおいても当然休まれた人もいます。年末には非常にインフルエンザの罹患者も増えましたので、やっぱり体調を崩して当日に受けられないと、そのことがプレッシャーになると思います。一応追検査を用意しておりますけれども、追検査でもう1回臨まなければならないとなると、やはり生徒にとっては結構厳しいところもあると思います。できる限り、本番を万全の体制で臨めるように、県の教育長として受験を控えておられる小学生、中学生、高校生の皆さんに体調管理を十分していただいて、今まで一生懸命頑張ってきたことを受検当日に発揮できるように頑張っていただきたいと思っています。ただ、どうしても体調を崩すこともありますので、そのときは追検査を予定しておりますので、そちらで再度チャレンジしていただければと思います。

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電話番号:077-528-4512
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