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教育長定例記者会見〔令和6年(2024年)12月26日〕

配布資料

概要

(教育長)

皆さん、おはようございます。と言うのがいいのかお昼をまわりましたが、本日は今年最後の定例会見となります。この一年、令和6年、報道機関各位のご協力ご支援、そして様々なご指摘をいただき、大変感謝を申し上げたいと存じているところでございます。

今年令和6年につきましては1月1日の元日に能登半島で大きな地震があり、多くの方が犠牲になられ、また避難生活を余儀なくされておられる方がたくさんおられ、子どもたちにつきましてもなかなか学びが継続しづらいところがありまして、金沢の方に移って勉強をしておられた子どもさんもおり、県の教育委員会においても先生を派遣して、支援いたしました。できる限り早く子どもたちが安全安心に学べる日が来ることを願っているところでございます。

またこの1年を県の教育委員会の取組として見てみますと、一つは不登校状態にある子どもたちに対する支援というものをどうしていくのかということで、4月にできました子ども若者部とともに滋賀の学びと居場所の保障プランに基づいて様々な取組をしてまいりました。特にスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの配置を増やし、また市や町と一緒になりながら、校内の教育支援センターの支援の強化などにも取り組んでまいりました。

そしてもう一つが子どもに関する読書についてです。この後少し話題提供させていただきますが、「こども としょかん」サポートセンターを設置して、滋賀県まるごとが子どもたちにとって読書を楽しむ場となるように取り組んでいるところでございます。併せて、来年は国スポ障スポがございますが、再来年の令和8年にはインターハイが近畿で行われまして本県では、開会式を含めて様々な競技が実施されますので、その取組を高校生の皆さんとともに始めたというのも感じたところでございます。

そしてもう一点、高校生が海外に留学するのを後押しするという形で、国の方の「トビタテ!留学JAPAN」という事業に令和5年度から手を挙げさせていただいて、拠点形成支援事業という形で、多くの高校生に海外に留学してもらいました。初年度である令和6年度については19校から38名の高校生が海外に行きました。また成果報告等を2月に予定しておりますが、こういった取組を、次年度、令和7年度も、2年目という形で続けていきたいと思っております。

併せまして、高校生が様々な場面で活躍していただいたというのも印象に残っております。八幡商業高校の簿記珠算部の皆さんが、簿記競技大会において団体優勝を果たされたり、栗東高校の馬術部の皆さんが全日本の大会で39年ぶりに優勝したり、また先日は栗東高校の1年生の森和さんという方が、キャンパスアートアワード2024でグランプリを獲得され、キャンパスノートの表紙になるなど様々な活躍がございました。またこの年末には花園でラグビーもありますし、東京では全国高校サッカー選手権が行われます。今年の滋賀県代表は草津東高校でございますけれども、草津東高校の選手の皆さんはご当地アピールとして、来年の国スポ障スポの横断幕と草津市の花であるあおばなで染めたスカーフを持って入場されるというふうに聞いております。こういった高校生の取組を非常に楽しみに、そして嬉しく思っているところでございます。

地域や保護者の皆様に感謝を申し上げたいと思っております。来たる2025年はより一層、滋賀の子どもたちがいろんな場面で活躍し、そして子どもたちの学びが充実するように努めてまいりたいと思っております。

そして、年が明けますといよいよ、受験のシーズンになります。今インフルエンザも流行っておりますので、受験をされる生徒の皆さんには、ぜひ今までに頑張ってきた成果を生かせるように、今一度、基本的な感染対策、そしてバランスのとれた食事、十分な睡眠をとっていただければと思っております。県立高校の入試についても万全の状態で臨めるよう今準備を進めているところでございます。

 

それでは本日の資料に基づきまして説明をさせていただきます。配付資料の2ページから3ページにつきましては12月から1月にかけての教育委員会関係の報告事項でございますので、また取材等を通じて発信していただければ幸いでございます。

それでは話題提供、本日は4点ございますが、順次、説明をさせていただきます。

まず1点目がお手元の資料の4ページをご覧ください。

「こども としょかん」ポータルサイトの開設ということでご紹介を申し上げます。

「こども としょかん」についてはもう既に何度かいろんな場面でお話をさせていただいておりますけれども三つの取組、子どもの読書の支援と学校図書館の支援、そして読書支援策の総合調整・研究・発信というのがございますが、この三つ目の発信の事業の一つとして、この「こども としょかん」ポータルサイトというのが役立つという形で今回開設をさせていただきました。

私もサイトを見ておりましたら、「子ども向けのページ」が、「キッズ」と「ティーンズ」というふうに二つに分かれておりまして、まだ新しいものなので、あまりたくさんデータがあるわけではないですが、なかなか見やすくていいポータルサイトだと思っております。「キッズ」は小学校の低学年中学年向け、「ティーンズ」は小学校高学年から中高生向けということでございます。

また、「学校図書館に関わる皆さんの向けのページ」とか、「地域で活動される皆さん向けのページ」というのもございます。

「子ども向けのページ」のポイントとしましては、司書の皆さんがおすすめする読書案内のページに加えまして、本やネットで調べるためのガイドページを用意したということでございます。子どもたちに関心のあるようないろんなサイトにも繋がりやすくなっておりますので、こういったことで自主的に子どもたちがいろんな形で調べたり学習したりしていただければと思っております。図鑑のように、学習に役立つ図書の案内もしておりますのでこういった取組をぜひとも進めていただきたいと思っております。

それから「学校図書館に関わる皆さん向けのページ」では、学校長の皆さんや司書教諭の皆さんそして「学校司書の皆さん向けのページ」ということで、こちらの方のページにつきましても学校図書館は多くの子どもさんたちにとって身近な図書館であるとともに、「学習センター」や「情報センター」としての機能もございますので、このページもまた活用していただければと思っています。

そして最後に「地域で活動される皆さん向けのページ」では、研修会やセミナー等の情報の掲載とか、読書ボランティアの方々への情報提供なども行っていきたいと思っております。

なお、この「こども としょかん」ポータルサイトにつきましては、公益財団法人図書館振興財団の助成を活用させていただきました。ぜひこのポータルサイトを多くの方に知っていただいて、ご活用いただければと思っておりますのでよろしくお願いをいたします。

それから二つ目の話題は5ページでございます。滋賀県教育委員会では、令和4年度から、文部科学省のワールド・ワイド・ラーニングコンソーシアム構築支援事業の3年間の研究指定を受けまして、県立彦根東高校をカリキュラム開発拠点校として、イノベーティブなグローバル人材の育成を目指した取組を進めてきているところでございます。

令和7年1月17日にこれまでの取組のまとめとして、「WWL高校生国際会議(兼成果報告会)」を米原の県立文化産業会館で実施させていただきます。

二部制でございまして、第一部では、SDGsや世界が共有する諸課題の解決などをテーマに、県内外の高校生100名程度、それから県内の大学生あるいはJICA関西の研修生の皆さんなどが英語を用いて、探究学習や課題研究の内容などについてポスター発表等を行います。県内のALTの皆さんにも参加いただいて高校生等の発表を聞くとともに、ポスター内容の審査も行っていただくというような取組となります。高校生がお互いの発表内容について学び合うとともに、自らの考えを英語で伝える機会になればと思っております。

また第二部の成果報告会の方では、花園大学の木村先生による基調講演や彦根東高校の3年間の成果報告が実施されます。

県内のグローバルな取組を牽引する、彦根東高校の取組の成果を県内に普及し、高校生にとって新しい価値を生み出す取組となることを期待しているところでございます。

そして3点目が、6ページから7ページにかけてですが、滋賀県のインクルーシブ教育賞についてご紹介させていただきます。

このインクルーシブ教育賞というのは平成30年に創設いたしましたが、県内の全ての小学校、中学校、高等学校と特別支援学校の児童生徒を対象に、障害のあるなしに関わらず、共生社会の形成に寄与したと考えられる地道な取組を表彰させていただいているものでございます。

この表彰を通じまして、ともに学び、ともに生きるという子どもたちの心を育むとともに、県民の皆様の理解の促進を図る機会になればと思っております。

令和5年度の表彰式の様子を少しスライドで紹介させていただいています。

そして今年、令和6年度につきましては2組4校の表彰をさせていただく予定でございます。

一つ目が、中学校部門の東近江市立船岡中学校の1年生の皆さんと、県立八日市養護学校中学部1年から3年の交流で、この交流が今回39年目を迎えるということでございます。船岡中学校の生徒が八日市養護学校を訪れて、ゲームなどで交流を深めました。船岡中学校と八日市養護学校の交流では、昨年受賞した八日市西小学校で交流を経験した生徒もおり、中学校での交流も非常に楽しみにしているということでございます。

そしてもう一つが高等学校部門では、県立瀬田工業高等学校の人権交流委員会の生徒の皆さんと県立草津養護学校高等部、こちらは20年目という交流でございます。

年2回の交流で、スポーツなどのレクリエーションや学習成果の発表などを行っていただいております。どちらの交流におきましても、生徒たちは不安があったようですが、交流を終える頃には、仲良くなれてよかったという感想がございますのでこういった取組を通じてお互いを思いやる気持ちが生まれることになったと聞いているところでございます。

なお表彰式でございますが、中学校部門につきましては、2月13日の木曜日に場所は八日市養護学校で実施いたします。こちらは私が出席させていただく予定でございます。

高校につきましては2日に分けて、県立の瀬田工業高等学校と草津養護学校それぞれで1月の20日と28日に実施する予定でございます。

先ほど申し上げましたが、インフルエンザの感染拡大の状況によりましては、延期ということも考えられますが、その際は改めて連絡させていただきます。

そして最後に四つ目ですが、教員のファーストステップセミナーについては何度も言っているような気もしますが、それほど教員の不足と講師の確保というのが我々の一番大きな課題でございます。今年度これが最終回でございますが、1月27日と2月1日に冬講座の第2弾として今回も実施をさせていただきます。

ファーストステップセミナーは潜在的な教員希望者を掘り起こして、新規の講師登録に繋げるものでございます。

今回は草津養護学校を訪問してもらって、知・肢併設の草津養護学校で授業や休み時間の様子を見ていただいて現場の先生から話しを聞いていただく機会を設けるのと、もう一つは2月1日の土曜日にICTの活用でありますとか今求められる教師力について大学等の先生からの講座を聞いていただきます。こういった取組を通じまして講師登録そして次年度以降に先生になっていただくということに繋げたいと思っております。

多くの参加をお待ちしているところでございます。私からは以上でございます。

(京都新聞)

「こども としょかん」ポータルサイトの開設についてお伺いします。こちらでは市町の図書館でのイベント情報ですとか地域で行われる読み聞かせの催しですとか、そういったものを網羅的に確認できるのでしょうか。

 

(「こども としょかん」サポートセンター所長)

現在そういった情報を県立図書館の方でも収集しておりませんので、今は載っておりません。今後はそういうところも掲載していくことは必要だろうと考えているところです。

 

(京都新聞)

今は各市町の図書館が単独でそれぞれのホームページとかに載せているというような状況で、特に現在一覧で確認できるページはないということでわかりました。もう一点この「こども としょかん」事業が本年度から本格的に取組が始まっていろいろと活動されているかと思うのですが、教育長としての受けとめや、手応え、あるいは何か目に見えて変化が伺える、例えば指標とか数字がもしありましたら教えていただけますか。

 

(教育長)

いくつかあると思うのですが、一つは今まで本に親しむ機会があまりなかった児童養護施設や子ども家庭相談センター、少年鑑別所等に保護されている子どもたちにも本を読んでもらうことも必要なので、そういったところに「こども としょかん」サポートセンターの職員が行って、本についての話をしたり、本を持っていったりしながら子どもたちにも幅広く本を届けたということがあると思います。もう一つは、各市町の学校図書館を訪問させていただいて、校長先生、それから司書教諭の先生、学校司書の先生方とも話をしながらどういうふうにしたら学校図書館をもっと活用してもらえるかというのを順番に回りながら、いろんな意見交換をしていくことで学校図書館をもっと使おうという意識が高まってきているのかなと思います。県で「こども としょかん」が一生懸命に学校図書館を充実していきたいという思いが市や町の皆さんにもご理解いただきまして、少しずつですが、市町の学校司書の採用とか、設置とか拡充に向けての取組が徐々に進んできています。こういった取組がさらに広まるように思っております。もう一つの取組として、(学校図書館)サポーターの養成講座で、この養成講座を受けられた方々が30人弱おられます。この方々の情報を(ご希望により)今後提供していくことで、もう少し加速度的に取組を進められればと思っております。私としては1年目として、いい取組が進んだと認識しております。

 

(京都新聞)

ありがとうございます。いろいろと挙げていただいた事例の中で鑑別所や児童相談所に本を持っていかれているというのは、過去にはなかった取組なのでしょうか。

 

(教育長)

なかったことです。「こども としょかん」の三つの柱の一つで、こどもの読書を支援するという一つの取組で、学校以外のところでの読書を進めることがあまりできていなかったので、そういうところにも一度行って、いろんなお話をする事は大切なことではないかなと思います。

 

(京都新聞)

その実績を教えていただきたいのですが、どれぐらいの施設に何冊ぐらい持参されているのでしょうか。

 

(「こども としょかん」サポートセンター所長)

正確な数字を持ち合わせてはいませんが、大津少年鑑別所であれば月に1回程度行っております。大体7月ぐらいから始めたと思いますので、6回7回ぐらいは行っているかと思います。あと子ども家庭相談センターについては中央に1回、日野には2回行っている状況でございます。

 

(京都新聞)

本を寄贈とかいうことではなく、実際にスタッフの方が行かれて何か読み聞かせをされたりお話をされたりということなのでしょうか。

 

(「こども としょかん」サポートセンター所長)

そうですね。おっしゃる通りで、まず行って読み聞かせというか、おはなし会をさせていただいております。プラス県立図書館の本を持っていって、それを一定期間借りていただいているという状況になっています。

 

(京都新聞)

わかりました。ありがとうございます。

 

(滋賀報知新聞)

「こども としょかん」ポータルサイトに関してお尋ねします。先日県の総合教育会議がありまして、そちらでも「こども としょかん」の活動についていろんな話がされたかと思うのですが、そちらの中で印象にあるのは大東中学校さんの取組で学校の先生がおすすめしたい本を定期的に子どもたちに紹介したりとか、子どもたちが読みたい本というものをちゃんとデータを取って図書室に収蔵したりするようにするというような取組をされていてすごく面白いなと思いながら話を聞いていたんですけど、このポータルサイトを拝見する限り、そういった窓口みたいのがないのかなと思いまして、今後そういったところの取組というのはいかがでしょうか。

 

(教育長)

そうですね、すいません。少し体調を崩しておりまして総合教育会議を欠席しましたので、具体の中身を全部存じ上げてないので申し訳ないのですけれども、先生方は個人の思いがあるので、全員がそれをやれるかどうかは別にして、私が思うのは、先生と生徒の距離を近づけるために、実はこんな本読んですごく面白かったよと話すことで生徒も1回読んでみようかなと思うとそのことで会話になったり、先生と生徒の距離が近づいたりしていろんなことを打ち明けたりする一つのきっかけに本がなるのではないかなと私は思っております。そういった取組はそれぞれの学校でやっていただくというのがいいと思いますが、ポータルサイトでそういうものを入れるかどうかはどうですか。

 

(「こども としょかん」サポートセンター所長)

ポータルサイトの中でもおすすめの本というページの中で、まだ数は少ないですけど挙げております。あと学校図書館に関わる皆さんへというページの中で、一部閲覧制限というか、見られないページもあります。学校の中で取り上げたい内容を各学校間で情報共有できるようなページも設けています。このポータルサイトはどちらかというと皆さんで作っていただくページだと認識しておりますので、そういったご意見も踏まえながら今後充実していきたいと考えております。

 

(滋賀報知新聞)

教育長のおすすめの本とかもこういうのに載ってくると面白いかなと思うのですが、どうでしょうか。

 

(教育長)

すごく難しいご質問をしていただきましたけど、私は何でも興味があるので、以前、高校生がどんな本読んでいるとか、どんなことに興味を持っているのかというのを何年も前に草津東高校の図書館に行って職員の方に尋ねたら、東野圭吾さんの本を読んでいる人が多いと聞きまして、あまり読んだことがなかったのですが、1冊読んだらすごく面白くてハマりまして、東野圭吾さんの本は、ほとんど読んでいるのではないかと思うぐらいです。ちょっと凝るタイプで70冊ぐらい読ませていただきました。また、最近では、話題の「成瀬は天下を取りに行く」を読みました。ちょうど私が高校生のときに西武百貨店ができて、湖西線ができた頃にも高校生でしたので、大津まで来ておりました。その頃の思い出とか非常に語れるいい本なので、滋賀を知る意味でも、高校生もああいう本を読んでいただければいいなと思っていますし、東野圭吾さんの作品は推理小説が多いですけど、大阪府立大の工学部を出ておられると思いますが、科学的な要素が結構ありますので、科学に興味を持つきっかけにもなるのではないかと思います。私のことですので、あんまりこういうのを記事にしてもらうと困るのですが、個人的にはそんなことでございます。

 

(滋賀報知新聞)

例えば今お話いただいたようなことを、このポータルサイトに一つ作ってみてはどうでしょうか。

 

(教育長)

そうですね。ちょっと相談してみます。

 

(滋賀報知新聞)

ありがとうございます。

(読売新聞)

一つ目教員採用試験についてなんですが、令和8年度の採用分の日程がこないだ発表になったと思いますが、今期は前倒し実施をしたものの効果が今ひとつであったというような事案があっての日程設定かと思います。今回の日程設定の意味合いを改めて教えてもらえますか。

 

(教育長)

まず一点目として、今回6月の下旬ぐらいから6月の中旬にさせていただきました。それで一度やりましたが、やはり応募される大学生等の数は減ってきておりまして変えたから増えたというのは見えませんでした。併せまして近畿2府4県がほぼ同時期に今行っておりますけれども、来年度についても周辺の2府3県の状況を見ておりますとほぼ同時期ぐらいに行われるところが多いので、まず毎年こう変えていくっていうのは、この受験する人にとっても大変だと思うので少なくとも来年1年は同じ時期にやった方が私はいいのではないかと思いましたので、今回はこの時期にさせていただくということに決めさせていただきました。

 

(読売新聞)

やってみてこれ以上の前倒しっていうのはそれ以上効果がないかなというのは教育長の受け止めなのでしょうか。

 

(教育長)

あまり断定的に申し上げますと文部科学省さんが推奨しておられるのが5月の10日前後と思いますので、それに対するコメントみたいになるのは、どうかと思いますけれども滋賀県の実態とか、近畿各府県の大学生と近畿各府県の教育委員会の思いを見ておりますと、今ぐらいにやってみる方が適切ではないかと思っているということです。

 

(読売新聞)

ファーストステップセミナーは何回も案内していただいているとありましたが、一方で教員確保にはご苦労なさっているということで、採用試験の日程はそういうことなんですけど、来年度以降、それ以外の部分でどうやって確保していくおつもりでしょうか。

 

(教育長)

やはり大学生が教員になってみようとか、受けてみよう、目指そうと思ってもらわないと駄目だと思います。実は先月、京都の私立の大学に2校ほど回らせていただいて、滋賀県出身の方もたくさんいらっしゃいますので、先生になるのであれば、ぜひとも滋賀県ということで、私自ら行ってお話をさせていただきました。

そうしたら皆さん熱心に聞いていただいていましたので、それを一つのきっかけとして滋賀で教員を目指す学生さんの数を増やしていくことも大切だと思いますので、まず発信をやらなければならないと思っております。また4月以降もそういった取組を進めていきたいというのが一つです。

もう一つは、先輩の先生方からだんだん余裕ができて働きやすくなっているというのがメッセージとして後輩に伝わることも大事だと思います。ですから今いらっしゃる若い先生方が働きやすい職場を作っていくっていうことが大事ですので、そのためには、今教職調整額が上がる予定と聞いておりますけれども、もう一つは先生方が1日の中で余裕のある時間が生まれるだけの人の支援、人を増やしていく。人を確保していくことが大事なので、今後予算のこともありますので断定的には申し上げられませんけれどもそういった取組を進めていきたいと思っております。それは全ての校種、小学校、中学校、高等学校、特別支援学校それぞれの人を増やすことが、私はより一層大切ではないかと思っております。

先生方の空きの時間、授業をやらない時間を1日の勤務の中で作っていく、増やしていくことが大切だと思っております。

先生になってみようと思ってもらう人を増やしていくということだと思います。そういう地道な取組をやっていくのと、講師が一定数いるのは事実ですので、年度途中にお休みをしたり、いろんなことで対応したりする場面が絶対にありますので、その講師をしてもいいという人を増やすことも大事だと思っております。

 

(読売新聞)

ありがとうございます。教育長、自ら獲得に乗りだしておられるのですね。

 

(教育長)

獲得とか大層なことではないのですが、県の教育長が行って皆さんに訴えることは大切だと思っております。やはり滋賀の教育の魅力とか、我々がどんな取組をやっているのかを直にお話した方が学生にとっては、いいと思いますので、2年生3年生の学生が多い中、1年生の学生さんもいらっしゃいましたので、そういう学生にぜひともアピールしていきたいと思います。直接、現場に行くと、学生が今疑問に思っていることを聞けたりしますので、大学の関係者の皆さんのご協力でいい機会を得られたなと思っております。

実は令和元年にもやっておりましたが、令和2年3年とコロナがあって、大学生が大学にいなくなりましたので、行く機会もなかったので、ようやく令和6年ですけど、復活というか、いい機会を設けてもらえたと思っております。

 

(読売新聞)

あと一点お願いします。生成AIの活用についてなんですけど、先週、文部科学省の検討会議の方でガイドラインを改定しますということで案が出ているんですけれども、端的に申し上げると、学校現場で使うときに小学校は慎重に使いましょうというのと一方で教職員の方が校務で活用する場合は有用ですとか、働き方改革等の意味で指針が改めて出ています。その中で、滋賀県教育委員会としては学校に特に学校現場で授業の中で使っていくことに対してどのようにお考えを持っておられますか。

 

(教育長)

授業での生成AIの活用というのはある意味、慎重にやるべき部分があるのではないかと思います。先ほども文部科学省の方でも、いわゆる小学校ですと、生成AIに頼ってしまうと、自ら学び考えなくてもいいとなると、少し意味が違ってくると思います。やはり自ら考えること、そして自らいろんな思いを書くことは大切だと思っています。

ただ先生方が生成AIを使いながら、事務効率を良くすることは当然あり得ると思いますし、あるいは、例えば高校生とかが自分以外の答えはどんな答えがあるだろうというのを探すとか、あるいは生成AIの限界を知るとか、いろんな使い方があると思いますので、生成AIをうまく使うことが非常に私は大切だと思います。ただ使い方を誤ると、変な方に行く可能性は否定できないと思いますので、その点は十分注意しながらやらなければならないとは思っております。

ただ先生方には、ぜひとも何回か使ってほしいというのが私の思いで、先生方が使わずに子どもたちに使っては駄目というのは、少し違うのではないかと思います。まず先生方は生成AIについてもチャレンジをしてほしいというのが私の思いです。ということで、高校教育課長やICTの推進室長もいますけれども、いかがですか。

 

(教育ICT化推進室長)

県立学校の方ですが、授業の方での活用というのは、まだ明確な実績としては出ていないと伺っております。ただ校務の方で、報告書を作るときに一旦叩き台となる例として、活用していると聞いております。学校ではやはり懸念されるのはファクトチェックです。何が真実かというところを生徒、先生が見極められなければいけないということで、ファクトチェックであるとか、著作権の問題とか、そういうところを学んでいくと聞いております。授業で活用についてはその次の話で、まだそういう段階ではないと聞いております。

 

(教育長)

授業で使うのは結構難しいと思います。今言いましたように生成AIの限界とか、生成AIの特徴を材料として使うことは可能ですが、通常の数学の授業とか、英語の授業とか理科の授業とかで使うとなると、どう使うのかというところは、いろいろ考えて工夫しないと難しいところはあると思います。いろんな事務効率を上げることには非常に効果が高いと思います。県庁でも使っているところもたくさんありますので、ただ学びの中にどう使うのかというところは、まだまだこれからもっと研究をしていく必要があると思います。

 

(時事通信)

度々会見でも話題が上がっているかと思うのですが、ラーケーション制度の導入についてお尋ねいたします。先行で導入している長浜市さんが導入してから約3ヶ月が経ったということで市教委によると12月11日時点で延べ271人が利用されているということで、教育長自身も2学期いろいろと行事もある中で順調なスタートなんじゃないかというふうに手応えを話しています。改めて県教委としてこの導入に対する意向をお願いいたします。

 

(教育長)

実は市町はご存知のように小・中学校を所管しておられますので、小学生、中学生にとってのラーケーションという考えだと思います。もう一つ、県は県立高校と県立特別支援学校を所管しておりますので、高校生にとって、あるいは特別支援学校の児童生徒にとってのラーケーションとは、どうなのかを考える必要があると思います。市町につきましては、それぞれの市長、町長さんの思いとか、それからそれぞれの地域の思いとかもいろいろあろうと思いますので、今長浜市でやっておられて、特に何か大きな問題が起こっているということもなくラーケーションを使って親子でいろんな活動をされた方からいい体験できたという報告をいただいたという声も私も聞いておりますので、それはそれでいいと思います。次、県がどうするのかというお話になりますと、何を目的に県がラーケーションという取組を進めるのか、少し考えていかなければならないと思っております。県議会でもいろいろお声も聞いておりますので、年末年始にかけて、もう少し考えていきたいと思っていて、今すぐこういう形でやりますとお示しできる段階ではないですが、既にやっておられる山口県さんや茨城県さんの例も調べさせてもらいながらやるのと、県と市町の関係をどうするかは、少しずつ詰めていかなければならない一つの課題があると思います。ラーケーションの取組を活用するのは小中学生が多いと思います。なかなか高校生になりますと、親子で一緒に休んでどこかに行こうかというのが、小中学生に比べて少ないと思います。どちらかというと、高校生だけでいきたいと思う。そういう場合をどう考えるのかというのもありますし、日数の問題もありますし、どんな活動を対象にするのかという点もあろうと思います。もう少し整理をした上で、方向性を出していきたいと思います。

 

(京都新聞)

教員採用のアピールの件ですけれども、教育長が直々に大学に出向いて訴えられるっていうのは、令和元年以降始め2回目ということですけども、令和元年度実績としては何回ぐらい行かれて、今回は今後も含めて何回いかれるのでしょうか。

 

(教育長)

今回は春に滋賀大学、秋に京都の大学に行きましたので、今3校です。令和元年というか、平成31年は、4月から教育長をしていたので、そのときに回らしてもらったのは4校でした。

 

(京都新聞)

今後、出願までに例えば何校か行こうと考えておられるのでしょうか。

 

(教育長)

そうですね。私の任期は来年の3月31日ということになっておりますので、今私が個人的にその4月以降の行事のお話をするのはご勘弁いただきたいと思います。ただ直接大学に出向いてアピールすることは効果が高いと思っておりますので、効果が高い取組はやっていく方がいいと思っております。

 

(京都新聞)

令和元年度は就任されての挨拶とかではなく、もう完全にリクルートに向けた取組なんですね。

 

(教育長)

就任の挨拶ではなく、学生に向けて滋賀の教育の特徴や魅力を伝え、滋賀に教員になってくださいという話をしに行きました。

 

(京都新聞)

あともう一点先日、文科省から先生の精神疾患でのお休み、休職、休暇の数字が出ていましたが、県内の状況を教えていただけますか。

 

(教育長)

12月21日の朝刊に掲載されていたと思いますが、全国で7119人。率にすると0.77%が全国だったと思います。本県につきましては、令和5年度については、73人です。率にしますと0.59%というのが本県の精神疾患による休職者の数でございます。

 

(京都新聞)

こちら休職の定義を教えていただきたいのですが、どれぐらい休まれたのか。

 

(教職員課長)

休職に関しましては、いわゆる病気休暇を取っておられて、上限の日数いっぱい取られたら、その後休職に入るということで、例えば精神疾患ですと180日間の病気休暇の期間があり、その後は休職に入ります。病気休暇の期間の後の休みは全て休職ということになります。

 

(京都新聞)

180日の病気休暇を取った方がさらに長く取ろうというときには休職に入られると。その休職は最大何年になりますか。

 

(教職員課長)

 3年です。

 

(京都新聞)

3年間は身分保障されるということですね。わかりました。前年度との比較を教えていただきたいんですけど、23年度が73人だったということですが、前の年は何人おられましたか。

 

(教職員課長)

2023年度が73人でその前の年は62人です。

 

(京都新聞)

これは過去最多とか何か言えるんでしょうか。

 

(教職員課長)

そうですね。平成26年度以降10年間で見ますと、過去最多となります。

 

(京都新聞)

平成26年度以降といいますか、この調査が始まったのが平成26年度からということになるんですか。

 

(教職委員課長)

今、手元にございます資料で申しますと、今回の調査で過去5年間の数字が出ていますが、さらに5年間さかのぼった10年間の中で見ますと、今回の令和5年、2023年が一番多かったということでございます。

 

(京都新聞)

病気休暇の方の数字も教えていただけますか。

 

(教職員課長)

病気休暇の方につきましては、今回の調査では1ヶ月以上の病気休暇を取られている中で、精神疾患で休暇をとられている方という数字が出ておりまして、それに関しましては、令和5年度は97人。これにつきましては一番多いのは令和4年度で109人です。この病気休暇については、平成30年度から国が調査をやっておりますので、そこからの6年間になりますが、その中で令和4年度が一番多いという状況でございまして令和5年度はその次に多いという状況でございます。

 

(京都新聞)

これを合わせると、昨2022年度が171人で過去最多と、今回はですので170人ということですね。全体としては「マイナス1」ということですね。これは、全教員に対する割合っていうのは何%になるのでしょうか。

 

(教職員課長)

全教員に対する割合は1.38%です。

 

(京都新聞)

病気休暇は何%になりますか。

 

(教職員課長)

国の数値も全体を足した数と病気休職の数しか出ていないので、分かりません。

 

(京都新聞)

病気休職は確認ですけれども、0.59%ですね。年齢別だと、休職者、休暇それぞれ一番多い年代っていうのは何歳代になりますか。

 

(教職員課長)

今、手元に分かる資料がございませんので改めてお伝えします。

 

(京都新聞)

全体としては2022年度よりもほぼ横ばいという形で休職に関しては増えているということですけど、この背景ですとか、理由とか、この辺り受け止めを教育長お願いできますでしょうか。

 

(教育長)

休まれる先生方が増えているのは、いくつか要因があると思うのですが、やはり子どもたちの様子あるいは保護者の皆さんが学校に求められるいろんな要望とか、いろんなものが多様化、複雑化しているので、先生方が対応するのが大変であるというのと、諸課題調査でも出ておりましたが、いじめや不登校といった課題が増えてきて先生方の生徒指導の対応等で負担が増えてきていること。そしてもう一つは、学校現場が忙しくなると、どうしても先生同士のコミュニケーションを取れる時間が少なくなってくることも休まれる先生が増えてきている要因ではないかと思っております。

 

(京都新聞)

11月の議会で若手教員の退職者が増加していることが取り上げられていましたけど、それは精神疾患に限らず、今回のこの調査に関しましては、退職者の数字とかは出ているのでしょうか。

 

(教育長)

今手元に資料がないですが、精神疾患で退職された人の人数も確か答弁させていただいた気がします。一番多かったのが転職でその次に精神疾患が多いというような形で答弁をさせていただいたと思います。

 

(京都新聞)

調査結果の中では先ほど教育長がおっしゃられた背景で、どういう理由で精神疾患になったといったアンケート項目はあるのでしょうか。

 

(教育長)

先ほど申し上げたのは一般的によく言われていること、先生方が休まれるときに、どんなことが原因でしたかというようなお話の中でよく出てくるのが、いろんな生徒指導が大変だとか、どうしても不安に思うことが増えてきてその不安の背景は、他の先生方といろんな話をしながらやっていく時間があまり取れてないというお話を聞いているという意味で、特定の人の話というわけではないです。

もう一つ感じるのは、新型コロナウイルス感染症が令和2年、3年、4年頃ありましたけど、そのときには、多くの行事が実施されなかった。そのとき教員になられた人は、行事を生徒と一緒に作っていく体験がないまま何年か経って、その後いろんなものが復活してきましたので、いざやろうとすると、よくわからないし、実施するのが大変だというふうに感じておられると聞いたことはあります。やはり経験を積んでいかれることが必要だと思いますので、子どもたちもそうですけれども、先生方も3年間程度、なかなか体験する機会とか、いろんな調整する機会がなかったことが先生方の不安、負担になっているのではないかと感じています。

 

(京都新聞)

そうした中でのこの対策というのは、これまでもいろいろされているとは思うのですが、今は何かお考えのことはありますでしょうか。

 

(教育長)

一つにはやはり若手の先生方に対するフォローが一番必要だと思っています。特に新規採用の人で、講師経験のある方は学校現場に行っておられますが、いわゆる学卒の新規の先生方に対するフォローはより丁寧にというか充実していかなければならないと思っておりますし、校種によってまた違ってくると思います。小学校の先生は一応全教科を教えますが、だんだん子どもが減っている関係で、1学年1学級しかない学校も増えてきています。そうしますと、同じ学年の他のクラスの先生とコミュニケーションを取ったり、情報交換する機会が減ってきています。それから中学校ですと、授業時数の多い英語や数学といった教科は、他の先生とも調整できますが、音楽・美術・技術家庭といった教科は、一人で担当し、評価も全部やらなければならないので、結構大変だと思います。そういう先生方へのフォローも今後、考えていかなければならない一つの課題であると思います。どういったことができるのか、引き続き考えていかなければならないと思っております。

 

(京都新聞)

わかりました。ありがとうございます。

 

(教職員課長)

先ほどの精神疾患の理由ですけども、休職の理由が精神疾患かそうでないかというところまでしか、把握できません。

 

(中日新聞)

今の質問の確認ですけど今の人数は、小中高特別支援の4校種全部合わせての人数でよかったでしょうか。

 

(教育長)

今の休職等の人数は、小中高特別支援学校の合計となります。

 

(中日新聞)

わかりました。ありがとうございます。あと別件で最初に能登半島地震のお話がありました。少しずれるかなと思いますが、震災があって学校現場で防災への意識の高まりが何かあったか、何か防災訓練を新たにやるようになったか、そういった声は聞いておられますか。

 

(教育長)

能登半島の地震も当然そうですけど、南海トラフ臨時情報が出たときに、皆さんがもうすぐ南海トラフ起こるのではないか、準備する必要があるのではないと感じられたと思うので、そういう意味の防災に対する意識の高まりは、あったようには思います。能登半島の地震の場合はどちらかというと支援・受援がどうあるべきかについてポイントを置かれて対応を考えたので、先生方も被災地に行くという「D-EST」という取組も国の方や兵庫県さんがやっておられますので、滋賀県でもそういった取組を考えていく必要があると思っております。いわゆる被災地に対する支援のあり方が必要ではないかと先生も被災地では被災されますので、他府県から学びなり生徒指導、いろんな意味で支援をしていく先生の仕組みも必要ではないかなとは思っております。

 

(中日新聞)

分かりました。ありがとうございます。

 

(教職員課長)

先ほどご質問がありました精神疾患の年代別の数字でございますけども、休職の方で申し上げますと30代が一番多くて、その次に20代と40代が続いております。

休職と病気休暇を合わせますと、30代が一番多くて、その次が20代、その次が40代と続いているという形になっております。具体的には、休職は、30代が25人で、20代と40代が15人で続いております。休職と病気休暇の合計は、30代が53人、20代が46人、40代が34人と続いております。

 

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