文字サイズ

教育長定例記者会見〔令和5年(2023年)7月19日〕

配布資料

概要

教育長)

皆さん、おはようございます。本日もどうぞよろしくお願いいたします。

それでは本日の配布資料に従いまして、順にご説明を申し上げます。まずお配りしております資料の2ページから4ページに7月から8月にかけましての教育委員会の行事予定を掲載しております。7月、8月は夏休みがございますので、様々な行事が行われます。後日、資料提供による詳細のお知らせなども予定しておりますので、本日お集まりの報道各社の皆様にも、取材等を通じまして県民の皆様に発信をいただければ幸いに存じます。

 

それでは、本日は4点、話題提供がございます。

まず1点目、資料では5ページでございます。学習船「うみのこ」の就航40周年の記念式典について御説明申し上げます。

びわ湖フローティングスクールは、昭和58年、1983年の8月に開校、就航しております。それ以来、長年にわたりこどもたちが乗船し、平成30年6月4日には、新しい学習船「うみのこ」が就航しております。そして昨年、8月26日に児童学習航海の累計が60万人に達したところでございます。そして令和5年、2023年の8月に40周年の記念式典を挙行させていただきます。

「うみのこ」につきましては、御存知の方も多いと思いますが、就航以来県内全ての小学5年生が学ぶという、滋賀の教育活動の大きな柱として取り組んでまいりました。就航翌年の昭和59年には当時の皇太子殿下、同妃殿下に、平成13年には秋篠宮殿下、同妃殿下にもご視察をいただいたところでございます。

「うみのこ」で過ごした時間につきましては、多くの県民に共通の思い出として大切にされており、現在では親子で乗船したというご家庭も増えてきているところでございます。昨年度までは、コロナのため日帰りでございましたが、今年度からは1泊2日の航海を再開して、ICTを活用した新しいびわ湖学習にも取り組んでいるところでございます。

そして本日の話題でございますが、8月11日金曜日、この日は山の日ですが、9時15分より大津港において就航40周年の記念式典を行います。式典では、乗船経験者の話として、かつて小学5年で「うみのこ」に乗船されて、現在は小学校の先生をしておられる方のお話でありますとか、40年の歴史を懐かしい映像で振り返るなどの行事を予定しております。

滋賀県では子どもたちが豊かな滋賀の自然の中で、友だちと寝食をともにしながら、環境について学び、琵琶湖や地域の自然環境について考え続ける場として、多くの皆様の御協力を得ながら、びわ湖フローティングスクールをさらに充実したものにしていきたいと考えております。なお、当日は10時40分から親子体験航海を実施する予定でございます。

また、この「うみのこ」につきましては、本日もお越しいただいておりますが、包括的連携協定の締結企業である株式会社セブン-イレブン・ジャパン様において、学習船「うみのこ」就航40周年を記念いたしまして、うみのこカレーを販売いただく予定でございます。

加えまして、コカ・コーラ様とも連携して、うみのこカレーを購入するとドリンクの割引クーポンがもらえるなど、うみのこの応援の輪を広げるための取組を8月に企画されております。本日はセブン-イレブン・ジャパン様の御担当の方にも同席をいただいておりますので、一言お願いいたします。

 

(セブン-イレブン・ジャパン担当者)

 弊社はこれまで滋賀県教育委員会様と連携いたしまして、学習船「うみのこ」を応援してまいりました。今年8月の就航40周年を記念いたしまして、滋賀県の方に喜んでいただけるような盛り上げを、弊社としましても行っていきたいと考えております。教育長様の記者会見の後、我々の発信の時間をいただいておりますので、この後引き続き取材もよろしくお願いいたします。

 

(教育長)

 ありがとうございました。それでは後ほどご質問いただければと思います。

 また、この「うみのこ」に関しましては、昨日7月18日でございますが、東京日本橋にある鉄鋼会館におきまして、山縣記念財団から山縣勝見賞特別賞という表彰を受けて、フローティングスクールの所長が表彰式に出席をさせていただきました。「うみのこ」を未来に繋ぐ機運が盛り上がりますように、報道各社の皆様の取材等のご協力よろしくお願いいたします。以上が1点目でございます。

それでは続きまして2点目、八幡商業高校の取組についてお話をご説明いたします。資料7ページをご覧ください。県立八幡商業高校は明治19年に全国で10番目の商業学校として創立されまして、今年に137周年を迎える、歴史と伝統のある商業高校でございます。「三方よしの心意気」「たくましい産業人の育成」をモットーとし、三つの柱を目標に掲げ、生徒一人ひとりが自分の可能性にチャレンジできる学習環境づくりに努め、多様な教育実践をより進化させ、21世紀に求められるたくましい産業人材育成を目指しております。また部活動におきましては、カヌー部が18年連続インターハイに出場。また文化部の簿記珠算部では、令和3年・4年に全国の大きなコンクールで2年連続日本一、と輝かしい実績を残しておられます。

そんな中、新しい商業教育の構築の一環として、平成25年から近江商人再生プロジェクトを始めました。このプロジェクトの参加者につきましては、自ら進んで取り組もうという思いを持った生徒を生徒会の呼びかけによって募集をし、10回目の今回は、1年生が13名、2年生が10名、3年生2名、合計25名の生徒が参加します。

年度ごとに全国の訪問地を変えまして、「売り手よし、買い手よし、世間よし」の「三方よし」を実践して滋賀の特産物を販売するとともに、近江商人の手法である、訪問地で特産物を仕入れ、次の訪問地でその産物を販売する「産物廻し」も取り入れ行商を行う、という取り組みをしてこられました。今回、生徒たちが仕入れた滋賀県の特産物につきましては、皆さんもご存知の、近江八幡の名物である赤こんにゃくでありますとか、えび豆、近江牛を使った牛丼やカレー、そしてお漬物の「日野菜」「まぜちゃい菜」など、各班が夏場ということを考慮しながら、業者さんと直接仕入れ交渉を行って、約30種類の商品の仕入れを行っております。

また今年は、東近江市にある農業高校の八日市南高校とのコラボをして、食品科の生徒が地元の東近江市の日本料理店監修の御協力を得ながら開発した「八南政所茶漬け」を販売する予定もしておられます。こういった取組も他の学校とコラボしながら進めているところでございます。

今回は10回目になりまして、今週の土曜日7月22日に近江八幡を出発して、富山、新潟、郡山、そして東京に行って、静岡県富士宮、最後に岐阜の大垣を回って7月28日に帰ってくる、6泊7日の日程で行われます。各地で販売とともに、その土地の特産物を仕入れて、販売実習や訪問販売を実施する予定でございます。また、地元の商業高校の生徒との交流でありますとか、東京におられる八幡商業のOBの方との交流など、商いについて先輩方から学ぶ機会も持ちます。最終日には近江八幡に帰って、地元のお店で地域住民の方に向けて最後の販売を行う予定でございます。

以上のようにこのプロジェクトでは、単に商品を販売するだけではなく、人と人との繋がり、また信頼関係が、いかに商いにおいて大切かを体験するため、訪問時に様々なアプローチをする予定でございます。「三方よし」の精神を引き継ぎ、社会に貢献できる人材育成につながる取組として行われております。

本日は八幡商業高校の太田校長先生にも同席いただいておりますので、校長先生から一言よろしくお願いします。

 

(八幡商業高等学校校長)

八幡商業高校の校長の太田でございます。今、教育長からご説明いただきましたように、生徒たちが自ら行商の旅に出る企画でございます。私も以前教頭でおりましたときに、全行程一緒に子どもたちと回りました。

事前学習、実習、事後学習を通して子どもたちは大きく成長します。来ている子どもはそれぞれ自分の課題を持って参加しますので、本当に別人のように成長します。

あともう一つは、こどもたちは最初、売ろうということに一生懸命になって、どうしたら売れるかということを考えて始まります。間違いなく売れません。それではどうしたらいいのかとなったときに、信頼関係が大切であることに気づき、商品ではなくてその人(買い手)の立場を考える、というところを学んで帰ってきます。

最終的に成長した姿を八幡市内に戻って地域の方々に披露させていただきます。ぜひとも時間がございましたら、その場に足を運んでいただいて、こどもたちの声や様子から、その成長の姿を御覧いただきたいと思っております。

富士宮市と近江八幡市が夫婦都市として提携をしておりますので、毎年大歓迎していただいています。コロナ禍で訪問できていなかったのですが、今年は4年ぶりに訪問します。ぜひとも取材どうぞよろしくお願いいたします。以上です。

 

(教育長)

ありがとうございました。ぜひ報道各社の皆さんには取材いただいて、八商の生徒の皆さんの活動を報道いただければ幸いですので、よろしくお願いいたします。

それでは、3つ目の話題でございます。資料は8ページでございます。第17期になります、滋賀の教師塾の入塾者の募集について説明させていただきます。

滋賀の教師塾は、今年度の場合は、令和7年度の採用予定者を決定する公立学校教員採用試験を受験予定の人を対象とするもので、教師になるという高い志を持って、情熱や行動力あふれる塾生が、大学での学びを基盤に、県内の教員の教育実践や様々な教育活動に触れることを通して、教師に求められる資質能力に磨きをかけ、実践的な指導力を身につける場でございます。また、仲間と切磋琢磨する中で、目指す教師像を明らかにしていき、今度は私が滋賀で教員になるという思いを確かにする場ということで、取り組んでおります。

この『滋賀の教師塾』の目的として、1つ目に、学び続けるための自信と謙虚さを持つ塾生、2つ目に、組織の一員としての自覚と実践的な指導力・柔軟な対応力を持つ塾生、3つ目として、グローバルな視点と滋賀の文化、伝統に関する理解力を持つ塾生を育成すること、としております。

そして3つの柱でこの『滋賀の教師塾』は構成されております。1つ目が必修講座で、これは教職員の職責や学級づくりに関する講義や演習を受けて、また模擬授業を行ったりするなど、実践的な学びをするものでございます。

2つ目が選択講座でございまして、これは県内で行われる様々な教育活動に参加して、教育への見識を広めていただくものでございます。

そして3つ目が学校実地体験で、これは教育実習とは違った形で、児童生徒への指導や教員の指導の実際を体感していただくものでございます。

昨年度の第16期の講座の様子を投影しておりますが求められる教師像、目指す教師像をキーワードとした講義を聞いたり、班別で学級目標作りに取り組んだり、あるいは先輩教員の学級づくりの方法を学んだり、合格者からの体験談を聞いたりして、教師への思いを高めていただいております。また、実践講座におきましては、自分の考えを表す表現方法を学んだり、指導案を作成して模擬授業を行ったりするなど、実践力を高めてもらっております。

この教師塾の魅力といたしましては、1つ目は基礎的・基本的な知識や技能の習得に向けて、多くのきっかけや機会を提供することができることです。2つ目は滋賀の教育を見る、知ることができるということで、滋賀の教育に触れる機会を提供します。3つ目は、教員採用試験の対応という形で、現在、滋賀の教育を担っている方々を講師に迎えて、いろんなお話を聞いたり指導を受けたりできることでございます。そして4つ目、これは非常に大切だと思っているのですが、同じ教師になりたい志を持つ仲間との出会いです。それぞれ、大学に仲間はいますが、同じ教師を目指す他の大学の3回生の人と一緒に学び、話し合ったりしながら、仲間づくりができて、そして自らを高め合うことができるのではないかと思っております。

今年の4月から教員として活躍しておられる15期生からのメッセージを少々取り上げ、投影しております。

募集につきましては、200名程度、費用を少々御負担いただき、取り組ませていただいております。募集期間は、今月の3日から8月末までを予定しております。入塾期間は10月7日から来年の3月16日を予定しております。

多くの学生がこの『滋賀の教師塾』で学び、そして滋賀の教員として活躍されることを、教育長として、また教師塾の塾長として願っております。記者の皆様にもこの取組をぜひ広く発信していただければと思っております。

最後、4点目は、中学生に関する取組でございます。今年度で3回目となります「しが生徒会オンライン交流会」について御説明申し上げます。

夏休みの8月4日の金曜日に、参加の希望がありました県内の15市町の22の中学校の生徒会をオンラインで結びまして、ウェブ交流会を行います。今年度の参加校につきましては資料の10ページに書いてございますが、新規参加校は10校、生徒は約130名となる予定でございます。司会としてお手伝いをしていただける高校生や先生方を含めて、200人規模ぐらいで実施する予定でございます。

この交流会では冒頭、「わたしがやります!学校CO2ネットゼロ」取組コンクールの取組内容などを話題提供するとともに、昨年度参加した学校が交流会後に取り組んだことを紹介してもらい、グループ協議では5つのグループに分かれて協議をしていただきます。学校をよりよくするための具体的な活動目標を考えたりすることを期待しております。

また、全体の講師として、文科省の初等中等教育局の安部恭子視学官をお迎えして、生徒に向けてのメッセージをいただくだけでなく、生徒同士の交流会後に、教員や教育委員会に向けてのご助言もいただく予定でございます。

このような取組を通じまして、こどもたちが自分の身の回りにあるテーマを情報交換して、学校等をより良くしていくための自治的活動の活性化を目指すとともに、本交流会の参加者全てが、将来的に自分たちの力で滋賀をより良くしていこうとする意識が高まることを期待しているところでございます。

各中学校に足を運んでの取材をご希望される場合には、事前に事務局の幼小中教育課まで御連絡をいただきたいと考えております。なお、交流会当日の模様は後日ホームページにも掲載する予定でございます。

私からの話題提供は以上でございます。

(株式会社チェキポン)

 「うみのこ」の就航40周年の記念式典についてです。こちらは当日の10時40分から親子体験航海があるとおっしゃられたと思いますが、式典自体は一般の方とか親子連れの参加も可能ということでよろしいでしょうか。

 

(びわ湖フローティングスクール)

 式典の申込状況につきまして、現在参加者は合計70名を予定していますが、その後の体験航海の参加者は52名となっています。ホームページから参加申込をされた方が4名で、今のところ一般の参加の方が56名です。申込はもう終わっております。なおパブリックビューイングを設置させていただきますので、一般の来られた方はその様子を見ていただくことができます。

 

(読売新聞)

 「うみのこ」40周年記念について、教育長は乗られたことはあるのですか。

 

(教育長)

乗ったことがあります。小学校5年生の時ではないですが。40年前は小学校5年生をとうに過ぎておりました。ですが仕事で3回乗りました。宿泊はしておりませんが、日帰りで3回乗らせていただきました。1回は子どもたちが琵琶湖の上で英語の授業をやろうということで、一緒に乗船させてもらいました。また、以前商工観光労働部長をしておりました時、外国から来た人を一緒に「うみのこ」に乗せてもらおうとお願いしまして、子どもたちと外国籍の人と一緒に乗らせていただき、子どもたちの活動を見させていただいたこともあります。。

 

(読売新聞)

 40周年を迎えられて、40年の成果とか、手応えというのはどうでしょうか。

 

(教育長)

一つはやはり、琵琶湖に面して近くに住んでいる人は普段から琵琶湖を感じると思いますが、滋賀県の山間部に住んでいる人は、なかなか普段は琵琶湖を見る機会がないので、琵琶湖について学ぶとても大切な機会になっていると思います。

もう一つは、複数の学校が同じ船に乗りますので、他の学校の子どもたちといろんな取組について意見交換することで、自分たちの学びについて改めて考えたり、再発見したりする機会になっていることです。仲間作りという話題を先ほど教師塾の話の中でしましたが、小学校5年のときに一緒に乗船した子どもたちが、高校に行って偶然同じクラスになって、このときの思い出を重ねながらお互いに打ち解けるなど友だちづくりにも繋がるのではないかと思っております。

それに加え、いろんなフィールドワークもしますので、船を降りて違う街へ行って、子どもたちの探究的な学びなど様々な経験に繋がったと思っております。滋賀の子どもたちのこの学びは、ぜひとも続けていきたいと教育長として強く思っているところでございます

 

(読売新聞)

先ほど山縣記念財団の賞を得られたということですが、受賞日は何月何日ですか。

 

(教育長)

受賞日は7月18日です。

 

(読売新聞)

 「うみのこ」は賞をどれくらい得られているのですか。

 

(教育長)

 私の部屋に一つありますが、船舶の表彰を何年前にもらいました。海の船が多い中、湖で子どもたちが体験する船というのはあまりないので、その構造も含めて、いろいろなことで賞をいただいております。今回の山縣記念財団賞は、湖上での教育活動について評価をいただいたものと認識しております。

様々なところで滋賀の「うみのこ」の取組が、日本で、あるいはもっと世界で発信できればというふうに思っております。今年、ハンガリーで開催される世界湖沼会議でも、滋賀の「うみのこ」の取組を紹介してもらえるというふうに聞いております。

 

(読売新聞)

先程のカレーの件ですが、セブン-イレブンさんと協定を結ばれたのは県ですか、県教委ですか。

 

(教育長)

 包括連携協定は滋賀県と企業様が締結しております。

 

(京都新聞)

滋賀の教師塾の関係で、教員採用の方ですと志願者が低調というのが全国的なことだと思うのですが、教師塾の参加状況というのはどうでしょうか。

 

(教育長)

スタンダードコースはいわゆる学部生、アドバンスコースは講師をしておられる方を対象としております。両コースの合計の定員が200人ですが、令和4年は143人おられました。その前の年は198人、もう一つ前の年が196人という形で、200人に対して190人ぐらい来ていただいています。年によって幾分の増減はありますが、100数十人の方に御参加をいただいています。

 

(読売新聞)

もう少し長期で見ると減少傾向だったりとかの傾向があったりするのでしょうか。

 

(教育長)

そうでもございません。それ以前の、平成のときも大体200人中、180人ぐらいでして、昨年が140名と少なかったのですが、この辺りはいろいろな要素があるかもしれません。今年度もできるだけ多くの大学の学生さんに参加いただけるように、担当課の職員でいろいろと回ってPRをしてもらっています。

 

(中日新聞)

教師塾について。先ほどの京都新聞さんと関連していると思いますが、この目的としては、やはり最終的に滋賀県の教員採用試験を受験してほしいということですか。

 

(教育長)

そうですね。

 

(中日新聞)

前回143人、その前の198人、そういった方々は、ちゃんと県の教員採用試験を受験されているのですか。

 

(教育長)

これまで1期から15期まで、全部で2,479人が卒塾をしておられます。そのうち1,729人を滋賀の教員として採用させていただきましたので、3分の2くらいの方に滋賀で教員になっていただいたことになります。

 

(中日新聞)

 先ほどのお話の中に滋賀の教育というキーワードが出てきたと思うんですけど、教育長が考えられる滋賀の教育の特徴とは何ですか。

(教育長)

教育なので、学ぶということが大切だと思います。その学ぶということはいくつかあると思いますが、まず一つは、基礎的・基本的なことを、大人になるにあたって身につけるということ。ただそれだけではなく、いろんなことを自分で考えて、自ら学んでいくことが大切だと思います。その中で滋賀の学びとして、今、一番力を入れてるのが、「読み解く力」です。いろいろな文章や図表からいろいろな課題を読み解いて、それをどうやって再構築していくのかということとあわせて、今までも大切でしたが、これからの時代に大切になる、人と人とのコミュニケーションをうまく取りながら、他者の思いをしっかりと聞き、受け止めて、そして自分の意見も言いながら、お互いが納得できるように行動していく、そのようなお互いにいろいろなものを読み解いていく力が、一つの滋賀の教育の大きな柱だと思っています。

そしてもう一つが、体験です。滋賀ならではの、先ほど冒頭に御紹介させていただきました「うみのこ」の事業もそうですし、県庁の各部局の皆さんに御協力いただいて、農業体験をする「たんぼのこ」でありますとか、森林体験をする「やまのこ」、そしてびわこホールという立派なホールがありますので、そこで本物の音楽に触れる「ホールの子」、こういう体験による学びが滋賀の学びだというふうに考えております。小学校での体験ではございますが、中学校高校になってもそれぞれのフィールドでそういう学びを続けていくことが、私は滋賀の学びだと思っています。先ほどの八幡商業高校の取組も、同じ意味で滋賀の学びの一つだと思います。

 

(毎日新聞)

八幡商業の件ですけれども、学校で出発式をされますか。

 

八幡商業高等学校校長)

社長とされるリーダーを中心に「これから頑張っていくぞ」とみんなで士気を高めて行きます。コロナの関係もありまして、以前はバスと公共交通機関を併用していたのですが、今年度は貸切バスで移動します。出発式は学校で行います。

(毎日新聞)

22日に出発ですが、出発式は20日にあるんですか。

 

(八幡商業高等学校校長)

20日の出発式は出発に当たっての注意事項や説明が主になります。22日の出発は朝8時です。子どもたちは7時に集合して荷物を積み込んだり事前準備したりします。

 

(毎日新聞)

 28日の販売はどこでされますか。

 

(八幡商業高等学校校長)

近江八幡市の平和堂アルプラザさんと、きてか~なさん、2か所でさせていただきます。

 

(毎日新聞)

いつも人気なんですか。

 

(八幡商業高等学校校長)

 天候にも左右されます。とても暑い時期でもあり、たくさんの方が来ていただけるという感じではないです。最後の仕上げということで頑張ります。

 

(NHK)

 「近江商人再生プロジェクト」なんですけれども、青色の資料を見るとこれまでも西日本、東日本、様々な場所に行商されてきたと思うのですが、今回、富山とか新潟、会津こちらの場所に行かれる理由を教えてください。

 

(八幡商業高等学校校長)

 基本的には近江商人の方々が行商した所を中心にセレクトしていくということ、それと社会貢献、「三方よし」の中の「世間よし」の社会貢献という部分から、震災、自然災害等、被害にあわれた地域は必ず入れたいというコンセプトを持っております。実際売上げのいくらかは、そちらの方面に僅かながら寄付させていただきます。それから八商のOBの方々がいらっしゃる方面も中心的に回るとことや、夫婦都市の富士宮市は毎年行けたら行きたいと思って計画しています。

 

(びわ湖フローティングスクール)

 先ほど記念式典でお答えしたことで訂正させていただきます。パブリックビューイングをさせていただくと答えさせていただいたのですが、会場の関係でできないということですので、訂正させてください。

 

(京都新聞)

 生成AIの関係で、文科省が先日、指針を公表されたのですが、県教育委員会としてどう対応されるか、また教育長の生成AIに対するお考えがあればお聞かせ下さい。

 

(教育長)

 まず、文部科学省がこの夏休み前にガイドラインを出されましたので、県立学校や市町の小中学校・教育委員会には周知を図っております。まずは教職員、先生方が、このガイドラインとはどういうもので、どういうことに注意しなければいけないかを知っていただくということを思っています。

生成AIの活用については考え方がいくつかあると思いますが、そのうちの一つは学校の業務の中で生成AIを活用することだと思います。これは県庁の事務でも一緒だと思いますが、業務の中でどう活用できるか、この点については県庁でも検討を進めておられると思います。教育現場で先生方が業務でどう使うのかは、そこを見ていきたいと思っています。

次に、子どもたちが学校でどう使うのかという話ですが、この生成AIをいろいろ見ておりますと、13歳以上、18歳未満は保護者の同意があれば使用できるなどの規約もありますので、その辺りを十分踏まえながら対応しなければならないと思っています。

生成AIを使うとどんな回答が出てくるのかということを一つの教材にして、いろいろなことを考えることは、私は可能性として十分あるのではないかと思います。生成AIから出てきたものを使って、こどもたちが「そういうふうに考えることもあるんだな」というふうに考えることは、今後の学びの中では大切だと思います。まずは教職員の皆さんが使ってみて、どんなテーマで、どう質問すると、実際にどういう答えが返ってくるのか、ということを教材として使うこともあり得ると思っています。

18歳未満は保護者の同意が必要になっていますので、特に小学校では難しいと思いますが、中学高校については、ガイドラインを守りながら、保護者の方にもご理解を得ながらやっていくとなると、まだもう少し先のことになると思います。ただこの話を聞いていて一番思うのは、情報に対するリテラシーを子どもたちにどう育成していくのか、あるいは情報のリスクについて子どもたちにどう理解させるのか、という点について、より一層我々は理解を深めていかなければならないということです。つまり、情報というものの根本の部分をしっかり理解した上で、子どものときにしっかり理解させて、大人になっても情報を扱うときにはそういったことをしっかり考える子どもを育てる。そういう能力を、この情報の分野においてはしっかり取り組まなければならないと考えています。

まだ未確定の部分がございますので、今後その辺りを、しっかりと状況を見ながら考えていきたいと思っています。

(京都新聞)

 学校の業務では一つあり得るということだったのですが、基本は学校の端末での利用を禁止するという状況ではないということで、よろしいですか。

 

(教育長)

先生方が使っておられる学校の業務の、校務支援システムというシステムがありますが、外部と接続することによって情報漏洩等のリスクがあるので、整理が必要だと思っています。校務支援システムとは繋がっていない学習用端末はありますので、どのように使っていくのかだと思っています。

一人一台端末環境もあってWi-Fiで繋がっていますので、その中でどのように活用していくかということになると思います。その際に、先ほど申したようなセキュリティの問題やリスクをしっかりと認識した上で、先生方には使っていただきたいと思っております。

 

(京都新聞)

一人一台端末とおっしゃったのですが、子どもたちが使う端末はそういうソフトなどを取り入れていますか。それに対して、今、利用制限というか具体的な制約をかけていますか。

 

(教育長)

小中高とそれぞれの発達段階で若干違うのかもしれませんが、せっかくタブレットがあるので、自由に使えるのが一番いいとは思っております。ただ45分、50分の授業の中で、その使い方のルールをしっかり守った上で使わないと、勝手に何かやっているということでは、本当に授業としてうまく成り立つのかという点もあります。無用に制限をかけるものとは思いませんが、やはり一定のルールの中で使っていくということで、先ほどの生成AIも、一定の定まったルール、それぞれの会社が作っておられるルールがあると思うので、それをしっかり守ることが大事だと認識した上で使うことが必要だと思っています。

今話題になったのが夏休みということで、夏休みのいろいろな宿題、テーマがあると思いますが、子どもたちが本当に自分の学びのために、どういうふうにこのテーマなり宿題に取り組むのがいいのか、ということで使っていただきたいと教育長として強く思っております。保護者の皆様にもぜひご協力をいただきたいと思っております。

 

(読売新聞)

先週末、栗東市の中学校の先生が児童ポルノの法律で逮捕されたのですが、その記者会見に参加させていただいて、性暴力の研修を2回受けていらっしゃったにもかかわらず、こういった犯罪で逮捕されてしまったことについての受け止めと、その研修の見直しというか、今後どのようにやっていかれるのか教えていただけますでしょうか。

 

(教育長)

まず、今回のこの事件につきましては、やはり教育公務員として決して行ってはならないことでありますので、本県の学校現場で働く人に起こったということは誠に遺憾であって、県の教育長としても大変重く受け止めているところでございます。

今、記者の御質問にもありましたように、栗東市では研修をしっかりやっていただいていたにも関わらずこういった事案が発生したことですが、1つはやはり本人の教育公務員としての自覚や、倫理観が欠落していたのではないかと、私としては言わざるを得ないと思っております。今後こういったことがないようにどう取り組むのか、につきましては、やはり一人ひとりの教員が、その倫理観なり職責の重さを自覚するための指導や研修を改めてしっかりと地道に努めていくことが重要であるとともに、こういう事態が発生しないような学校現場にしていくために、市町の教育委員会なり、学校現場とも一緒に、風通しの良い職場づくりに努めていきたいと思っています。

それから、統一研修という形で今、研修を実施していただいておりまして、7月末までの研修ということで報告いただく予定をしております。各学校で研修していただき、それを我々で取りまとめまして、その中で出た意見などを学校にもう一度秋以降にフィードバックをして、再度研修を促すという流れで、研修を深めていくことが、我々が今できると思っています。いろいろな研修の実効性を高めるための工夫ということで、今年度は進めたいと思っております。

ただ、近年こういった事案が多いということについて、私は教育長として、すごく悲しい思いをしておりますし、保護者の皆さん、そして県民の皆さんに、非常に嫌な思い、つらい思いをさせていると感じております。そして一番は当然、学校現場にいる児童生徒に嫌な思いをさせていることをすごく気にしております。この点については改めて、今後この夏以降、市町の教育長といろいろなお話をする機会もありますので、そういったところで十分意見交換しながら、実効性のある取組を市町と一緒に進めていきたいと考えております。

 

(読売新聞)

それに関連して、刑法で、わいせつ目的で子どもに面会や画像の送信などを要求する面会要求罪というものが新設されて、文科省が教育委員会に懲戒処分を厳しく対処するように、ということで調査を始めているんですが、県教委として懲戒処分の基準を改めるなど考えていますでしょうか。

 

(教育長)

児童ポルノ法の違反やこういったものを含めて、懲戒処分は、本県の場合はかなり厳しく、一定の基準を設けてやっております。ただこういった事案もありますので、不断に見直すことは必要だと思います。今直ちにどうするという答えはないのですが、今後こういった事案の発生状況を見ながら考えていきたいと思っております。子どもたちに対するわいせつ行為に対しては、ここ数年かなり厳しく処分をさせていただいていると認識しております。

 

(中日新聞)

先ほどの質問に重なると思うのですが、先週、栗東とはまた別件で、守山の方でも会見が開かれたと思います。大多数の先生方は一生懸命仕事をして児童生徒に真剣に向き合っていますが、そういった事案が重なっていることに対して、教育長はどうお考えになっていらっしゃいますか。

 

(教育長)

守山の件も含めまして、3件の免職処分をさせていただいています。こういった処分をせざるを得ない事態になっているということは、非常に残念に、そして遺憾に思っておるところでございます。やはりこういったことはなぜ起こるのか、どうしたら起こらなくなるのかを、不断に考えていくことが必要だと思います。なかなか難しいと思います。事案ごとによって背景も違います。今、ご質問にありました守山の事案につきましては、これは窃盗という容疑でございます。先ほど質問があった児童生徒、未成年に対するわいせつとは性格を異にしますが、犯罪行為であることは事実ですので、そういう犯罪行為を起こす教員がいるということは、やはり普段からのいろいろな取組をもう少し考えていかなければならないと思っております。お一人お一人の先生方の気持ちなり、置かれている状況を、学校現場全体でしっかりと、同僚、あるいは上司が見て、何か気づくことがあったら適切に相談なり、アドバイスをしていく、そういった取組も必要だと思っています。こういう事案が発生することで、より相談体制を充実していったり、同僚性を高めていったりする取組を進めていくということもあると思います。ただ、先生方も様々な形でストレスをお持ちの方もいらっしゃいます。そのストレスがいろいろなことに繋がる可能性もありますので、ストレスのケアについても引き続き我々としても考えていく必要があると認識しているところでございます。

 

(中日新聞)

守山の件に関して、市教育委員会が被害届を出すのをストップさせていたというのがあったと思うのですが、その当時、県教委の方から守山市教委の方に何か指導というか対処があるのかという点を教えていただきたいです。

 

(教育長)

教職員が起こしたいろいろな事件や事案については、我々が懲戒処分等の権限を持っておりますので、しっかりと伝えていただくということが大切です。その点については、守山市をはじめ、全ての教育委員会に対して、何か事件があったら速やかに報告して欲しいと、しっかりと伝えさせていただいておりますが、実際そうなっていない部分もあります。その点は再度徹底を図っていきたいと思っております。

守山の事案はもう処分が済んでおりますが、今後は栗東の事案についても、栗東市の教育委員会が状況を把握した上で、速やかに報告いただき、我々としても対応を進めていきたいと考えております。

市教委と小学校の管理職の関係とか、それから被害を受けられた方とのやり取りについては、必要に応じて守山市の方ともお話をできればというふうに思っております。処分にあたっての、加害者側の行為については説明を受けておりまして、その点についてはもう既に処分をさせていただいております。ただ県と市という関係がありますので、私が市の教育長や、関係者の処分をすることはできませんので、その点は守山市において適切に処分されるものと認識しております。

 

(中日新聞)

7月の前半に、学校で熱中症で搬送されるということがありましたが、これからも夏休みに入り、中体連が盛んに開かれる時期だと思います。それに関して熱中症対策をどのようにお願いしていかれますか。

 

(教育長)

熱中症につきましては、毎年度4月、5月ぐらいから注意喚起の通知をさせていただいております。そして夏休みになると、学校活動で大きなものはないですが、部活動はあります。その部活動の際にも、暑さ指数など、今、環境省やいろいろなホームページ等で出ておりますので、それをしっかり見て、一定のレベルが高い日については、危険な時間帯にはできるだけ活動をしないようにということを、やはり引き続き徹底をしていくことが大切だと思っています。

今回の事案は学校現場としてはできる限りの工夫をしておりました。テントを立て、暑さ指数も図り、そして子どもたちに水分補給やマスクを取るように促しながら実施していても熱中症になるということは、やはり根本的に活動時期をいつにしたらいいのかということを考えないといけないと思っています。この暑さは今まで我々が経験したことのない暑さなので、活動時期を変える検討も必要ではないでしょうか。ただ生徒会などが楽しみにしており、盛り上がらないような時期にやっても、それも寂しいことだと思います。この辺は学校現場、先生だけではなく、生徒の声をしっかり聞きながら、生徒の安全を考えながら、お互いが納得できて、楽しく安全にできるように、あわせて考えていきたいと思っています。実際にやれることはほぼしているにもかかわらず熱中症になってしまうので、できれば屋内で冷房の入った場所でやるといいのかもしれませんが、逆に新型コロナウイルス感染症との兼ね合いでは、密閉するとリスクが高まりますので、その辺のバランスが非常に難しいと思っています。今は、こどもたちの学校教育、学校活動をどうしていくのか、いろいろな面から考えていかなければならない時期だと思っています。

お問い合わせ
教育委員会事務局 教育総務課
電話番号:077-528-4512
FAX番号:077-528-4950
メールアドレス:[email protected]
Adobe Readerのダウンロードページへ(別ウィンドウ)

PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe Readerが必要です。
Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先から無料ダウンロードしてください。