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教育長定例記者会見〔令和3年(2021年) 6月16日〕

配布資料

概要

(教育長)

皆さんおはようございます。本日もどうぞよろしくお願いいたします。

それではまず私から、配付しました資料に基づき、お話をさせていただきます。

まず、2から3ページにかけてでございますが、令和3年6月から7月の教育委員会の広報事項を載せております。後日、資料提供による詳細のお知らせなども予定しております。各高等学校等で色々な取組が行われておりますので、ぜひ報道各社の皆様にも、取材を通じて発信していただければ幸いに存じます。よろしくお願いいたします。

それでは、本日の話題提供として1点、説明させていただきますので、お手元の資料の4ページ以降をご覧いただきたいと思います。

本日、お話をさせていただきますのは、文部科学省マイスター・ハイスクール事業ということでございます。本事業につきましては、文部科学省が本年度から開始する事業でございまして、産業界と専門高校、そして地方公共団体が一体となって、デジタル改革でありますとか、IoTの進展による環境変化にも対応できる地域産業の担い手を育てる人材育成モデルを構築するというものでございます。先日、全国で12件の採択の発表があったところでございまして、本県におきましても、採択をいただいたところでございます。

内容ですが、「ものづくりは人づくり」をモットーにして、昨年度創立100周年を迎えた歴史ある彦根工業高等学校におきまして、「変化への挑戦(Challenge for Change)~進取の気性を生かし持続可能な新たな地域産業を共創できる技術人財の育成~」を掲げまして、彦根の地域と産業、また彦根工業高校が一体・同期化して、郷土愛にあふれた人材育成によって地域を活性化させるという事業を、今年度から3年間行うものでございます。

目指す人物像といたしましては、一つには、高い倫理感を持ち、地域の産業を支えられる人材、そして二つ目として、高い技術力を持ち、ものづくりの現場でリーダーシップをとり、イノベーションを起こせる人材、そして三つ目といたしまして、地域への愛着と地域の発展と活性化に貢献したいという強い意志を持つ人材としているところでございます。

育成する資質・能力は、一つは人間力、特にコミュニケーション能力、リーダーシップ等。二つ目が、地域の伝統産業の技につながる基礎的な物づくりの知識やスキルということで、ものづくりの歴史と、「三方よし」の精神を踏まえた「近江の心」、そして、第4次産業革命に係る最先端技術などでございます。そして三つ目が、変化をチャンスに転換する力ということで、特に、創造力の育成を図っていきたいと考えているところでございます。

これらを実現するために、具体的な取組としましては、学校設定科目である「近江マイスター」を設置いたします他、協力企業でございます彦根に事業所を置いている「株式会社SCREENホールディングス」から「マイスター・ハイスクールCEO」を、そして彦根に本社を置いて地域産業であるバルブを製造されている「株式会社清水合金製作所」から、「産業実務家教員」をお招きする予定をしております。

「マイスター・ハイスクールCEO」には、取組の全体の総括でありますとか、彦根工業高校の教育課程刷新の方向性の検討、また高等教育機関や産業界との連携等を行っていただく予定をしております。そして、「産業実務家教員」の方には、実験・実習において、産業界の最先端の技術や知識等の指導を主に担当いただくとともに、産業界や地域と一体となった教育課程の企画を統括する役割を担っていただく予定をしているところでございます。

今後のスケジュールといたしましては、文部科学省からの委託事業でございますので、文部科学省との委託契約締結後、できましたら7月中に「マイスター・ハイスクールCEO」および、「産業実務家教員」に対して辞令を交付し、事業を進めてまいりたいと考えております。その際には、改めて資料提供を行う予定をしておりますので、ぜひ取材をよろしくお願いいたします。

私から、話題提供としてのマイスター・ハイスクール事業についての説明は以上でございます。6ページから7ページに資料をつけておりますので、ご参考にしていただければと思います。

 

(時事通信)

彦根の地場産業でやっておられるバルブの関係で、これらの取組をされるという理解でよろしいでしょうか。

 

(教育長)

お手元の資料8ページにある文部科学省の資料に書いてございますが、この事業の組立てをする際に、高等学校と地元の産業界なり、地元と連携しながらやっていくということでございまして、滋賀県の場合につきましては、滋賀県教育委員会、彦根工業高校と彦根商工会議所と彦根市となります。工業の分野において、彦根商工会議所の方に、人材を派遣いただける企業はないかということでご相談申し上げました。

彦根の場合はバルブという地場産業がございますので、業界において様々な取組をいただいている「清水合金製作所」から、協力してやっていこうというお話がありましたので、今、こういう形で進めさせていただいています。

なお、各工業高校等に照会したところ、彦根工業高校から取組をしたいという希望がありましたので、進めさせていただいております。

 

(時事通信)

「株式会社SCREENホールディングス」とは、どういう関係ですか。

 

(教育長)

こちらも彦根に事業所があって、事業に協力いただける大手企業のご相談をさせていただいたところ、「SCREENホールディングス」が協力をしますと手を挙げていただきましたので、ご協力いただけることになりました。

 

(時事通信)

バルブの会社というわけではないのですか。

 

(教育長)

半導体等を製造しておられます。

 

(時事通信)

これは関係ないかもしれないですが、知事部局で検討されている高等専門学校のことを意識されたものではないでしょうか。

 

(教育長)

あくまで、専門高校の魅力化、地域の連携をより深めて、新しい専門高校の在り方を考えるということで取り組みますので、直ちにそれに結びつくということではございません。

 

(読売新聞)

「マイスター・ハイスクールCEO」というのがあるということですが、特に学校で会社組織を立ち上げるとか、そういうものではないでしょうか。

 

(教育長)

CEOは、全体の人材育成のカリキュラムとか統括とか、産業界と学校現場との連携とか、そういった全体の企画に取り組んでいただくということですので、特に、例えば学校現場でこういう実績がありますということは求めておりません。

(読売新聞)

生徒から、この事業が始まって、こちらに行くメリットとしては、どういったところがあるのか。地元の専門的な会社の方の取組とか教えを受けることができるということになるのでしょうか。

 

(教育長)

6ページに資料をつけておりますとおり、「マイスター・ハイスクールCEO」は、1年目は色々なことを、研究なりをやっていくわけですが、今後、共創という位置づけにして、取組をしていただく予定でございます。全体的な総括とか、彦根工業高校でこういう教育課程を取り組んでいったらどうかというようなこととか、あるいは産業界との連携など、そういった役割をしていただこうと考えております。生徒に何かを教えるというよりも、どのような連携を進めれば、子どもたちがより色々なことを学んでいけるかということの総括を、民間の方にやっていただこうという取組です。

 

(読売新聞)

この取組が2年目、3年目となったときに、他の工業高校ではなく、ここを選んだ生徒にどういうメリットがあるのでしょうか。

 

(教育長)

具体的にどんなプログラムで人材育成に取り組んでいくのか、これから調整を行いますので、新しく来られたCEOの方も含めて進めていこうと思っています。生徒には、例えばキャリア教育で現場に行って勉強することが今まで以上に密になるとか、色々なことがあると思いますので、その辺はこれから詰めていきたいと考えています。

 

(京都新聞)

新型コロナウイルス感染症についてです。県教委では、県立学校で感染者が出た場合に発表なさっていますが、取材をすると感染者数すら明らかにしないという対応をとっておられるのですが、学校の特定に影響しない感染者の人数まで、伏せるというのはどういう理由でしょうか。

 

(教育長)

新型コロナウイルス感染症に対して、県教育委員会として、学校が休業になる場合に、その発表をさせていただいております。

感染者の関係につきましては、健康医療福祉部の感染症対策課が毎日発表しており、一昨日に学校でクラスターが発生したという発表をしておりましたが、我々としては、感染者が発生して学校、学年、学級を休業にするといった場合に公表をさせていただいております。

学校名につきましては、昨年もご質問にお答えをしましたが、児童生徒のプライバシーの問題、あるいは児童生徒のメンタル等への配慮から、公表をしないということで対応をさせていただいております。

 

(京都新聞)

学校が休業していることを発表するということですが、学校名を伏せて休業しますという発表に、そもそも意味はあるのかというのが一つ。それともう一つは、学校名を公表しないことに関して児童生徒のプライバシーとメンタル的な配慮が必要との答えですが、市町の教育委員会は学校名を公表しています。これは市町が、プライバシーの配慮が欠けているということに逆に受け取られかねませんが、その点の見解についてお聞きしたい。

 

(教育長)

それぞれの都道府県、あるいはそれぞれの市町村で発表内容が異なることは存じ上げております。学校名を公表することが配慮をしていないとは感じておりません。滋賀県教育委員会の考え方として、その点を考慮して発表していないということでございまして、学校名を出すことイコール、プライバシーの配慮がないとか、メンタル面への対応がないと考えているわけではございません。

 

(京都新聞)

配慮がないとは考えていないと言いながら、その配慮を理由に出さないというのは矛盾しませんか。それ以前に、学校を休校することに関して、学校名を出さなければ、発表する意味が果たしてあるのかということに関して見解をお聞きしたい。

 

(教育長)

新型コロナウイルス感染症により、学校の全部または一部を休業することに関しては、昨年来その休業について発表させていただくこととしております。休業をする学校があるということの発表は、設置者として必要と考えて発表させていただいております。

 

(京都新聞)

その情報は、誰に対して何を伝えたいという発表ですか。

 

(教育長)

新型コロナウイルス感染症だけではないのですが、感染症によって県立学校が休業しなければならない事態にあったということを、県立学校の関係者、県立学校の児童生徒、その保護者の皆様、広く県民の皆様にお知らせするということだと考えます。

 

(京都新聞)

県内の学校で複数人が発生しているという、あやふやな情報を行政が発表するのは、かえって不安を広げる気がしますが、その点はいかがですか。

 

(教育長)

感染者数は、毎日、感染症対策課で発表されまして、特定の会社、事業所、学校とかは、クラスターになった場合は発表される可能性もありますが、1人2人の場合は、基本的には発表されていないと感じております。ただ、濃厚接触者の特定でありますとか、消毒等の感染対応のために、学校を休業しなければならないという事実は、先ほど申したように発表させていただく必要があります。

 

(京都新聞)

災害発表等に関しては、行政は正確に情報を出すのが住民に対する危機管理の第一歩と、専門家が多く指摘している点です。その点に関して、県内に56もの公立学校がある中で、学校名を公表せず「高校に休校が出ました。感染者数は言えません。どの辺の地域かも言えません。」ということであれば、県立学校に隣接する住民の方は、自分の学校で起こった可能性があると考え、かえって誤解が広がる点があると思います。その点に関していかがお考えですか。

 

(教育長)

個々の学校名等につきましては、先ほども申し上げましたが、学校の特定につながることを考慮し、公表しておりません。記者がおっしゃるような、例えば、「近所にある高校だろうか」と疑念が広まるというお考えも理解いたしますが、それよりも県教育委員会としては、プライバシーの配慮等を重視して発表をさせていただいていないということです。

(京都新聞)

感染者数を伏せる理由は何ですか。

 

(保健体育課長)

感染者数につきましては、何人とは発表しておりません。取材に対しても、複数ということにとどめています。理由につきましては、そもそも感染症の発表は、感染症法に基づいて、知事部局の感染症対策課ですべきものという理解でして、県教委からは、何人というのは、複数という言い方でするといった方針で、現時点ではやっております。

先ほどの質問の、意味の点についてですが、学校の休業判断は設置者がします。一部あるいは全校の休業がありますが、学校保健安全法という法律に基づいて判断しています。所管は教育委員会にありますので、そういう意味で、一部休業あるいは全校休業は公表させていただいております。

 

(京都新聞)

感染症法では、第一義的に県に責任がある、感染者が何人かもその範疇であるとするならば、複数あるとか、クラスターなら言いますというのはちょっとおかしくないですか。

 

(保健体育課長)

現時点ではそう対応をしているのですが、今後、感染者数につきましては、感染症の所管と相談させていただきたい。というのは、PCR検査が進行中の数というのもありますし、その都度、数は変化していきます。その都度、1名追加、また1名追加みたいなこともありますので、それについてはまた今後、相談していきたいと思います。

 

(京都新聞)

県は、毎日一定時間を区切ってその都度、県の感染状況を発表している。つまり、現時点では何人と発表すれば正確であって、時間を切って正確な情報を出していただく。これは要望です。

それと、学校保健安全法に基づく公表は、何のために公表と定めていますか。

 

(保健体育課長)

あくまでも学校設置者が休校とする場合の基準について、感染拡大の恐れがあるということになっております。

 

(時事通信)

県では7月に大規模接種会場をスタートして、この中に教職員の方々が含まれているそうです。接種が進みますと、学校においては、先生は接種した、子どもたちは接種していないという状況が発生するかと思います。子どもたちへの接種で、京都の方では、すごく批判が来たり、いろいろありますが、どのようにお考えでしょうか。

 

(教育長)

まず、教職員につきましては、普段から多くの子どもたちと接する職業であるということで、新型コロナウイルス感染症に感染して、子どもたちにうつすことがないように、教職員を優先して打つという考え方は、子どもたちにうつる機会が減っていくということで、ありがたいと思っております。

大規模接種につきましては、モデルナ製のワクチンということで、厚生労働省からは、18歳以上と聞いております。大規模接種の会場で、小学生、中学生、高校生に打つという考え方はありません。

市町で今、取組を進めていただいているファイザー製のワクチンは、子どもたちにも打てると思いますが、子どもが打つ際の、どういった効果があり、どういった副反応があるか、保護者の同意を得たうえで手続が進められるべきだというふうに考えております。

12歳とか18歳という年齢についてですが、12歳は小学校6年生もいれば、中学1年生もおられるので、これをどう扱うか、もう少し議論が進めばいいと思っています。18歳の高校生3年生もいれば、17歳の高校3年生も当然いますので、その辺をどう考えていくのかというのもあると思います。

 

(時事通信)

その辺りは、国の動きを見ながらお考えになるような形ですか。

 

(教育長)

我々がワクチンを打っているわけでもありませんが、やはり子どもたちに打つということに関しては、その安全性について国の方でしっかりと説明責任を果たしていただきたいというのが私の思いでございます。

 

(時事通信)

わいせつな教員に対する法律が出来ましたが、これについて、県の教育委員会としてはどういうふうに対応していこうとお考えでしょうか。

 

(教育長)

わいせつな行為によって、懲戒免職になった先生の教員免許の再取得や、官報への登載の話などがあると思います。免許失効者に対する手続きについては、それぞれの教育委員会で全国統一的な扱いになるように、しっかりと進めていただきたいというのが思いでございます。

 

(教職員課長)

先日、法律が成立し、公布から1年以内の政令で定める日から施行されるということになっていまして、それまでに国の方で、この法律に基づく基本方針、どう運用していくかということを定められると聞いております。私どもとしては、先ほど教育長からもありましたように、都道府県の権限で行うものではありますが、全国共通の事柄であるため、統一的な運用が望ましいと考えておりますので、今は検討されている基本方針の動向等を注視していきたいと考えております。

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