令和3年8月23日(月曜日)午後2時から
県庁北新館5-A会議室
公開 | 第23号 | 令和4年度に使用する滋賀県立中学校教科用図書の採択について | 高校教育課・幼小中教育課 |
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公開 | 第24号 | 令和4年度に使用する滋賀県立高等学校教科用図書の採択について | 高校教育課 |
公開 | 第25号 | 滋賀県立特別支援学校小・中学部において令和4年度に使用する教科用図書の採択について | 特別支援教育課 |
公開 | 第26号 | 滋賀県立特別支援学校高等部において令和4年度に使用する教科用図書の採択について | 特別支援教育課 |
非公開 | 第27号 | 滋賀県立学校いじめ問題調査委員会への諮問に係る臨時代理の承認について | 生徒指導・いじめ対策支援室 |
公開 | ア | 第25期滋賀県産業教育審議会答申について | 高校教育課 |
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公開 | イ | これからの県立高等学校の在り方検討について | 魅力ある高校づくり推進室 |
●教育長から開会の宣告があった。
●教育長から出席者の確認があり、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第14条第3項の規定により、会議の成立が確認された。
●事務局から出席者の報告があった。
●教育長から、本日の議題のうち、第27号議案については、個人情報を含む内容であることから、審議を非公開とすべきとの発議があった。発議は全員異議なく了承され、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第14条第7項ただし書の規定により、第27号議案の審議が非公開とされることとなった。また、審議の順番については、公開議案、報告事項、非公開議案の順で審議することが確認された。
●7月8日開催の定例教育委員会に係る会議録について、適正に記録されていることを確認し、承認された。
●教育長から、第23号議案「令和4年度に使用する滋賀県立中学校教科用図書の採択について」、事務局に説明を求め、事務局から資料に基づき説明があった。
●主な質疑・意見
(岡崎委員)
いずれの教科書も歴史の中での、政治や社会情勢、世界との関連について学習することができ、良い内容であると感じた。社会科の新しい学習指導における改定のポイントはどのような内容か。
(幼小中教育課長)
資料5の2ページに、今回の社会科の学習指導要領の改定の趣旨を記載している。様々な項目があるが、主体的・対話的で深い学びに取り組んでいることもあり、例えば(3)多面的・多角的な考察や深い学びといった視点が今般の学習指導要領の改定において特に重要とされている。そのことについては、各教科書においても様々な角度から資料を掲載している。
(岡崎委員)
説明で用いられていたチャートを活用し、生徒間のいろいろな意見を授業で出し合いながら学んでいくと理解した。
(土井委員)
いずれの教科書もよく工夫された教科書であると思う。探究学習の関係では、単元が構造化され、初めに単元を貫くテーマが示されて、それが最後に押えられる構成となっているのは非常にわかりやすい。
ただ最初の問いの部分と最後の部分の間には非常に多くの内容が書かれており、単元の問いで扱うこととは、直接関係のないこともあると思う。その中で単元の問いを見失わずに授業をするためには工夫が必要であると思うが、実際に学校の先生方はどのように工夫して、単元全体の狙いを維持しつつ、様々な事項を授業されておられるのか、伺いたい。
(幼小中教育課長)
様々な取組があると思うが、子どもたちに単元の大きいテーマを意識させると同時に、その単元の課題を子どもたちがつかむことが必要である。また、授業後の振り返りによって課題を常に意識しながら進めることも大事である。先生方は単元を貫く課題を常に意識して授業を展開する必要があると思うし、最後の単元のまとめでその課題がどうだったかを子どもたち自身がまとめ、交流することで理解を深めることも大切である。そういった工夫によって単元を貫くテーマを意識して授業をすることにつながると考えている。
●教育長から、第23号議案について採決する旨の発言があり、全員一致で、原案どおり可決された。
●教育長から、第24号議案「令和4年度に使用する滋賀県立高等学校教科用図書の採択について」、事務局に説明を求め、事務局から資料に基づき説明があった。
●主な質疑・意見
(岡崎委員)
選択するコースによって異なる教科書を使用する学校もあるとの説明であったが、テストの際は、教科書によって違うテストを実施しているのか。
(高校教育課長)
教科書によって違うテストを実施している。
(岡崎委員)
コースが違えば学び方も違う、それぞれの目標が違うので違うコースに入っていると認識しているが、教科書が違うことでそれぞれの学び方にも特色が出るということか。
(土井委員)
地歴・公民の科目で、探究的な学習を含めて、生徒の皆さんが議論をする機会を設けて考える授業をする場合、教科書を自分で読める能力が身についていないとうまくいかない。高校でこのような授業を展開するためには、中学校までの段階で教科書は自分で読めば基本的な内容を理解できる状態にする必要がある。本県では読み解く力の育成を掲げているが、中学校までの段階で読み解く力の基本を十分に身につけないと、高校以降の段階での教育がうまくいかないので、しっかり取り組んでいただきたい。もちろん高校でも学力に違いはあり、全ての子どもが、教科書を一読すれば理解できるというわけではない。そのような場合は先生にうまく指導をしていただき、考えながら教科書を読めるようにすることが重要になる。こういった教科書を使う前提として、その辺りをしっかり指導していただきたい。
(高校教育課長)
生徒の実態として、教科書を読み解いて自分で学習する生徒は多い。一方で中学のときにつまずいて、高校入学後に困る生徒も実際にいる。そういう意味では、やはり教師がうまくコントロールして、生徒の実態に応じた力の育成が必要であると思うので、きめ細やかな指導が必要になると考えている。
(岡崎委員)
教科書によってカラー印刷の状況等に違いがある。農業高校や工業高校、普通科のコースや、選んだ学校によって違いがあると思うが、生徒一人あたりの教科書費用に差があるのか。
(高校教育課長)
学校ごと、また生徒が選択する科目によって違う。それぞれ学校の生徒の選択科目数によって金額は変わってくる。
(岡崎委員)
保護者の負担にもそれだけの差がある。教科書内容の充実度にも違いがあると思う。例えば草花の教科書は少し古く感じる部分もあったが、唯一の教科書であり、内容にも差が出ていると理解した。
●教育長から、第24号議案について採決する旨の発言があり、全員一致で、原案どおり可決された。
●教育長から、第25号議案「滋賀県立特別支援学校小・中学部において令和4年度に使用する教科用図書の採択について」、事務局に説明を求め、事務局から資料に基づき説明があった。
●主な質疑・意見
(窪田委員)
特別支援学校の場合は一般図書が含まれるため、膨大な数の教科書から、子どもたちの実態や発達段階、生活年齢に合わせて選ばれたと思う。選ばれた教科書について異論はない。最近の傾向や、特別支援学校に入学する子どもたちが増えている中で、採択する教科書を選ぶ際に難しい点等が出ているようであれば、教えていただきたい。
(特別支援教育課長)
保護者からの要望が選定委員会に出されているが、学校だけでなく、家でも活用できる教科書であればうれしいとの要望が寄せられている。音の出る教材やDVDが附属する教材であれば、夏休み等に子どもたちが家庭での自主的な学習に活用できるので、教科書選定の際には、家庭でも利用できるという点を意識する場合がある。
(岡崎委員)
家庭科の教科書にクレジットカードや電子マネーについての記載がある。特別支援学校の生徒もICT機器の活用はしているのか。県立高校の情報の教科書では、興味を引く内容が非常に詳しく指導されているが、特別支援学校の生徒に対しても、ICTを分かりやすく解説した教科書が必要ではないか。生活していくうえでの必需品を安全に使用するための教育も必要であると思う。そういった配慮がすでにされているのか、または今後検討されるのか伺いたい。
(特別支援教育課長)
特別支援学校の子どもたちはそれぞれ多様な実態がある。ICT機器の操作についても入出力装置を一人ひとりに合わせてオーダーしたものをそろえる必要があり、一律に教科書で教えることが難しい。教科書に掲載されている内容についても教えるが、一人ひとりの発達段階に合わせた機器を使用する必要があるので、総合教育センターとも連携し、複数の学校から代表者が集まって研究を行っている。重度障害の子どもたちに対して、スマートウォッチを装着して呼吸状態や睡眠の様子を把握することで、日常の活動量との関係を確認する場合に活用している。色々な機器を使用しながら、重度・重複の障害から、軽度の知的障害の子どもたちまで、子どもたちの多様な実態に合わせた研究を行うことが課題であると考えている。
(岡崎委員)
子どもたちが取り残されたり、困ることのないよう、社会に順応できる教育ができればよいと感じた。
●教育長から、第25号議案について採決する旨の発言があり、全員一致で、原案どおり可決された。
●教育長から、第26号議案「滋賀県立特別支援学校高等部において令和4年度に使用する教科用図書の採択について」、事務局に説明を求め、事務局から資料に基づき説明があった。
●主な質疑・意見
特になし
●教育長から、第26号議案について採決する旨の発言があり、全員一致で、原案どおり可決された。
●教育長から、報告事項ア「第25期滋賀県産業教育審議会答申について」、事務局に説明を求め、事務局から資料に基づき説明があった。
●主な質疑・意見
(石井委員)
資料にある通り、教員の資質の向上や人材確保の視点から、産業界との人材交流を考えていくことは、産業界との連携を積極的に展開するきっかけになると思う。また彦根市のマイスター制度は、ドイツにおいては確立された考え方として有名である。生徒の自己実現を図るための実践的な教育のプログラムになると思うので、産官学が協力して取り組むことが重要である。
(高校教育課長)
産業界との連携は産業高校にとって重要である。人材交流として、産業界の第一線で活躍されている方々に、学校で様々なことを教えていただくことは、生徒にとって 良い影響がある。そうした取組によって生徒の自己実現を図ることは、教育現場で働く者にとっても、非常に重要な目標である。その1つの手法として、産業界との連携は今まで以上に密にしていきたいと考えている。
●教育長から、報告事項イ「これからの県立高等学校の在り方検討について」、事務局に説明を求め、事務局から資料に基づき説明があった。
●主な質疑・意見
(土井委員)
初めに質問であるが、答申(素案)のP32「基本方針策定後の進め方(案)」の「2〈県教育委員会〉個別の実施計画作成」において、「(仮)魅力化プランに基づき実施可能と判断する対象校を選定し、個別の実施計画を作成する」と記載があるが、対象になる高校と対象にならない高校があるということか。「3〈学校〉個別の実施計画に基づく具体的検討と経営方針策定・公表」では、「経営方針を策定し公表する。」と記載があり、各学校が策定するように読み取れるが、どういった趣旨か。
(魅力ある高校づくり推進室長)
経営方針に関しては、各学校で策定することになると考えているが、個別の実施計画については、魅力化プランを策定した段階で、学校の現状の取組を継続する方針である高校については実施計画を作成する必要はないと考えているが、魅力化を進め、より発信力を高めていこうとする高校については、個別の実施計画を作成することになると考えている。
(土井委員)
答申(素案)の冒頭部分、P1の「1背景と趣旨」にSDGsについての記載があり、「SDGsの掲げる目標のうち以下のものを踏まえたものとする。」として、SDGsの5つの目標が挙げられており、P11の「(4)持続可能な社会の実現(SDGs)と多様な価値観が尊重される社会」において、SDGsについて書かれているが、その他の部分では記載されていない。P19の「5目指す姿」において、SDGsのどの部分に関係しているかの記載があったほうがよいのではないか。これに関連して、P1には「ジェンダー平等を実現しよう」や「人や国の不平等をなくそう」との記載があるが、P19では特別支援教育に関連して障害がある者についての記載はあるものの、多様性の確保と平等の尊重についての項目がみられない。この記載については一度検討いただいたほうがよいのではないか。
(魅力ある高校づくり推進室長)
SDGsの視点については検討委員会においてももう少しわかりやすくするほうがよいとの意見もあった。答申(案)の策定に向けて工夫をしていきたいと考えている。
(石井委員)
P29「コ 持続可能な推進体制の構築」において「教職員の負担軽減の実現も踏まえた持続可能な推進体制の構築」についての記載があるが、非常に良いことを書いていただいていると思う。産業界から教員に就職する事業があったと思うが、マネジメント人材の拡充という観点から、産業界で様々な経験を積み、教育分野に非常に高い意識を持つ方々がマネジメントのレベルアップ等の面で活躍ができるニーズがあるのではないかと感じている。教育委員としていくつかの学校を訪問し、学校現場に様々な課題がある中で、地域社会に出て様々な活動をされている校長先生も立派であると感じたが、教師としての資質を超えた、新たなものを生みだすことが求められる時代であることを踏まえると、非常に高い水準の人材が求められると思うが、産業界の人材活用も必要になるのではないかと感じている。
(魅力ある高校づくり推進室長)
先ほどの産業教育審議会の答申にもあったが、地域社会と連携して産業教育を進めていく中で、地元企業との連携も進めていくことになると考えている。
(教育長)
地域の産業界が持っている様々なノウハウや人材を教育現場において活用させていただくための調整をしていきたいと考えている。
(土井委員)
P20「滋賀の県立高校づくりのコンセプト」の「多様な生徒一人ひとりが、「滋賀」という地域から学び、社会の一員としての自立を目指す学校づくりを進める」について、自立だけを強調すると一面的になってしまう。やはり協働や協力が重要であることもご検討いただきたい。
次にP22「取組の方向性」の「ア確かな学力を育む」の「(1)「主体的・対話的で深い学び」の実現を目指した授業改善」については、基本的に学習指導要領の方向性を踏まえたものであると思う。実際に取り組むにあたっては「研究指定校による先進的な研究・ 取組を県全体で共有する」ことになると思うが、「主体的・対話的で深い学び」は画一的なものではない。生徒によって能力や資質に違いがあり、それぞれに合った「主体的・対話的で深い学び」の在り方がある。こういった新しい試みに取り組む際には、比較的学力が高い生徒を対象にした最先端の取組が先進的研究になりがちであるが、高校全体を考え、多様な高校の在り方を検討する際には、各学校に合わせた「主体的・対話的で深い学び」の取組が重要であることを強調するほうが良い。
(魅力ある高校づくり推進室長)
1点目のコンセプトについては、P18「2育成すべき生徒像」において「生きる力(自立する力、伝える力、協働する力、創造する力等)」として整理をしており、自立のみに特化しない形で進めていきたいと考えている。
2点目の「主体的・対話的で深い学び」については「先進的な取組・研究」と記載していることから、御指摘いただいたように読み取れる場合もあるので、記載方法を工夫したいと思う。
●第27号議案について、原案どおり可決された。
●教育長から、本日の議事が全て終了した旨の発言があり、閉会の宣告があった。