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更新日:2026年8月25日
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知事定例記者会見(2026年8月25日)
令和8年8月25日
(県政記者クラブ主催)
【知事】
39度を超える暑さでございます。残暑厳しき折、暑さ対策に気を付けてください。経営会議でも共有しお礼を申し上げましたけども、インターハイ、近畿高校総体を無事に終えることができました。広域開催ということで高校生主体の様々な運営を盛り上げ等々ございました。レガシーとして生かしていきたいと思っております。また、敬宮愛子内親王殿下の御成りもございました。多くの方に奉迎いただき、また御協力も賜りました。愛子様からは、初めての湖国滋賀への御成りということで、琵琶湖、伊吹山の印象等々、大変お心に残った御様子で語っていただきました。これからも大切に、この滋賀の自然風土を守り、継いでいきたいという思いを新たにしたところでございます。また、国、政府、各省庁におかれては、来年度の予算編成に向けて、8月末の概算要求、の取りまとめ、今作業途中でございますので、県庁内各部局をして様々な情報収集を行うように指示いたしました。既に行っております県の政策要望・提案に対してどのように反映されたのか、反映されていないのか、明日も上京いたしまして琵琶湖議連の要望等々、各省庁に向けて行いますが、年末の予算案の編成に向けて機動的に対応する項目等を抽出するように申し上げたところでございます。


また、資料の説明に入ります前に2点、1つは「しが若者アイデアソン」ということで、若者の声を政策形成に生かす「しが若者アイデアソン」今回は2回目ということで、今週土曜日、29日に開催いたします。会場は大津市民会館ということでございます。15歳から38歳の若者34名の方が御参加いただく予定と、環境・農業・教育・防犯など6つのテーマについて議論をして、具体的な政策提案のプレゼンテーションをしていただく予定です。私も公務の関係で、少し遅れて、会場に入り、発表を聞き、議論を交わしたいと思っております。ぜひ、メディアの皆さんの御取材等をいただければ幸いでございます。

もう一点は、美術館の夏祭りについてです。8月29日。こちらも今週の土曜日、「みんなでつくる!みんなで楽しむ!美術館の夏祭り!」を開催いたします。美術館は今、「子どもも大人も来たくなる」美術館を作ろうということで、様々な取組を行っておりますが、今回が3回目ということでございます。当日は開館を20時まで延長いたしまして、夜の美術館ならではの雰囲気も楽しめるということでございます。普段、非公開のバックヤードツアーが行われたり、視覚障害者の方、手話を利用する方、高齢者の方々向けのバリアフリーギャラリーツアーも実施する予定です。また、企業からの御協賛によりまして、当日は大学生以下の企画展観覧料が無料になるということもございますし、常設展は全員無料で御覧いただけるということでございます。この機会にぜひ美術館にお越しいただければと存じます。


それでは2点。まず一つ目は、カスタマーハラスメント実態調査。こちらを今年の4月から5月にかけて実施いたしました。その結果が出ましたのでお知らせいたします。この調査は、県内の企業1,500社および労働者を対象に実施いたしまして、そのうち企業等478社、労働者1,043名からの回答を得ました。調査の結果、グラフにもお示ししておりますとおり、2割前後の企業、労働者の皆さんが過去3年以内にカスタマーハラスメントの被害を受けていらっしゃることが分かりました。カスタマーハラスメントは、働く人の心身を害するだけではなく、企業の生産性の低下、人材確保への悪影響など、社会全体に大きな損失をもたらすものでございます。何より人権侵害だということもございます。今年10月1日から、改正労働施策総合推進法のもと、企業に対策が義務付けられますが、この調査結果を踏まえ、県としてもカスタマーハラスメント対策に積極的に取り組みます。2点です。「カスタマーハラスメントを許さない機運づくり」でございまして、こちらは条例の制定に向けた検討を進めます。カスタマーハラスメントは許さないという意識が浸透するよう、周知・啓発に取り組んでいきます。2点目は、企業等の取組への支援を行います。今回の調査からも、それぞれの企業で対策を進める上で、どうしていいかわからないというスキル、またノウハウの不足、さらにはどの段階でどうすればいいのかという判断基準の難しさ、それを設ける難しさが課題となっていることもわかりました。こうしたことから、専門家による助言、相談など、企業、事業所等における対策を後押しできるような支援に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。

もう一点、こちらも資料がございます。「おいしがうれしが新プロジェクトを始めます」という御案内でございます。平成20年に滋賀の食材の地産地消の推進運動として始まりました「おいしがうれしがキャンペーン」こちらは滋賀の食材を応援する取組として、県内外に広がってきております。今回の新しいプロジェクトは、滋賀の食材の魅力を県内外の多くの方にお届けし、さらなる消費拡大につなげるため、生産者、食品事業者等の皆さんと県が連携協働し、新たな取組を実施するものです。おいしがうれしがに集う事業者間の横のつながりをさらに活性化することで、滋賀食材の消費拡大を進め、滋賀の食と農を守る、盛り上げる取組を加速させたいと思います。この度、おいしがうれしが登録事業者の皆さんから連携や協働のアイデアを募集いたしまして、5つの新たなプロジェクトが始動することとなりました。来る8月31日に、この新しいプロジェクトのキックオフとなる企画発表会を開催いたします。各プロジェクトリーダーが取組を紹介し、意気込みを表明し、私も参加して一緒に頑張ろうというメッセージを届けられたらと思います。
担当部局には部局を超えて施策を作るように指示しております。健康、観光、環境、来年度実施する発酵サミットなど、部局を超えてこういったおいしがうれしがの取組を作ろうじゃないかということを申し上げておりますので、そういう観点から取材や後押し、テコ入れをしていただけたらありがたいなと思います。私からは以上でございます。
[NHK]
今御説明のあったカスタマーハラスメントの実態調査についてお伺いさせてください。3年以内にカスタマーハラスメントを受けたことがあると回答した労働者や企業が2割以上になったという調査結果だったと思いますが、まずはこの調査結果、2割以上という調査結果について受け止めをお願いします。
【知事】
直感、第一印象が多いなと思います。かつ、分からない、把握していないという方を含めて、一定数いらっしゃいますので、多くの方がお客様や利用者の皆様方からの非常に強い、度を超えた要求や行為等により悩まれたり、被害を受けていらっしゃる実態というのが一点明らかになったのではないかと思いますので、先ほど申し上げた企業、事業所等にこういったカスタマーハラスメントは人権侵害なんだと、なくしていかなければならないんだという、こういったことを企業、事業所向けというよりも、これは社会全体に喚起しながら、お互い思いやりのある対応等々が取れるように努めていきたいなと思います。駅などでも増えているみたいですね。介護事業所等でもお悩みがあるそうですね。こういったところにしっかり目を向け、心を配り手を入れていきたいと思います。
[NHK]
もう一点、先ほど県としていろいろ取組を進めていくとの御説明がありましたが、カスタマーハラスメントを対策する上で現在の課題と、そして、今、行政に求められている役割というのはどのようなものなのか、知事のお考えをお願いします。
【知事】
そうですね。まず課題としては、社会全体で理解、認識、一層広げ、深めること、不当な要求、度を超えた言動等が人権侵害になるんだという、こういった認識を社会全体にしっかりと醸成すること、これが課題だと思います。そのために、県をはじめとする市町・行政が連携して、例えば、町民、市民、県民の皆さんにそういった周知を図っていくこと、法律の改正施行もございますので、10月1日以降の様々な取組を周知すると同時に、県としても条例の検討を進めていきますし、具体的にどういうことをやればいいのか、何がカスタマーハラスメントに当たるのかということの御理解がまだ十分進んでいないということがあるとすれば、そういったものをお知らせしたり、どのあたりに判断基準を設けたらいいのかという、こういう現場のお悩みにお答えできるような、事業所にアドバイスができる体制を整えていく、相談があった場合に対処方法等々を共有するような、こういう仕組みづくりですとか、そういったことなどが課題ではないかなと思います。
[NHK]
先週、草津市長の橋川さんが、任期途中での辞任の意向を表明されました。5期目を務められていたということで、長きにわたって草津市政を牽引していたわけですが、知事の受け止めをお願いします。
【知事】
草津市長、橋川渉市長は、市長になられる前から、私は国会議員としてお世話になっていましたし、一緒に活動し、2008年に決断され、市長選挙に出馬される折には中心的に活動したという、そういう同志でもあります。市長、知事、協力して、様々な市民、県民の皆様方のための取組等々を行ってきた、そういう仲間でもあります。また、良き先輩でもあります。今回、任期半ばで辞職されるということは、苦渋の御決断だったと思います。そのことを深く心で受け止めたいと思います。草津市の発展に、また滋賀県の発展に多大の御貢献をされたことにも敬意を表し、感謝を申し上げたいと思います。今は何より、御回復と、今後、市長を退かれた後のさらなる御活躍を期待したいというふうに思います。
[読売新聞]
今日で幹事社も終わりで、私もちょっと転勤なんで、今日で質問が終わりです。最後の質問なんですが、ちょっと発表事項とは違うんですけれども、政治とか県政運営におけるレガシーについてお伺いします。政治家とか知事は、自らの、御自身の政治的信念とか思いを込めたレガシーっていうのを何らか、足跡ですね、残していくかと思います。滋賀県の知事で振り返ったら、例えば武村正義さんの琵琶湖富栄養化条例とか、嘉田由紀子さんは流域治水条例とか、後世に評価されるものなのかもしれませんが、そういった一定レガシーのようなものを残してきているのかなと思っています。知事はまだ在任中ではあるのですが、これまで3期12年に自分はこれは何か県政に残してきたなと思うようなレガシーがあるようでしたら、ちょっとそれをお聞きしたいなと思うのと、また、今4期目始まってますけど、これから残したいものが、これだけはやりたいなみたいなものがあるようでしたら教えてください。
【知事】
歴代の知事に比べると、まだまだやれてることは少ないのかなと思いますし、その県政、知事の時代に何をやったのかっていうのは、今お尋ねいただいたように、後の世、後の方々が、あの時はこうだったんじゃないかということで振り返られたり、御評価、御審判をいただくことではないかなと思います。自らが語ることっていうのは、控えるべきではないかと思いますが、お尋ねですので、苦労したことも含めていくつか思い起こすと、それぞれの時代によっていろんなことがあって、それに対応する県政ということもあると思います。コロナ禍を乗り越えてきたというのは、非常につらい経験でもありましたけれども、そのことによって分かり合えたこともございましたし、大きなイベントということであれば、わたSHIGA輝く国スポ・障スポ、これは内定した段階から知事をお引き受けし、様々な施設整備、会場でのおもてなし等々を含めて、みんなでやり遂げてきた事業ということでの思いではございますし、今まさに高専設置ですとか、高校のあり方検討だとか、次の世代をどうつくっていくのかという大きな事業を手がけているところですので、そういったものを一つずつ形にして、次の時代に責任のある行政というのをバトンパスしていけたらいいなと思っています。
[読売新聞]
今、バトンパスという話がありましたけれども、この4期目で特にこれだけはというところはどうでしょうか。
【知事】
支え合ってともにいきる健康しが、ということで、人、社会、経済、自然、そして次の時代、4つの健康を掲げて、各種政策を皆様方にお約束してきていますので、それらをしっかりやり遂げるということです。他の県になくて、今までになくてやっていること、この任期中に形にしていくということでいえば、さっきも申し上げた高専というのは一つ大きな事業になると思いますし、あと、公共交通をめぐる様々な施策の進展、もしくは財源をどうするのかという議論、こういったものはこの4年間で、一定形をつけていくものだと思います。また、高校魅力化を含めて再編をどうしていくのか、また、医療については、それぞれの地域の医療が、特に公の病院を含めて苦境にありますので、そういったものをどう持続可能なものにしていくのかというのも、この4年、知事として、県政として役割を期待されるところが大きいのではないかと自覚しています。
[読売新聞]
4期目、バトンタッチという言葉がありましたが、4期目を終えてその先、政治家、知事なのかどうか分かりませんけど、政治家としてどのように歩んでいくお考えでしょうか。
【知事】
1日1日、まずいただいた命をしっかりと大切に味わいながら、知事として与えられた大きな役割、また難局にある中での大きな役割を、この人を選んでよかったと思えるように努めていく。努め上げるということに徹したいと思います。その先はまたその先考えたいと思います。
[読売新聞]
バトンを渡すということですが、4期務めると16年、それまで歩んできた、築いてきたレガシーであるとか、県政運営の理念というのを、それは誰かに引き継ぐという意味では、そのお考えはどうでしょうか。後継について。
【知事】
命もそうですし、知事としての任期というのも、未来永劫担うわけにはいきませんので、どこかでバトンをパス、たすきを引き継ぐという、こういったことは必要になってきます。いつもそのことは考えます。より良い状態で、次の方にお渡しできるように、日々努めていきたいと思います。
[読売新聞]
5期目以降は次の方に渡すということですか。
【知事】
まず4期目いただいた知事としての任期をしっかりと果たすことで、責任、役割を果たしていきたいと思います。
[読売新聞]
最後です。4期を終えて知事が実現したい滋賀県の形というのはどういうものでしょうか。
【知事】
琵琶湖を真ん中に、周囲の山々を含めて、川とのつながり、水のつながり、生態系のつながり、人とのつながり、支え合い、こういうものは、なんていうんでしょう、滋賀ならではの営み、歴史、こういったものがあります。他県から来られた、他国から来られた方々とも支え合って生きていくということでありますとか、いろんな生業、仕事、福祉、様々なものを一緒に作り上げていくという、こういう伝統というのは滋賀にはあると思いますので、そういう慈愛に満ちた、支え合って一緒に生きているんだなということが実感できる、そういう滋賀をつくっていきたいなと思いますね。県という、行政が果たしうる役割というのは、そんなに大きくないのかもしれませんが、様々な課題が顕在化して、いろんな事々が変化する中にあって、こういう県という広域行政が果たしていく役割というのも変わりつつありますけれども、期待されるところもあると思います。場づくりだとか、ルールづくりだとか、そういう意味で滋賀県らしく役割を果たしていきたいと。その先頭や中心に、もしくは時にはしんがりに、知事という存在があって、必要な時にしっかりと頼りになる働きができるように努めていきたいなと思いますし、今、私は関西広域連合の連合長として、広域自治体の今リーダーも仰せつかっておりますので、まさに琵琶湖の水源から、その山の水源から水のつながりがあったり、産業の連関があったり、広域の観光周遊があったりという、こういう滋賀県だけで全てを担うということではないスケールメリットも生かし得る環境にありますので、そういうことの道筋をやっぱり立てるというのがとても重要な役割ではないかなと思います。
[中日新聞]
中日新聞の林です。よろしくお願いいたします。資料提供でいただきましたカスタマーハラスメントの件で、県での条例の制定も検討されていくというふうにおっしゃっていただきましたけれども、もちろん検討をこれからしていく段階なので、具体的にどうっていうのはまだ固まってはないかもしれませんが、お隣の三重県だと、罰則付きの、県で今条例を検討されて進められているというふうなところも聞いていますけれども、県として設置される条例の考え方としては、そういうふうに県職員とか県の窓口でのカスタマーハラスメントに対する罰則とか、そういう条例になっていくのか、それとも、もうちょっと理念的に県内の企業とかに周知したりとか、啓発の面が中心の条例になっていくのか、条例の中身として方向性としてどういったものを考えていらっしゃるかというのと、あとタイム感としてどういうふうに、どれぐらいのタイミングで、10月から法改正もありますけれども、いつぐらいまでには条例を例えば県議会に提案して、いつぐらいには整えたいとか、そのあたりの構想もありましたら教えてください。
【知事】
内容もスケジュールもこれからです。4期目の知事としての選挙での公約にも検討する旨、そういった趣旨の記載をしてますし、こういったアンケート結果も出て、法改正もあります。法が改正されるんだから、もう法で十分じゃないかっていう、こういう議論もありますが、やはり滋賀県として、滋賀県らしい条例を、作り方にも少しこだわって、みんなで作るということも含めて、先ほどお尋ねあったように、社会的な機運を、また理解、認識を醸成していくということもとても重要ですので、何か作って終わりということではない視点も持ちながら検討できたらいいのではないかと思いますので、スケジュールも含めて今検討しているところです。
[中日新聞]
三重県のように、何らかの罰則を設けたりとか、そういう結構強制力のあるものにされる可能性も考えられますでしょうか。
【知事】
今の時点で、何かどこかの県のどの規定を参考に、念頭にということは想定しておりません。全てのことに中立、フラットですが、条例として定める以上、実効性のあるもの、また県民の皆様に、議会も含めてですけども、広く御理解いただける内容にする必要があるということは常に念頭に置きたいと思いますし、案を作る過程もですね、今回はアンケートという形で広く御協力いただきましたけれども、もしかすると氷山の一角でまだまだ見えてない部分があるとすれば、そういうものを顕在化させたり、実際に条例を作って何か規定をしてお知らせするだけで何か変わらないとすれば、変わるために有効な何か手立ても含めて考えながら条例化を進めるという、こういう作業も過程も大事ではないかと思いますので、少し過程をつくるところも大事にしたいなと思います。
[京都新聞]
カスタマーハラスメントについて、条例化を検討されるということですが、この実態調査も含め、知事は条例を制定する必要性についてはどのような認識をされておられますか。
【知事】
まず、広く一般的に、一緒に住んでいる地域、一緒に働いている地域、行き交って一緒に過ごす空間、その中がお互い心地よいものになるように、どういうルールを定めたらいいのかということは、とても大事な営みだと思いますね。ハラスメントは人権侵害ですので、やはりどのテーマのハラスメントも許すわけにはいかないということなんですけれども、特に、例えばお客様と事業者との関係、駅員さんと利用者さんの関係とかですね、介護サービスをする人と受ける側という、とかくお客様だろうという、そういうことから言い出せなかったり、我慢してしまったり、いわれなき言動を受忍されることがないように努めるというのはとても大事なことだと思います。今回2割、そしてわからないという方も含めて一定数被害を受けていらっしゃる方がいらっしゃるという実態をどのように克服していくのか。もちろん法改正も行われますけれども、それで十分なのか。いや、やはり一緒に住んでいる、働いている、行き交う地域として、より良いルールづくりを施行したいという意味で、条例の検討が必要だろうという視点に立ったところです。
[京都新聞]
カスタマーハラスメントの条例については、氏名を公表したり、公表せずとも指導したりなど、いろいろな形の罰則が考えられますが、県として条例をつくるのであれば、その罰則が必要かどうかは、現時点ではどのようなお考えでしょうか。
【知事】
まあ、あの許されない行為に対して、それはしちゃいけませんよというルールづくりというのが法であったり、条例です。その際に、じゃあやった場合どうするんだということは常に議論としてあると思います。その議論の一つの産物として、じゃあやった人に対しては罰則をという行為、手法も取り得る選択肢の一つだと思いますが、果たしてそれで条例、地方自治体として実行可能なものなのかとか、判断基準をどう設けるのかなど、伴う課題もあるでしょうから、そういうものを丁寧にテーブルの上に出して、議論、検討していくことも必要だと思っています。
[京都新聞]
議論を検討する過程の中で、みんなでという御発言が先ほどあったんですけども、一般的に条例を制定するにあたっては、検討会や審議会、ならびにパブリックコメントを通じて議会にも報告され、意見を交わしてという流れがありますが、ちょっと違う手法で検討されるということでしょうか。どういう意図での『みんなで』ということなのか、新しい試みをされたいのか、もう少し我々であったり県民の方が理解できるような言い換えをお願いします。
【知事】
条例制定を検討するということですので、条例にするためには当然、条例案として議会に上程することが必要です。その中身を詰める作業も必要ですので、当然、通例の条例を定める過程というのがありますので、それは踏まえたいと思います。ただ、先ほど来、お尋ねいただいているとおり、みんながわかっているのか、わかって今度は行動に移せるのかという、そういったことも問われるテーマですので、単に条例だけ定められたということでいいのかという問題意識が強くあります。また、法改正されたんだから、もう条例までいらないんじゃないかという思いや議論が、これは県行政担当の中にもないわけではないんです。そこをやはり条例も含めて検討しようよという後押しを私はしました。やっぱり条例の検討はすべきだということで、協議の結果、そうしようということにしました。何か行政だけが机の上でパソコンを叩いてつくるということだけではない、作業の過程をみんなでつくっていくということも経験し、条例の議論をし、つくった結果、何か、分かり合えたねとか、思いやりのある社会がつくれるきっかけづくりになったねというようなことにつながったらいいなという、そういう思いを持っています。
[朝日新聞]
一応、条例をつくろうということになったということは、スケジュールや中身はこれからだと思うんですけど、条例をつくるということは決まっているということでしょうか。
【知事】
条例を検討しようということですので、条例制定を目指して検討を始めるということですね。当然、議会がありますので、議会の御理解を得る過程はありますので、当局の思いどおり、知事が発言したとおりになるかどうかはまだこれからですけど、議論の過程で、いやいやと、そんなのは条例なんかいらんよという議論にもしかしたらなるのかもしれません。先ほどみんなで議論と言ったときに。ですので、すべての可能性は否定しませんが、知事としては、県としては条例を制定すべく検討に入ろうということです。
[朝日新聞]
調査は今回が初めてですか。
【知事】
調査は今回が初めてです。
[朝日新聞]
ちょっと飛躍もするんですけども、人権侵害という発言もあって、カスハラだけじゃなくて、パワハラとかセクハラ、マタハラ、モラハラ、いろいろなハラスメントがありますが、アンケート結果を見ると、これもやっぱりその周知啓発が大事だみたいな声も多かったんですけど、そういうハラスメントって大人がもちろん知識を高めていく必要も大いにあると思うんですけど、例えば高校生とか中学生とかも知ってても損でないというか、そのあたりから人権をすごく大事に捉える必要も、様々なハラスメントを減らしていくには大事かなと思うんですけど、そのあたり知事のお考えがあったら教えてください。
【知事】
重要な視点だと思いますね。広く人権に関わるものは、侵害しないことも、その救済をすることについても、人権全体を所掌する条例というのがございますので、そういうもので周知、啓発、教育も含めてやっていくことになると思いますが、そういう過程において、大人だけではなくて、子どもの世代、全ての人たちが、自分のこと、お互いのこと、周りのことを思いやって生きていく、暮らしていく、そういうことを考えようねという機会をつくるということはとても大事なことだと思いますので、何か大人だけに絞るとか、何か上から目線の教育ということだけに絞るということではなくて、今日的な、今であればSNSなんかも以前よりも普及していますので、いろいろなツールを使って、より良い社会環境づくりのために、今回はこのカスタマーハラスメントというテーマをもとに検討していくことになると思います。
[BBC]
暑さについてなんですけれども、やはりこの数日で観測史上最高であるということで、39.5°であるとか、もう本当に命の危険を感じる暑さが今続いておりまして、残暑厳しいという言葉を、もうその言葉で表せないほどの厳しさがある中、私たちメディアも毎日、熱中症を予防してください、気をつけてくださいと訴えてはいるのですけども、なかなか、全国的にやはり搬送される方や命の危険にさらされている方もいらっしゃるということで、改めて県として、行政として行っている熱中症対策予防の取組、施設の取組について教えていただきたいです。また、改めて県のトップとして、県民の皆さんに熱中症予防の呼びかけをお願いできればと思います
【知事】
はい。まず暑さが尋常ではないですよね。昔はこうだったとかということではなくて、やはり相当命の危険を及ぼすほどの暑さが連日続いているということがありますので、適度に空調エアコンを使うことや、木陰などを利用しながら必要な外出をするとかですね、必要でないならば、外出を控えるとか、お互いに声をかけ合うとか、水分を取るとか、こういったことをメディアの方々とも協力しながら、県民の皆さんに呼びかけていきたいと思います。以前も申し上げましたけれども、私も途中歩道で倒れられる方の救急搬送に関わるということもありました。現に皆さんもそういう機会、以前よりも増えていると思いますので、そういう認識を、社会全体に広げていく、呼びかけていく。しかも、もう暦の上では秋になって、一昨日暑さを処する、処暑も過ぎて、という虫の声も聞ける季節になってもこの暑さですから、39度超えるということですから、そういう時期を生き延びていくという、こういったことをお互い呼びかけていきたいと思います。
県としてはこういった呼び掛けを関係機関の皆さんと連携して行うとともに、県の施設などの活用など、そういったことを積極的に呼び掛けながら、必要な医療体制を整えているという告知も含めて、使命、役割を果たしていきたいと思います。
[日経新聞]
カスタマーハラスメントの条例のことで追加でお伺いします。先ほどは内容もスケジュールもこれから考えていくということだったかと思うのですが、とはいえ、スタート地点としては今回実施された実態調査というのがベースになるのではないかと思います。となりますと、やはりお答えになったのが県内の企業や働いていらっしゃる方ということで、その条例がその守るべき対象というのは、やはり県庁の職員の方に対するカスタマーハラスメントだけではなくて、県内で働く人みんなを守るための条例になるという方向という解釈でいいでしょうか。
【知事】
今お尋ねいただいたことはその通りです。県庁をはじめとする行政、公務員だけではなくて、全ての働く人たち、一緒に過ごす人たちですね。カスタマーですから、お客様、サービス利用者の方々から受けるハラスメントというものをなくしていくための取組というものを志向したいと思います。
[日経新聞]
やはり県民がカスタマーハラスメントをする側に回らないというような目標といいますか、そういった指針みたいなものも盛り込むという形になりそうですか。
【知事】
どういう中身、内容にするのが、こういったものをなくしていく近道になるのかということは、よくみんなで考えたいと思います。ハラスメントはいけないこと、許されない行為ですけれども、その背景にどういうことがあるのか、どういう場面で起こりやすいのか等々もこのアンケートや議論の中で見えてくるものもあるのかもしれませんので、そこは少し丁寧にほどきながら、どういう対策が有効なのかというのを考えていきたいなと思います。
[日経新聞]
脱線にはなるのですけれども、宮島美奈さんの成瀬あかりさんのシリーズで、まさにフレンドマートでカスハラをされる、自分がカスハラをやっているのではないかというふうに思っているような女性の方も登場されてて、それがお店に対する改善を求める正当な指摘なのか、または本当に自分がカスタマーハラスメントなんじゃないかというようなことで、そのあたりなかなか見極めも難しいところがあるなと思いまして、そのあたり、実効性のある形でそのカスタマーハラスメントを起こさないということで、滋賀県が独自の基準みたいなのが織り込めると、いろんな意味で注目してみたいなというところがありましたので、ちょっとお伺いしました。
【知事】
宮島美奈さんの作品にちょっとそういう場面があったことは私、記憶にないので、もし探せるとすれば、探してみて、どういう学びがあるのかというのを掴んでみたいなと思いますし、今おっしゃったような正当なサービスをより良くするための要望、提言、忠告、そういうものとハラスメントの境というのが、難しいですね、わかりにくいですねという悩みは、このアンケートの中にも現に出てきているようですので、どこでハラスメントというのか、どういう対策をとるのがいいのかということは、またサービスによっても違うのかもしれませんので、よくそのあたり、条例ということであれば、どこかで線を引いて何か定めていかなければいけない、定義をしていかなければいけないということにもなりましょうから。ぜひ、そのあたりは日本経済新聞さんもいろんなネットワークをお持ちでしょうから、いろいろお教えいただいたり、報道機関のいろんな皆さんのお知恵なんかも借りながら、より良い条例を作っていけたらいいなと思います。
[日経新聞]
あと、スケジュールについても未定ということなんですけども、現実的に考えますと、そんなに時間かけるわけにもいかないと思います。やはり来年ぐらいが一つのめどということになりますでしょうか。
【知事】
今の時点でスケジュールは未定です。じゃあ議論だけしていればいいかというと、そういうわけでもないので、一定の目途、このぐらいの時期には定めるなら定めたいという、こういう目標は持ちたいと思いますが、そのための体制なども整えた上でやりたいと思いますので、今の仕事に追加でカスタマーハラスメント条例もということになると、職員も他の仕事しながらになりますので、そういう体制ではなくて、体制整備も含めてやって、内容、議論の仕方、そしてスケジュールと目途を立てて、皆様方にお知らせできるようにしたいと思います。
[毎日新聞]
今も質問出たのですけれども、正当な要求とカスタマーハラスメントとの境目、これは難しいかと思うのですが、下手するとその正当なクレームを、要求を排除するための武器にされる心配はないのですか。
【知事】
そこはあり得ると思いますので、そのどこに線を引くのかというのは難しい大事なテーマだと思います。もしかするとそういった、我々もよく言われましたけれども、お客様からの言葉というのが、サービスを改善していくきっかけにもなるのだということもございましょうし、ただ行き過ぎた、度を超えた要望、要求、言動というのはハラスメントに当たるのだという、どこで線を引くのかというのはよく見極めて、より良い方向性を作っていけたらいいなと思います。
[毎日新聞]
それは、企業の立場なのか、企業で働く労働者の立場なのか、カスタマーの立場なのか、どのあたりの視点で作ろうとしていますか。
【知事】
みんなの立場でしょうね。それはお互いみんなの立場だと思います。もちろんカスタマーハラスメントですから、カスタマーによるハラスメント、お客様サービスを受ける側のハラスメントと大きく理解される、区分される、そういうテーマかもしれませんが、それが広くみんなのためになる大切になるような仕組みづくりが必要ではないかと思います。
[毎日]
多様化する社会において、そういう要求などが少し文化の違いで差が出る心配もあるのですが、そのあたりは。
【知事】
今言及された文化の違いという点もとても大事かもしれませんね。きちんと伝えた上で、もしくはコミュニケーションをとって、改善の着地点を見出すというやり方と、「いやいや、もうこんなん言われたら」という受け止めとか、ハラスメントですから、第一義的には受け止める側の視点というのが大事になってくるのかもしれませんが、お互いにとってみんなにとってより良い着地点をコンセンサス・合意点を見出せるように努力してみたいなと思います。この難しさゆえにルールづくりというのがなかなか躊躇されるところもあるかもしれませんが、少し滋賀県らしい条例の検討を進められたらいいなと思います。