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令和2年6月定例教育委員会

開催日時

令和2年6月11日(木曜日) 午後2時00分〜

開催場所

県教育委員会室

出席委員

  • 教育長 福永忠克
  • 委員 土井真一
  • 委員 藤田義嗣
  • 委員 岡崎正彦
  • 委員 野村早苗

議事次第

議案
公開 第15号 令和3年度に中学校において使用する教科用図書および中学校の特別支援学級において使用する学校教育法附則第9条第1項に規定する教科用図書の採択の適正を図るため、義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律施行令第8条に定める採択基準と選定に必要な資料について 幼小中教育課
公開 第16号 令和3年度滋賀県立高等養護学校入学者選考要項について 特別支援教育課
非公開 第17号 滋賀県社会教育委員の選任について 生涯学習課
報告
公開 第1回滋賀県立高等学校在り方検討委員会の結果概要について 魅力ある高校づくり推進室
公開 学校再開後の対応状況について 関係各課

会議録

1 開会

●教育長から開会の宣告があった。

 

●教育長から出席者の確認があり、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第14条第3項の規定により、会議の成立が確認された。

 

●事務局から出席者の報告があった。

2 非公開事件の確認

 ●教育長から、本日の議題のうち、第17号議案については、公にすることにより、公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼすおそれがあることから、審議を非公開とすべきとの発議があった。発議は全員異議なく了承され、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第14条第7項ただし書の規定により、第17号議案の審議が非公開とされることとなった。また、審議の順番については、公開議案、報告事項、非公開議案の順で審議することが確認された。

3 会議録確認

●5月19日開催の定例教育委員会に係る会議録について、適正に記録されていることを確認し、承認された。

4 議事(議案:公開)

●土井委員から、中学校公民の教科書を執筆しているため、教科用図書の採択に関連した第15号議案の審議の間、審議からの辞退の申し出があり、承認された。

 

●第15号議案の審議の間、土井委員が退席した。

 

●教育長から、第15号議案「令和3年度に中学校において使用する教科用図書および中学校の特別支援学級において使用する学校教育法附則第9条第1項に規定する教科用図書の採択の適正を図るため、義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律施行令第8条に定める採択基準と選定に必要な資料について」、事務局に説明を求め、事務局から資料に基づき説明があった。

 

●主な質問・意見

 

(藤田委員

 たくさんの教科書の選定に携わられた先生方にはご苦労いただいたと思う。一番大事なのは、実際に教える先生が一番教えやすい教科書であるということ。ここまでに文科省で選定委員の方々に、たくさんの教科書の中から選んでいただいたと思うので、そういう意味では選ばれた教科書であるから、それほど違和感は無いと思うが、やはり教える先生が「こっちの方が教えやすい」とか「これの方が良い」とか、教えやすさという点で実際の現場の先生の意見はあるのか。

 

(幼小中教育課長

 専門調査委員会のメンバーには指導主事も入っているが、基本的に現場の先生で構成されているので、教科書の中身を見る際に、指導することを念頭に置いて特長を選んでいただいている。併せて各採択地区で採択された後は、その教科書をどのように子どもたちに合わせて授業等をしていくか、教材研究を進めていくことがとても大切だと思うし、そのために県としてもそれに対する指導助言を進めて参りたいと思っている。教科書の中身を子どもたちに合わせて、いかに指導するか考えていきたいと思っている。

 

(藤田委員

 それぞれ良くできているのだろうと思うが、先生が非常に教えやすくて、子どもたちにしっかり学力・知識が備わっていけば良いと思う。

 

(岡崎委員

 近年の教科書の中で中学校の教科用図書に、教科書の中のバーコードをスキャンして発音や動画に繋がる仕組みが多々採用されている傾向があるが、これに関して、子どもたちがその場でスマホを持っている訳ではないと思う。こういった教科書を自宅に持って帰り、学校以外でも教科書を開くということはすごく良いことである。私たちの時代は学校でしか教科書を開いていなかったので、家にあるツールを使えば再度勉強できるという、学習の好奇心を駆り立てるという意味ではすごく良いと思うが、実際にその場で使えなかったり、ご家庭にツールが無い場合について、何か意見はあるのか。

 

幼小中教育課

 教科書は採択されれば今後複数年にわたって使用することになる。今の状況としては、「GIGAスクール構想」での、1人1台端末の整備を、今年度コロナの影響もあり急遽進めているところである。整備が進めば各授業の中でも端末を使用することができるようになると考えている。現時点では、学校にある台数をうまく回して活用するという形になると思うが、それが難しい場合でも、教員がタブレットで読み込んだ動画を見るという形での対応がまずは考えられる。国からも、1人1台タブレット等の端末を導入した際に、教科書のQRコードを読み取るだけでもICTの活用のスタートになるので、そこから始めてみてはどうかという声を得ている。例えば家庭科の教科書であれば、大根の切り方等を動画で示したうえで教科書にも記載があり、写真だけではわからない、実際にどのような切り方をするかということが示されており、よくできていると感じている。

 

岡崎委員

 私も動画を見た方が、切り方や調理する順番など、経験のないことをするのにすごくプラスになると思う。こうした傾向は決して悪くないと思う。

 

野村委員

 私も現場の先生方が使いやすい教科書を選ぶことが一番であると思うので、皆さんで協議して進めていただきたい。

 

藤田委員

 教科書も時代と共に進化しているということをおっしゃっていただいた。教科書からネットを通じて学べる。リアルの教室だけでない場所で、知識の共有ができるということは利点である。今後テレワーク学習がどうなるかわからないが、教科書でネイティブの英語が聞けて英語力が向上することなどは良いことであると思う。こういったことでIQをつけることも大事であるが、一方でリアル性が失われると、EQ、エモーション・クオリティ、心の知能指数が失われる。心の知能指数を上げていく必要がある。知識ばかりついてEQが育たないのではいけない。そういう意味では道徳は非常に重要な学問であると思う。リアルの教室であれば直接いろいろな部分に目が行き届くし、EQを作り上げることができる。テレワーク等で距離が離れる場合には、そういったところにも気配りをしていただきたいと思う。

 

幼小中教育課長

 今回教科書を調査するなかでも、現代的な課題が多々取り上げられている。道徳だけでなく、国語科でもSDGsについて取り上げられており、大人の世界では普通になっているが、子どもにとってはこれからの学習内容になると思う。1つの教科書を見ると、今の世界の子どもたちの様子について記載があり、紛争の中にいる子どもたちの写真や、幼いころから労働しなければならない子どもたちの写真が掲載されており、今の日本の子どもたちの生活が全てではなく、世界の中でいろいろな生活を子どもたちがしていることを知る中で、子どもたちが、今何を考えていかないといけないか、何をしていかなくてはいけないかを考えるきっかけとして、教科書が使えるのではないかと思っている。藤田委員が御指摘いただいたことについては、各現場で、心の面も教科書を使って育てていく必要があると思っている。

 

●教育長から、第15号議案について採決する旨の発言があり、全員一致で、原案どおり可決された。

 

●第15号議案の審議が終了したため、土井委員が入室した。

 

●教育長から、第16号議案「令和3年度滋賀県立高等養護学校入学者選考要項について」、事務局に説明を求め、事務局から資料に基づき説明があった。

 

●主な質疑・意見

 

藤田委員

 選考の募集定員と希望者数との差は大きいのか。

 

特別支援教育課長

 定員については、これまでの希望の状況等を踏まえて検討している。今までの実際の出願倍率は1倍を超えている。希望者や各学校の状況も確認を行い、適切な定員を設定している。

 

教育長

 令和2年度の入学者選抜の際の出願者数は。

 

特別支援教育課長

 令和2年度は、長浜北星高等養護学校は募集定員16名に対して出願者数は17名で倍率1.1倍、甲南高等養護学校は募集定員24名に対して出願者数が34名で倍率1.4倍、愛知高等養護学校は募集定員16名に対して出願者数が20名で倍率1.3倍である。

 

藤田委員

 できる限り教育機会に恵まれていると良いと思う。あまり乖離が大きく、希望している生徒が学校に行く機会が失われるのは望ましくないので、どの程度か伺った。

 

岡崎委員

 要項5ページの日程および内容について、実技検査とあるが、どのような内容か事例を教えてほしい。

 

特別支援教育課

 縄跳びや体操のほか、封筒に文字を書くといった事務的なものである。

 

●教育長から、第16号議案について採決する旨の発言があり、全員一致で、原案どおり可決された。

5 報告(公開)

●教育長から、報告事項ア「第1回滋賀県立高等学校在り方検討委員会の結果概要について」、事務局に説明を求め、事務局から資料に基づき説明があった。

 

●主な質疑・意見

 

藤田委員)

 幅広い角度から高校の在り方について議論いただいている。在り方というのは視点の持ち方や未来の考え方、過去から良いものを未来に繋いでいくなど、いろいろあると思うが、まとめるのに苦労されると思う。会議は何回開催するのか。

 

魅力ある高校づくり推進室長

 全体では来年の12月頃までに答申をいただきたいと考えており、それまでに今回を含めて8回程度、今年度4回、来年度4回程度をイメージしている。今年度中に中間的なまとめを行い、来年度はそれをさらに深化させて、答申をまとめるスケジュールである。

 

藤田委員

 合計8回で大変な課題をまとめることができればよいと思う。

 

岡崎委員

 検討委員会の意見でもすでにコロナというキーワードが出ている。少し前まではコロナの話題が出ることはなかったが、このような状況下で学校教育そのものの在り方もすでに変化している。その変化にどのように対応するかというのが今の目先の課題であると思うが、その対応が本当に子どもたちにとってプラスになるのか、その辺りも併せて多面的な考え方で継続して議論を進めていただきたい。

 

藤田委員

 高校は人生で最も多感な年齢であるので、そのときの教育は非常に重要である。不易流行という言葉があるが、不易な、変わらない世界のなかで人を育てなければならない部分と、時代の変化、今回であればコロナによって、相当大きく変化する部分がある。これからのアフターコロナの社会の10年を見据えると、随分変わると思う。変わってしまうことによって、不易な本来持っていなければならない教育の本質的なところを忘れてしまうといけないので、そこは委員の皆様によく議論していただきたい。将来のことは分からないが、歴史を振り返ると、黒船が来た時には社会は変わる。今回のコロナは黒船であると思う。大きな黒船が来た時には社会を変えていかなければならない。そこでどういった教育が日本の将来を背負う人が一番育つかということと、絶対に忘れてはならない教育の原点、不易なところとの組み合わせをよく議論していただきたいと思う。

 

魅力ある高校づくり推進室長

 今回の議論でも、はじめの段階で本県教育の基本目標を踏まえるという説明をさせていただいた。今回の検討にあたって、当初コロナがなかったという状況ではあるが、社会もいろいろと変わっていくという前提でどうしていくのか、どういう生徒を育てていくのか、今御指摘いただいた組み合わせやバランスを、委員の中でも踏まえながら議論いただけるものと考えている。

 

土井委員

 限られた回数であるので、論点を整理しながら議論いただく必要があると思う。私が是非議論いただきたいと思うのは、県立高校の多様化をどこまで認めるかという部分である。本格的に多様化を認めることも1つの決断であると思う。そのときに、その多様化の括りを全県1つで行うのか、もしくは北部や南部で多様性がパッケージになるように考えるのかという、多様性の確保の母集団の問題が出て来ると思う。その辺りのイメージをしっかり議論いただいて、県民の意見として多様化を推進すべきであるとなれば、最低限のクオリティは維持しなければならないが、積極的にその方向で考えていくべきだろう。大きな問題であるので、しっかり議論いただきたいと思う。

 

野村委員

 検討の進め方のなかで、国の方針や県の方針がどのような形で決められ、指針、柱になっていくのかということが重要であると思う。高校生の子どもたちが、いろいろな活動、体験をとおして、文武両道もあればスポーツに一生懸命に取り組む子ども、芸術の方面に進む子どももいると思う。その中でいろいろな高校の特長を打ち出していきながら、検討していただきたいと考えている。

 

魅力ある高校づくり推進室長

 直近の国の動きとしては、普通科の特色化が議論の土台になっているが、中教審ワーキンググループの中でいろいろな議論がなされている。それはまだ国としての方針にはなっていないが、いろいろなキーワードが出ると思うので、そういった議論も捉えながら、これからの時代にどういったものが求められ、また望ましいかを議論していきたい。

 

●教育長から、報告事項イ「学校再開後の対応状況について」、事務局に説明を求め、事務局から資料に基づき説明があった。

 

●主な質疑・意見

 

岡崎委員

 部活動の代替試合についてであるが、高体連で開催しない6競技というのはどのような協議か

 

保健体育課長

 バスケットボール、バレーボール、ラグビー、アーチェリー、ヨットに加え、定時制・通信制の高校での大会を合わせて6競技である。いずれも密着した競技であるなど、部活動のガイドラインに沿って決められている。

 

教育長

 学校再開となったが、日々いろいろな状況が変わるので、適切に対応したいと考えている。

6 議事(議案:非公開)

●教育長から、第17号議案「滋賀県社会教育委員の選任について」、事務局に説明を求め、事務局から資料に基づき説明があった。

 

●主な質疑・意見

 

藤田委員

 社会教育委員は大切な役割であると思うが、産業界の人材は入らないのか。

 

生涯学習課長

 今回は滋賀ダイハツ販売株式会社の平尾様に、経営者の視点を活かしていただきたく、参画いただいている。

 

藤田委員

 もう少し、労働者を預かっている社長などが、バランスとして入っても良いのではないか。

 

教育長

 学校教育、社会教育、家庭教育、学識経験者の区分からそれぞれ委員を選考しており、今回の構成になっている。

 

藤田委員

 社会教育委員の役割を確認したい。

 学校教育以外が社会教育ということか。

 

生涯学習課長

 幅広くとらえるとそうである。今回は地域の課題解決のための人材育成ということで皆様それぞれの立場から御意見を頂きたいと考えている。

 

教育長

 前回は家庭教育、学校教育、地域社会がどのように連携をしていくか、というイメージであった。

 

藤田委員

 アフターコロナの社会の10年を見据えると、相当変わっていくと思う。そのときに学校ももちろん教え方の改革が行われ、企業や社会は働き方改革が行われるが、半年前までの働き方改革と全く違う。半年前までの働き方改革は、残業を減らす昔の時短のようなものであり、アフターコロナの社会の働き方改革とは全く違うと思うので、学校教育以外のフィールドで行う教育の在り様についての議論も必要であると考えた。

 

生涯学習課長

 そのような観点でも取り組んでいきたいと考えている。

 

教育長

 公民館活動等で人が集まって議論することが難しくなってきたなかで、どういった方法で社会教育の有り方を皆で考え、実践するかということが、1つの今後の在り方、考え方ではないか。

 

藤田委員

 アフターコロナの社会は勤務内容なども相当変わり、本当の意味で働き方改革になる。半年前までは全くそういったことは言っていなかったが、半年でここまで大きく変わったということは相当大きい変革であると思った方が良い。いつも内側からは変われないが、外圧による大きな変革であると思う。

 この委員の方々で良い議論をしていただきたいと思う。

 

岡崎委員

 今回人数を増強されるポイントは何か。前回の人数では不足であったということか。

 

生涯学習課長

 前回は家庭教育の専門の委員に絞ったが、今回は人材育成ということで、より広い分野の方から御意見を頂きたく、社会福祉協議会等からも委員に入っていただいた。

 

岡崎委員

 彦根市で社会教育委員を務めたが、地域や学校をうまく結びつけるために社会教育委員が答申や提言を行う中で、企業の協力はなかなか得づらかったが、今回のコロナでピンチがチャンスになる可能性がある。

 企業の働き方が変わるので、通勤時間が短くなったり、通勤の必要がなくなった場合にその時間を学校の支援に充てるように導くなど、家庭教育の時間を大きく取れるように企業と連携して、テレワークになっている環境をチャンスに変えるなど、今までしづらかったことができればよいと思う。

 

藤田委員

 過去にとらわれずに、良い議論をしていただきたい。

 

●教育長から、第17号議案について採決する旨の発言があり、全員一致で、原案どおり可決された。

7 報告(非公開)

 ●教育長から「令和3年度高等学校入学者選抜要項について」、事務局に報告を求め、事務局から次のように報告を行った。

 

高校教育課長

 令和3年度滋賀県立高等学校入学者選抜要項について説明をさせていただきたい。例年は6月に県立高校の入学者選抜要項を公表しているが、今年度は7月末の公表としたいと考えている。

 この理由については、新型コロナウイルス感染症の拡大による臨時休業で、中学校での授業時間の確保が課題となっている現状を踏まえ、試験日程や、求める推薦要件または出題の範囲等について、慎重に状況を見極めて考えていく必要からである。また県内全ての中学3年生が公平に扱われなければならないという観点から、出題範囲に係る配慮事項の考え方についても、要項の公表と同時期に示したいと考えており、御理解いただきたい。

 

●主な質疑・意見

 

教育長

 本日東京都がこの件について公表をしており、推薦要件を見直すほか、出題範囲を数学・英語で一部3年生終盤で学習する内容を除外するとしている。今後各都道府県で色々な動きが出てくると思うが、私どもは中学校現場、市町教育委員会の意見を十分伺いながら慎重に考え、今の中学3年生の学びを大切にしながら、すべての中学3年生が同じ条件の下で試験を受けられるようにしたいと考えている。併せて新型コロナウイルス感染症にかかられた子どもへの対応も検討していきたい。

8 閉会

教育長から、本日の議事が全て終了した旨の発言があり、閉会の宣告があった。

お問い合わせ
教育委員会事務局 教育総務課企画係
電話番号:077-528-4512
メールアドレス:[email protected]
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