○CO2ネットゼロ社会づくり指針

令和4年3月25日

滋賀県告示第125号

CO2ネットゼロ社会づくり指針

第1 趣旨

この指針は、滋賀県CO2ネットゼロ社会づくりの推進に関する条例(令和4年滋賀県条例第7号。以下「条例」という。)第10条第1項の規定に基づき、CO2ネットゼロ社会づくりに関する取組を推進するための参考となる事項を定めるとともに、条例第25条第1項に規定する事業者行動計画(以下「事業者行動計画」という。)条例第44条第1項に規定する自動車管理計画(以下「自動車管理計画」という。)および条例第51条第1項に規定する再生可能エネルギー電気供給拡大計画(以下「再生可能エネルギー電気供給拡大計画」という。)の策定に当たり勘案すべき事項を定めるものとする。

第2 用語の定義

この指針において使用する用語は、特段の定めがある場合を除き、条例で使用する用語の例による。

第3 事業者によるCO2ネットゼロ社会づくりに関する取組

1 事業者によるCO2ネットゼロ社会づくりに関する取組に係る基本的な考え方

CO2ネットゼロ社会づくりは、全ての者の連携および協働の下に推進することが必要であるが、その中でも、事業者は、CO2ネットゼロ社会づくりの推進に当たり大きな役割を担う存在である。このことを踏まえ、事業者は、次に掲げる取組を自主的かつ積極的に行うことが期待される。

(1) 事業者自らが排出する温室効果ガスの量を削減するための取組

(2) エネルギー消費性能等が優れている製品の製造等、事業活動を通じた他者の温室効果ガスの排出の量の削減に寄与する取組

(3) その他CO2ネットゼロ社会づくりに寄与することとなる取組

2 事業者によるCO2ネットゼロ社会づくりに関する取組の推進事業者は、その事業活動その他の活動を行うに当たり、別表第1に掲げる取組を参考にCO2ネットゼロ社会づくりに関する取組を行うよう努めるものとする。

また、これらの取組を行うに当たっては、事業活動に伴う温室効果ガスの排出抑制等及び日常生活における温室効果ガスの排出抑制への寄与に係る事業者が講ずべき措置に関して、その適切かつ有効な実施を図るために必要な指針(平成25年内閣府、総務省、法務省、外務省、財務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、環境省、防衛省告示第1号)ならびに工場等におけるエネルギーの使用の合理化に関する事業者の判断の基準(平成21年経済産業省告示第66号)、貨物の輸送に係るエネルギーの使用の合理化に関する貨物輸送事業者の判断の基準(平成18年経済産業省、国土交通省告示第7号)および旅客の輸送に係るエネルギーの使用の合理化に関する旅客輸送事業者の判断の基準(平成18年経済産業省、国土交通省告示第6号)等についても参考にするものとする。

第4 県民によるCO2ネットゼロ社会づくりに関する取組

県民は、その日常生活において、別表第2に掲げる取組を参考にCO2ネットゼロ社会づくりに関する取組を行うよう努めるものとする。

第5 民間団体によるCO2ネットゼロ社会づくりに関する取組

民間団体は、別表第3に掲げる取組を参考に、家庭において県民一人ひとりが行う取組をさらに多くの県民に広げる取組に加え、民間団体が自ら、または他の主体との連携・協働により地域におけるCO2ネットゼロ社会づくりに関する取組を行うことが期待される。

第6 事業者行動計画の策定に当たり勘案すべき事項

事業者行動計画の策定に当たって、事業者が勘案すべき事項は、次に掲げるとおりである。

1 CO2ネットゼロ社会づくりに係る取組に関する基本的な方針

事業者は、その事業活動を通じたCO2ネットゼロ社会づくりに向けた取組について、対象となる事業所における基本的な考え方を定めるものとする。この場合において、当該事業者が製品の製造、サービスの提供等の自らの事業活動を通じて他者の温室効果ガスの排出の量の削減に寄与することとなる取組を推進しようとしているときは、当該内容を方針に盛り込んで定めることが望ましい。

なお、当該事業者が環境マネジメントシステムの導入等により既に地球温暖化対策等に関する方針を定めている場合は、その方針を基本的な方針とすることができる。

2 推進体制

事業者は、対象となる事業所における取組を確実かつ円滑に推進するため、責任者を定め、事業所全体または事業者全体で推進するための体制を整備するものとする。

なお、環境マネジメントシステム等により既に体制を整備している場合は、その体制により推進することができる。

3 計画期間

基本的な方針、取組および取組により達成しようとする目標を勘案して定めるものとする。

4 自らの事業活動に伴う温室効果ガスの排出の状況

事業者は、対象となる事業所における計画期間の初年度の前年度の温室効果ガスの排出の量について、地球温暖化対策の推進に関する法律(平成10年法律第117号)第26条第3項および地球温暖化対策の推進に関する法律施行令(平成11年政令第143号)第7条に規定する方法により算定して把握するものとする。

5 自らの温室効果ガスの排出の量の削減のために実施しようとする取組および当該取組により達成しようとする目標

(1) 取組

事業者は、別表第1に掲げる取組を参考に、事業活動の特性に応じた取組を定めるものとする。

(2) 目標

ア 事業者は、基本的な方針、自らの事業活動に伴う温室効果ガスの排出の状況、これまで実施してきた温室効果ガスの排出の量の削減のための取組等を踏まえ、自らの温室効果ガスの排出の量の削減のための取組に関し、自主的な目標を定めるものとする。

イ 目標を定めるに当たっては、目標年度の温室効果ガス排出量、取組により削減する温室効果ガス排出量または取組により削減する温室効果ガス排出量の割合等、可能な限り定量的な目標を定めるものとする。

ウ 定量的な目標を設定する場合における、目標の具体的な設定については、次のとおりとする。

(ア) 基準年度および目標年度

基準年度は、計画期間の初年度の前年度、前々年度等、事業者が基準年度として適切であると考える年度を設定するものとする。また、目標年度は、計画期間の終了年度とする。

(イ) 目標に係る排出量

温室効果ガス排出量に関し定量的な目標を定める場合にあっては、当該目標の根拠となる温室効果ガス排出量については、総排出量または原単位当たりの排出量のいずれを設定してもよいものとする。

また、目標に係る温室効果ガス排出量を算出するに当たって使用する電気の二酸化炭素排出係数については、事業者の取組を適切に反映させるために、基準年度の値に固定する等の設定をしてもよいものとする。

(ウ) 原単位当たりの排出量を設定する場合の原単位

原単位当たりの排出量を設定する場合における原単位は、当該事業所における温室効果ガス排出量の削減の取組等が適切に反映されると考えられる数量(生産数量、延べ床面積、売上金額等)を設定するものとする。

6 再生可能エネルギー等の利用に関する取組および当該取組により達成しようとする目標

(1) 取組

事業者は、別表第1に掲げる取組を参考に、事業活動の特性に応じ、再生可能エネルギー利用設備および再生可能エネルギーを効率的に利用する設備の設置、再生可能エネルギー利用設備により発電された電気の自家消費その他の再生可能エネルギー等の利用に関する取組を可能な限り定めるものとする。

(2) 目標

事業者は、基本的な方針、自らの事業活動に伴うエネルギーの使用の状況等を踏まえ、再生可能エネルギー等の利用に関する取組により達成しようとする目標を可能な限り定めるものとする。

7 自らの事業活動を通じて他者の温室効果ガスの排出の量の削減に寄与することとなる取組および当該取組により達成しようとする目標

(1) 取組

事業者は、別表第1に掲げる取組を参考に、事業活動の特性に応じ、使用等の段階において消費者の温室効果ガスの排出が削減される製品の製造その他の自らの事業活動を通じて他者の温室効果ガスの排出の量の削減に寄与することとなる取組を可能な限り定めるものとする。

(2) 目標

事業者は、基本的な方針、自らの事業活動に伴う温室効果ガスの排出の状況等を踏まえ、自らの事業活動を通じて他者の温室効果ガスの排出の量の削減に寄与することとなる取組により達成しようとする目標を可能な限り定めるものとする。

8 その他のCO2ネットゼロ社会づくりのための取組等

事業者は、基本的な方針、自らの事業活動に伴う温室効果ガスの排出の状況等を踏まえ、事業活動の特性に応じ、別表第1に掲げる取組を参考に、第5項から第7項までに掲げる取組以外のCO2ネットゼロ社会づくりのための取組を可能な限り定めるものとする。

第7 自動車管理計画の策定に当たり勘案すべき事項

自動車管理計画の策定に当たって、事業者が勘案すべき事項は、次に掲げるとおりである。

1 自動車の使用に伴う温室効果ガスの排出の量の削減を図るための基本的な方針

事業者は、その事業活動における自動車の使用に伴う温室効果ガスの排出の量の削減に向けた取組について、事業者としての基本的な考え方を定めるものとする。

2 推進体制

事業者は、取組を着実かつ的確に実施するため、責任者を定め、事業者全体で推進するための体制を整備するものとする。

3 計画期間

基本的な方針、取組および取組により達成しようとする目標を勘案して定めるものとする。

4 自動車の使用に伴う温室効果ガスの排出の量の削減に関する取組の内容

事業者は、別表第1に掲げる取組を参考に、基本的な方針と整合を図りながら、次に掲げる事項に係る取組を定めるとともに、それぞれの達成目標および達成期限を設定するものとする。

(1) 自動車の使用の合理化

(2) 次世代自動車等の導入

(3) 従業員に対する自動車の使用に伴う温室効果ガスの排出の量の削減に関する教育

(4) その他の取組

第8 再生可能エネルギー電気供給拡大計画の策定に当たり勘案すべき事項

再生可能エネルギー電気供給拡大計画の策定に当たって、小売電気事業者が勘案すべき事項は、次に掲げるとおりである。

1 再生可能エネルギー電気の供給の拡大を図るための基本的な方針

小売電気事業者は、自らの小売電気事業における再生可能エネルギー電気の供給の拡大に向けた取組について、小売電気事業者としての基本的な考え方を定めるものとする。

2 推進体制

小売電気事業者は、取組を着実かつ的確に実施するため、責任者を定め、小売電気事業者全体で推進するための体制を整備するものとする。

3 計画期間

基本的な方針、取組および取組により達成しようとする目標を勘案して定めるものとする。

4 再生可能エネルギー電気の供給の拡大を図るための取組の内容

小売電気事業者は、基本的な方針と整合を図りながら、県内への小売供給量に占める再生可能エネルギー電気供給量の割合の拡大を図るための取組を定めるとともに、その達成目標および達成期限を設定するものとする。

5 電気の供給に伴う温室効果ガスの排出量の削減を図るための取組の内容

小売電気事業者は、供給する電気に関する温室効果ガス等の排出の程度を示す係数等を踏まえ、電気の供給に伴う温室効果ガスの排出量の削減を図るための取組を可能な限り定めるものとする。

1 この告示は、令和4年4月1日から施行する。

2 次に掲げる告示は、廃止する。

(1) 日常生活に係る低炭素社会づくり指針(平成23年滋賀県告示第468号)

(2) 事業活動に係る低炭素社会づくり指針(平成24年滋賀県告示第197号)

別表第1(第3関係)

事業者に係るCO2ネットゼロ社会づくりに関する取組(例)

1 事業者自らが排出する温室効果ガスの量を削減するための取組

(1) 一般的事項

ア 推進体制の整備

(ア) 取組を効果的に推進するための責任者の設置、役割分担の明確化および経営者による取組方針等の明確化

(イ) 担当部署での具体的な取組の立案および組織横断的な検討委員会等の設置

(ウ) 毎年度の温室効果ガスの排出の量の把握、整理・分析および社内における情報共有体制の整備

(エ) 管理マニュアルの作成および社内研修体制の整備

イ エネルギーの使用に関するデータ管理

(ア) 年・季節・月・週・日・時間単位等のエネルギー使用量の把握

(イ) 設備の稼働状況や運転時間の把握

ウ 設備の運用および保守の管理

(ア) 使用状況や季節変動に応じた設備の運用の見直し、エネルギー使用の効率の改善に必要な事項についての管理基準の設定、定期的な計測およびその結果の記録

(イ) 定期的な設備の点検・整備による適切な保守管理の実施

(2) ボイラー・工業炉・空調・照明等設備の運用改善

ア 燃料の燃焼の合理化(燃焼設備)

(ア) 使用する設備および燃料の種類に応じた空気比の適正化

(イ) 複数の燃焼設備を使用する場合の燃焼設備全体としての熱効率の向上

(ウ) 燃料の性状に応じた適切な運転

イ 加熱および冷却ならびに伝熱の合理化(熱利用設備)

(ア) 加熱設備等

a 熱媒体の温度、圧力、量の適正化による熱量の過剰供給の防止

b 工業炉の設備の構造、被加熱物の特性、前後の工程等に応じた熱効率の向上によるヒートパターン(被加熱物の温度の時間の経過に対応した変化の態様をいう。)の改善

c 被加熱物または被冷却物の量および炉内配置の適正化による過大負荷および過小負荷の防止

d 複数の加熱設備を使用する場合の加熱設備全体としての熱効率の向上

e 加熱を反復して行う工程における工程間の待ち時間の短縮

f 断続運転が可能である場合の運転の集約化

g 不要時の蒸気供給バルブの閉止

h 蒸気の乾き度の維持

(イ) 空気調和設備、給湯設備

a 空気調和を施す区画の限定、ブラインドの管理等による負荷の軽減

b 空気調和を施す区画の使用状況等に応じた運転時間、温度、換気回数、湿度等の適正化

c 関西広域連合で取組を呼びかけている温度(夏28℃、冬19℃)を勘案した事務所などでの冷暖房時の室温設定およびエコスタイル(夏はノーネクタイ、ノー上着など、冬は上着、セーターの着用など)の実施

d 外気条件の変動に応じた冷却水温度、冷温水温度、圧力等の設定の適正化

e 空気調和設備の熱源設備、熱搬送設備、空気調和機設備が複数の設備で構成されている場合の負荷変動等に応じた稼働台数の調整または稼働機器の選択

f 季節および作業内容に応じた給湯の供給箇所の限定ならびに給湯温度および給湯圧力の適正化

g 給湯設備の熱源設備が複数の熱源機、ポンプ等で構成されている場合の総合的なエネルギー消費効率の向上

(ウ) 廃熱の回収利用(廃熱回収設備)

a 排ガスを排出する設備等に応じた排ガス温度の低減および廃熱回収率の向上

b 廃熱の回収を行う蒸気ドレンの温度、量、性状の範囲の適正化

c 加熱された固体または流体が有する顕熱、潜熱、圧力、可燃性成分等の回収利用の範囲の適正化

d 廃熱の温度、設備の使用状況に応じた廃熱の適正な利用

(エ) 熱の動力等への変換の合理化(発電専用設備およびコージェネレーション設備)

a 複数の発電設備の並列運転の際の総合的なエネルギー消費効率の向上

b コージェネレーション設備のボイラー、ガスタービン、蒸気タービン、ガスエンジン、ディーゼルエンジン等の総合的なエネルギー消費効率の向上および複数のコージェネレーション設備の並列運転の際の総合的なエネルギー消費効率の向上

(オ) 抵抗等による電気の損失の防止(受変電設備および配電設備)

a 変圧器および無停電電源装置の稼働台数の調整および負荷の適正な配分

b 配電経路の短縮、配電電圧の適正化による配電損失の低減

c 進相コンデンサの設置等による受電端における力率の向上

d 三相電源に単相負荷を接続させる場合の電圧の不平衡の防止

e 電気使用設備の稼動調整を通じた電気の使用の平準化による最大電流の低減

ウ 電気の動力、熱等への変換の合理化(電気使用設備)

(ア) 電動力応用設備、電気加熱設備等

a 電動力応用設備の電動機の空転の防止および不要時の停止

b 複数の電動機を使用する場合の稼働台数の調整および負荷の適正な配分

c 流体機械の使用端圧力および吐出量の見直し、負荷に応じた運転台数および回転数の適正化による電動機の負荷の低減ならびに負荷変動幅が定常的な場合の配管やダクトの変更、インペラーカット等の対策の実施

d 電気加熱設備における被加熱物の装填方法の改善、無負荷稼動による電気の損失の低減、断熱および廃熱回収利用の適正化による熱効率の向上

e 適当な形状および特性の電極の採用ならびに電極間距離、電解液の濃度、導体の接触抵抗等の適正化による電解効率の向上

(イ) 照明設備、昇降機、事務用機器

a 照度を比較的必要としない場所、照明を利用していない場所および時間帯における照明設備の調光による減光または消灯

b 利用の少ない時間帯における昇降機の停止階の制限、稼働台数の制限等による運転の効率化

c 使用しない時間帯における事務用機器の電源の遮断、低電力モードの設定

(3) 設備導入等による措置

ア ボイラー・工業炉・空調・照明等設備への省エネ技術の導入(設備改善を含む。)

(ア) 燃焼設備

a 燃焼設備および燃料の種類に適合し、かつ、負荷および燃焼状態の変動に応じて燃料の供給量および空気比を調整できる燃焼機器の導入、リジェネレイティブバーナー等熱交換器と一体となったバーナーの導入

b 通風量および燃焼室内の圧力を調整できる通風装置の導入

c 燃焼制御装置の導入

d 燃料の燃焼状態の把握および改善に必要な事項の計測のための機器の導入

(イ) 熱利用設備

a 熱交換に係る部分における熱伝導率の高い材料の採用

b 熱交換器の増設および配列の適正化による総合的な熱効率の向上

c 工業炉の炉壁面等の性状および形状の改善による放射率の向上

d 加熱等を行う設備の性状および形状の改善による熱伝達率の向上

e 工業炉の炉体、架台、治具、被加熱物を搬入するための台車等の熱容量の低減

f 直火バーナーの導入、液中燃焼等被加熱物の直接加熱

g 蒸留塔の運転圧力の適正化、段数の多段化等による還流比の低減、蒸気の再圧縮、多重効用化等による蒸留塔の効率の向上および内部熱交換器の導入

h 加熱設備等の制御方法の改善による熱利用効率の向上

i 被加熱物の水分の事前除去、予熱、予備粉砕等の事前処理の実施

j 熱利用設備の小型化および分散配置または蓄熱設備の導入

k 熱媒体を用いる加熱設備および乾燥設備等の設置に際しての熱効率の向上、所要動力に見合った容量の設備の導入

l 断熱材の厚さの増加、断熱性の高い材料の利用、断熱の二重化、真空断熱等による熱利用設備の断熱性の向上

m 開口部の縮小または密閉、二重扉の取付け、内部からの空気流等による遮断等による放散および空気の流出入による熱の損失の防止

n 熱媒体を輸送する配管の経路の合理化、熱源設備の分散化等による放熱面積の低減

o 熱利用設備の回転部分、継手部分等にシールを行う等による熱媒体の漏えいの防止

p 開放型の蒸気使用設備、高温物質の輸送設備等へのおおいの設置または閉鎖型の回収装置等による蒸気ドレンの回収による熱の損失の低減

q 冷却器および凝縮器への入口温度の低下による熱回収の効率化

r 輸送段階での放熱の防止およびスチームセパレーターの採用による加熱等を行う設備で用いる蒸気の乾き度の向上

s 多重効用缶による加熱等を行う場合の効用段数の増加による総合的な熱効率の向上

t 高温で使用する工業炉と低温で使用する工業炉の組合せ等により熱を多段階利用することによる総合的な熱効率の向上

u 加熱等の反復を必要とする工程の連続化もしくは統合化または短縮もしくは一部の省略

v 温水媒体による加熱設備における真空蒸気媒体による加熱

w 用途に応じた熱源のハイブリッド化の導入

x 工業炉の炉壁の断熱性の向上による炉壁外面温度の低減

(ウ) 廃熱回収設備

a 煙道、管等の廃熱温度の維持、伝熱面の性状および形状の改善、伝熱面積の増加等による廃熱回収率の向上

b 蓄熱システムの導入

(エ) コージェネレーション設備

需要が十分見込まれる場合の適正規模のコージェネレーション設備の導入

(オ) 電気使用設備

a 負荷変動に対する稼働状態の調整を容易にするための設備の導入

b 負荷機械の特性および稼働状況に応じた所要出力に見合う電動機の導入

c 燃料の燃焼、蒸気、電気等による加熱の特徴を比較勘案した加熱設備の導入

d エアーコンプレッサーの小型化および分散配置、エアー需要に見合う圧力のエアーコンプレッサー、ブロワーおよびファンの導入

e 自動販売機を設置する場合のセンサーやタイマー等の活用、需要の少ない時間帯の運転停止、照明の自動点消灯等の実施

f 適正な配置、配電圧、容量での受変電設備および配電設備の導入

g コンピュータの使用等による電気の使用状態の的確な計測管理の実施

h 進相コンデンサ等の力率改善のための設備の導入

(カ) 空気調和設備

a 区画ごとに個別制御できる設備の導入

b 効率の高い熱源設備を使用したヒートポンプシステム、ガス冷暖房システム、冷房と暖房の負荷が同時に存在する場合の熱回収システム、熱回収型ヒートポンプおよび廃熱駆動型熱源機の導入

c 負荷変動に応じた効率の高い運転が可能な熱源設備および熱搬送設備の導入

d 回転数制御装置による変風量システムおよび変流量システムの導入

e 空気調和を行う部分の壁、屋根の断熱性の向上、窓の断熱および日射遮蔽対策の実施

f 配管およびダクトの断熱性の向上

g 全熱交換器の導入

h 生産設備等により発生する熱の区画外への直接排出、建屋の開口部の閉鎖による負荷の低減

i 空気調和の対象範囲の細分化

j 室外機の設置の際の通風状態等の確認

k 空気効率の改善に必要な事項の計測のための機器の導入および工場エネルギー管理システムまたはビルエネルギー管理システムの導入

l 二酸化炭素濃度等に応じた外気量自動制御システム、外気冷房システムおよび省エネ冷却塔の導入

m 大温度差送風・送水システムの導入

n デシカント外気処理機、顕熱・潜熱分離処理方式、タスク・アンビエント空気調和設備および放射型空気調和設備の導入

o 負荷特性等を考慮した熱源のハイブリッド化

(キ) 給湯設備、換気設備、昇降設備等

a 負荷変動に応じた運用が可能な給湯設備の導入、使用量に応じた局所式給湯設備の導入

b ヒートポンプシステムの導入、潜熱回型設備の導入

c 各種センサー等による換気設備の風量の制御

d エスカレータへの人感センサーの導入、エレベーターへの回生制動機能付き設備の導入

(ク) 照明設備

a LED照明器具等のエネルギー消費効率の高い照明器具への更新

b 清掃、光源の交換等の保守が容易な照明器具への更新

c 点灯回路等の総合的な照明効率を考慮した照明器具への更新

d 照明対象範囲の細分化

e 人感センサーの導入およびタイマーの導入

f 初期照度補正または調光制御のできる照明設備への更新

イ その他の排出抑制措置

(ア) 燃料の選択

単位発熱量当たりの二酸化炭素排出量が小さい燃料の優先的な選択

(イ) 再生可能エネルギー等の活用

a 太陽光発電設備、風力発電設備、バイオマス発電設備、小型水力発電設備等の導入

b aの再生可能エネルギー利用設備により発電された電気の自家消費

c 小売電気事業者からの再生可能エネルギー電気の調達

d グリーン電力証書およびグリーン熱証書の購入

(ウ) 未利用エネルギーの活用

a 工場排水、下水、河川水、地下水等の温度差エネルギーの有効利用

b 高温の燃焼ガスまたは蒸気の発電、作業動力等への有効利用、複合発電および蒸気条件の改善による動力等への変換効率の向上

c 可燃性廃棄物の燃焼等に伴って発生するエネルギーや燃料の回収利用

(エ) 連携省エネルギーの取組

a 他事業者との連携による余剰エネルギー等の有効利用

b 近接する街区・地区や隣接する建築物間におけるエネルギーの融通等のエネルギーの面的利用

(オ) エネルギーサービス事業者の活用

エネルギー供給事業者、ESCO事業者(エネルギーの使用の合理化に関する包括的なサービスを提供する者)等によるエネルギー効率改善に関する診断、助言等の活用

2 自らの事業活動を通じて他者が排出する温室効果ガスの量の削減に寄与することとなる取組

(1) 製品の製造等

ア 省エネ製品等および省エネ製品等に組み込まれている技術(部品および素材を含む。以下同じ。)の生産

イ 省エネ製品等および省エネ製品等に組み込まれている技術の研究開発等

(2) サービスの提供等

ア 余剰エネルギーの他者への融通により、他者の温室効果ガスの排出の量の削減に寄与することとなる取組

イ サービスの利用者が当該サービスを利用することにより温室効果ガスの排出を抑制することとなるサービスの提供

ウ 省エネ製品等および省エネ製品等に組み込まれている技術の販売

3 その他のCO2ネットゼロ社会づくりのための取組

(1) 環境物品等の購入等

ア 環境物品等の購入等の推進を図るための基本方針の作成

イ グリーン購入実践プラン滋賀登録制度(GPプラン滋賀)への登録

(2) 廃棄物の発生の抑制等

廃棄物の発生の抑制および分別等による再資源化の推進

(3) 森林の保全および整備

ア 琵琶湖森林づくりパートナー協定への参加

イ 滋賀県森林CO2吸収認証制度の活用

(4) 従業員の自動車通勤等の抑制

ア 通勤用バスの運行等による従業員の自動車通勤の抑制

イ 送迎バスの運行等による施設の来場者の自動車利用の抑制

(5) 消費者への情報の提供

ア 販売または提供する製品等の製造、利用、廃棄等の一連の過程における温室効果ガスの排出の量または環境性能等に関する情報の提供

イ 自らが行うCO2ネットゼロ社会づくりの取組に関する情報の提供

(6) クレジットの活用

ア J―クレジット制度等の制度を活用したクレジットの生成

イ J―クレジット制度等の制度を活用したクレジットの取得

ウ J―クレジット制度等の制度を活用したクレジットを付した製品等の開発等

(7) その他の取組

ア 敷地内、壁面、屋上等の緑化

イ 従業員に対する環境教育の推進

4 自動車の使用に伴う温室効果ガスの排出の抑制に関する取組

(1) 一般的事項

ア 推進体制の整備

(ア) 温室効果ガスの排出抑制に関する取組を効果的に推進するための責任者の設置、役割分担の明確化および経営者による取組方針等の明確化

(イ) 担当部署での具体的な取組の立案および組織横断的な検討委員会等の設置

(ウ) 毎年度の燃料消費量に基づく温室効果ガスの排出の量の把握、整理・分析および社内における情報共有体制の整備

(エ) 管理マニュアルの作成および社内研修体制の整備

イ エネルギーの使用に関するデータ管理

自動車ごとの走行距離、燃料消費量等の把握を通じた取組効果の分析

ウ 自動車の運用および保守の管理

(ア) 温室効果ガス排出量の削減を目的とした運転管理、計測・記録および保守・点検についての自主マニュアルの作成

(イ) 定期的な点検・整備による適切な保守管理の実施

(2) 自動車使用の合理化

ア 輸送の効率化

(ア) 荷役・運搬の効率化のための商品の形状またはその荷姿の標準化等の工夫および製品やその包装資材の軽量化または小型化

(イ) 目的地までの効率的なルートの選定

(ウ) 輸送量や使用目的に応じた適正な車両の使用

(エ) 他事業者との連携による共同輸配送等の推進および帰り荷の確保

(オ) 準荷主との調整による取引単位の大規模化等による多頻度少量輸送および曜日・時間を指定した輸送の見直し

(カ) 出庫時間の調整、道路交通情報通信システム(VICS)の活用等による道路混雑時の輸送の見直し

イ 積載率の向上

輸送物品の重量、形状、特性等に応じた最適な輸送ロットの決定

ウ 輸送方法の選択

貨物の適性を踏まえたモーダルシフト(自動車から鉄道および船舶への輸送方法の転換)の推進

エ 再配達の削減

貨物輸送事業者等と連携した消費者による配達予定日時や受取場所の指定、宅配ボックスの共同利用

(3) 次世代自動車等の導入等

ア 電気自動車、燃料電池自動車、プラグインハイブリッド自動車、ハイブリッド自動車等の次世代自動車等の導入

イ 輸送目的に応じた適正な自動車の計画的な導入

ウ 蓄熱式暖房マット、蓄冷式ベッドルームクーラー等のエネルギー使用効率に優れた機械器具の導入

(4) 従業員に対する教育

ア エコドライブの推進

(ア) 急発進および急加速をしないこと、アイドリング・ストップの実施等、環境および安全に配慮したエコドライブの推進

(イ) エコドライブの具体的な実践方法についてのマニュアル等の整備、周知および講習会等への参加の促進

(ウ) デジタル式運行記録計の活用

イ 公共交通機関の利用促進

(ア) 公共交通機関もしくは自転車の利用または徒歩による移動の推進

(イ) 「ノーマイカーデー」の実施

別表第2(第4関係)

県民に係るCO2ネットゼロ社会づくりに関する取組(例)

1 エネルギー使用量の把握

(1) 環境家計簿(家庭におけるエネルギー使用量を記録することにより、自らのエネルギー使用に伴う二酸化炭素排出量等を把握することができるようにするもの)の利用

(2) 省エネナビ等エネルギー使用量の現状を測定・表示する装置の設置

2 エネルギー消費性能等が優れているエネルギー消費機器等の使用等

(1) エネルギー消費性能等が優れているエネルギー消費機器等の使用

ア LED照明への交換

イ その他エネルギー消費性能等が優れている家庭用電気機器、ガス機器、水回り機器等の購入または買換時における選択および使用

(2) エネルギー消費機器等の効率的な使用

ア 空き室、不在時等点灯が不要な場合における照明器具の消灯、視聴していないテレビの電源を切ることその他のエネルギー消費機器等の不使用時のエネルギーの消費を抑制する措置の実施

イ 冷蔵庫の扉の開閉回数を減らすことその他のエネルギー消費機器等の効率的な使用

3 冷暖房時の適切な温度

(1) 冷房時においては28度、暖房時においては20度を目安とした、冷暖房時の温度の適切な調整の実施

(2) 適切な服装による冷暖房機の運転の抑制

4 環境物品等および県内産の農産物等の購入等

(1) リサイクル製品、量り売り・詰め替え製品等の積極的な購入または買換時における選択

(2) J―クレジット制度等の制度を活用したクレジットが付された製品等の積極的な購入

(3) 県内で生産された農産物等の購入または選択

5 廃棄物の発生の抑制等

(1) 家庭ごみの発生の抑制および分別等による再資源化

(2) 繰り返し利用できる製品等の使用

(3) シェアリングサービスの利用

6 住宅に係るエネルギーの消費の抑制等の取組

(1) 窓からの日射の遮蔽

よしず、つる植物等による日射の遮蔽

(2) 断熱改修の実施

ア 複層ガラス、窓用断熱シートの導入等窓の断熱化の実施

イ 外壁、屋根等の断熱改修の実施

(3) 再生可能エネルギーの利用

ア 太陽光発電設備、太陽熱温水器等の導入

イ 再生可能エネルギー電気の購入

(4) 県産木材の利用

住宅を建築する際の県産木材の利用

7 自動車等に係るエネルギーの消費の抑制等の取組

(1) 公共交通機関の利用等への転換

自家用自動車の利用に代えて、鉄道、バス等の公共交通機関もしくは自転車の利用または徒歩による移動への転換

(2) 次世代自動車等の購入等

自動車等を購入し、または使用する際の、電気自動車、燃料電池自動車、プラグインハイブリッド自動車、ハイブリッド自動車等の次世代自動車等の選択

(3) 自動車走行量の抑制等

ア 相乗り等による走行量の抑制

イ 緩やかな発進を行うこと、加減速の少ない運転を行うこと等エコドライブの実施

ウ タイヤの空気圧を適正に維持すること等適正な整備の実施

(4) 再配達の削減

配達予定日時や受取場所の指定が可能な場合の指定、自宅への宅配ボックスの設置等

別表第3(第5関係)

地域におけるCO2ネットゼロ社会づくりに関する活動(例)

1 別表第2および次に掲げる取組についての実践活動

(1) エネルギー消費性能等が優れているエネルギー消費機器等の使用等

ア 地域の街灯のLED照明への転換

イ 共同による太陽光発電設備の設置

(2) 自動車等に係るエネルギーの消費の抑制等の取組

カーシェアリング(自動車の共同利用)の実施による自動車走行量の抑制等

(3) 森林の保全および整備

森林の間伐等森林の保全および整備の実施

(4) 農業および水産業に係る取組

共同による堆肥の施用

2 次に掲げる普及啓発活動

(1) 別表第2および前項各号に掲げる取組その他のCO2ネットゼロ社会づくりに関する取組についての出前講座、講演会等の実施

(2) 前号に規定する取組についての啓発資料の作成

CO2ネットゼロ社会づくり指針

令和4年3月25日 告示第125号

(令和4年4月1日施行)

体系情報
第11編の2 生活環境/第3章 公害規制
沿革情報
令和4年3月25日 告示第125号