○滋賀県立自然公園条例

昭和40年12月15日

滋賀県条例第30号

滋賀県立自然公園条例をここに公布する。

滋賀県立自然公園条例

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、県内にある優れた自然の風景地について、生物の多様性の確保に配慮しつつこれを保護するとともに、その利用の増進を図り、もつて県民の保健、休養および教化に資することを目的とする。

(一部改正〔平成15年条例10号〕)

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 滋賀県立自然公園 県内にあるすぐれた自然の風景地(国立公園および国定公園の区域を除く。)であつて、知事が第5条の規定により指定するものをいう。

(2) 公園計画 滋賀県立自然公園(以下「県立公園」という。)の保護または利用のための規制または施設に関する計画をいう。

(3) 公園事業 公園計画に基づいて執行する事業であつて、県立公園の保護または利用のための施設で知事が定めるものに関するものをいう。

(県等の責務)

第3条 県、事業者および県立公園の利用者は、優れた自然の風景地の保護とその適正な利用が図られるように、それぞれの立場において努めなければならない。

2 県は、県立公園に生息し、または生育する動植物の保護が県立公園の風景の保護に重要であることにかんがみ、県立公園における生態系の多様性の確保その他の生物の多様性の確保を旨として、県立公園の風景の保護に関する施策を講ずるものとする。

(追加〔平成8年条例18号〕、一部改正〔平成12年条例84号・15年10号〕)

(財産権の尊重および他の公益との調整)

第4条 この条例の適用に当つては、関係者の所有権、鉱業権その他の財産権を尊重するとともに、県立公園の保護および利用と国土の開発その他の公益との調整に留意しなければならない。

(一部改正〔平成8年条例18号〕)

第2章 指定

(指定)

第5条 県立公園は、知事が、関係市町および滋賀県環境審議会(以下「審議会」という。)の意見を聴き、区域を定めて指定する。

2 知事は、県立公園を指定する場合には、その旨およびその区域を告示しなければならない。

3 県立公園の指定は、前項の告示によつてその効力を生ずる。

(一部改正〔昭和48年条例37号・平成12年90号・16年38号〕)

(指定の解除および区域の変更)

第6条 知事は、県立公園の指定を解除し、またはその区域を変更しようとするときは、関係市町および審議会の意見を聴かなければならない。

2 前条第2項および第3項の規定は、県立公園の指定の解除およびその区域の変更について準用する。

(一部改正〔平成16年条例38号〕)

第3章 公園計画および公園事業

(公園計画および公園事業の決定)

第7条 公園計画および公園事業は、知事が、審議会の意見を聞いて決定する。

2 知事は、公園計画または公園事業を決定したときは、その概要を告示しなければならない。

(公園計画および公園事業の廃止等)

第8条 知事は、公園計画および公園事業を廃止し、または変更しようとするときは、審議会の意見を聞かなければならない。

2 前条第2項の規定は、公園計画および公園事業の廃止および変更について準用する。

(公園事業の執行)

第9条 公園事業は、県が執行する。

2 知事は、県立公園の保護および利用のために必要があると認めるときは、公園事業の一部を他の者に執行させることができる。

3 前項の規定により公園事業の一部を執行しようとする者は、規則で定めるところにより知事に申請し、その承認を受けなければならない。承認を受けた事項の変更(規則で定める軽微な変更を除く。)をしようとするときも、同様とする。

(一部改正〔平成12年条例84号〕)

(公園事業の執行に要する費用)

第10条 公園事業の執行に要する費用は、その公園事業を執行する者の負担とする。

(受益者負担)

第11条 知事は、公園事業の執行により著しく利益を受ける者がある場合においては、その者に、その受益の限度において、その公園事業の執行に要する費用の一部を負担させることができる。

(原因者負担)

第12条 知事は、他の工事または他の行為により公園事業の執行が必要となつた場合においては、その原因となつた工事または行為について費用を負担する者に、その公園事業の執行が必要となつた限度において、その費用の全部または一部を負担させることができる。

(負担金の徴収方法等)

第13条 前2条の規定による負担金の徴収方法その他負担金に関し必要な事項は、規則で定める。

(補助)

第14条 知事は、予算の範囲内において、公園事業を執行する県以外の者に対して、その公園事業の執行に要する費用の一部を補助することができる。

(適用除外)

第15条 前6条の規定は公園事業のうち国の機関の行なう事業について、前5条の規定は公園事業のうち道路法(昭和27年法律第180号)による道路に係る事業および他の法律または条例にその執行に要する費用に関して別段の規定があるその他の事業については、適用しない。

第4章 保護および利用

(特別地域)

第16条 知事は、県立公園の風致を維持するため、公園計画に基づいて、その区域内に特別地域を指定することができる。

2 第5条第2項および第3項の規定は、特別地域の指定および指定の解除ならびにその区域の変更について準用する。

3 特別地域内において次に掲げる行為をしようとする者は、知事の許可を受けなければならない。ただし、当該特別地域が指定され、もしくはその区域が拡張された際既に着手していた行為もしくは第6号に規定する物が指定された際既に着手していた同号に掲げる行為または非常災害のために必要な応急措置として行う行為については、この限りでない。

(1) 工作物を新築し、改築し、または増築すること。

(2) 木竹を伐採すること。

(3) 鉱物を掘採し、または土石を採取すること。

(4) 河川、湖沼等の水位または水量に増減を及ぼさせること。

(5) 広告物その他これに類する物を掲出し、もしくは設置し、または広告その他これに類するものを工作物等に表示すること。

(6) 屋外において土石その他の知事が指定する物を集積し、または貯蔵すること。

(7) 水面を埋め立て、または干拓すること。

(8) 土地を開墾し、その他土地の形状を変更すること。

(9) 高山植物その他の植物で知事が指定するものを採取し、または損傷すること。

(10) 山岳に生息する動物その他の動物で知事が指定するもの(以下この号において「指定動物」という。)を捕獲し、もしくは殺傷し、または指定動物の卵を採取し、もしくは損傷すること。

(11) 屋根、壁面、塀、橋、鉄塔、送水管その他これらに類するものの色彩を変更すること。

(12) 湿原その他これに類する地域のうち知事が指定する区域内へ当該区域ごとに指定する期間内に立ち入ること。

(13) 道路、広場、田、畑、牧場および宅地以外の地域のうち知事が指定する区域内において車馬もしくは動力船を使用し、または航空機を着陸させること。

(14) 前各号に掲げるもののほか、特別地域における風致の維持に影響を及ぼすおそれがある行為で規則で定めるもの

4 知事は、前項各号に掲げる行為で規則で定める基準に適合しないものについては、同項の許可をしてはならない。

5 特別地域が指定され、もしくはその区域が拡張された際当該特別地域内において第3項各号に掲げる行為または同項第6号に規定する物が指定された際同号に掲げる行為に着手している者は、その指定または区域の拡張の日から起算して3月以内に知事にその旨を届け出なければならない。

6 特別地域内において非常災害のために必要な応急措置として第3項各号に掲げる行為をした者は、その行為をした日から起算して14日以内に知事にその旨を届け出なければならない。

7 特別地域内において木竹を植栽し、または家畜を放牧しようとする者は、あらかじめ知事にその旨を届け出なければならない。

8 次に掲げる行為については、第3項および前3項の規定を適用しない。

(1) 公園事業の執行として行う行為

(2) 第31条第1項の規定により締結された風景地保護協定に基づいて同項第1号の風景地保護協定区域内で行う行為であつて、同項第2号または第3号に掲げる事項に従つて行うもの

(3) 通常の管理行為、軽易な行為その他の行為であつて、規則で定めるもの

(一部改正〔平成3年条例20号・12年84号・15年10号〕)

(利用調整地区)

第17条 知事は、県立公園の風致の維持とその適正な利用を図るため、特に必要があるときは、公園計画に基づいて、特別地域内に利用調整地区を指定することができる。

2 第5条第2項および第3項の規定は、利用調整地区の指定および指定の解除ならびにその区域の変更について準用する。

3 何人も、知事が定める期間内は、次条第1項の認定を受けてする立入りに該当する場合を除き、利用調整地区の区域内に立ち入つてはならない。ただし、次に掲げる場合は、この限りでない。

(1) 前条第3項の許可を受けた行為(自然公園法(昭和32年法律第161号。以下「法」という。)第66条第2項においてその例によることとされる法第56条第1項後段の規定による協議に係る行為を含む。)または前条第5項もしくは第7項の届出をした行為(法第66条第2項においてその例によることとされる法第56条第3項の規定による通知に係る行為を含む。)を行うために立ち入る場合

(2) 非常災害のために必要な応急措置を行うために立ち入る場合

(3) 公園事業を執行するために立ち入る場合

(4) 第31条第1項の規定により締結された風景地保護協定に基づいて同項第1号の風景地保護協定区域内で行う行為であつて、同項第2号または第3号に掲げる事項に従つて行うものを行うために立ち入る場合

(5) 通常の管理行為、軽易な行為その他の行為であつて、規則で定めるものを行うために立ち入る場合

(6) 前各号に掲げるもののほか、知事がやむを得ない事由があると認めて許可した場合

(追加〔平成15年条例10号〕)

(立入りの認定)

第18条 県立公園の利用者は、利用調整地区の区域内へ前条第3項に規定する期間内に立ち入ろうとするときは、次の各号のいずれにも適合していることについて、知事の認定を受けなければならない。

(1) 県立公園を利用する目的で立ち入るものであること。

(2) 風致の維持とその適正な利用に支障を及ぼすおそれがないものとして、規則で定める基準に適合するものであること。

2 前項の認定を受けようとする者は、規則で定めるところにより、知事に認定の申請をしなければならない。

3 知事は、第1項の認定の申請に係る立入りが同項各号のいずれにも適合していると認めるときは、同項の認定をするものとする。

4 知事は、第1項の認定をしたときは、規則で定めるところにより、立入認定証を交付しなければならない。

5 第1項の認定を受けた者は、前項の立入認定証を亡失し、またはその立入認定証が滅失したときは、規則で定めるところにより、知事に申請をして、その立入認定証の再交付を受けることができる。

6 第1項の認定を受けた者は、当該利用調整地区の区域内に立ち入るときは、第4項の立入認定証を携帯しなければならない。

(追加〔平成15年条例10号〕)

(指定認定機関)

第19条 知事は、その指定する者(以下「指定認定機関」という。)に、前条に規定する知事の事務(以下「認定関係事務」という。)の全部または一部を行わせることができる。

2 指定認定機関の指定(以下第23条までにおいて「指定」という。)は、認定関係事務を行おうとする者の申請により行う。

3 次の各号のいずれかに該当する者は、指定を受けることができない。

(1) 未成年者

(2) 心身の故障によりその認定関係事務を適確に行うことができない者として規則で定める者

(3) 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者

(4) 禁錮以上の刑に処せられ、または法もしくは自然環境保全法(昭和47年法律第85号)もしくはこの条例もしくは滋賀県自然環境保全条例(昭和48年滋賀県条例第42号)の規定により刑に処せられ、その執行を終わり、または執行を受けることがなくなつた日から起算して2年を経過しない者

(5) 第23条第2項または第3項の規定により指定を取り消され、その取消しの日から起算して2年を経過しない者

(6) 法人であつて、その役員のうちに前各号のいずれかに該当する者があるもの

4 知事は、指定をしたときは、指定に係る利用調整地区に関する認定関係事務を行わないものとする。

5 知事は、指定をしたときは、その旨を告示しなければならない。

6 指定認定機関がその認定関係事務を行う場合における前条の規定の適用については、同条中「知事」とあるのは、「指定認定機関」とする。

(追加〔平成15年条例10号〕、一部改正〔令和元年条例21号〕)

(指定の基準)

第20条 知事は、前条第2項の申請に係る利用調整地区につき他に指定認定機関の指定を受けた者がなく、かつ、当該申請が次に掲げる基準に適合していると認めるときでなければ、指定をしてはならない。

(1) 職員、認定関係事務の実施の方法その他の事項についての認定関係事務の実施に関する計画が、認定関係事務の適確な実施のために適切なものであること。

(2) 前号の認定関係事務の実施に関する計画を適確に実施するに足りる経理的および技術的な基礎を有するものであること。

(3) 認定関係事務以外の業務を行つている場合には、その業務を行うことによつて認定関係事務の公正な実施に支障を及ぼすおそれがないものであること。

(4) 前3号に定めるもののほか、認定関係事務を公正かつ適確に行うことができるものであること。

(追加〔平成15年条例10号〕)

(指定認定機関の遵守事項)

第21条 指定認定機関は、その認定関係事務の開始前に、規則で定めるところにより、その認定関係事務の実施に関する規程を定め、知事の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

2 指定認定機関は、毎事業年度の事業計画および収支予算を作成し、その事業年度の開始前に(指定を受けた日の属する事業年度にあつては、指定を受けた後遅滞なく)知事の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

3 指定認定機関は、毎事業年度の経過後3月以内に、その事業年度の事業報告書および収支決算書を作成し、知事に提出しなければならない。

4 指定認定機関は、知事の許可を受けなければ、その認定関係事務の全部または一部を休止し、または廃止してはならない。

5 知事は、指定認定機関が前項の許可を受けてその認定関係事務の全部もしくは一部を休止したとき、または指定認定機関が天災その他の事由によりその認定関係事務の全部もしくは一部を実施することが困難となつた場合において必要があると認めるときは、その認定関係事務の全部または一部を自ら行うものとする。

6 知事が前項の規定により認定関係事務の全部もしくは一部を自ら行う場合、指定認定機関が第4項の許可を受けてその認定関係事務の全部もしくは一部を廃止する場合または知事が第23条第2項もしくは第3項の規定により指定を取り消した場合における認定関係事務の引継ぎその他の必要な事項は、規則で定める。

(追加〔平成15年条例10号〕)

(秘密保持義務等)

第22条 指定認定機関(その者が法人である場合にあつては、その役員。次項において同じ。)およびその職員ならびにこれらの者であつた者は、認定関係事務に関して知り得た秘密を漏らし、または自己の利益のために使用してはならない。

2 指定認定機関およびその職員で認定関係事務に従事する者は、刑法(明治40年法律第45号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。

(追加〔平成15年条例10号〕)

(指定認定機関に対する監督命令等)

第23条 知事は、第18条から前条までの規定の施行に必要な限度において、指定認定機関に対し、認定関係事務に関し監督上必要な命令をすることができる。

2 知事は、指定認定機関が第19条第3項各号(第5号を除く。)のいずれかに該当するに至つたときは、指定を取り消さなければならない。

3 知事は、指定認定機関が第21条の規定に違反したとき、同条第1項の規程によらないでその認定関係事務を実施したとき、第1項の規定による命令に違反したとき、その他その認定関係事務を適正かつ確実に実施することができないと認めるときは、指定を取り消すことができる。

4 第19条第5項の規定は、前2項の規定による指定の取消しについて準用する。

(追加〔平成15年条例10号〕、一部改正〔令和元年条例21号〕)

(報告徴収および立入検査)

第24条 知事は、第18条から前条までの規定の施行に必要な限度において、指定認定機関に対し、その認定関係事務に関し報告を求め、またはその職員に、指定認定機関の事務所に立ち入り、指定認定機関の帳簿、書類その他必要な物件を検査させ、もしくは関係者に質問させることができる。

2 前項の規定による立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。

3 第1項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

(追加〔平成15年条例10号〕)

(条件)

第25条 第16条第3項および第17条第3項第6号の許可には、県立公園の風致を保護するために必要な限度において、条件を付することができる。

(一部改正〔平成15年条例10号〕)

(普通地域)

第26条 県立公園の区域のうち特別地域に含まれない区域(以下「普通地域」という。)内において次に掲げる行為をしようとする者は、あらかじめ知事にその旨を届け出なければならない。

(1) その規模が規則で定める基準を超える工作物を新築し、改築し、または増築すること(改築または増築後において、その規模が規則で定める基準を超えるものとなる場合における改築または増築を含む。)

(2) 特別地域内の河川、湖沼等の水位または水量に増減を及ぼさせること。

(3) 広告物その他これに類する物を掲出し、もしくは設置し、または広告その他これに類するものを工作物等に表示すること。

(4) 水面を埋め立て、または干拓すること。

(5) 鉱物を掘採し、または土石を採取すること。

(6) 土地の形状を変更すること。

2 知事は、県立公園の風致を保護するために必要があると認めるときは、普通地域内において前項各号に掲げる行為をしようとする者またはした者に対して、その風致を保護するために必要な限度において、当該行為を禁止し、もしくは制限し、または必要な措置を執るべき旨を命ずることができる。

3 前項の処分は、第1項の届出をした者に対しては、その届出があつた日から起算して30日以内に限りすることができる。

4 知事は、第1項の届出があつた場合において、実地の調査をする必要があるとき、その他前項の期間内に第2項の規定による処分をすることができない理由があるときは、その理由が存続する間、前項の期間を延長することができる。この場合においては、同項の期間内に、第1項の届出をした者に対して、その旨および期間を延長する理由を通知しなければならない。

5 第1項の届出をした者は、その届出をした日から起算して30日を経過した後でなければ、当該届出に係る行為に着手してはならない。

6 知事は、県立公園について、当該公園の風景の保護に支障を及ぼすおそれがないと認めるときは、前項の期間を短縮することができる。

7 次に掲げる行為については、第1項および第2項の規定は、適用しない。

(1) 公園事業の執行として行う行為

(2) 第31条第1項の規定により締結された風景地保護協定に基づいて同項第1号の風景地保護協定区域内で行う行為であつて、同項第2号または第3号に掲げる事項に従つて行うもの

(3) 通常の管理行為、軽易な行為その他の行為であつて、規則で定めるもの

(4) 県立公園が指定され、またはその区域が拡張された際既に着手していた行為

(5) 非常災害のために必要な応急措置として行う行為

(一部改正〔昭和49年条例36号・平成15年10号〕)

(中止命令等)

第27条 知事は、県立公園の保護のために必要があると認めるときは、第16条第3項もしくは第17条第3項の規定、第25条の規定により許可に付せられた条件または前条第2項の規定による処分に違反した者に対して、その保護のために必要な限度において、その行為の中止を命じ、またはこれらの者もしくはこれらの者から当該土地、建築物その他の工作物もしくは物件についての権利を承継した者に対して、相当の期限を定めて、原状回復を命じ、もしくは原状回復が著しく困難である場合に、これに代わるべき必要な措置を執るべき旨を命ずることができる。

2 前項の規定により原状回復またはこれに代わるべき必要な措置(以下「原状回復等」という。)を命じようとする場合において、過失がなくて当該原状回復等を命ずべき者を確知することができないときは、知事は、その者の負担において、当該原状回復等を自ら行い、またはその命じた者もしくは委任した者にこれを行わせることができる。この場合においては、相当の期限を定めて、当該原状回復等を行うべき旨およびその期限までに当該原状回復等を行わないときは、知事またはその命じた者もしくは委任した者が当該原状回復等を行う旨をあらかじめ公告しなければならない。

3 前項の規定により原状回復等を行おうとする者は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があるときは、これを提示しなければならない。

(一部改正〔平成15年条例10号〕)

(報告の徴収および立入検査)

第28条 知事は、県立公園の保護のために必要があると認めるときは、第16条第3項もしくは第17条第3項第6号の規定による許可を受けた者または第26条第2項の規定により行為を制限され、もしくは必要な措置を執るべき旨を命ぜられた者に対して、当該行為の実施状況その他必要な事項について報告を求めることができる。

2 知事は、第16条第3項第17条第3項第6号第26条第2項または前条の規定による処分をするために必要があると認めるときは、当該職員をして、県立公園の区域内の土地または建物内に立ち入らせて必要な検査または調査をさせることができる。

3 前項に規定する職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があるときは、これを提示しなければならない。

(一部改正〔平成15年条例10号〕)

(集団施設地区)

第29条 知事は、県立公園の利用のための施設を集団的に整備するため、公園計画に基づいてその区域内に集団施設地区を指定するものとする。

2 第5条第2項および第3項の規定は、集団施設地区の指定および指定の解除ならびにその区域の変更について準用する。

(一部改正〔平成15年条例10号〕)

(利用のための規制)

第30条 県立公園の特別地域または集団施設地区内においては、何人も、みだりに次の各号に掲げる行為をしてはならない。

(1) 県立公園の利用者に著しく不快の念をおこさせるような方法で、ごみその他の汚物または廃物を捨て、または放置すること。

(2) 著しく悪臭を発散させ、拡声機、ラジオ等により著しく騒音を発し、展望所、休憩所等をほしいままに占拠し、けんおの情を催させるような方法で客引し、その他県立公園の利用者に著しく迷惑をかけること。

2 知事は、当該職員をして、特別地域または集団施設地区内において前項第2号に掲げる行為をしている者に対して、その行為をやめるべきことを指示させることができる。

3 前項に規定する職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があるときは、これを提示しなければならない。

(一部改正〔平成15年条例10号〕)

第5章 風景地保護協定

(追加〔平成15年条例10号〕)

(風景地保護協定の締結等)

第31条 知事もしくは他の地方公共団体または第37条第1項の規定により指定された公園管理団体で第38条第1号に掲げる業務のうち風景地保護協定に基づく自然の風景地の管理に関するものを行うものは、県立公園内の自然の風景地の保護のため必要があると認めるときは、当該公園の区域内の土地または木竹の所有者または使用および収益を目的とする権利(臨時設備その他一時使用のため設定されたことが明らかなものを除く。)を有する者(以下「土地の所有者等」という。)と次に掲げる事項を定めた協定(以下「風景地保護協定」という。)を締結して、当該土地の区域内の自然の風景地の管理を行うことができる。

(1) 風景地保護協定の目的となる土地の区域(以下「風景地保護協定区域」という。)

(2) 風景地保護協定区域内の自然の風景地の管理の方法に関する事項

(3) 風景地保護協定区域内の自然の風景地の保護に関連して必要とされる施設の整備が必要な場合にあつては、当該施設の整備に関する事項

(4) 風景地保護協定の有効期間

(5) 風景地保護協定に違反した場合の措置

2 風景地保護協定については、風景地保護協定区域内の土地の所有者等の全員の合意がなければならない。

3 風景地保護協定の内容は、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。

(1) 自然の風景地の保護を図るために有効かつ適切なものであること。

(2) 土地および木竹の利用を不当に制限するものでないこと。

(3) 第1項各号に掲げる事項について規則で定める基準に適合するものであること。

4 他の地方公共団体が風景地保護協定を締結しようとするときは、あらかじめ知事に協議し、同意を得なければならない。

5 第1項の公園管理団体が風景地保護協定を締結しようとするときは、あらかじめ知事の認可を受けなければならない。

(追加〔平成15年条例10号〕)

(風景地保護協定の縦覧等)

第32条 知事または他の地方公共団体は、風景地保護協定を締結しようとするとき、または前条第5項の規定による風景地保護協定の認可の申請があつたときは、規則で定めるところにより、その旨を公告し、当該風景地保護協定を当該公告の日から2週間関係者の縦覧に供さなければならない。

2 前項の規定による公告があつたときは、関係者は、同項の縦覧期間満了の日までに、当該風景地保護協定について、知事または他の地方公共団体に意見書を提出することができる。

(追加〔平成15年条例10号〕)

(風景地保護協定の認可)

第33条 知事は、第31条第5項の規定による風景地保護協定の認可の申請が、次の各号のいずれにも該当するときは、当該風景地保護協定を認可しなければならない。

(1) 申請手続が法令または条例に違反しないこと。

(2) 風景地保護協定の内容が、第31条第3項各号に掲げる基準に適合するものであること。

(追加〔平成15年条例10号〕)

(風景地保護協定の公告等)

第34条 知事または他の地方公共団体は、風景地保護協定を締結し、または前条の認可をしたときは、規則で定めるところにより、その旨を公告し、かつ、当該風景地保護協定の写しを公衆の縦覧に供するとともに、風景地保護協定区域である旨を当該区域内に明示しなければならない。

(追加〔平成15年条例10号〕)

(風景地保護協定の変更)

第35条 第31条第2項から第5項までおよび前3条の規定は、風景地保護協定において定めた事項の変更について準用する。

(追加〔平成15年条例10号〕)

(風景地保護協定の効力)

第36条 第34条(前条において準用する場合を含む。)の規定による公告のあつた風景地保護協定は、その公告のあつた後において当該風景地保護協定区域内の土地の所有者等となつた者に対しても、その効力があるものとする。

(追加〔平成15年条例10号〕)

第6章 公園管理団体

(追加〔平成15年条例10号〕)

(指定)

第37条 知事は、県立公園内の自然の風景地の保護とその適正な利用を図ることを目的とする一般社団法人または一般財団法人、特定非営利活動促進法(平成10年法律第7号)第2条第2項の特定非営利活動法人その他規則で定める法人であつて、次条各号に掲げる業務を適正かつ確実に行うことができると認められるものを、その申請により、公園管理団体として指定することができる。

2 知事は、前項の規定による指定をしたときは、当該公園管理団体の名称、住所および事務所の所在地を告示しなければならない。

3 公園管理団体は、その名称、住所または事務所の所在地を変更しようとするときは、あらかじめ知事にその旨を届け出なければならない。

4 知事は、前項の規定による届出があつたときは、当該届出に係る事項を告示しなければならない。

(追加〔平成15年条例10号〕、一部改正〔平成20年条例7号〕)

(業務)

第38条 公園管理団体は、次に掲げる業務を行うものとする。

(1) 風景地保護協定に基づく自然の風景地の管理その他の自然の風景地の保護に資する活動を行うこと。

(2) 県立公園内の施設の補修その他の維持管理を行うこと。

(3) 県立公園の保護とその適正な利用の推進に関する情報または資料を収集し、および提供すること。

(4) 県立公園の保護とその適正な利用の推進に関し必要な助言および指導を行うこと。

(5) 県立公園の保護とその適正な利用の推進に関する調査および研究を行うこと。

(6) 前各号に掲げる業務に附帯する業務を行うこと。

(追加〔平成15年条例10号〕)

(連携)

第39条 公園管理団体は、県との密接な連携の下に前条第1号に掲げる業務を行わなければならない。

(追加〔平成15年条例10号〕)

(改善命令)

第40条 知事は、公園管理団体の業務の運営に関し改善が必要であると認めるときは、公園管理団体に対し、その改善に必要な措置を執るべき旨を命ずることができる。

(追加〔平成15年条例10号〕)

(指定の取消し等)

第41条 知事は、公園管理団体が前条の規定による命令に違反したときは、その指定を取り消すことができる。

2 知事は、前項の規定により指定を取り消したときは、その旨を告示しなければならない。

(追加〔平成15年条例10号〕)

(情報の提供等)

第42条 県は、公園管理団体に対し、その業務の実施に関し必要な情報の提供または指導および助言を行うものとする。

(追加〔平成15年条例10号〕)

第7章 雑則

(一部改正〔平成15年条例10号〕)

(実地調査)

第43条 知事は、県立公園の指定、公園計画の決定または公園事業の決定もしくは執行に関して実地調査をする必要があるときは、当該職員をして、他人の土地に立ち入らせ、標識を設置させ、測量させ、または実地調査の障害となる木竹もしくはかき、さく等を伐採させ、もしくは除去させることができる。ただし、道路法その他の法律に実地調査に関する規定があるときは、当該規定の定めるところによる。

2 知事は、当該職員をして前項の規定による行為をさせようとするときは、あらかじめ土地の所有者(所有者の住所が明らかでないときは、その占有者。以下本条において同じ。)および占有者ならびに木竹またはかき、さく等の所有者にその旨を通知し、意見書を提出する機会を与えなければならない。

3 第1項に規定する職員は、日出前および日没後においては、宅地またはかき、さく等で囲まれた土地に立ち入つてはならない。

4 第1項に規定する職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があるときは、これを提示しなければならない。

5 土地の所有者もしくは占有者または木竹もしくはかき、さく等の所有者は、正当な理由のない限り、第1項の規定による立入または標識の設置その他の行為を拒み、または妨げてはならない。

(一部改正〔平成15年条例10号〕)

(市町への協力要請)

第44条 県は、この条例の適切かつ円滑な施行を図るため、必要があると認めるときは、市町に協力を求めることができる。

(追加〔平成12年条例84号〕、一部改正〔平成15年条例10号・16年38号〕)

(損失の補償)

第45条 県は、第16条第3項の許可を得ることができないため、第25条の規定により許可に条件を付せられたため、または第26条第2項の規定による処分を受けたため損失を受けた者に対して、通常生ずべき損失を補償するものとする。

2 県は、第43条第1項の規定による当該職員の行為によつて損失を受けた者に対して、通常生ずべき損失を補償するものとする。

3 前2項の損失の補償に関し必要な事項は、規則で定める。

(一部改正〔平成15年条例10号〕)

第8章 罰則

(一部改正〔平成15年条例10号〕)

第46条 第27条第1項の規定による命令に違反した者は、1年以下の懲役または100万円以下の罰金に処する。

(一部改正〔昭和49年条例36号・平成3年20号・15年10号〕)

第47条 次の各号のいずれかに該当する者は、6月以下の懲役または50万円以下の罰金に処する。

(1) 第16条第3項または第17条第3項の規定に違反した者

(2) 偽りその他不正の手段により第18条第1項の認定を受けた者

(3) 第25条の規定により許可に付せられた条件に違反した者

(一部改正〔昭和49年条例36号・平成3年20号・15年10号〕)

第48条 第22条第1項の規定に違反した者は、6月以下の懲役または50万円以下の罰金に処する。

(追加〔平成15年条例10号〕)

第49条 第26条第2項または第40条の規定による命令に違反した者は、50万円以下の罰金に処する。

(一部改正〔昭和49年条例36号・平成3年20号・15年10号〕)

第50条 次の各号のいずれかに該当する者は、30万円以下の罰金に処する。

(1) 偽りその他不正の手段により第18条第5項の立入認定証の再交付を受けた者

(2) 第21条第4項の許可を受けないで認定関係事務の全部を廃止した者

(3) 第24条第1項に規定する報告をせず、もしくは虚偽の報告をし、または同項の規定による立入検査を拒み、妨げ、もしくは忌避し、もしくは質問に対して陳述をせず、もしくは虚偽の陳述をした者

(4) 第26条第1項の規定による届出をせず、または虚偽の届出をした者

(5) 第26条第5項の規定に違反した者

(6) 第28条第1項の規定による報告をせず、または虚偽の報告をした者

(7) 第28条第2項の規定による立入検査または立入調査を拒み、妨げ、または忌避した者

(8) 県立公園の特別地域または集団施設地区内において、みだりに第30条第1項第1号に掲げる行為をした者

(9) 県立公園の特別地域または集団施設地区内において、第30条第2項の規定による当該職員の指示に従わないで、みだりに同条第1項第2号に掲げる行為をした者

(10) 第43条第5項の規定に違反して、同条第1項の規定による立入りまたは標識の設置その他の行為を拒み、または妨げた者

(一部改正〔昭和49年条例36号・平成3年20号・15年10号〕)

第51条 法人の代表者または法人もしくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人または人の業務に関して第46条第47条第49条または前条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人または人に対して、各本条の罰金刑を科する。

(一部改正〔平成15年条例10号〕)

第9章 補則

(一部改正〔平成15年条例10号〕)

(委任)

第52条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

(一部改正〔平成15年条例10号〕)

1 この条例は、公布の日から施行する。

〔次のよう〕略

(昭和48年条例第37号抄)

1 この条例は、公布の日から施行する。

(昭和49年条例第36号)

1 この条例は、公布の日から施行する。

2 この条例による改正前の滋賀県立自然公園条例第18条第1項の規定による届出を要しなかつた行為で、改正後の同項の規定による届出を要することとなつたもののうち、この条例の施行の際現に着手しているものについては、改正後の同条例第18条第1項および第2項の規定は、適用しない。

3 この条例の施行の際、現にこの条例による改正前の滋賀県立自然公園条例第18条第1項の規定による届出をしている行為については、改正後の同条例第18条第5項の規定は、適用しない。

4 この条例の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

5 滋賀県自然環境保全条例(昭和48年滋賀県条例第42号)の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

(平成3年条例第20号)

この条例は、公布の日から起算して1月を経過した日から施行する。

(平成8年条例第18号抄)

(施行期日)

1 この条例は、平成8年7月1日から施行する。

(平成12年条例第84号)

1 この条例は、平成12年4月1日から施行する。

2 この条例の施行前に改正前の第9条第2項もしくは第3項の規定によりされた承認もしくは認可またはこの条例の施行の際現に同条第2項もしくは第3項の規定によりされている承認もしくは認可の申請は、それぞれ改正後の第9条第3項の規定によりされた承認または承認の申請とみなす。

(平成12年条例第90号抄)

(施行期日)

1 この条例は、平成12年4月1日から施行する。

(滋賀県自然環境保全条例および滋賀県立自然公園条例の一部改正に伴う経過措置)

5 この条例の施行前に行われた従前の滋賀県自然環境保全審議会に係る諮問、答申その他の行為は、改正後の滋賀県環境審議会条例の規定に基づく滋賀県環境審議会に係る諮問、答申その他の行為とみなす。

(平成15年条例第10号)

1 この条例は、平成15年4月1日から施行する。

2 この条例の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

(平成16年条例第38号抄)

1 この条例は、規則で定める日から施行する。

(平成16年規則第66号で平成17年1月1日から施行)

(平成20年条例第7号抄)

1 この条例は、平成20年12月1日から施行する。

(令和元年条例第21号)

この条例は、令和元年12月14日から施行する。ただし、第19条第3項第3号の改正規定は、公布の日から施行する。

滋賀県立自然公園条例

昭和40年12月15日 条例第30号

(令和元年12月14日施行)

体系情報
第11編の2 生活環境/第2章 自然保護
沿革情報
昭和40年12月15日 条例第30号
昭和48年7月4日 条例第37号
昭和49年7月20日 条例第36号
平成3年3月15日 条例第20号
平成8年3月29日 条例第18号
平成12年3月29日 条例第84号
平成12年3月29日 条例第90号
平成15年3月20日 条例第10号
平成16年10月25日 条例第38号
平成20年3月28日 条例第7号
令和元年10月18日 条例第21号