盛夏における茶樹の消費水分量は1日当たり4~6mmといわれており、これに相当する水をかん水によって補給することは容易ではありません。畑地潅漑施設が整備されていない滋賀県で茶園にかん水を行う場合はタンク等での運搬が必要で、労力から考えて10a当たり5000リットル(5mmの降水量に相当)が上限と考えられます。このような少量の水で効果的なかん水を行うためには、茶樹に効率的に利用される方法で行う必要があります。
10a当たり5000リットルの水をかん水する場合、かん水の場所はうね間が最も適しており、秋期の生育が優れます。
茶園におけるかん水作業は、農薬散布用のセット動噴や乗用型防除機で行います。作業時間は、セット動噴による歩行作業では10a当たり208分、乗用型防除機による作業では10a当たり154分です。いずれも試算値ですので、セット動噴や乗用型防除機の能力によって作業時間は異なります。