花・果樹研究部では、マーケットインの視点から、市場出荷および誘客型園芸品目の栽培技術の開発を進めています。
「しが型産地」の活性化、花き・果樹の生産拡大のために、省力・低コストの生産技術、消費者や実需者のニーズに即した品目・品種の安定生産技術などの試験研究に取り組んでいます。
◆アスター
培土を連用した夏、秋作の連作方法の検討、培土削減の試験をしています。
◆リンドウ
夏季高温時の遮光やかん水量の調整による切り花品質への影響を調査しています。
◆ヒサカキ
多収を目指した仕立ての方法を検討しています。
◆カーネーション
実生系カーネーション品種を用いて、播種期と開花期の関係の調査や、培土削減の試験をしています。
● 実生系カーネーションを7月~12月に継続的に収穫する方法(2018年)
実生系カーネーション‘カンカンスカーレット’は、3月~5月に段まきし、ビニールハウス内で少量土壌培地耕で栽培することにより、仏花や組花に利用できる切花長約40cmで3輪咲きの花を、盆、秋彼岸、年末需要期を含む7月~12月に継続的に収穫することが可能となります。
● 少量土壌培地耕を利用した組花加工向け草花類の多収栽培技術(2016年)
少量土壌培地耕において草花類(小輪系アスター、ストック)をプランター辺りに18株密植して、水溶性園芸肥料の液肥濃度を1600倍(EC約0.75mS/cm)に希釈して給液することにより、可販率が向上し、多収となります。
● 少量土壌培地耕を利用した中輪ギク‘岩の白扇’の直挿しによる短茎多収栽培技術(2015年)
中輪ギク‘岩の白扇’を少量土壌培地耕において直挿しすると高い活着率が得られ、5月15日頃の直挿しと電照により、8月の需要期前に草丈60cm~70cmで開花させることができます。また、1プランター当たり12本を直挿ししプランターを3列配置しても十分な切花品質が得られます。
● ブドウ 「クイーンニーナ」 の安定多収技術の開発(2019年)
本県の推奨品種である赤色大粒系品種「クイーンニーナ」を用いて、作業の省力化と増収が図れる小房生産技術を開発しました。
● 早生モモ 「日川白鳳」 の低樹高ジョイント栽培技術による高品質省力生産技術の開発(2019年)
消費者ニーズが高い初夏から収穫できる早生モモ「日川白鳳」を用いて、早期成園化し、摘果・収穫・防除等の作業時間が短縮できる低樹高ジョイント仕立て栽培を開発しました。
また、収穫1か月前にマルチを敷くことで果実糖度の上昇と赤肉症を軽減できました。
● 雨除けパイプハウスを利用したナシの低樹高仕立てによる早期成園化と減農薬技術の開発(2014年)
黒星病が問題となるナシ栽培において、パイプハウスを利用した雨除け被服棚を用い、低樹高仕立てにすることで、早期成園化・減農薬化が可能で、誰もが取り組みやすい栽培技術を開発しました。(品種:「なつしずく」「幸水」「あきづき」「王秋」)
● 『紅式部』の大粒化および脱粒対策技術の確立(2013年)
滋賀県果樹組合連合会が『紅式部』という名前でブランド化に取り組んでいる赤色大粒系ブドウで、着色向上・大粒化・脱粒抑制等を目的に試験に取り組みました。
〒520-3003 滋賀県栗東市荒張1373-18
交通機関でお越しの方は、JR草津駅よりタクシーで約25分。
車でお越しの方は、栗東インター下車、約20分。