新しい水稲品種の育成、滋賀県における新しい水稲奨励品種を決定するための調査、水稲の遺伝資源の収集と保存を行っています。平成24年度には、極良食味かつ、近年の高温でも玄米が白く濁らない新品種「みずかがみ」を育成しました。「みずかがみ」は、一般財団法人日本穀物検定協会が実施する米の食味ランキングにおいて3年連続最高ランクの「特A」(平成27~29年産)に評価され、実需者からの評価も高まっています。現在は、「みずかがみ」と同等以上に美味しく、気象の変動に強い中生熟期の新品種の育成に力を入れて取り組んでいます。
品種改良には、新しい品種を育成することと、本県に適する品種を選定することが必要となります。このうち品種の選定については開設当初の明治28年から継続して実施しています。
滋賀県における新品種の育成は、品種選定より遅く、大正時代に入ってから本格的に行われるようになりました。
一般に、人工交配から新品種が誕生するまで10年以上の歳月を要します。滋賀県では年間に約40組合せの交配を行い、新品種育成を進めています。
気象変動に対応した水稲品種を育成するために、高温登熟性検定ハウスにおいて、高温でも米の品質が低下しない系統選抜試験を実施しています。
本県で育成した極良食味の水稲品種「秋の詩」はいもち病に弱いことから、連続戻し交配技術とDNAマーカー選抜技術を用いて、いもち病に強い「秋の詩」の育成をすすめています。
本育種プログラムは愛知県・(独)農研機構および(独)農業生物資源研究所・(独)農研機構がそれぞれ開発した特許技術の使用許諾を受け、実施しています。
組織培養やイオンビーム照射による突然変異誘発技術を利用し、新品種育成を進めています。
平成19年には、培養変異技術を利用し、「雪姫羽二重糯」を育成しました。
水稲、麦類、大豆の他、農業機械、経営評価等に関する研究を行っています。
また、水稲、小麦、大豆の原原種、および原種生産も行っています。
滋賀県で育成した新品種「みずかがみ」について、収量性と外観品質を確保しつつ、極良食味となる栽培方法を研究しています。
水稲の除草剤等の安全使用技術試験
麦類、大豆の多収阻害要因の解明等により、収量・品質の向上対策について研究しています。
野菜全般の安定生産技術の開発に取り組んでいます。
平成30年は、少量土壌培地耕における施設果菜類の高品質化技術の開発と水田野菜の栽培技術確立を行っています。