文字サイズ

滋賀県ホームページ

滋賀に気づいた人INTERVIEW#21 山﨑藍未さん

山﨑藍未さん。東京都→滋賀県。ブランディングディレクター、デザイナー。愛荘町在住。

「クリエイティブの力で、滋賀や地方のモノづくりを底上げしていきたいと思っています。」

服飾学校在籍時に上京し、アパレル業界というクリエイティブな世界でデザイナーとしての研鑽を積んできた山﨑さん。慣れ親しんだ地元滋賀に戻ってくるために、仕事の環境を整え、2021年に満を持して帰ってこられました。地方が大好きだという山﨑さんは、自身が運営するメディアを通して「地方の良いところを見つけ出して守りたい」と語っておられました。

「やっぱり四季を感じられる地元がいいな」と思っていたんです。

__ご職業と簡単な経歴を教えていただけますか。

ブランディングディレクターとして、主にブランドの立ち上げなどに関わるお仕事をしています。
18歳の時に大阪のファッションデザインの専門学校に進学したのですが、在学中にインターンシップの関係で東京校に転籍し、それがきっかけで上京しました。ありがたいことにインターン先のアパレル企業からオファーをいただいたので、卒業後はその会社にデザイナーとして入社しました。その後数社で働きましたが、年齢や経験とともに組織の中で働くことに面白味を感じなくなったんですね。そして、「自分の力でもっとシンプルに働きたい」という思いもあり、31歳の頃に会社を辞めて独立しました。いろいろなご縁もあって、独立を機に自身でブランドを立ち上げたのですが、それ以前から滋賀に帰ることは考えていたんですね。それで、5年ほどブランドの運営をして事業譲渡し、2021年に地元に戻ってきました。都内には通算で16年ほど住んでいました。

インタビュー中の山﨑さん

__以前から滋賀にUターンすることを考えておられたのですね。

元々、関西から出たくなかったんです。最初は京都で着物のデザイナーになりたかったんですが、調べてみると10年は下積み期間があって、その間はほぼ無給に近いと。それは流石に無理だと思っていたら、その頃にちょうどインターン先が見つかったんです。それで東京に出たので、いつかは滋賀に帰って来たいと思っていました。
地元は辺り一面が田んぼなので、夜道を歩いていると星がとても綺麗で、その景色が本当に最高なんですね。小さい頃からそういう景色を観て育ってきたので、東京ではあまり季節を感じられなくて、「やっぱり四季を感じられる地元がいいな」と思っていたんですよ。

__滋賀に帰るきっかけになった出来事はありましたか?

8年ほど前に母親が他界したことが、Uターンを考える大きなきっかけになりました。私は一人っ子なので、いずれ実家をどうにかしなければと思っていたんですね。そういった理由もあって、場所を選ばずパソコン1つで仕事をするイメージをずっと持っていて、それを周りにも言っていました。そのうち、仕事に関しては自分のやりたい形に寄せてこられたので、あとは住環境だけだなと思ったんです。ちょうどブランド自体も事業拡大のタイミングでしたが、私自身は「運営を続けたい」というよりも、「もっと働き方を変えたい」と思っていたので、「環境が良くて、心穏やかに無理せず好きなことができる場所に行こう」と思い、滋賀に帰ってきました。

田舎ならではの良さと新しいエネルギーで良い方向に変わった。

__東京での暮らしと比べて、収入・支出はどのように変化しましたか?

場所を選ばず仕事をするスタイルなので収入は変わりませんが、とにかく支出が減りました。今は実家で暮らしているので、光熱費や食費などの生活費を家に入れていますが、都内で暮らしていた時とは支出面が全く違いますね。タクシーやフードデリバリーなどが無い点で不便さは感じますが、その分無駄な出費をしないですし、車移動のガソリン代や高速代といった交通費がかかるくらいです。あとは、田舎は近所の人が野菜を置いていってくれるじゃないですか。(笑) さらに家庭菜園もあるので、全く買わないで済むときもあるんです。お魚以外のものは東京に比べて圧倒的に安く手に入ると思います。

笑顔でインタビューを受ける山﨑さん


 

__帰ってきて、昔と変わったと感じるところはありますか?

良い方向に大きく変わっているように感じます。田んぼの中に突然古民家が出てくるみたいな感じで、おしゃれで個性的なカフェもありますよね。一つ一つの距離が遠いというのはありますが、田舎ならではの良さと新しいエネルギーとが相まって、素敵な場所がたくさんできていると思います。

インタビューを受ける山﨑さん


 

地方の良いものをクリエイティブの力で広めたい。

__ご自身で運営されている地方の魅力を発信するメディア「alil zine(アリルジン)」は、どんな思いで始められたのですか?

とにかく地方が好きなんですよ。地方には、職人さんが作るすごく良いものがあるのに、それを上手くPRできていないということがよくあると思うんですね。それをクリエイティブの力で何とかしたいと感じています。もちろん、広まりすぎるとビジネスライクになってしまうので、広まらない良さもあるのですが、守るためにはある程度広めないといけない。そういうものに対して、自分の今までやってきた経験やフィルターを活かして、滋賀のモノづくりや、将来的には地方のモノづくりを底上げしていきたいと思っているんです。私自身もalil zineを通してインプット・アウトプットをしていって、地方の埋もれているプロダクトや活動、フードロスといった社会問題などを共有できるプラットフォームになれば良いなと思っています。

山﨑さんが運営するメディア「alil zine」のインスタグラムページ


 

__今山崎さんが関わっている地元のプロダクトなどはありますか?

クラウドファンディングでたまたま見つけた地元愛荘町の日本酒のPRに関わっています。秦荘(現在の愛荘町)産のお酒があったなんて知らなかったので、私自身もクラウドファンディングに参加したのですが、ぜひ運営側として関われたら嬉しいなと思って「パッケージデザインをさせてください」と連絡を取ってみたんです。それがきっかけでお手伝いをさせていただいています。
そういった地元の良い場所やモノを広めていく活動は、メディアの運営と同じく、「ビジネスとは違う感覚を持って地元に還元していきたい」と思っているので、どんどんやりたいですね。

笑顔の山﨑さん


 

__最後に、これから移住を考える人へアドバイスをお願いします。

まだ滋賀に来たことが無いという人は、是非移住を体験しに来て欲しいですね。同じ滋賀でも地域ごとに活動方法やスピード感、空気感も違うし、そういうことを下調べするために、移住が体験できるようなイベントを活用して実際に足を運んでみるのが良いと思います。自分から1歩入ってみて、ダメだったら出たらいいと思いますし、旅行とはまた違った視点で情報収集をするのがおすすめです。

遠くを見つめる山崎さん


 

滋賀じゃないとできないこと

四季を感じられるところと、湖岸をドライブできるところ。
地場野菜やお米・お酒など、地元の食が堪能できるところが最高です。

古墳公園の桜


 

ある一日のスケジュール

  • 7時30分起床、白湯を飲みながら瞑想やストレッチ


 

先輩移住者インタビュー一覧