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支援者インタビュー:大津商工会議所 経営指導員 田中裕大さん

プロフィール:

滋賀県大津市出身。大学を卒業後、地方銀行に就職し9年半勤務。その後、医療法人での採用担当を経て、2019年に大津商工会議所に入社。2年間で20名ほどの起業支援を担当した。融資や補助金などの経営相談から、セミナーの企画・運営なども行う。

「創業はゴールでなくスタート。自分に合う“勝ち方”を考えましょう!」

自分が生まれ育った街で頑張る人の手助けができればと、商工会議所の経営指導員になった田中さん。「はじめはしっかり頼ってもらい、5年後には商工会議所に頼らず、自立してもらえるのが理想」だと話します。簡単に答えを出すのでなく、ときには厳しいこともはっきり伝える田中さんのもとには、かつて支援した経営者たちが、いまも親しみを持って報告や相談に訪れています。

___お仕事の内容を教えてください。

融資や事業計画の策定など、起業する方に必要な経営相談全般を担当しています。特に融資に関しては銀行員も経験しているので、どうすれば融資にOKが出やすいのかなど、前職の知識や経験が役に立っています。銀行員のころと違ってここでは、自分の成績をあげたいなどの損得勘定を挟まず、純粋に事業者さんの立場にたって相談に専念できるのが嬉しいです。

その人が何に困っているかをくみ取り、「エキスパートバンク」等の制度を使って、公認会計士や税理士などの専門家を派遣することもあります。商工会議所で完結しないことも含め、トータルで支援するのが私たちの仕事です。

 

___サポートするうえで大切にしていることは?

“勝ち方”に正解はない、だから僕は、負けない考え方をお伝えして、その人に合った“勝ち方”を一緒に考えるようにしています。本屋さんに行くと、成功者が書いたビジネス本がたくさん並んでいますよね。もし、世の中に正しい勝ち方がひとつしかないなら、成功本はこんなにたくさん並ばないはず。つまり勝ち方は人それぞれに違うんです。

なので、逆に“負けない方法”を考えることに正解があるのではないかと思っています。資金は余裕をもって準備する、人脈を大切にするなど、まずはみんなに共通する負けない方法をお伝えすると同時に、常に、自分で考える癖をつけてもらうようアドバイスしています。後で話を聞くと「最初は厳しかった」なんて言われることもありますが、その方の成功に繋がることが一番だと考えています。

 

___起業を目指す人へメッセージをお願いします。

必ず、相談できる人を見つけてください。起業する人の最大の弱みは、起業の経験がないことです。統計上、創業から1年で廃業する人は全体の約30パーセントですが、商工会議所の会員様はその割合がぐっと下がっています。支援機関はもちろん先輩経営者など、相談できる相手はできるだけ多く持っていてください。

 

〇あなたを支える言葉

学生の頃に聞いて、本当にその通りだなとずっと心に残っている言葉です。何かを変えたい、人を動かしたいと思ったら、まずは自分の行動を変えてみる。過去を反省するのはいいけれど後悔はせずに、自分の手で未来を切り開いてください。

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