滋賀県では、「琵琶湖をはじめとした自然と歩みをそろえ、ゆっくり、ていねいに暮らしてきた、滋賀の時間の流れや暮らしを体感できる、“心のリズムを整える新たなツーリズム”」を「シガリズム」として推進しています。この「シガリズム」の推進にあたり、観光関連事業だけでなく、農林水産業や地場産業などに深く携わってこられた方々が紹介・提供する「その季節、その土地でしかできない」体験を「シガリズム体験」として創出しています。
今般、木地師発祥の地といわれる滋賀県で受け継がれる轆轤(ろくろ)の技術を生かした独楽づくりの見学と色付け体験がシガリズム体験として商品化し、ホームページから申込み可能となりました。
「シガリズム体験」を始めたのは、滋賀県長浜市で「いろ色(いろ)浜(はま)独楽(こま)」と名付けたカラフルな独楽を作っている、昭和25年創業の片山木工所です。昭和25年創業で、木地師の技を用いて茶筒(ちゃづつ)や茶托(ちゃたく)などの木工品を作ってきた工房を受け継いだ二代目片山(かたやま)喜一(きいち)さんが平成元年から、気軽に手にとってもらえる木工品として、カラフルなオリジナルの独楽を制作・販売し始めました。体験コースでは、片山さんが削り出す無垢の独楽に絵付けをする体験ができます。
日本全国に様々な独楽があるなか、各産地とは一味違った、ここにしかない独楽を作りたい、という思いから二代目片山(かたやま)喜一(きいち)さんのもと、オリジナルの独楽づくりに着手。「回転がよくなるように」という意味合いからお店の開店祝いなどにも最適で、今では東京や九州から、わざわざ工房を訪ねてこられる人もおられるほどの人気の品になっています。
素材に使うのは、滋賀県米原市の伊吹山麓で育ったサクラの木。伐採されたサクラを製材所で切り、2〜3年乾燥させたあと、角材に加工して桟(さん)積み(づみ)にし、さらに2〜3年乾燥させて、ようやく独楽づくりの素材の木材となります。
その木材に、轆轤を使って刃物を当て、丸い形に削り出し、真ん中に穴を開け、桜の木の硬い部分で作った心棒を刺して独楽の原型を作ります。さらに形を整え、溝を掘ったり凹凸を施すことで、一つひとつ形の違う、オリジナルの独楽が出来上がります。
「いろ色浜独楽」の特徴は、なんといってもそのカラフルな色彩です。この絵付けを担当しているのが、片山喜一さんとともに木工所を支える妻しげ子さんです。
木工品の塗装というと、伝統的には漆(うるし)が用いられますが、色数が少なく鮮やかさが出せないことや、どうしても高価になってしまうため、気軽に手に取ってもらえるようにと鮮やかな色合いの出せるアクリル塗料を使って絵付けをしています。
赤、オレンジ、黄色、緑、青といったレインボーカラーをベースに、一つひとつ形の違う独楽にあわせて、色合いやバリエーションが生まれていきます。回転台の上に独楽を置き、くるくると回る独楽に絵の具を含ませた筆を置くと、くるっと丸く線が描けます。太さや色の組み合わせなど、無彩色の独楽を前に、いろんな発想が出てくる楽しい作業です。
世界で一つだけ、「いろ色浜独楽」を手作りしてみませんか。木のぬくもりを感じるコロンとした愛らしい形と鮮やかな発色の独楽は大切なお子様やお孫様へのプレゼントに最適。また長浜への旅の思い出として、ご自身で作ることができる「滋賀県伝統的工芸品」をご自宅にお持ち帰りください。
・料金:1名あたり3,700円~(50mm)、4,400円~(70mm)、5,600円~(90mm)
・行程:工房見学(約30分)→独楽を選び絵付け体験(約40分)→乾燥(約30分)
工房見学では、工房内に並ぶ刃物も見せてもらえます。轆轤を使って四角い木材から丸い木工品を作りあげる過程で重要な役割を果たすのが刃物です。昔から、木地師が使う刃物は鍛冶屋に頼まず、自らの手で作るのが一般的とのこと。片山さんの工房にも、様々な種類の刃物が並んでいます。「自らの手仕事、作りたいものの形にあわせて、木地師自らが刃物も作った」というだけあり、その数には驚かされます。そうした、道具へのこだわりも、世界に一つだけの、「いろ色浜独楽」を生み出す要因のひとつとなっています。
下記ホームページにてお申し込みください。
シガリズム体験:https://www.biwako-visitors.jp/shigarhythm-activity/
片山木工所
〒526-0023 長浜市三ツ矢町7-7
TEL:0749-62-9804 / FAX:0749-62-9841
HP:http://iroirohamakoma.jp/