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令和4年度病害虫発生予察特殊報第1号(クロテンコナカイガラムシ)の発表について

~クロテンコナカイガラムシの発生を県内で初めて確認~

侵入害虫「クロテンコナカイガラムシ」の特殊報を発表

 令和4年8月に近江八幡市内の露地栽培のトマト、ナス、ピーマンにおいて、コナカイガラムシ類の寄生が認められました。採集した成虫を滋賀県病害虫防除所において同定した結果、海外原産のクロテンコナカイガラムシであることが確認されました。本県では、本虫の発生確認は初めてであるため、病害虫発生予察特殊報1)第1号として発表しました。

 

特殊報:県内に今まで発生が確認されていなかった病害虫を発見した場合や、病害虫が今までとは違う特異的な発生をする現象が認められた場合に発表しています。

形態および生態について

 雌成虫の体は楕円形で、翅を持ちません。白色でワタ状のロウ質物を背面に分泌するため、全体が白く見えますが、背面の一部にロウ質物が薄い部分があり、2対の黒斑があるように見えます。体長は通常3~4.2 mm程度です。

 本虫は中南米原産ですが、世界各地に発生が広がっています。国内では、平成21年に沖縄県で初めて発生が確認され、本県を含む計15府県で発生が確認されています。

 多種の植物に寄生することが知られており、国内では、トマト、ナス、オクラ、ピーマン、ホウレンソウ、花きなどで発生が確認されています。植物の葉、茎や果実に寄生し、吸汁により植物を衰弱させるほか、分泌した甘露2)が果実の汚れや「すす症状」発生の要因となります。

 

甘露:糖分を多く含んだ排泄物のこと。

防除対策

 本虫の発生を確認した場合、寄生部位を早期に除去し、除去した部位は、ほ場外に持ち出し土中に埋めるか、袋に密閉した上で処分するなどして処理しましょう。また、本虫はキク科雑草などにも生息するため、ほ場内および周辺の雑草の除草を徹底しましょう。

 薬剤による防除を行う場合、発生を確認後、早期に散布を実施しましょう。なお、令和4年10月11日現在、ナスおよびピーマンではコナカイガラムシ類に対する登録農薬がありますが、トマトで登録のある農薬はありません。トマトで発生を確認した場合は寄生部位を除去し、適切に処理しましょう。

お問い合わせ
滋賀県病害虫防除所
電話番号:0748-46-4926・6160
メールアドレス:[email protected]
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