住み慣れた地域で安心して生活を営むために何より大事なことは、一人ひとりが尊重され、互いに相手の立場に立って考える心を持つことです。そのためには、「すべての人のため」を目指すユニバーサルデザインの考え方が広く理解されるとともに、ユニバーサルデザインの推進を中心になって担う人材育成を進めることが大切です。
これまでの主な取組
(1)県内の福祉団体、地域団体など約120の関係団体で構成する推進会議における福祉のまちづくり研修会の実施
[実績]参加者数:H28 124人、H29 42人、H30 82人
(2)みんなで進めるユニバーサルデザイン探検隊事業の実施
[実績]施設等訪問:R1 4施設、事例集発行:1,000部
(3)外見からわからなくても配慮を必要とすることを知らせるヘルプマークの普及啓発
[実績]配布数:H29 1,978個、H30 3,186個、R1 3,195個、R2 2,700個
(4)滋賀県福祉用具センターにおける高齢者疑似体験、車いす体験の研修
[実績]参加者数:H18~R3 10,296人
(5)福祉学習の推進
[実績]福祉学習の実施状況:小学校 H28 77.8%→R2 90.8%、中学校 H28 73.8%→R2 90.3%
(6)事業者や地域の団体が障害のある人に必要な合理的配慮を提供するためにかかる費用の助成事業を実施
[実績]助成件数:R1 181件、R2 8件
(7)「滋賀県障害者差別のない共生社会づくり条例」に関する職員向け研修の実施による障害者への理解促進
[実績]研修参加者数:R1 452人、R2 313人、R3 488人
現状と課題
指針の策定から18年が経過しましたが、ユニバーサルデザインの理解が十分広がっているとは言えず、ユニバーサルデザインに接する機会を増やし、理解を広めることが必要です。
平成29年度から導入しているヘルプマークについては、その配布により認知が拡大しています。
小中学生をはじめ幅広い年代において福祉を学ぶための支援が必要です。
県職員が障害や国籍、性の多様性等に起因する差別解消に主体的に取り組めるよう、引き続き研修等の機会を通じて、周知が必要です。
目指す方向
県民一人ひとりによる共生社会の実現に向けて、ユニバーサルデザインや障害の社会モデルの考え方を様々な方法により広く県民に周知し、理解を広めます。
外見からはわかりにくい障害など困難を抱えている人に対する理解促進を図ります。
現状と課題
ユニバーサルデザインの推進にあたっては、県民、事業者、民間団体の理解と主体的な活動が欠かせないことから、意見、情報の交換の機会を設けてより多くの方々の意見を反映させる必要があります。
目指す方向
「Nothing about us without us(私たちのことを私たち抜きで決めないで)」という障害者権利条約の理念のもと、ユニバーサルデザインを進めるために、様々な場面で利用者の声が反映される機会の確保や、利用者が参画する仕組みを活用することにより、常に改良を続けていくという取組に努めます。
イベントや会議等のユニバーサルデザイン化を図ることで当事者参画を推進します。
現状と課題
すべての県民が、様々な場でユニバーサルデザインについて、学ぶ機会を持つことができ、またその機会を増やしていくことが必要です。
小中学生をはじめ幅広い年代において福祉を学ぶための支援が必要です。
県職員が障害や国籍、性の多様性等に起因する差別解消に主体的に取り組めるよう、引き続き研修等の機会を通じて、周知が必要です。
目指す方向
ユニバーサルデザインの考え方について、子どものときから生涯を通じて、学校や地域、職場等で学習する環境づくりを進めます。
すべての児童・生徒がわかりやすく学習できるよう、授業のユニバーサルデザイン化を促進します。
障害のある子どもと障害のない子どもがともに学ぶ環境づくりを進める中で学校におけるユニバーサルデザインの意識の醸成を図ります。
施設の設置者、施設の整備に携わる事業者、製造事業者、交通事業者など様々な人を対象にユニバーサルデザインの意識づくりを広げます。
地域や職場などでユニバーサルデザインを推進するリーダー、ボランティア活動に参加するNPOをはじめとする民間団体の育成に努めます。
率先してユニバーサルデザインに基づく行動を実践できるよう県職員の人材育成を行います。