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第2章 滋賀が進めるユニバーサルデザイン(テキスト版)

1 基本目標

~だれもが住みたくなる福祉滋賀のまちづくりをすすめるために~

誰もが自分らしく幸せを感じられる「健康しが」の実現

滋賀県では、ユニバーサルデザインを県政推進の前提となるような基本的な考え方の一つとして位置づけ、基本目標を定め、目標達成に向けた基本方針および基本姿勢を以下のとおりとします。

2 基本方針

(1)だれもが取り組むユニバーサルデザインの推進

(2)だれもが暮らしやすいまちづくりの推進

(3)だれもが使いやすいものづくりの推進

(4)だれもが満足できるサービス・情報の提供の推進

3 基本姿勢

(1)多様な人々の違いを認め合い、だれもがその人らしく活躍できる共生社会の実現を目指します。

(2)先駆的に取り組んできた先人たちの福祉実践や、障害者福祉施策を基礎に検証しながら、新しい社会課題に積極的に取り組みます。

(3)県、市町、県民、事業者、民間団体の連携と協働による取組を進めます。

(4)障害者権利条約で提起された考え方を根底に取組を進めます。

(5)「持続可能な開発目標(SDGs)」および「すまいる・あくしょん」の視点を生かした取組を進めます。

〔注釈〕SDGs:2015年9月に国連で採択された、2016年から2030年までの国際目標。「誰一人取り残さない」社会の実現を目指し、経済・社会・環境をめぐる広範な課題に総合的に取り組むため、先進国を含む国際社会全体の目標として、2030年を期限とする包括的な17の目標(Sustainable Development Goals: SDGs)を設定

〔注釈〕すまいる・あくしょん:2020年に策定した、コロナ禍の子どもの声から生まれた、子どもの笑顔を増やすために、子どもから大人までだれもが取り組める行動や方法、条件などを示すもの。『子どもが自分自身のために行動できること』『子どもが必要としていることに対して大人が行動すること』という2つの視点から、7つの行動指標(あくしょん)を策定

持続可能な開発目標(SDGs)

本計画は、「SDGs」の17の目標のうち、以下に掲げる目標が主に関係しています。

3 すべての人に健康と福祉を

4 質の高い教育をみんなに

5 ジェンダー平等を実現しよう

8 働きがいも経済成長も

10 人や国の不平等をなくそう

11 住み続けられるまちづくりを

16 平和と公平をすべての人に

17 パートナーシップで目標を達成しよう

すまいる・あくしょん

本計画においては、以下の未来につながる7つの「あくしょん」の視点で推進します。

01 感染症を正しく知って行動しよう

02 今の気持ちを伝えよう

03 自分も周りの人も大切に

04 頼れる人や場所を見つけよう

05 身体を動かしてしっかり遊ぼう

06 わくわく感動する気持ちを持とう

07 オンラインを上手に活かそう

〔参考〕みんなで取り組むユニバーサルデザイン

ユニバーサルデザインの考え方の基本となるのは、様々な人の利用や、その使いやすさなどについて、「はじめから」考えて計画、実施することです。また、結果はもちろん大切ですが、それと同時に結果に至るまでの過程、その結果を維持、継続する過程、さらに良いものに改良していく過程での取組そのものも大切にしています。

「はじめから」の発想

ユニバーサルデザインは、事後対応ではなく、「はじめから」考えて、すべての人が生活、活動しやすい環境づくりを行うものです。事業を実施するときに、「はじめから」すべての人を想定することにより、高齢者用、子ども用、障害者用などと利用者を限定するのではなく、様々な人が使いやすいものとすることを可能とします。また、将来にわたりどのように利用されるか想定して取り組むことにより、環境負荷を低減させることができ、将来にわたって持続可能な社会を次世代へと引き継いでいけることになります。

「終わりなき」取組

ユニバーサルデザインは、はじめから、すべての人が利用可能なように計画、実施するという考え方ですが、そのためにはどのような方策が考えられるのか、それが困難な場合にはどのような代わりの案が考えられるのかなど、目標に向けてより多くの人が参画し、様々な意見を聴きながらより良いものにしていこうという過程やその姿勢が重要です。また、できあがってしまえばそれで終わりというものではありません。作り上げたものの機能を低下させないよう維持し、さらに改良できないか絶えず考えることが重要です。