目指す方向
多くの人が利用する施設の整備にあたっては、「Nothing about us without us(私たちのことを私たち抜きで決めないで)」という障害者権利条約の理念のもと、計画段階から利用者のニーズ把握や意見交換を行い、ユニバーサルデザインの考え方に基づいて、だれもがより利用しやすい施設となるよう推進します。
施設設置者や施設整備に携わる事業者などに対する意識啓発を行い、施設の機能を維持するとともに、職員等の接遇意識の向上に努めることで、さらに利用しやすい施設に改良していきます。
「ひと中心のまちづくり」を目指し、安全、安心で安らぎのあるまちづくりの実現に向けて、また、みんなが憩える空間やそこに至る経路も含めたユニバーサルデザインの導入を進め、まち全体の連続的、一体的な施設整備などを行っていきます。
「だれもが住みたくなる福祉滋賀のまちづくり条例」に規定する整備基準への適合だけではなく、より望ましいとする整備を目指すための取組を行います。
公共の交通機関や建物、公園等におけるバリアフリー化、ユニバーサルデザイン化の取組を進めます。
だれもが安全・安心で快適に楽しめる観光地の受入環境整備に取り組みます。
県における具体的な取組例
市町によるバリアフリー法に基づく、「バリアフリー基本構想」や「移動等円滑化促進方針(バリアフリーマスタープラン)」の策定を支援
国の建築設計標準等を参考に「望ましい基準」をわかりやすく掲載した「施設整備マニュアル」の活用を促進
不特定かつ多数の人が日常的に利用する公共的施設の整備に関して、「福祉のまちづくり条例」に定める整備基準への適合を推進し、人にやさしい福祉のまちづくりの考え方を普及
県庁舎におけるバリアフリー化・ユニバーサルデザイン化の進捗調査
車いす使用者等用駐車場利用証制度に基づく対象区画設置および駐車場登録の協力依頼
庁舎等については、滋賀県公共施設等マネジメント基本方針に基づき、整備する必要性の高い施設においてエレベーターやバリアフリートイレを設置
県立学校については、トイレの洋式化を進めるとともに、バリアフリー法に基づき、バリアフリートイレやエレベーター、スロープ等を設置
わたSHIGA輝く国スポ・障スポの市町の競技会場施設におけるバリアフリー化への財政支援
県立施設における当事者参画の実効性を確保するPFIによる建築設計
県立施設におけるカームダウン/クールダウンルームの設置検討および市町・事業者等に対する普及啓発
県営都市公園において、駐車場、園路およびトイレのユニバーサルデザイン化を推進
インバウンドに対応した、ウェブサイトの多言語化や地域の実情に応じた多言語案内、デジタルサイネージの整備、施設での多言語解説の整備などの促進
食品アレルギー等健康関連の表示や屋外における受動喫煙防止対策への取組、バリアフリー化など、だれもが安全、安心で快適に楽しめるユニバーサルツーリズムに向けた環境整備等の推進
市町に期待される取組例
公共施設やまち全体の整備に関して、行政間や事業者などとの連携を図ると同時に、住民の参画や意見交換を行う仕組みづくり
施設の設置者や整備に携わる事業者に対するユニバーサルデザインに関する意識啓発や知識向上の支援
「施設整備マニュアル」の望ましい整備基準等に関する各種相談に応じる体制整備
既存施設について、スロープや手すりの設置、車いす使用者やオストメイト、乳幼児連れの人などだれもが利用できるトイレ、エレベーターやエスカレーターの整備など、ユニバーサルデザインの考え方に基づく計画的な整備
民間施設のユニバーサルデザイン化に対する支援
ユニバーサルデザインの考え方による優れた施設の表彰
公共的施設の建築設計面でのユニバーサルデザイン普及に向けた設計マニュアルの作成およびその啓発
「淡海ユニバーサルデザイン点検プログラム」を活用した、利用者の視点による継続的な施設チェック、および事業者、民間団体に対する同プログラムによる施設チェックの普及啓発、導入促進
ユニバーサルデザインの考え方の導入による公園、観光地等の整備および情報発信
だれもが安心して、快適に休憩したり交流したりできるような空間の整備
多様な児童生徒が過ごし、また災害時の避難所としての機能を持つ公立小中学校等のバリアフリー化の推進
県民に期待される取組例
施設整備にあたっての意見等の積極的な提案
県、市町の公共事業などのまちづくり関係施策に協力するよう努めること
公共の空間について、管理運営への主体的、積極的な参加
事業者・民間団体に期待される取組例
施設整備にあたって、基本設計段階から利用者の意見を聴くなど、だれもが利用しやすいよう配慮すること
施設整備にあたっての意見や提案等を求められる場への積極的な参加
施設設置者に対し、「だれもが住みたくなる福祉滋賀のまちづくり条例」やユニバーサルデザインの趣旨についても説明し、理解や協力を得るよう努めること
「身体障害者補助犬法」の趣旨を理解するための事業所内、業界内での普及啓発および利用者への周知
「淡海ユニバーサル点検プログラム」を活用した継続的な施設チェックおよび同点検プログラムによる施設チェックの普及啓発
「バリアフリー法」、「だれもが住みたくなる福祉滋賀のまちづくり条例」の整備基準に適合させること。また、既存施設であっても、ソフト面での対応を含めて、ユニバーサルデザインの考え方に基づき見直すこと
県、市町の公共事業などのまちづくり関係施策に対する協力
公共的空間や、観光地等に関わる事業者等は連携して、ソフト面もあわせて、ユニバーサルデザインの考え方に基づき見直すこと
目指す方向
「バリアフリー法」や「だれもが住みたくなる福祉滋賀のまちづくり条例」などに定める基準への適合を促進し、個々の施設整備にとどまらず、だれもが安全で快適に移動できる線的、面的基盤の整備を推進します。
だれもが安心して移動しやすいまちづくりを進めるために、公共交通機関や道路等における必要な整備を推進します。
国、県、市町等の道路管理者および交通事業者は一層連携して、だれもが円滑に移動できるような交通ネットワーク形成を図ります。
様々な場面で利用者の声が反映される機会の確保や参画する仕組みづくりを検討し、だれもが気軽に外出できるよう、ユニバーサルデザインの考え方に基づいた地域の公共交通、休憩できる場所、公衆トイレ、信号機等の整備を計画的に進めます。また、案内標識や案内表示についても、だれもが簡単に理解できる表示方法や色彩、設置場所などに配慮して整備するよう努めます。
すべての人にとってわかりやすく使いやすい交通の実現に向けた交通施設のユニバーサルデザイン化の促進により、だれもが便利に出発地から目的地まで様々な交通機関を円滑に組み合わせて利用できる、シームレスな(継ぎ目のない)交通体系を構築します。
県における具体的な取組例
安全で安心して利用できる歩道等の構造等を示した「近江の道づくりマニュアル」に基づく、段差や勾配などに配慮した歩道等の整備
バリアフリー法に基づく重点整備地区内の特定道路について、スムーズに移動でき、暮らしやすいまちづくりのために、面的な道路のバリアフリー化を推進
バリアフリー基本構想に基づき必要性の高い場所を選定し、音響式信号機などを整備
国のバリアフリー化方針に基づき、鉄道駅のエレベーターや内方線付き点状ブロックの整備等について、市町と連携して鉄道事業者を支援
国との協調支援の仕組みにより、公共交通移動等円滑化基準に適合したバス車両への転換が進むよう、路線バスの車両購入に対しバス事業者へ補助
地方バス路線の運行を確保するため、路線バス事業者やコミュニティバス等の運行事業を行う市町に対する補助
地域の生活交通を確保するため、交通不便地を対象としたデマンド運行型のコミュニティバス等の運行事業を行う市町に対する補助
市町に期待される取組例
積極的な情報公開と、計画段階から事業実施後も、地域住民や道路利用者等との協働による住民参加型の道づくり、および様々な分野からの意見をもとに、行政間で連携した道路整備の推進
利用者によって相反するニーズに対して、様々な意見を聴きながらユニバーサルデザインの考え方を取り入れた歩道の設置基準を策定
「バリアフリー法」に基づく基本構想の策定を進め、駅の整備だけでなく、駅を中心とした駅前広場や周辺道路の連続的、一体的な整備の促進
事業者等と連携した地域における公共交通のあり方検討、旅客施設等の建築設計面でのユニバーサルデザイン普及に向けたガイドライン等の作成
駅舎のユニバーサルデザイン化、路線バスにおける低床バス導入に対する支援
身体障害者等の自動車免許取得、自動車改造・購入に対する支援
重点整備地区を中心とした歩道の設置、段差や勾配解消、舗装面の改修や電線の地中化等の推進
積雪による歩道幅員の減少や凍結による転倒の危険性の増大等、冬季特有の障害について、駅、市街地、通学路等特に安全で快適な歩行空間の確保が必要な箇所における歩道等の除雪の重点的実施、および地域の協力体制づくりの推進
視覚障害者用付加装置、高齢者等感応信号機、歩行者用支援装置、歩行者感応信号機、昇降装置付立体横断施設等の整備
視覚障害者の移動の安全、利便性を支援する歩行者音声案内システムに関して、地域の特性に応じたシステムの有効性や適切な案内情報の提供方法を検討するための社会実験の実施
道路や施設の案内表示について、関係機関と連携したユニバーサルデザインの観点での整備(内容、表示方法、色彩、設置場所、連続性、絵文字・外国語・ふりがなの併記等)
バリアフリートイレの設置状況把握と、そのマップ作成や設置の計画的促進
県民に期待される取組例
公共交通機関や道路の整備等に関して意見等を積極的に提案
歩道や点字ブロックの上に自転車を置く、車いす使用者駐車区画に車いす使用者でない人が駐車するなど、移動の妨げとなる行為をしないこと
困っている人を見かけたら自ら積極的に声をかけ、手助けすること
公共交通機関をできるだけ利用すること
歩道清掃、除雪等への協力
いつも公衆トイレが気持ちよく使えるよう維持管理への協力
事業者・民間団体に期待される取組例
利用者の声を聴き、だれもが利用しやすい旅客施設の整備を行うこと
旅客施設や道路等の整備に携わる事業者として、施設の管理者に対し、ユニバーサルデザインの観点に基づく必要な改善等の提案
交通機関や道路の整備等に関して意見や提案等を求められる場への積極的な参加
民間団体にあっては、旅客施設や道路等について利用しやすいさをチェックし、交通事業者や道路管理者に改善を要望すること
施設整備を行う場合には、行政や他の事業者等と連携して周辺との連続性に配慮するとともに、利用者が鉄道とバスなど複数の交通機関を乗り継ぐ際などにも、旅客施設の中で円滑に移動できるよう十分配慮すること
「バリアフリー法」、「だれもが住みたくなる福祉滋賀のまちづくり条例」の整備基準に適合させるよう努めること。また既存施設であっても、ソフト面の対応も含めて、ユニバーサルデザインの考え方に基づき見直すこと(再掲)
鉄道駅におけるホーム柵、エレベーター等の設置などによる一層のバリアフリー設備整備
歩道パトロールの実施、歩道の段差解消
目指す方向
「住まい」のユニバーサルデザイン化に関する情報を積極的に提供するとともに、住民に身近な相談窓口が有効に活用されるよう努めます。また、住宅のつくり手などには、ユニバーサルデザインについて啓発したり知識を広めます。
公共賃貸住宅のユニバーサルデザイン化を率先して推進します。
県における具体的な取組例
バリアフリー化等のリフォームに係る相談体制の充実や幅広い世代の方を対象にしたセミナーの開催等による啓発
住宅確保要配慮者であることを理由に入居を拒まないセーフティネット住宅の普及や登録促進
〔注釈〕「住宅セーフティーネット法」および省令に定めのある方に加え、以下の方を対象と定めている。
指定難病患者・要介護要支援認定を受けている者・児童養護施設退所者・犯罪をした者等・住宅確保要配慮者に対して必要な生活支援を行う者・海外からの引揚者・新婚世帯・原子爆弾被爆者・戦傷病者、LGDB・UIJターンによる転入者・妊婦・被災地からの避難者(発災後3年以内)
滋賀県障害者差別のない共生社会づくり条例 抜粋
(3)障害を理由とする差別正当な理由なく障害または障害に関連する事由を理由として障害者に対して行う次に掲げる行為または合理的配慮を行わないことをいう。
ク不動産の取引を行う場合において、不動産の売却もしくは賃貸、賃借権の譲渡もしくは賃借物の転貸を拒み、もしくは制限し、またはこれらに条件を付すこと。
県営住宅においてエレベーターの設置や段差の解消、手すりの設置等、ユニバーサルデザインに配慮した整備の推進
応急仮設住宅において高齢者や障害者が快適に過ごすことができるように段差解消のためのスロープなどの設置
市町に期待される取組例
ユニバーサルデザインを導入した公営住宅整備
災害に強い建物づくりの推進
県民に期待される取組例
住宅建設や改造等の際は、ユニバーサルデザインの考え方を取り入れ、住む人の状況等が変わっても改修可能なようにあらかじめ配慮
住宅事業者や行政などに対して、住宅や住宅設備の改善点等について提案
事業者・民間団体に期待される取組例
ユニバーサルデザインの考え方により建設したモデル住宅の展示
建築主にユニバーサルデザインの趣旨を説明し、理解を得ること
建築や販売を行った住宅の居住者から意見等を聴き、調査研究と今後の取組への反映
利用しやすい住宅設備などユニバーサルデザインの考え方を取り入れた「住まい」の調査研究
ユニバーサルデザインの考え方による住宅の整備およびその普及啓発