だれもが“自分らしく”それぞれの「幸せ」を感じながら住みたくなる、住み続けたいと思えるまちづくりを進めるためには、年齢、性別、能力、言語など、多様な人々の違いを認め合い、一人ひとりが尊重され、その人らしく活躍できるとともに、互いに支え合い、だれ一人取り残さない社会であることが大切です。
ユニバーサルデザインとは、こうした社会を実現するために、すべての人が利用または参加することを前提として、できるだけ多くの人がまち、もの、サービス・情報をすべて使えるよう、また使いやすいようにはじめから考えて計画し、実施するとともに、その後もさらに良いものに変えていこうという考え方です。こうした考え方を踏まえたまちづくりやものづくりを進め、情報、サービスを提供することが求められています。
すべての人が良いと思える状況を作ることは難しいかもしれません。しかし、そうした場合でも状況に応じた代替案を考えるというように、ユニバーサルデザインの考え方には、目標に向けてより多くの人が参加し、より良いものにしていく取組の過程そのものや姿勢も重要なことと位置づけられています。
本県では、ユニバーサルデザインを県政推進の基本的な考え方の一つとして位置づけ、だれもが自分のこととして考え、みんなで取り組みます。
「ユニバーサルデザイン」と比べられる考え方に「バリアフリー」があります。ユニバーサルデザインもバリアフリーも、だれもが快適で自由に行動できる社会を目指すという目標は共通しています。
バリアフリーは、主に高齢者や障害者の方々を対象として、日常生活や社会生活における様々な障壁(バリア)を取り除いていこうという考え方であり、段差解消のためのスロープやエレベーターの設置など、施設の改善をはじめとするいろいろな取組により、これまで行動しづらかった方々の社会参加のために一定の成果を上げています。障壁がある限り、この取組が重要であることに変わりはありません。
ユニバーサルデザインは、様々な人の特性や違いがあることを考慮し、はじめからすべての人が利用することや参加することを前提に計画・実施することにより、様々な障壁を作らないという考え方です。