令和元年11月17日 水抜き作業を行いました。
これは、外来種の駆除と底質環境の改善のために、池の水を全部抜き、冬の間、池干しを行うためです。
水抜きの作業では、地元の方々にもご協力いただき、捕獲した生物の選別、在来生物の保護を行いました。
また、下物ビオトープの生物の生息状況について、琵琶湖博物館の金尾学芸員が解説を行いました。
採集した生物
フナ類(ギンブナ・ニゴロブナ)稚魚 1~2万尾
コイ稚魚 数百尾
ドジョウ稚魚 数尾
ナマズ稚魚 数尾
オオクチバス(外)稚魚 数十尾
アメリカザリガニ(外)数十尾
ミシシッピアカミミガメ(外)数匹
ウシガエルオタマジャクシ(外)数千尾
※(外)は外来生物
生物の生息状況
・フナ類とコイはこの時期にしては小さすぎる。生息尾数が多すぎてエサが足りていないのではないか。
・ドジョウとナマズは初夏まで多かったが現在はほとんどいない。枯れたアゾラ・クリスタータが沈むなどして、底質環境が悪化したことによって多数が死んでしまったのではないか。
・オオクチバスの稚魚が侵入していた。やはり、池干しなしで在来魚にとって良い環境を維持することは困難。
・魚は比較的良い状況だが、哺乳類、両生類、植物、昆虫に外来種の比率が高い。
令和元年8月17日 生物観察会を開催しました。
33名の一般の方々が参加されました。
講師役の琵琶湖博物館 金尾学芸員による解説を受けながら博物館を見学した後、みんなで下物ビオトープに移動して生物採集をしました。
子供達はもちろん、保護者の方々も夢中になっていました。
採集した生物については、金尾学芸員が解説を行いました。参加者の皆さんは熱心に聞き入っておられました。
採集した生物
魚類:フナ、コイ、ナマズ、ドジョウ
貝類:ヒメタニシ、サカマキガイ、ナガオカモノアラガイ
エビ類:スジエビ、アメリカザリガニ(外)
両生類:ヌマガエル、ウシガエルのオタマジャクシ(外)
水生昆虫類:コガムシ、ヒメガムシ、キイロヒラタガムシ、ヒメゲンゴロウ、コツブゲンゴロウ、コミズムシ、コマツモムシ、シオカラトンボのヤゴ、ユスリカの幼虫
陸生昆虫類:トノサマバッタ、エンマコオロギ
※(外)は外来生物
令和元年8月1日 地元の常盤学区の方々が下物ビオトープの見学に来られました。
県琵琶湖保全再生課の職員が、下物ビオトープの概要やヨシの生態的な役割について説明しました。
最後に、ビオトープに隣接する堤脚水路にニゴロブナをみんなで放流しました。ニゴロブナは琵琶湖の沖合で成長し、産卵のために岸辺に戻ってきます。何年か後に、放流したニゴロブナが大きくなってビオトープで産卵してくれるといいなと思います。
令和元年7月4日 大量に繁茂して水面を覆ってしまっている外来植物のアゾラ・クリスタータ(アメリカオオアカウキクサ)の除去作業を行いました。
アゾラ・クリスタータが増えすぎると、プランクトンの減少や底質環境の悪化が起こるため、水中の生物が死んでしまうことがあります。
現時点では、多数のコイ・フナ稚魚、ドジョウ稚魚、ナマズの稚魚が確認できましたが、アゾラ・クリスタータはまたすぐ増えてしまうため予断を許さない状況です。
令和元年5月8日 コイやフナの仔稚魚が大量に泳いでいます。
浅瀬の草陰にはナマズの成魚の姿が見られました。ナマズもコイ・フナと同様に、産卵のためにビオトープに遡上したと思われます。
平成31年4月24日 ビオトープ内を数尾の大きなコイとフナが泳いでいます。産卵のために堤脚水路から遡上したと思われます。
水位調整のための堰板にはコイかフナの卵が付着しており、すでに一部は産卵を済ませたようです。
水中をよく見ると、5mmほどのコイかフナの仔魚が泳ぐ姿も見えます。
下物ビオトープをより気軽に利用していただくために、遊歩道を整備しました。平成31年4月12日には、下物ビオトープの整備・維持管理に寄付をしていただいた株式会社伊藤園の本庄副社長、橋川草津市長、三日月知事によるテープカットやハスの植栽が行われました。