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ヨシ群落の保全

滋賀県琵琶湖のヨシ群落の保全に関する条例について

琵琶湖およびその周辺のヨシは、古来屋根葺きや簾など、生活のなかで利用されるとともに、美しい自然の恵みとして県民や訪れる人々に親しまれていました。そこでは人々とヨシとの深い結び付きが、ヨシの刈り取りを通じてヨシの世代交替を促し、その存続・維持に大きく寄与してきましたが、近年、私たちの生活様式が変化するにつれて、ヨシの産業的利用が衰退し、人々のヨシに対する関心は薄れてきました。

ヨシ群落は、湖国らしい個性豊かな郷土の原風景であり、魚類・鳥類の生息場所、湖岸の侵食防止、水質保全等多様な機能を有しており、豊かな生物相を育み、琵琶湖の環境保全に大きな役割を果たしています。

県では、このようなヨシ群落の多様な働きを見直し、保全することによって、美しい琵琶湖を次代に引き継いでいくため、平成4年3月30日滋賀県琵琶湖のヨシ群落の保全に関する条例(以下「ヨシ群落保全条例」という。)を公布し、同年7月1日から施行しました。

※条例では、ヨシ、マコモ等の抽水植物およびこれらとヤナギ類が一体となったものをヨシ群落と定義しています。

ヨシ群落保全基本計画について

ヨシ群落保全基本計画は、滋賀県琵琶湖のヨシ群落の保全に関する条例の第9条第1項に基づき策定される、ヨシ群落保全の方向性を示す計画です。

県ヨシ群落保全審議会および県議会での議論や、関係市・機関、県民等からの意見・情報(県民政策コメントの結果については、こちら)を踏まえて近年の状況等を内容に反映し、令和3年12月14日に計画改定を行いました。

ヨシ群落保全区域の指定について【守る】

次の条件を備える区域を、ヨシ群落保全区域として指定しています(条例第8条)

  • ヨシ群落があり、自然景観、魚や鳥の生息状況、湖岸の侵食防止ならびに水質の保全という観点からヨシ群落の保全に努める必要があると認められる区域。
  • 周りの自然的条件から、ヨシを植え、守っていけば、ヨシ群落のもつ様々な機能が発揮できると認められる区域。

ヨシ群落保全区域は、さらに次の地域・地区に区分されています

  1. 保全地域(650.2ha)
    ヨシ群落保全区域の中でも、相当規模のヨシ群落を有するか、またはある程度のヨシ群落が存在し、そのヨシを保全することにより、隣接するヨシ群落と一体となって群落を形成することが可能なところ
  2. 保護地区(78.8ha)
    ヨシ群落保全地域の中でも、すぐれたヨシ群落が形成され、魚や鳥などの動物にも有効に利用されており、その生態系の保全を図る上で特に重要であると認められるところ
  3. 普通地域(103.6ha)
    ヨシ群落保全区域の中で、保全地域以外のところ

開発行為やヨシの刈り取り等には手続きが必要な場合があります

ヨシ群落保全区域内で行う開発行為には、指定区分や行為の内容に応じて、許可申請や届出の手続きが必要となる場合があります。
対象となる行為については、条例および同条例施行規則で定めています。

また、同区域内においてヨシ群落保全事業(ヨシ群落の植栽や再生基盤造成、刈り取り・火入れ、ヤナギの伐採等)を行う場合には、その内容を通知していただく必要があります。

手続きの詳細については、こちらのページを御覧ください。

ヨシ刈り等のヨシ群落保全活動の支援について【育てる】

ヨシ群落保全基本計画に基づき、県はヨシ群落保全事業(ヨシ群落の植栽や再生基盤造成、刈り取り・火入れ、ヤナギの伐採等)を実施しています。

また、市町や住民組織等が実施するヨシ群落保全活動についても支援を行っています。

自治振興交付金による支援

市町や自治会などの住民組織がヨシ群落保全区域内で実施する次の事業に対して、市町に交付金を交付します。

詳しくは、自治振興交付金事業を実施している各市町の担当課へお問い合わせください。

  1. ヨシ群落再生事業
  2. ヨシ等の刈り取り事業(ヨシ群落と一体となっているヤナギ等についても、生態系への影響等に配慮のうえ伐採する場合には対象とする)
  3. ヨシ群落保全区域の清掃事業
  4. 上記イ、ウの複合事業

株式会社伊藤園の寄付金を活用した支援

株式会社伊藤園では平成20年から琵琶湖の総合保全を目的として「お茶で琵琶湖を美しく。」キャンペーンを実施されており、売上げ金の一部を本県に御寄付いただいています

この寄付金の一部を活用して、ボランティア団体等が県内で行う次のヨシ群落保全活動に対して奨励金をお支払いします(現在、募集期間外)。

  1. ヨシの刈取り
  2. 指定場所への刈取りヨシの運搬
  3. ヨシの植栽
  4. ヨシの生育の支障となっているヤナギ等の伐採
  5. ヨシの保全にかかる普及啓発

刈り取ったヨシ等の活用について【活用する】

かつて、ヨシ等はあらゆる生活の場で利用・活用されるために刈り取られていました。しかし、生活様式の変化による需要の減少等に伴い、人々による自然への働きかけ(刈り取り)も減少してきています。

そこで、新たな利用・活用法を見いだすための技術開発等に対して、補助を行っています。詳しくは水草等対策技術開発支援事業のページを御覧ください。

また、公益財団法人淡海環境保全財団では、県からの委託で刈り取ったヨシを原料として「淡海ヨシ紙」や「ヨシ腐葉土」を作っており、「淡海ヨシ紙」はポスター用紙、名刺、ハガキとして一般に好評を得ています。

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