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令和2年11月定例教育委員会

開催日時

令和2年11月17日(火曜日) 午前10時00分から午前10時45分

開催場所

県教育委員会室

出席委員

  • 教育長 福永忠克
  • 委員 土井真一
  • 委員 藤田義嗣
  • 委員 岡崎正彦
  • 委員 窪田知子
  • 委員 野村早苗

議事次第

報告
公開 県立高等学校募集定員の公表時期について 魅力ある高校づくり推進室
公開 令和元年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果等の概要について 生徒指導・いじめ対策支援室

会議録

1. 開会

● 教育長から開会の宣告があった。

● 教育長から出席者の確認があり、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第14条第3項の規定により、会議の成立が確認された。

● 事務局から出席者の報告があった。

2. 会議録確認

● 10月16日開催の定例教育委員会に係る会議録について、適正に記録されていることを確認し、承認された。

3. 議事(報告:公開)

● 教育長から、報告事項ア「県立高等学校募集定員の公表時期について」、事務局に説明を求め、事務局から資料に基づき説明があった。

 

● 主な質疑・意見

(藤田委員)

 今説明いただいた定員の件で、例えば湖北から見ると比較的昔から、学生がどちらかというと南の方へ偏る傾向があるが、定員のバランス上、その辺りの整合性はうまくとれるのか。

 

(魅力ある高校づくり推進室長)

 募集定員については、中学校卒業予定者数などをベースに考えている。南の方へ行きがちであることについて、バランスという意味では、それぞれの学校を志望する生徒がどういうところから来ているかを考えながら、募集定員を決めていく必要がある。人気のある学校が南の方にあるということに関しては、学校間のバランスもあるので、大きな学校ばかり残すということではなく、一定のバランス感覚を持って配置していきたいと考えているし、地域の生徒数の動向によっても、募集定員は決めていく必要があると思うので、全体的に勘案しながら検討する必要があると思っている。

 特に南の方に人気のある学校があるという点では、より北の方にある学校も魅力化を図っていく必要があると考えている。

 

(藤田委員)

 できれば南から北の方の高校にも少し流れてくるといいかなという感じはあるが、いろいろと御配慮いただいていてありがたいと思う。

 

● 教育長から、報告事項イ「令和元年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果等の概要について」、事務局に説明を求め、事務局から資料に基づき説明があった。

 

● 主な質疑・意見

(岡崎委員)

 小学校の暴力行為が年々増加している点で、3年続いているので毎年対策を実施していただいていることと思うが、前年度や前々年度で、効果の確認がとれているのか、それとも何をしても増加の傾向が続くのか。その原因がつかめていて、それに対しての対策が十分なのかというところを確認したい。

 

(生徒指導・いじめ対策支援室長)

 小学校の暴力行為の件数は、全国的にも増加し続けている。このことについては、統計調査の難しい部分もあるが、学校の様子を、学校訪問なり市町からの報告等から聞いている中で、どんどん小学校が荒れていっているという状況にはない。なぜこの件数が増加しているかということについては、いじめの認知件数が増加していることと、全く同じとは言えないが、同じような傾向がある。

 これまで小学校では、パニックを起こした子どもが暴れ、その中で暴力行為が起こる場合があったが、なかなか件数としてカウントができていないことが多かったのが実状である。

 例えば、担任が対応して収まっているが、担任は暴力を受けているという状況で終わっていた。しっかりと暴力行為として組織で対応をして、なぜ暴力が起こったか事実確認を行いながら、事例に応じた対応を行うことが、かつては十分でなかったのが、段々とできるようになってきている中で、いじめと同じように認知件数が増えてきている事情がある、という報告を市町から受けている。

 そういった面で、現実問題として暴力行為があることは事実であるが、特に荒れがひどくなっているということはなく、実際の対応として、少しずつだが、特に小学校に配置しているスクールソーシャルワーカーの時間数を増やしたり、これまで小学校は手薄であったスクールカウンセラーの配置についても、徐々に充実を図ることで、個別の対応について充実を図っているところである。

 

(岡崎委員)

 平成28年から29年に増えたが、周知が出来て,感度良く皆さんに吸い上げていただいている。今後平成29年、30年、令和元年は同じような水準で推移するのだろう。件数が大きく伸びるといけないが。

 

(生徒指導いじめ・対策支援室長)

 少し頭打ちになって、できれば、だんだんこれが収まっていくのが理想であると考えている。

 

(野村委員)

 一つ御質問であるが、いじめを認知した学校が96.6%と、ほぼ全ての学校であるが、その中でいじめがないと回答した学校というのはどのような学校か。大規模校であるのか、小規模校であるのか。

 

(生徒指導・いじめ対策支援室長)

 やはりいじめがゼロというのはなかなか難しいことだと思う。当然のことながらいじめがゼロの学校については、市町に確認をしていて、基本的には小規模校が多い。

 ただ、それでも子どもが2人、3人いれば、その中で、いわゆる法で言ういじめが起こる可能性は十分にあるので、丁寧に見ていただくようにはお願いしているし、前年度いじめがゼロであった学校については、県から学校訪問させていただいて、どういう取組をしているのか、確認しているところである。

 

(野村委員)

 先ほど説明いただいたスクールカウンセラーや、ソーシャルワーカーに関して、教育と福祉の連携について、ふれあい教育対談でいろいろなところを訪問したときに、やはりソーシャルワーカーがすごく重要だということを感じたので、力を入れていただきたいと思う。

 

(窪田委員)

 今後、機会があれば考えていただきたいのだが、データを見ると基本的に全国と比べられているので、全国で調査がないからかもしれないが、例えば長期欠席、不登校については特別支援学校でも、調査はしていないということか。

 

(生徒指導・いじめ対策支援室長)

 そうである。

 

(窪田委員)

 データを見ると不登校の要因について、いろいろと学校ごとに見えてくるものがあったり、これが特別支援学校の子どもたちの場合、恐らく学部ごとにあったりする。経年変化を見ていくと、今の教育現場の中で子どもたちが置かれている状況を映す鏡として、そこから見えてくるものや課題ももしかしたらあるのかとか思いながら、見せていただいている。

 どの校種でどういったところを見ていくかを、今後御検討いただきたい。

 

(生徒指導・いじめ対策支援室長)

 特別支援学校については、いじめ以外の項目について、本調査は行われていないのが実状である。ただ、例えば不登校、長期欠席に関わる部分や、暴力行為についても、大事なことであるので、御指摘の趣旨はしっかりと受け止めて、この調査ではないが、県の中での調査や確認を考えていきたいと思う。

 

(藤田委員)

 まず暴力やけんかということに対して、教育委員会として今後の取組をどのようにするかを考えてみると、けんかや暴力は、小学校、中学校、高校、社会に出た大人でもある。また、親子でもけんかはするが、それが暴力に発展すると、教育上良くない。それを今後どのように取り組めばよいかというと、一つは、けんかから学ぶということである。けんかから学ばせるのは、できるだけ早い方が良い。小学校のときにけんかから学んで、中学校、高校では暴力行為をなくすために、けんかから学ぶことを子どもたちに教え、自分が成長していく段階でそれを糧にすることで、けんかの体験がプラスになると思うので、そういったことを委員会として検討すべきだと思う。

 親子間のけんかは悪化すると虐待になってしまう。委員会のテーマではないかもしれないが、虐待というのは親子のけんかの成れの果てだと思う。

 もう一つは個人の能力とか、個人主義を過度に尊重していくと、自分の意見に合わない人と出会うと人間はけんかをしたくなる。自分の言っていることが正しいと考えてしまう。やはり全体の協調や、互いに協力し合う中で、個人が生かされていくということに、目覚めさせていくことが必要。あまりに個人主義が突き進んでいくと、合わない人はけんかの対象になってしまうので、どうすれば教育の中でそれを抑えられるかは考えるべきだと思う。

 もちろんその対策としてスクールカウンセラー等の活用もあるが、子を持つ親の教育があまりないような気がした。私が子どもの頃は、先生と言い合いしても何でも先生が正しかった。先生の言うことを聞かないのが悪いんだ、と親にいさめられたことが、自分の子ども時代にはたくさんあった。そういったことを考えると、子を持つ親の教育というのも、一方でやっていく必要があると思う。それが暴力とけんかについての私の印象である。

 次にいじめの問題について、暴力行為が表面に出てる場合はまだいいが、それが陰険になってくると、いじめとの因果関係が関係あるような気がする。

 いじめの中身についても、統計を見ると、小学校のいじめ、中学校のいじめ、高校以降のいじめと、内容や質が変化していることに、注目すべきである。

 小学校のときは、いじめとけんかの区別がつかないようなことをやっているのだと思う。ただ、中学や高校以上になってくると、SNSを使ったり、携帯を使ったり、いろんな情報処理手段を使いながら、陰険にいじめているということが顕著に出ていると思う。これについては、小学校のときにけんかからから学んでおくことが必要だと思う。

 最後に長期欠席の件であるが、1番大きな問題が、無気力、不安の比率が1番高いことである。

 これは社会的にも非常に問題で、この人たちが社会に出るとほとんどニートになってしまう。ニートをたくさんつくると、社会の中で納税義務が果たせない国民が増えてしまうということである。ニートをつくらないためには、長期欠席をなくしておくことが、全部とは言わないが、有力な手段だと思う。どういった原因で無気力、不安になっているのか分からないが、カウンセリング等によってやる気、ポジティブな気持ちを絶えず持たせることがこの人の個人的な人生の幸せをつくることだと思う。

 教育委員会として意見だけではなく、やはり何かしないといけないと思う。委員会活動を通じて、社会を良くしていかないといけない。

 できるところからやっていって、複雑に絡んだ問題で全てを解決することは難しいが。

 小学校のときにけんかから学ばせることは、大事だと思う。

 

(生徒指導・いじめ対策支援室長)

 小さい時からけんかに学ぶことについて、実際学校現場では、問題行動が起こったときには先生方もチャンスとしてとらえて、丁寧に対応しているし、子どもたち自身もその中で学ぶところがあると思うので、そういった観点は、大事にしていきたいと思う。

 また昨今の取組の中でいわゆる、個を大切にすることについて、個人主義というふうに置きかえられるかもしれないが、その中でもやはり、協調性、協力、集団を意識した取組も行っているので、そこを並行してやっていきたいと思う。

 親の教育については難しいところもあるが、私自身も現場で校長を務めたときには、保護者に伝えたいことがたくさんあって、個別に話をしたり、いろいろな式典で保護者向けに話をする機会もあった。そういったことは大事な視点として取り組んでいきたいと思う。

 最後に長期欠席については、御指摘のとおりである。この問題は、今後の日本全体のことに繋がる部分であるので、もちろん学校に来られることが1番であるが、その子自身の将来の社会的自立を意識して学校では取り組んでいるし、その方向で支援していきたいと思う。

 いただいた意見を参考にしながら取り組んでいきたいと思う。

 

(岡崎委員)

 4ページの生徒間暴力の項目で、小学校でSNSにより悪口を書かれて、それが暴力に発展したというケースがあるが、SNSで悪口を書かれて嫌な思いをする生徒のうち、どれぐらいの数がそういう行動に至ったか、分かるデータはあるのか。

 

(生徒指導・いじめ対策支援室長)

 数値データとしてはない。報告された事例の中に幾つかあったということであり、統計的にどれだけの数かは分からない。

 

(岡崎委員)

 それは特に危機的状況、キレやすくなっている、という危機感があるようなデータであるのか。

 

(生徒指導・いじめ対策支援室)

 これまでは余りなかったが、最近の傾向として、SNSでのやりとりが増加したことを背景として出てきた事例という印象である。

 

(岡崎委員)

 小学生の携帯やスマホの取得率が少しずつ上昇していることから、今後もっと数字が増えるのかと思い、何か対策をしないといけないのではと思った。

 もう1つ、中学校のいじめサミットについて、何回か開催されていると思うが、効果や期待、今後の予定等、良い影響が見られていれば御紹介いただきたい。

 

(生徒指導・いじめ対策支援室)

 県としてのサミットは、平成29年度、30年度に、県内の中学校を半分ずつ、約50校ずつ集めて開催した。昨年度の令和元年度はこれを集大成として、全校、100余りの学校を集めて開催した。

 これで一旦、県としての開催は休止して、これまでの取組を、各学校あるいは各市町で広めていく段階に入っている。数年間の様子を見て再度県で開催するという考えもあるが、現状はそういう状況である。

 効果としては、子どもたち自身が考える、あるいは、いろいろなことを発信することができて、例えばデータには入っていないが、調査の中で、いじめを受けたときに誰に相談しているのか、という項目があるが、誰にも相談していないという回答が、ここ数年で減ってきていることも一つの効果であると思っている。

 また、どういった経緯でいじめが発見されるかという項目では、本県の特徴として、本人が申し出る、または他の生徒が伝えてくれる、という回答が全国平均に比べて高い状況にあることが分かっている。これはサミット等を中心とした子どもたちの活動による取組の成果であると考えている。

 

(岡崎委員)

 こういった活動にいじめられている子が出てくることはないのかもしれないが、大人がこのように真剣取り組んでいるということも、子どもたちの中に常にいじめについての意識を絶やさず、少しでも生徒の中に、そういった思いを持つ子が増えるように、継続して続けてほしいと、親として思う。

4. 閉会

● 教育長から、本日の議事が全て終了した旨の発言があり、閉会の宣告があった。

お問い合わせ
教育委員会事務局 教育総務課企画係
電話番号:077-528-4512
メールアドレス:[email protected]
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