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ダムができるまで

事業フロー図、予備調査から始まり、実施計画調査をへて建設と進みますが平行して地元説明交渉があります。

 地球上の水はたえず循環していて、海や陸上から蒸発した水は雲となり、やがて雨や雪となって地上に降り注ぎ、川をつくり再び海などへ戻ります。私たちは通常、この水の循環の中で陸上にある河川や湖沼などの淡水を利用しています。

一方、わが国の降水量は比較的多いと言われますが、山岳が多く地形が急で降った雨がすぐに海へ流れ出してしまうことや、梅雨、台風などのときに降水が集中して季節的な偏りがあることなどから、川を流れる水の量が大きく変化します。そのため豪雨の時には洪水が起こり、また、雨が少ないと渇水が起こりやすくなっています。

そこで、洪水のときの雨を貯留したり、貯留しておいた水を渇水のときに流すことにより安定した川の流れを確保するために、ダムが計画されます。

以下にダムができるまでの大まかな手順とその内容を説明します。


ダム事業の手順

(表)
予備調査 本格的に詳細な調査を始める前に、ダム建設に当たって必要となる条件などを確認するため、あらかじめ行う調査のことです。・治水計画、利水計画などの計画調査・地元への説明、交渉・地質調査・大まかな設計
予備調査
予備調査イメージ(流量配分図)

(表)
実施計画調査 予備調査の結果、ダムの有用性が確認され技術的にも問題がなければ、ダムの具体的な設計などに必要となる詳細な調査が国庫補助金を受けながら実施されます。・詳細な地質調査・諸調査
実施計画調査
実施計画調査イメージ(ボーリング調査写真)
(表)
地元交渉 ダム計画や工事中に周辺に及ぼす影響、ダムができてからの変化などについて、国や県、市町村などの職員が地元に足を運び十分な説明をします。また、ダムや工事用道路などに必要となる用地を譲っていただくため、職員が地元の方と話し合いをします。
地元交渉
ダム損失補償基準協定書調印式写真

(表)
建設事業 実施計画調査の次には実際の建設段階へ進みますが、次のように工事だけでなく設計や補償もこの建設段階に含んでいます。・詳細調査設計・用地調査、買収、補償・工事用道路などの着工・ダム本体の着工
建設事業
ダム本体工事中写真
(表)
試験湛水 ダムが完成してから試験的にダムに水を満杯まで貯めて、安全性の最終的なチェックを行うことを試験湛水と呼んでいます。(ダムができてから試験をしていて大丈夫かと思われる方もあるかもしれませんが、設計から建設終了までの間、調査と試験を重ねて実施しており、試験湛水のときには既に十分な安全性が確認されています。)
試験湛水
試験湛水写真
(表)
周辺整備 ダムをつくる場合、ダム本体の建設工事だけでなく、多くの人々に利用される公園などのダム周辺環境整備や水源地域の道路などの生活基盤など周辺地域整備も行います。
周辺整備
周辺整備写真
(表)
運用管理 ダムの建設が終わると、管理の段階に入ります。ダムの運用管理には数名の職員が配置され、洪水や渇水に十分対応できるように日ごろから体制を整え、ダムの安全管理を行っています。
運用管理
運用管理写真
お問い合わせ
土木交通部 流域政策局 水源地域対策室
電話番号:077-528-4173
FAX番号:077-523-3613
メールアドレス:[email protected]