○滋賀県企業立地および先端技術研究開発の促進等による成長産業振興条例
令和8年3月26日
滋賀県条例第2号
滋賀県企業立地および先端技術研究開発の促進等による成長産業振興条例をここに公布する。
滋賀県企業立地および先端技術研究開発の促進等による成長産業振興条例
滋賀県は、近畿、中部、北陸の3つの経済圏の結節点に位置する交通の利便性など恵まれた地理的条件を背景に、早くから製造業を中心とした国内屈指の「モノづくり県」として大きな発展を遂げてきた。
しかしながら、近年は、産業用地の不足等が企業立地を進める上で課題となっている。他の都道府県が各地域の特性を生かして企業誘致を図っており、地域間競争が激化している中で、将来的に本県の経済が停滞しないよう、危機感を持って企業立地を進めていく必要がある。また、人口減少、産業構造の変化、革新的な技術の登場等により、本県の経済は転換点を迎えており、迅速かつ的確に時代の変化に適合していくことも求められる。
このような状況下において、本県の産業競争力を高めるためには、分野を見定めながら産業の振興を図っていく必要があるが、とりわけ、半導体をはじめとする将来にわたり安定した需要が見込まれる成長産業については、関連企業の集積、県内に所在する企業との連携、就業の機会の増大、消費の拡大など地域経済の起爆剤となることが期待できることから、成長産業に力点を置いた企業立地の促進が必要となる。また、本県は、大学をはじめとする研究機関が集積しており研究開発において優位性を有しているため、その優位性を生かし先端的な技術等に関する研究開発を進めることにより、その成果が本県の成長産業の振興の大きな基盤となることが期待される。
私たちは、一丸となって成長産業を振興することにより、地域経済を健全に発展させるとともに、県民生活を向上させることを決意し、滋賀県企業立地および先端技術研究開発の促進等による成長産業振興条例を制定する。
(目的)
第1条 この条例は、成長産業の振興について、基本理念を定め、および県の責務等を明らかにするとともに、成長産業の振興に関する施策の基本となる事項を定めることにより、成長産業の振興に関する施策を総合的に推進し、もって地域経済の健全な発展および県民生活の向上に寄与することを目的とする。
(1) 成長産業 技術革新の進展に即応した高度な産業技術を主として利用して行う事業のうち、新たな事業の創出および就業の機会の増大をもたらすことが見込まれるものをいう。
(2) 大学等 大学および高等専門学校をいう。
(基本理念)
第3条 成長産業の振興は、大学その他の研究機関の集積、交通の利便性その他の地域の特性を生かして本県の産業競争力を強化することを旨として行われなければならない。
2 成長産業の振興は、国、県、市町、成長産業の事業者、大学等および県民が適切な役割分担の下に連携し、および協力することを旨として行われなければならない。
(県の責務)
第4条 県は、前条に定める基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、成長産業の振興に関する施策を総合的かつ迅速に策定し、および実施するものとする。
2 県は、成長産業の振興に関する施策の策定および実施に当たっては、国、市町、成長産業の事業者および大学等と連携し、および協力するものとする。
3 県は、教育活動、広報活動等を通じて、成長産業の振興に関する県民の関心と理解を深めるものとする。
(成長産業の事業者の努力)
第5条 成長産業の事業者は、基本理念にのっとり、経済的社会的環境の変化に対応して、その事業を自主的かつ自立的に発展させるよう努めるものとする。
(大学等の役割)
第6条 大学等は、基本理念にのっとり、成長産業を担う人材の養成ならびに先端的な技術等に関する研究開発およびその成果の普及に自主的かつ積極的に努めるものとする。
(企業立地の促進)
第7条 県は、成長産業を実施する企業(以下この条において「成長産業関連企業」という。)の立地を積極的に促進するため、必要な情報の収集、整理、分析および提供、成長産業関連企業に対する資金の供給の円滑化、相談体制の整備その他の必要な施策を講ずるものとする。
2 県は、前項の施策を講ずるに当たっては、成長産業関連企業の需要に的確に対応するよう努めるものとする。
3 県は、成長産業関連企業の立地に必要な土地の確保に資するよう、土地利用の総合調整(土地の利用に当たって必要となる事項に係る総合的な調整をいう。)その他の必要な支援を積極的に行うものとする。
(研究開発の促進等)
第8条 県は、大学等および成長産業の事業者が行う先端的な技術等に関する研究開発が成長産業の振興のための極めて重要な基盤となることに鑑み、大学等、成長産業の事業者等の連携の強化、研究開発の環境の整備に対する支援、必要な情報の提供その他の大学等および成長産業の事業者の研究開発能力の強化に必要な施策を講ずるものとする。
2 県は、前項の研究開発の成果の円滑な企業化を図り、経営の革新および創業を促進するため、必要な資金の供給の円滑化その他の必要な施策を講ずるものとする。
(人材の確保等)
第9条 県は、専門的知識および技術を有する者ならびに主体的な取組および創意工夫を行う者が成長産業の振興に重要な役割を果たすことに鑑み、必要な情報の提供、大学等、成長産業の事業者等の交流の機会の提供その他の成長産業を担う人材の確保、養成および資質の向上のために必要な施策を講ずるものとする。
(学習の振興等)
第10条 県は、子どもをはじめ広く県民が先端的な技術等に対する関心と理解を深めることができるよう、小学校、中学校、高等学校等における技術に関する教育の充実をはじめとする学校教育および社会教育における先端的な技術等に関する学習の振興ならびに先端的な技術等の重要性についての啓発に必要な施策を講ずるものとする。
(国との連携協力)
第11条 県は、成長産業に関する内外の動向を的確に把握しつつ、成長産業の振興に関する施策の効果的かつ効率的な推進を図るため、国との必要な情報の共有、意見の交換、人事交流その他の連携協力の確保に努めるものとする。
(推進体制の整備)
第12条 県は、成長産業の振興に関する施策を総合的に推進するため、必要な体制の整備を図るものとする。
(財政上の措置)
第13条 県は、成長産業の振興に関する施策を推進するため、必要な財政上の措置を講ずるよう努めるものとする。
(施策の実施状況の報告)
第14条 知事は、毎年度、成長産業の振興に関する施策の実施状況を議会に報告しなければならない。
付則
この条例は、公布の日から施行する。