○滋賀県が締結する契約に関する条例

令和3年10月15日

滋賀県条例第36号

滋賀県が締結する契約に関する条例をここに公布する。

滋賀県が締結する契約に関する条例

(目的)

第1条 この条例は、県の契約に関し、基本理念を定め、県および県の契約の相手方等の責務を明らかにするとともに、県の契約に関する基本的な事項を定めることにより、県の契約に関する制度の公正かつ適正な運用および一定の行政目的の実現に向けた県の契約の活用を図り、もって本県の経済および社会の持続的な発展に寄与することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 県の契約 県を当事者の一方とする工事もしくは製造その他についての請負契約または業務の委託、物件の買入れその他の契約であって県が対価の支払をすべきものをいう。

(2) 下請負人等 下請、再委託その他いかなる名義をもってするかを問わず、県の契約の相手方その他の県以外の者から県の契約に係る業務の全部または一部を請け負い、または受託する者をいう。

(基本理念)

第3条 県の契約は、次に掲げる事項を基本理念として行われなければならない。

(1) 契約の過程の透明性および競争の公正性が確保されるとともに、不正行為の排除が徹底されることにより、その適正化が図られること。

(2) 契約の履行により提供されるサービス等の質が確保されること。

(3) 地域経済の活性化への配慮がなされること。

(4) 環境に配慮した事業活動の推進その他の一定の行政目的の実現を図る上で適切に活用されること。

(県の責務)

第4条 県は、前条に定める基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、県の契約に関する必要な取組を推進するものとする。

(県の契約の相手方等の責務)

第5条 県の契約の相手方および下請負人等は、県の契約の履行に携わる者としての社会的な責任を自覚し、県の契約に係る業務を適正に実施しなければならない。

2 県の契約の相手方および下請負人等は、県が実施する県の契約に関する取組に協力するよう努めなければならない。

(取組方針)

第6条 知事は、基本理念にのっとった県の契約の推進を図るための取組に関する方針(以下この条において「取組方針」という。)を策定するものとする。

2 取組方針には、次に掲げる事項について定めるものとする。

(1) 県の契約の締結に当たっての取組に関する事項

(2) 県の契約の適正な履行の確保を図るための取組に関する事項

(3) その他基本理念にのっとった県の契約の推進を図るために必要な取組に関する事項

3 知事は、取組方針の策定に当たっては、あらかじめ滋賀県契約審議会の意見を聴くものとする。

4 知事は、取組方針を策定したときは、これを公表するものとする。

5 前2項の規定は、取組方針の変更(軽微な変更を除く。)について準用する。

(適切な仕様書等の作成等)

第7条 知事は、県の契約の履行により提供されるサービス等の質が確保されるよう、県の契約に係る仕様書等を適切に作成するものとする。

2 知事は、県の契約に係る予定価格を定めるに当たっては、前項の規定により作成した仕様書等に基づき、適切に積算するものとする。

3 県の契約の相手方になろうとする者は、県の契約の申込みに係る価格を定めるに当たっては、当該県の契約を適正に履行することができるよう、材料費、労務費その他の必要な経費を適切に積算するよう努めなければならない。

(低価格受注の防止)

第8条 知事は、公正な競争を促進しつつ、適正な履行が通常見込まれない金額での県の契約の締結を防止するため、低価格の入札に係る調査または最低制限価格の設定に関する制度を適切に活用するものとする。

(計画的な発注等)

第9条 県は、県の契約の履行により提供されるサービス等の質を確保するためには県の契約の相手方がその有する経営資源を有効に活用できることが重要であることに鑑み、県の契約に係る業務の計画的な発注および適切な履行期間の設定に努めるものとする。

(地域経済の活性化)

第10条 県は、予算の適正な使用に留意しつつ、地域経済の活性化に配慮し、県内に事務所または事業所を有する事業者の受注の機会の増大を図るよう努めるものとする。

2 県の契約の相手方は、県内に事務所または事業所を有する事業者の下請負人等への選定、県の契約の履行に当たっての県産材または県産品の利用その他の方法により地域経済の活性化に資するよう努めなければならない。

(一定の行政目的の実現に向けた県の契約の活用)

第11条 県は、県の契約の締結に当たっては、一定の行政目的の実現に向けた県の契約の活用を図るため、契約の性質または目的に応じ、事業者の行っている次に掲げる取組を勘案するものとする。

(1) 環境に配慮した事業活動の推進に関する取組

(2) 多様な人材の活用に関する取組

(3) 県の契約の履行に係る業務に従事する者の労働環境の整備に関する取組

(4) その他県の行政目的の実現に資する取組

(適正な履行の確保)

第12条 知事は、県の契約の適正な履行を確保し、または県の受ける給付の完了の確認をするためには必要な監督または検査を適切に行うことが重要であることに鑑み、当該監督または検査を行う職員の資質の向上を図るための研修の実施、当該監督または検査に関し助言その他の支援を適切に行うことができる能力を有する者の活用の促進その他の必要な措置を講ずるものとする。

(滋賀県契約審議会の設置)

第13条 地方自治法(昭和22年法律第67号)第138条の4第3項の規定に基づき、知事の附属機関として滋賀県契約審議会(以下「審議会」という。)を設置する。

2 審議会は、第6条第3項に規定する事項を調査審議するほか、知事の諮問に応じ、県の契約に関する事項(他の附属機関が担任する事務に係るものを除く。次項において同じ。)を調査審議する。

3 審議会は、前項の調査審議を行うほか、県の契約に関する事項に関し、知事に意見を述べることができる。

(審議会の組織等)

第14条 審議会は、委員8人以内で組織する。

2 委員は、学識経験を有する者その他知事が適当と認める者のうちから知事が任命する。

3 委員の任期は、2年とする。ただし、委員が欠けた場合における補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。

4 委員は、再任されることを妨げない。

5 委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、同様とする。

6 前各項に定めるもののほか、審議会の組織および運営に関し必要な事項は、規則で定める。

(契約状況の公表)

第15条 知事は、毎年度、県の契約の状況を取りまとめ、これを公表するものとする。

(指定管理者の選定)

第16条 県は、公の施設(地方自治法第244条第1項に規定する公の施設をいう。)の管理を指定管理者(同法第244条の2第3項に規定する指定管理者をいう。)に行わせようとするときは、この条例の規定による県の契約の取扱いに準じて、その選定を行うものとする。

1 この条例は、令和4年4月1日から施行する。ただし、第13条および第14条ならびに次項および付則第3項の規定は、公布の日から施行する。

2 第6条第1項の規定による同項に規定する取組方針(次項において「取組方針」という。)の策定およびこれに関し必要な手続その他の行為は、この条例の施行前においても、同条第1項から第4項までの規定の例により行うことができる。

3 前項の規定により策定された取組方針は、この条例の施行の日において、第6条第1項の規定により策定された取組方針とみなす。

滋賀県が締結する契約に関する条例

令和3年10月15日 条例第36号

(令和4年4月1日施行)