○滋賀県公文書等の管理に関する条例

平成31年3月22日

滋賀県条例第4号

滋賀県公文書等の管理に関する条例をここに公布する。

滋賀県公文書等の管理に関する条例

目次

第1章 総則(第1条―第3条)

第2章 現用公文書の管理

第1節 文書の作成(第4条)

第2節 現用公文書の整理等(第5条―第11条)

第3章 特定歴史公文書等の保存、利用等(第12条―第24条)

第4章 審査請求(第25条―第28条)

第5章 人材育成(第29条)

第6章 雑則(第30条―第34条)

付則

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、地方自治の本旨に則した県政を推進するためには、県の諸活動および歴史的事実の記録であり、かつ、健全な民主主義の根幹を支える県民共有の知的資源である公文書等の適切な取扱いを確保して、県民の知る権利を尊重することが重要であることに鑑み、公文書等の管理の基本となる事項を定めること等により、現用公文書の適正な管理および特定歴史公文書等の適切な保存、利用等を図り、もって県政が適正かつ効率的に運営されるようにするとともに、県の有するその諸活動を現在および将来の県民に説明する責務が全うされるようにすることを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において「実施機関」とは、知事、議会、教育委員会、選挙管理委員会、人事委員会、監査委員、公安委員会、警察本部長、労働委員会、収用委員会、海区漁業調整委員会、内水面漁場管理委員会、公営企業管理者および病院事業管理者ならびに県が設立した地方独立行政法人(地方独立行政法人法(平成15年法律第118号)第2条第1項に規定する地方独立行政法人をいう。第19条第1項において同じ。)(以下この条において「県設立地方独立行政法人」という。)をいう。

2 この条例において「現用公文書」とは、実施機関の職員(県設立地方独立行政法人の役員を含む。以下同じ。)が職務上作成し、または取得した文書(図画、写真、マイクロフィルムおよび電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られた記録をいう。以下同じ。)を含む。第20条を除き、以下同じ。)であって、当該実施機関の職員が組織的に用いるものとして、当該実施機関が保有しているものをいう。ただし、次に掲げるものを除く。

(1) 公報、官報、白書、新聞、雑誌、書籍その他不特定多数の者に販売することを目的として発行されるもの

(2) 特定歴史公文書等

(3) 滋賀県立美術館、滋賀県立琵琶湖博物館その他の県の施設または県設立地方独立行政法人の施設において、歴史的もしくは文化的な資料または学術研究用の資料として特別の管理がされているもの(前号に掲げるものを除く。)

3 この条例において「歴史公文書等」とは、次に掲げる情報が記録された公文書その他の文書をいう。

(1) 県の機関および県設立地方独立行政法人の組織および機能ならびに政策の検討過程、決定、実施および実績に関する重要な情報

(2) 県民の権利および義務に関する重要な情報

(3) 県民を取り巻く社会環境、自然環境等に関する重要な情報

(4) 県の歴史、文化、学術、事件等に関する重要な情報

(5) 前各号に掲げるもののほか、歴史的に重要な情報

4 この条例において「特定歴史公文書等」とは、歴史公文書等のうち、次に掲げるものをいう。

(1) 第8条第1項もしくは第5項または第33条第2項の規定により滋賀県立公文書館(以下「公文書館」という。)に移管されたもの

(2) 法人その他の団体(県および県設立地方独立行政法人を除く。)または個人から公文書館に寄贈され、または寄託されたもの

5 この条例において「公文書等」とは、現用公文書および特定歴史公文書等をいう。

(一部改正〔令和3年条例20号〕)

(法令等との関係)

第3条 公文書等の管理については、法令または他の条例に特別の定めがある場合を除くほか、この条例の定めるところによる。

第2章 現用公文書の管理

第1節 文書の作成

第4条 実施機関の職員は、第1条の目的の達成に資するため、当該実施機関における経緯も含めた意思決定に至る過程ならびに当該実施機関の事務および事業の実績を合理的に跡付け、または検証することができるよう、処理に係る事案が軽微なものである場合を除き、文書管理規程(第11条第1項に規定する文書管理規程をいう。次条および第7条において同じ。)で定めるところにより、文書を作成しなければならない。

第2節 現用公文書の整理等

(整理)

第5条 実施機関の職員が現用公文書を作成し、または取得したときは、当該実施機関は、文書管理規程で定めるところにより、当該現用公文書について分類し、名称を付するとともに、常時業務に使用するものを除き、30年以下の保存期間および保存期間の満了する日を設定しなければならない。

2 実施機関は、能率的な事務または事業の処理および現用公文書の適切な保存に資するよう、単独で管理することが適当であると認める現用公文書を除き、適時に、相互に密接な関連を有する現用公文書(保存期間を同じくすることが適当であるものに限る。)を一の集合物(以下「ファイル」という。)にまとめなければならない。

3 前項の場合において、実施機関は、文書管理規程で定めるところにより、当該ファイルについて分類し、名称を付するとともに、常時業務に使用するものを除き、30年以下の保存期間および保存期間の満了する日を設定しなければならない。

4 実施機関は、必要があると認めるときは、文書管理規程で定めるところにより、第1項および前項の規定により設定した保存期間および保存期間の満了する日を延長することができる。

5 実施機関は、ファイルおよび単独で管理することが適当であると認める現用公文書(以下「ファイル等」という。)について、保存期間(延長された場合にあっては、延長後の保存期間。以下同じ。)の満了前のできる限り早い時期に、文書管理規程で定めるところにより、保存期間が満了したときの措置として、歴史公文書等に該当するものにあっては公文書館への移管の措置を、それ以外のものにあっては廃棄の措置をとるべきことを定めなければならない。

(保存)

第6条 実施機関は、ファイル等について、当該ファイル等の保存期間の満了する日までの間、その内容、時の経過、利用の状況等に応じ、適切な保存および利用を確保するために必要な場所において、適切な記録媒体により、識別を容易にするための措置を講じた上で保存しなければならない。

(ファイル管理簿)

第7条 実施機関は、ファイル等の管理を適切に行うため、文書管理規程で定めるところにより、ファイル等の分類、名称、保存期間、保存期間の満了する日、保存期間が満了したときの措置その他の必要な事項(滋賀県情報公開条例(平成12年滋賀県条例第113号。以下「情報公開条例」という。)第6条に規定する非公開情報に該当するものを除く。)を帳簿(次項において「ファイル管理簿」という。)に記載しなければならない。ただし、1年未満の保存期間が設定されたファイル等については、この限りでない。

2 実施機関は、ファイル管理簿について、文書管理規程で定めるところにより、一般の閲覧に供するとともに、インターネットの利用その他の方法により公表しなければならない。

(移管または廃棄)

第8条 実施機関は、保存期間が満了したファイル等について、第5条第5項の規定による定めに基づき、公文書館に移管し、または廃棄しなければならない。

2 実施機関は、前項の規定により保存期間が満了したファイル等を廃棄しようとするときは、あらかじめ、その旨を知事に報告しなければならない。

3 知事は、前項の規定による報告があったときは、速やかに、当該報告に係るファイル等にまとめられた現用公文書が歴史公文書等に該当するか否かについて、滋賀県公文書管理・情報公開・個人情報保護審議会(以下「審議会」という。)の意見を聴かなければならない。

4 知事は、前項の意見を勘案し、第2項の規定による報告に係るファイル等にまとめられた現用公文書が歴史公文書等に該当すると認めるときは、当該ファイル等を保有する実施機関に対し、当該ファイル等を公文書館に移管するよう求めるものとする。

5 実施機関は、前項の規定による求めがあったときは、当該ファイル等について当該求めを参酌して第5条第5項の規定による定めを変更し、当該ファイル等を公文書館に移管することができる。

6 実施機関は、第1項または前項の規定により公文書館に移管するファイル等について、公文書館において利用の制限を行うことが適切であると認める場合には、その旨の意見を付さなければならない。

(電子情報システムの利用)

第9条 実施機関は、現用公文書の管理を効率的に行うため、電子情報システム(電子計算機を使用して現用公文書の管理に係る事務処理および現用公文書に係る効率的な情報管理を行う情報システムをいう。)の利用に努めなければならない。

(管理体制の整備)

第10条 実施機関は、現用公文書を適正に管理するために必要な体制を整備しなければならない。

(文書管理規程)

第11条 実施機関は、現用公文書の管理が第4条から前条までの規定に基づき適正に行われることを確保するため、現用公文書の管理に関する定め(以下「文書管理規程」という。)を設けなければならない。

2 実施機関は、文書管理規程を設けようとするときは、知事が別に定める現用公文書の管理に関する基準を参酌するものとする。

3 知事は、前項の基準を定めようとするときは、あらかじめ、審議会の意見を聴かなければならない。これに変更(軽微な変更を除く。)を加えようとするときも、同様とする。

4 実施機関は、文書管理規程を設けたときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。これを変更したときも、同様とする。

第3章 特定歴史公文書等の保存、利用等

(特定歴史公文書等の保存等)

第12条 知事は、特定歴史公文書等について、第24条第1項の規定により廃棄されるに至る場合を除き、公文書館において永久に保存しなければならない。

2 知事は、特定歴史公文書等について、その内容、保存状態、時の経過、利用の状況等に応じ、適切な保存および利用を確保するために必要な場所において、適切な記録媒体により、識別を容易にするための措置を講じた上で保存しなければならない。

3 知事は、特定歴史公文書等に個人情報(個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)第2条第1項に規定する個人情報をいう。)が記録されている場合には、当該個人情報の漏えいの防止のために必要な措置を講じなければならない。

4 知事は、規則で定めるところにより、特定歴史公文書等の分類、名称その他の特定歴史公文書等の適切な保存を行い、および適切な利用に資するために必要な事項を記載した目録を作成し、公表しなければならない。

(一部改正〔令和5年条例6号〕)

(利用請求の方法)

第13条 特定歴史公文書等の利用の請求(以下「利用請求」という。)をしようとするものは、知事に対し、次に掲げる事項を記載した書面(次項において「利用請求書」という。)を提出しなければならない。

(1) 氏名または名称および住所または事務所の所在地ならびに法人その他の団体にあっては、その代表者の氏名

(2) 利用請求をしようとする特定歴史公文書等に係る目録(前条第4項の目録をいう。)に記載された名称

(3) 前2号に掲げるもののほか、規則で定める事項

2 知事は、利用請求書に形式上の不備があると認めるときは、利用請求をしたもの(以下「利用請求者」という。)に対し、相当の期間を定めて、その補正を求めることができる。この場合において、知事は、利用請求者に対し、補正の参考となる情報を提供するよう努めなければならない。

(利用請求の取扱い)

第14条 知事は、利用請求があったときは、次に掲げる場合を除き、利用請求者に対し、当該利用請求に係る特定歴史公文書等を利用させなければならない。

(1) 当該特定歴史公文書等が実施機関から移管されたものであって、当該特定歴史公文書等に次に掲げる情報が記録されている場合

 情報公開条例第6条第1号に掲げる情報

 情報公開条例第6条第2号第4号または第6号(からまでを除く。)に掲げる情報

 公にすることにより、犯罪の予防、鎮圧または捜査、公訴の維持、刑の執行その他の公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれがあると当該特定歴史公文書等を移管した実施機関が認めることにつき相当の理由がある情報

(2) 当該特定歴史公文書等がその全部または一部を一定の期間公にしないことを条件に法人等または個人から寄贈され、または寄託されたものであって、当該期間が経過していない場合

(3) 当該特定歴史公文書等の原本を利用に供することにより当該原本の破損もしくはその汚損を生ずるおそれがある場合または公文書館において当該原本が現に使用されている場合

2 知事は、利用請求に係る特定歴史公文書等が前項第1号に該当するか否かについて判断するに当たっては、当該特定歴史公文書等が現用公文書として作成され、または取得されてからの時の経過を考慮するとともに、当該特定歴史公文書等に第8条第6項の規定による意見が付されている場合には、当該意見を参酌しなければならない。

3 知事は、第1項第1号または第2号に掲げる場合であっても、同項第1号アからまでに掲げる情報または同項第2号の条件に係る情報が記録されている部分を容易に区分して除くことができるときは、利用請求者に対し、当該部分を除いた部分を利用させなければならない。ただし、当該部分を除いた部分に明らかに有意の情報が記録されていないと認められるときは、この限りでない。

(本人情報の取扱い)

第15条 知事は、前条第1項第1号アの規定にかかわらず、同号アに掲げる情報により識別される特定の個人(以下この条において「本人」という。)から、当該情報が記録されている特定歴史公文書等について利用請求があった場合において、規則で定めるところにより本人であることを示す書類の提示または提出があったときは、本人の生命、健康、生活または財産を害するおそれがある情報が記録されている場合を除き、当該特定歴史公文書等につき同号アに掲げる情報が記録されている部分についても、利用させなければならない。

(利用請求に対する措置)

第16条 知事は、利用請求に係る特定歴史公文書等の全部または一部を利用させるときは、その旨の決定をし、利用請求者に対し、その旨および利用に関し必要な事項を書面により通知しなければならない。

2 知事は、利用請求に係る特定歴史公文書等の全部を利用させないときは、その旨の決定をし、利用請求者に対し、その旨を書面により通知しなければならない。

3 知事は、第1項の決定のうち一部を利用させる旨の決定または前項の決定をしたときは、前2項に規定する書面に利用請求に係る特定歴史公文書等の一部または全部を利用させない理由を併せて記載しなければならない。

(利用決定等の期限)

第17条 前条第1項または第2項の決定(以下「利用決定等」という。)は、利用請求があった日から30日以内にしなければならない。ただし、第13条第2項の規定により補正を求めた場合にあっては、当該補正に要した日数は、当該期間に算入しない。

2 前項の規定にかかわらず、知事は、事務処理上の困難その他正当な理由があるときは、同項に規定する期間を30日以内に限り延長することができる。この場合において、知事は、利用請求者に対し、遅滞なく、延長後の期間および延長の理由を書面により通知しなければならない。

(利用決定等の期限の特例)

第18条 利用請求に係る特定歴史公文書等が著しく大量であるため、利用請求があった日から60日以内にその全てについて利用決定等をすることにより事務の遂行に著しい支障が生ずるおそれがある場合には、前条の規定にかかわらず、知事は、利用請求に係る特定歴史公文書等のうちの相当の部分につき当該期間内に利用決定等をし、残りの特定歴史公文書等については相当の期間内に利用決定等をすれば足りる。この場合において、知事は、同条第1項に規定する期間内に、利用請求者に対し、次に掲げる事項を書面により通知しなければならない。

(1) この条の規定を適用する旨およびその理由

(2) 残りの特定歴史公文書等について利用決定等をする期限

(第三者に対する意見書提出の機会の付与等)

第19条 利用請求に係る特定歴史公文書等に県、国、公文書等の管理に関する法律(平成21年法律第66号)第2条第2項に規定する独立行政法人等、他の地方公共団体および地方独立行政法人ならびに利用請求者以外の者(以下「第三者」という。)に関する情報が記録されているときは、知事は、利用決定等をするに当たって、当該情報に係る第三者に対し、利用請求に係る特定歴史公文書等の名称その他規則で定める事項を書面により通知して、意見書を提出する機会を与えることができる。

2 知事は、第三者に関する情報が記録されている特定歴史公文書等を利用させようとする場合であって、当該情報が情報公開条例第6条第1号イまたは第2号ただし書に規定する情報に該当すると認めるときは、第16条第1項の決定(以下「利用決定」という。)に先立ち、当該第三者に対し、利用請求に係る特定歴史公文書等の名称その他規則で定める事項を書面により通知して、意見書を提出する機会を与えなければならない。ただし、当該第三者の所在が判明しない場合は、この限りでない。

3 知事は、第8条第6項の規定により意見を付された特定歴史公文書等について利用決定をする場合には、あらかじめ、当該意見を付した実施機関に対し、利用請求に係る特定歴史公文書等の名称その他規則で定める事項を書面により通知して、意見書を提出する機会を与えなければならない。

4 知事は、第1項または第2項の規定により意見書を提出する機会を与えられた第三者が当該特定歴史公文書等を利用させることに反対の意思を表示した意見書(以下「反対意見書」という。)を提出した場合において、利用決定をするときは、利用決定の日と利用させる日との間に少なくとも2週間を置かなければならない。この場合において、知事は、利用決定後直ちに、反対意見書を提出した第三者に対し、利用決定をした旨およびその理由ならびに利用させる日を書面により通知しなければならない。

(利用の方法)

第20条 知事が特定歴史公文書等を利用させる場合には、文書、図画、写真またはマイクロフィルムについては閲覧または写しの交付の方法により、電磁的記録についてはその種別、情報化の進展状況等を勘案して規則で定める方法により行う。ただし、閲覧の方法により特定歴史公文書等を利用させる場合にあっては、当該特定歴史公文書等の保存に支障を生ずるおそれがあると認めるときその他正当な理由があるときに限り、その写しを閲覧させる方法により、これを利用させることができる。

(費用負担)

第21条 利用請求に係る特定歴史公文書等(前条ただし書の写しを含む。)の写しの交付を受けるものは、当該写しの作成および送付に要する費用を負担しなければならない。

(利用の促進等)

第22条 知事は、特定歴史公文書等(第14条の規定により利用させることができるものに限る。以下この条において同じ。)について、展示その他の方法により積極的に一般の利用に供するよう努めなければならない。

2 知事は、特定歴史公文書等について、資料の提供その他の方法により学校教育における活用が図られるよう努めなければならない。

3 知事は、特定歴史公文書等について、図書館、博物館その他の歴史的な資料を管理する施設の管理者と共同して、文書その他の資料の相互貸借その他の方法により利用および調査研究を促進するよう努めなければならない。

4 知事は、市町が実施する歴史資料として重要な情報が記録された公文書その他の文書の利用の促進に関し、市町に対し、必要な情報の提供、助言その他の支援を行うものとする。

(実施機関による利用の特例)

第23条 特定歴史公文書等を移管した実施機関がそれぞれその所掌事務または業務を遂行するために必要であるとして当該特定歴史公文書等について利用請求をした場合には、第13条第1項第1号第14条第1項第1号第16条および第21条の規定は、適用しない。

(特定歴史公文書等の廃棄)

第24条 知事は、特定歴史公文書等として保存されている文書が歴史資料として重要でなくなったと認める場合には、当該文書を廃棄することができる。

2 知事は、前項の規定により特定歴史公文書等を廃棄しようとするときは、あらかじめ、審議会の意見を聴かなければならない。

第4章 審査請求

(審理員に関する規定の適用除外)

第25条 利用決定等または利用請求に係る不作為に係る審査請求については、行政不服審査法(平成26年法律第68号)第9条第1項の規定は、適用しない。

(審議会への諮問等)

第26条 利用決定等または利用請求に係る不作為について審査請求があったときは、知事は、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、速やかに審議会に諮問しなければならない。

(1) 審査請求が不適法であり、却下するとき。

(2) 裁決で、審査請求の全部を認容し、当該審査請求に係る特定歴史公文書等の全部を利用させることとするとき。ただし、当該特定歴史公文書等の利用について反対意見書が提出されているときを除く。

2 前項の規定による諮問は、行政不服審査法第9条第3項において読み替えて適用する同法第29条第2項の弁明書の写しを添えてしなければならない。

3 知事は、第1項の規定による諮問に対する答申を受けたときは、これを尊重して、速やかに当該審査請求に対する裁決をしなければならない。

(諮問をした旨の通知)

第27条 知事は、前条第1項の規定により諮問をしたときは、次に掲げる者に対し、諮問をした旨を通知しなければならない。

(1) 審査請求人および参加人(行政不服審査法第13条第4項に規定する参加人をいう。以下この章において同じ。)

(2) 利用請求者(利用請求者が審査請求人または参加人である場合を除く。)

(3) 当該審査請求に係る特定歴史公文書等の利用について反対意見書を提出した第三者(当該第三者が審査請求人または参加人である場合を除く。)

(第三者からの審査請求を棄却する場合等における手続)

第28条 第19条第4項の規定は、次の各号のいずれかに該当する裁決をする場合について準用する。

(1) 利用決定に対する第三者からの審査請求を却下し、または棄却する裁決

(2) 審査請求に係る利用決定等(利用請求に係る特定歴史公文書等の全部を利用させる旨の決定を除く。)を変更し、当該審査請求に係る特定歴史公文書等を利用させる旨の裁決(第三者である参加人が当該特定歴史公文書等を利用させることに反対の意思を表示している場合に限る。)

第5章 人材育成

第29条 実施機関は、当該実施機関の職員に対し、現用公文書の管理を適正かつ効率的に行うことができるよう、必要な知識および技能を習得させ、および向上させるために必要な研修を行うものとする。

2 知事は、その職員に対し、公文書館における特定歴史公文書等の適切な保存および利用の促進ならびに歴史公文書等の公文書館への適切な移管を図る上で必要な知識および技能を有する人材の確保および資質の向上を図るため、必要な研修の実施その他の人材育成のために必要な措置を講ずるものとする。

第6章 雑則

(現用公文書の管理状況等の公表)

第30条 知事は、毎年度、現用公文書の管理状況および特定歴史公文書等の保存、利用等に関する状況について取りまとめ、これを公表するものとする。

(出資法人の文書管理)

第31条 県が資本金、基本金その他これらに準ずるものを出資している法人であって、実施機関が定めるもの(次項において「出資法人」という。)は、当該出資の公共性に鑑み、その保有する文書の適正な管理に関し必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

2 実施機関は、出資法人において、その性格、業務内容等に応じた文書の適正な管理が推進されるよう、必要な措置を講ずるものとする。

(指定管理者の文書管理)

第32条 県の公の施設(地方自治法(昭和22年法律第67号)第244条第1項に規定する公の施設をいう。以下この項において同じ。)の管理を行う指定管理者(同法第244条の2第3項に規定する指定管理者をいう。次項において同じ。)は、その保有する文書であって、その管理を行う公の施設に係るものの適正な管理に関し必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

2 実施機関は、指定管理者において、文書の適正な管理が推進されるよう、必要な措置を講ずるものとする。

(刑事訴訟に関する書類等の取扱い)

第33条 刑事訴訟法(昭和23年法律第131号)第53条の2第3項に規定する訴訟に関する書類(以下この条において「刑事訴訟に関する書類」という。)については、第2章の規定は、適用しない。

2 実施機関は、刑事訴訟に関する書類が歴史公文書等に該当すると認めるときは、知事と協議し、当該刑事訴訟に関する書類を公文書館に移管することができる。

3 実施機関は、前項の規定により公文書館に移管する刑事訴訟に関する書類について、公文書館において利用の制限を行うことが適切であると認める場合には、その旨の意見を付さなければならない。

4 前項の規定により意見が付された特定歴史公文書等について利用請求があったときは、第14条の規定にかかわらず、知事は、利用の制限を行うものとする。

5 刑事訴訟法第53条の2第4項に規定する押収物については、この条例の規定は、適用しない。

(規則への委任)

第34条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

(施行期日)

1 この条例は、平成32年4月1日から施行する。ただし、第2条第1項(公安委員会および警察本部長に関する部分に限る。)および次項第2号の規定は、公布の日から起算して3年を超えない範囲内において規則で定める日から施行する。

(令和3年規則第72号で令和4年1月1日から施行)

(経過措置)

2 第2章の規定は、次の各号に掲げる実施機関の区分に応じ、当該各号に定める日以後に当該実施機関の職員が作成し、または取得する文書について適用する。

(1) 次号に掲げる実施機関以外の実施機関 この条例の施行の日

(2) 公安委員会および警察本部長 前項ただし書に規定する規則で定める日

3 この条例の施行の際、情報公開条例第2条第2項第2号に掲げるもののうち、歴史資料として重要なものとして公文書館において保存することが適当であると知事が認めるものは、特定歴史公文書等とみなす。

4 前2項に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な経過措置は、規則で定める。

(準備行為)

5 文書管理規程および第11条第2項の基準の策定その他この条例の施行のために必要な手続その他の行為は、この条例の施行の日前においても行うことができる。

(滋賀県情報公開条例の一部改正)

6 滋賀県情報公開条例の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

(令和3年条例第20号)

1 この条例は、令和3年4月1日から施行する。

(令和5年条例第6号)

(施行期日)

1 この条例は、令和5年4月1日から施行する。

滋賀県公文書等の管理に関する条例

平成31年3月22日 条例第4号

(令和5年4月1日施行)

体系情報
第1編 則/第5章 公告式/第2節
沿革情報
平成31年3月22日 条例第4号
令和3年3月26日 条例第20号
令和5年3月22日 条例第6号