○事業活動に係る低炭素社会づくり指針

平成24年4月1日

滋賀県告示第197号

事業活動に係る低炭素社会づくり指針

第1 趣旨

この指針は、滋賀県低炭素社会づくりの推進に関する条例(平成23年滋賀県条例第12号。以下「条例」という。)第10条第1項の規定に基づく低炭素社会づくり指針のうち、事業者に係る低炭素社会づくりに関する取組を推進するための参考となる事項を定めるとともに、条例第20条第1項に規定する事業者行動計画(以下「事業者行動計画」という。)および条例第38条第1項に規定する自動車管理計画(以下「自動車管理計画」という。)の策定に当たり勘案すべき事項を定めるものとする。

第2 用語の定義

この指針において使用する用語は、特段の定めがある場合を除き、条例で使用する用語の例による。

第3 事業者による低炭素社会づくりに関する取組

1 事業者による低炭素社会づくりに関する取組に係る基本的な考え方低炭素社会づくりは、全ての者の連携および協働の下に推進することが必要であるが、その中でも、事業者は、低炭素社会づくりの推進に当たり大きな役割を担う存在である。このことを踏まえ、事業者は、次に掲げる取組を自主的かつ積極的に行うことが期待される。

(1) 事業者自らが排出する温室効果ガスの量を削減するための取組

(2) エネルギー消費性能等が優れている製品の製造等、事業活動を通じた他者の温室効果ガスの排出量の削減に寄与する取組

(3) その他の低炭素社会づくりに寄与することとなる取組

2 事業者による低炭素社会づくりに関する取組の推進事業者は、その事業活動その他の活動を行うに当たり、別表に掲げる取組を参考に低炭素社会づくりに関する取組を行うよう努めるものとする。

また、これらの取組を行うに当たっては、事業活動に伴う温室効果ガスの排出抑制等及び日常生活における温室効果ガスの排出抑制への寄与に係る事業者が講ずべき措置に関して、その適切かつ有効な実施を図るために必要な指針(平成25年内閣府、総務省、法務省、外務省、財務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、環境省、防衛省告示第1号)ならびに工場等におけるエネルギーの使用の合理化に関する事業者の判断の基準(平成21年経済産業省告示第66号)、貨物の輸送に係るエネルギーの使用の合理化に関する貨物輸送事業者の判断の基準(平成18年経済産業省、国土交通省告示第7号)および旅客の輸送に係るエネルギーの使用の合理化に関する旅客輸送事業者の判断の基準(平成18年経済産業省、国土交通省告示第6号)等についても参考にするものとする。

第4 事業者行動計画の策定に当たり勘案すべき事項

条例第20条第1項に規定する事業者行動計画の策定に当たって、事業者が勘案すべき事項は、次に掲げるとおりである。

1 低炭素社会づくりに係る取組に関する基本的な方針

事業者は、その事業活動を通じた低炭素社会づくりに向けた取組について、対象となる事業所における基本的な考え方を定めるものとする。この場合において、当該事業者が製品の製造、サービスの提供等の自らの事業活動を通じて他者の温室効果ガスの排出の抑制に寄与することとなる取組を推進しようとしているときは、当該内容を方針に盛り込んで定めることが望ましい。

なお、当該事業者が環境マネジメントシステムの導入等により既に地球温暖化対策等に関する方針を定めている場合は、その方針を基本的な方針とすることができる。

2 推進体制

事業者は、対象となる事業所における取組を確実かつ円滑に推進するため、責任者を定め、事業所全体または事業者全体で推進するための体制を整備するものとする。

なお、環境マネジメントシステム等により既に体制を整備している場合は、その体制により推進することができる。

3 計画期間

基本的な方針、取組および取組により達成しようとする目標を勘案して定めるものとする。

4 自らの事業活動に伴う温室効果ガスの排出の状況

事業者は、対象となる事業所における計画期間の初年度の前年度の温室効果ガスの排出量について、地球温暖化対策の推進に関する法律(平成10年法律第117号)第26条第3項および地球温暖化対策の推進に関する法律施行令(平成11年政令第143号)第7条に規定する方法により算定して把握するものとする。

5 自らの温室効果ガスの排出量の削減のために実施しようとする取組および当該取組により達成しようとする目標

(1) 取組

事業者は、第3第2項に掲げる取組を参考に、事業活動の特性に応じた取組を定めるものとする。

(2) 目標

ア 事業者は、基本的な方針、自らの事業活動に伴う温室効果ガスの排出の状況、これまで実施してきた温室効果ガスの排出の量の削減のための取組等を踏まえ、自らの温室効果ガスの排出量の削減のための取組に関し、自主的な目標を定めるものとする。

イ 目標を定めるに当たっては、目標年度の温室効果ガス排出量、取組により削減する温室効果ガス排出量または取組により削減する温室効果ガス排出量の割合等、可能な限り定量的な目標を定めるものとする。

ウ 定量的な目標を設定する場合における、目標の具体的な設定については、次のとおりとする。

(ア) 基準年度および目標年度

基準年度は、計画期間の初年度の前年度、前々年度、前年度を含む直近の複数年度の平均等、事業者が基準年度として適切であると考える年度を設定するものとする。また、目標年度は、計画期間の終了年度とする。

(イ) 目標に係る排出量

温室効果ガス排出量に関し定量的な目標を定める場合にあっては、当該目標の根拠となる温室効果ガス排出量については、総排出量または原単位当たりの排出量のいずれを設定してもよいものとする。

また、目標に係る温室効果ガス排出量を算出するに当たって使用する電気の二酸化炭素排出係数については、事業者の取組を適切に反映させるために、基準年度の値に固定する等の設定をしてもよいものとする。

(ウ) 原単位当たりの排出量を設定する場合の原単位

原単位当たりの排出量を設定する場合における原単位は、当該事業所における温室効果ガス排出量の削減の取組等が適切に反映されると考えられる数量(生産数量、延べ床面積、売上金額等)を設定するものとする。

6 自らの事業活動を通じて他者の温室効果ガスの排出の抑制に寄与することとなる取組および当該取組により達成しようとする目標

(1) 取組

事業者は、第3第2項に掲げる取組を参考に、事業活動の特性に応じ、使用等の段階において消費者の温室効果ガスの排出が削減される製品の製造その他の自らの事業活動を通じて他者の温室効果ガスの排出の抑制に寄与することとなる取組を、可能な限り定めるものとする。

(2) 目標

事業者は、基本的な方針、自らの事業活動に伴う温室効果ガスの排出の状況等を踏まえ、自らの事業活動を通じて他者の温室効果ガスの排出の抑制に寄与することとなる取組により達成しようとする目標を可能な限り定めるものとする。

7 その他の低炭素社会づくりのための取組等

事業者は、基本的な方針、自らの事業活動に伴う温室効果ガスの排出の状況等を踏まえ、事業活動の特性に応じ、第3第2項に掲げる取組を参考に、第5項および第6項に掲げる取組以外の低炭素社会づくりのための取組を可能な限り定めるものとする。

第5 自動車管理計画の策定に当たり勘案すべき事項

条例第38条第1項に規定する自動車管理計画の策定に当たって、事業者が勘案すべき事項は、次に掲げるとおりである。

1 自動車の使用に伴う温室効果ガスの排出の抑制を図るための基本的な方針

事業者は、その事業活動における自動車の使用に伴う温室効果ガスの排出抑制に向けた取組について、事業者としての基本的な考え方を定めるものとする。

2 推進体制

事業者は、取組を着実かつ的確に実施するため、責任者を定め、事業者全体で推進するための体制を整備するものとする。

3 計画期間

基本的な方針、取組および取組により達成しようとする目標を勘案して定めるものとする。

4 自動車の使用に伴う温室効果ガスの排出の抑制に関する取組の内容

事業者は、第3第2項に掲げる取組を参考に、基本的な方針と整合を図りながら、次に掲げる事項に係る取組を定めるとともに、それぞれの達成目標および達成期限を設定するものとする。

(1) 自動車の使用の合理化

(2) より温室効果ガス排出量の少ない自動車の導入等

(3) 従業員に対する自動車の使用に伴う温室効果ガスの排出の抑制に関する教育

(4) その他の取組

(一部改正〔平成25年告示196号・26年173号・29年83号〕)

付 則

1 この指針は、平成24年4月1日から施行する。

2 次に掲げる告示は、廃止する。

(1) 大気環境負荷低減計画に関する指針(平成12年滋賀県告示第518号)

(2) 自動車管理計画に関する指針(平成11年滋賀県告示第57号)

付 則(平成25年告示第196号)

この告示は、平成25年4月24日から施行する。

付 則(平成26年告示第173号)

この告示は、平成26年4月1日から施行する。ただし、別表第3項第6号にエおよびオを加える改正規定(オに係る部分に限る。)は、平成27年4月1日から施行する。

付 則(平成29年告示第83号)

この告示は、平成29年2月20日から施行する。

別表(第3関係)

(一部改正〔平成26年告示173号〕)

事業者に係る低炭素社会づくりに関する取組(例)

1 事業者自らが排出する温室効果ガスの量を削減するための取組

(1) 一般的事項

ア 推進体制の整備

(ア) 取組を効果的に推進するための責任者の設置を行うとともに役割分担および責任の所在を明確にする。また、経営者により取組に関する方針等の明確化を行う。

(イ) 各担当部署での具体的な取組を立案し、それらを検討できる組織横断的な委員会等を設置する。

(ウ) 毎年度の温室効果ガスの排出量を把握し、整理・分析を行いその結果を社内に情報共有する体制を整備する。

(エ) 管理マニュアルの作成、社内研修体制の整備等を行う。

イ エネルギーの使用に関するデータ管理

(ア) エネルギー使用について年・季節・月・週・日・時間単位等の使用量を把握し、過去のデータとの比較・分析が容易にできるよう管理する。

(イ) 設備の稼働状況や運転時間を把握し、設備ごとのエネルギー使用の効率について、過去のデータと比較・分析が容易にできるよう管理する。

ウ 設備の運用および保守の管理

(ア) 使用状況や季節変動に応じてエネルギー使用の効率が高くなるよう設備の運用を見直すとともに、効率の改善に必要な事項について管理基準を設定し、定期的に計測を行って、その結果を記録する。

(イ) エネルギー使用の効率の低下を防止するため、日常、月次、年次等により定期的に設備を点検・整備し、適切に保守管理を行う。

(2) ボイラー・工業炉・空調・照明等設備の運用改善

ア 燃料の燃焼の合理化(燃焼設備)

(ア) 空気比を最適に設定する。

(イ) 燃料は、燃料効率が高くなるよう、粒度、水分、粘度等を適切に調整する。

イ 加熱および冷却ならびに伝熱の合理化(熱利用設備)

(ア) 加熱設備等

a 熱媒体による熱量の過剰な供給をなくすよう、熱媒体の温度、圧力および量を最適に設定する。

b 熱効率を向上させるよう、ヒートパターン(被加熱物の温度の時間の経過に対応した変化の態様をいう。)を改善する。

c 過大および過小な負荷を避けるよう、被加熱物または被冷却物の量および炉内配置を最適に設定する。

d 加熱を反復して行う工程においては工程間の待ち時間の短縮、加熱等を行う設備で断続的な運転ができるものについては運転の集約化、蒸気を用いる加熱等を行う設備については不要時の蒸気バルブの閉止、加熱等を行う設備で用いる蒸気については適切な乾き度の維持を行う。

(イ) 空気調和設備、給湯設備

a 空気調和設備は、ブラインドの管理等により負荷の軽減を行うとともに、運転時間、室内の温・湿度、換気回数等を使用状況等に応じて最適に設定する。

b 事務所などの冷暖房時の室温は、関西広域連合における関西エコオフィス運動で取組を呼びかけている温度(夏28℃、冬19℃)を勘案して適切に設定する。また、冷暖房が過剰とならないよう、従業員の服装をエコスタイル(夏はノーネクタイ、ノー上着など、冬は上着、セーターの着用など)とする。

c 給湯設備は、季節および作業の内容に応じ供給箇所を限定し、給湯温度、給湯圧力等を最適に設定する。

(ウ) 廃熱の回収利用(廃熱回収設備)

排ガスの廃熱は排ガス温度または廃熱回収率について、蒸気ドレンの廃熱は蒸気ドレンの温度、量および性状について、加熱された固体もしくは流体が有する顕熱、潜熱、圧力、可燃性成分等は回収を行う範囲について、それぞれ最適に設定して回収利用を行う。

(エ) 熱の動力等への変換の合理化(発電専用設備およびコージェネレーション設備)

a 発電専用設備において、蒸気タービンの部分負荷における減圧運転が可能な場合には、最適化するよう管理を行う。

b コージェネレーション設備は、発生する熱および電気が十分に利用されるよう、負荷の増減に応じた総合的な効率を高める運転管理を行う。

(オ) 抵抗等による電気の損失の防止(受変電設備および配電設備)

a 配電経路の短縮、配電電圧の適正化により、配電損失を低減する。

b 三相電源に単相負荷を接続させるときは、電圧の不平衡を防止する。

c 電気の使用を平準化して最大電流を低減するよう、電気使用設備の稼動を調整する。

ウ 電気の動力、熱等への変換の合理化(電気使用設備)

(ア) 電動力応用設備、電気加熱設備等

a 電動力応用設備は、電動機の空転による電気の損失を低減するよう管理し、不要時は停止する。

b ポンプ、ファン、ブロワー、コンプレッサー等の流体機械は、使用端圧力および吐出量の見直しを行い、台数制御、回転数の変更等により、電動機の負荷を低減する。また、負荷変動幅が定常的な場合は、配管やダクトの変更、インペラーカット等を行う。

c 誘導炉、アーク炉、抵抗炉等の電気加熱設備は、熱効率を向上させるため、被加熱物の装てん方法の改善、無負荷稼動による電気の損失の低減、断熱および廃熱回収利用を行う。

d 電解設備は、電解効率を向上させるため、適当な形状および特性の電極を採用し、電極間距離、電解液の濃度、導体の接触抵抗等を最適に設定する。

(イ) 照明設備、事務用機器

a 照明設備は、過剰または不要な照明をなくすため、照度の適正化を図るとともに、適宜調光による減光または消灯を行う。

b 事務用機器は、不要時において適宜電源を切るとともに、低電力モードの設定を行う。

(3) 設備導入等による措置

ア ボイラー・工業炉・空調・照明等設備への省エネ技術の導入(設備改善を含む。)

(ア) 燃焼設備

a 空気比を低下させる。また、空気比の管理のため、燃焼制御装置を設ける。

b バーナー等の燃焼機器は、負荷および燃焼状態の変動に応じて燃料の供給量および空気比を調整できるものとする。また、熱効率の向上を図るため、リジェネレイティブバーナー等熱交換器と一体となったバーナーを採用する。

c 通風装置は、通風量および燃焼室内の圧力を調整できるものとする。

d 燃焼設備ごとに、燃料の供給量、燃焼に伴う排ガス温度、排ガス中の残存酸素濃度等に関する計測装置を設置し、コンピュータを使用すること等により的確な燃焼管理を行う。

(イ) 熱利用設備

a 効率的な熱回収に努め、冷却器および凝縮器への入口温度を下げる。

b 熱利用設備での蒸気の乾き度を高めるため、輸送段階での放熱の防止およびスチームセパレーターの導入を行う。

c 放射率を向上させるため、工業炉の炉壁面等の性状および形状を改善する。

d 熱伝達率を向上させるため、加熱等を行う設備の伝熱面の性状および形状を改善する。

e 加熱等を行う設備の熱交換に係る部分には、熱伝導率の高い材料を用いる。

f 工業炉の炉体、架台および治具、被加熱物を搬入するための台車等の熱容量を低減させる。

g 直火バーナー、液中燃焼等により被加熱物を直接加熱できる場合は、直接加熱する。

h 多重効用缶による加熱等を行う場合には、総合的な熱効率を向上させるため、効用段数を増加させる。

i 総合的な熱効率を向上させるため、熱交換器の増設および配列の適正化を行う。

j 総合的な熱効率を向上させるため、高温で使用する工業炉と低温で使用する工業炉の組合せ等により、熱を多段階に利用する。

k 熱の有効利用を図るため、加熱等を行う設備の制御方法を改善する。

l 加熱等の反復を必要とする工程は、連続化もしくは統合化または短縮もしくは一部の省略を行う。

m 工業炉の炉壁の断熱性を向上させ、炉壁外面温度を低減させる。

n 熱利用設備の断熱性を向上させるため、断熱材の厚さの増加、熱伝導率の低い断熱材の利用、断熱の二重化等を行う。

o 熱利用設備の開口部は、放散および空気の流出入による熱の損失を防止するため、開口部の縮小または密閉、二重扉の取付け、内部からの空気流等による遮断等を行う。

p 熱利用設備の回転部分、継手部分等は、シールを行う等により熱媒体の漏えいを防止する。

q 熱媒体を輸送する配管は、放熱面積を低減させるため、経路の合理化を行う。

r 開放型の蒸気使用設備、高温物質搬送設備等には、放散または熱媒体の拡散による熱の損失を低減させるため、おおいを設ける。

s 排ガスからの廃熱の回収利用においては、排ガス温度を低下させ、廃熱回収率を高める。

t 被加熱物の水分の事前除去、予熱、予備粉砕等、事前処理によるエネルギーの使用の合理化を図る。

u ボイラー、冷凍機等の熱利用設備の設置に際して、エネルギーの使用の合理化を図るため、小型化・分散配置または蓄熱設備の設置を行う。

v ボイラー、工業炉、蒸気・温水等の熱媒体を用いる加熱設備および乾燥設備等の設置に際して、熱効率の高い設備を採用するとともに、所要能力に見合った容量のものとする。

w 温水媒体による加熱設備は、真空蒸気媒体による加熱も検討する。

(ウ) 廃熱回収設備

a 廃熱を排出する設備から廃熱回収設備に廃熱を輸送する煙道、管等は、廃熱温度を高く維持するため、空気の進入の防止、断熱の強化等を行う。

b 廃熱回収率を高めるため、伝熱面の性状および形状の改善、伝熱面積の増加等を行う。また、廃熱利用が可能となる場合には、蓄熱設備を設置する。

c 廃熱ならびに加熱された固体または液体が有する顕熱、潜熱、圧力、可燃性成分および反応熱等の有効利用を行う。

(エ) コージェネレーション設備

蒸気または温水需要が大きく、将来年間を総合して廃熱の十分な利用が可能であると見込まれる場合は、適正規模のコージェネレーション設備を設置する。

(オ) 電気使用設備

a 高効率の電動機を導入する。

b 電動力応用設備を負荷変動の大きい状態で使用するときは、負荷に応じた運転制御ができるよう、回転数制御装置等を設置する。

c 電動機は、負荷機械の運転特性および稼動状況に応じて、所要出力に見合った容量のものを配置する。

d 受電端における力率を向上させるため、進相コンデンサの設置等を行う。

e 電気使用設備ごとに、電気の使用量、電気の変換により得られた動力、熱等の状態、当該動力、熱等の利用過程で生じる排ガスの温度等を把握し、コンピュータを使用する等により的確な計測管理を行う。

f 電気加熱設備は、燃料の燃焼による加熱、蒸気等による加熱と電気による加熱の特徴を比較勘案して導入する。さらに、電気加熱設備の導入に際しては、温度レベルにより適切な加熱方式を採用する。

g エアーコンプレッサーの設置に際して、小型化・分散配置によりエネルギーの使用の合理化を図る。また、圧力の低いエアーの用途には、エアーコンプレッサーによる高圧エアーを減圧して使用せず、低圧用のブロワーまたはファンを利用する。

h 缶・ボトル飲料自動販売機を設置する場合は、タイマー等の活用により、夜間、休日等販売しない時間帯の運転停止、庫内照明が不必要な時間帯の消灯など、利用状況に応じた効率的な運転を行う。

i 電力の需要実績と将来の動向を十分検討し、受変電設備の配置、配電圧、設備容量を決定する。

(カ) 空気調和設備

a 熱需要の変化に対応可能な容量のものとし、可能な限り空気調和を施す区画ごとに分割制御できるものとする。

b 適切な台数分割および台数制御、部分負荷運転時に効率の高い機器または蓄熱システム等、負荷変動に応じ効率の高い運転が可能となるシステムを採用する。

c 送風機およびポンプを負荷変動の大きい状態で使用するときは、回転数制御装置による変風量システムおよび変流量システムを採用する。

d 効率の高い熱源設備を使った蓄熱式ヒートポンプシステム、ガス冷暖房システム等を採用する。また、事業所内に冷房と暖房の負荷が同時に存在する場合には、熱回収システムを採用する。さらに、排熱を有効に利用できる場合には、熱回収型ヒートポンプ、排熱駆動型熱源機等を採用する。

e 空気調和を行う部分の壁、屋根については、断熱性を向上させるため、厚さの増加、熱伝導率の低い材料の採用、断熱の二重化等を行う。また、窓は、ブラインド、庇、ルーバー、熱線反射ガラス、選択透過フィルムの採用、植栽等の日射遮へい対策を講じる。

f 二酸化炭素センサー等による外気導入量制御の採用により、外気処理に伴う負荷を削減させる。また、夏季以外の期間の冷房については、外気による冷房または冷却塔により冷却された水を利用した冷房等を行う。

g 送風量および循環水量を低減することができる、大温度差システムを採用する。

h 配管およびダクトは、断熱性を向上させるため、熱伝導率の低い断熱材の利用等を行う。

i 地域冷暖房の利用が可能な場合は、その活用を図る。

(キ) 給湯設備、換気設備、昇降設備等

a 給湯設備は、効率の高い熱源設備を活用したヒートポンプシステムや潜熱回収方式等を採用する。

b 屋内駐車場、機械室および電気室等の換気用動力は、各種センサー等により風量制御を行う。

c エスカレータ設備等の昇降機は、人感センサーにより通行者不在のときに設備を停止させるなど、利用状況に応じた効率的な運転を行う。

(ク) 照明設備

a 電子回路式安定器(インバーター)を利用したHf蛍光ランプ、高輝度放電ランプ(HIDランプ)、LED照明等の省エネルギー型設備を採用する。

b 光源の発光効率、点灯回路や照明器具の効率、被照明場所への照射効率等を含めた総合的な照明効率を考慮して、照明器具を選択する。

c 照明器具、設置場所、設置方法等を検討するに当たっては、清掃、光源の交換等の保守性を考慮する。

d 昼光の利用もしくは照明設備を施した当初や光源を交換した直後の照度補正ができるように、減光が可能な照明器具や照明自動制御装置を採用する。

e 昼光を使用することができる場所の照明設備の回路は、他の照明設備と別回路にする。

f 不必要な場所および時間帯の消灯または減光のため、人感センサーの設置、タイマーの利用等を行う。

イ その他の排出抑制措置

(ア) 燃料の選択

単位発熱量当たりの二酸化炭素排出量が小さい燃料を優先的に選択して使用する。

(イ) 未利用エネルギーの活用

a 可燃性廃棄物を燃焼または処理する際発生するエネルギーや燃料については、できるだけ回収し利用を図る。

b 事業所の周辺において、下水、河川水等の温度差エネルギーの回収が可能な場合には、ヒートポンプ等を活用して、その有効利用を図る。

(ウ) 余剰蒸気の活用等

a 利用価値のある高温の燃焼ガスまたは蒸気が存在する場合には、発電、作業動力等への有効利用を検討する。また、複合発電および蒸気条件の改善により、熱の動力等への変換効率を向上させる。

b 工場において、利用価値のある余剰の熱、蒸気等が存在する場合には、他工場または民生部門での有効利用を図る。

(エ) エネルギーの使用の合理化に関するサービス提供事業者の活用

ESCO事業者(エネルギーの使用の合理化に関する包括的なサービスを提供する者)等によるエネルギー効率改善に関する診断、助言、エネルギーの効率的利用に係る保証の手法等の活用を図る。

2 自らの事業活動を通じて他者の温室効果ガスの排出の抑制に寄与することとなる取組

(1) 製品の製造等

ア エネルギー消費性能等が優れている製品、再生可能エネルギーを得るために用いられる製品等(以下「省エネ製品等」という。)および省エネ製品等に組み込まれている技術(部品および素材を含む。以下同じ。)の生産

イ 省エネ製品等および省エネ製品等に組み込まれている技術の研究開発等

(2) サービスの提供等

ア 余剰エネルギーの他者への融通により、他者の温室効果ガスの排出の抑制に寄与することとなる取組

イ サービスの利用者が当該サービスを利用することにより温室効果ガスの排出を抑制することとなるサービスの提供

ウ 省エネ製品等および省エネ製品等に組み込まれている技術の販売

3 その他の低炭素社会づくりのための取組

(1) 環境物品等の購入等

ア 環境物品等の購入等の推進を図るための基本方針の作成

イ グリーン購入実践プラン滋賀登録制度(GPプラン滋賀)への登録

(2) 廃棄物の発生の抑制等

廃棄物の発生の抑制および分別等による再資源化の推進

(3) 森林の保全および整備

ア 琵琶湖森林づくりパートナー協定への参加

イ 滋賀県森林CO2吸収認証制度の活用

(4) 従業員の自動車通勤等の抑制

ア 通勤用バスの運行等による従業員の自動車通勤の抑制

イ 送迎バスの運行等による施設の来場者の自動車利用の抑制

(5) 再生可能エネルギーの利用

ア 太陽光発電設備、風力発電設備、バイオマス発電設備、小型水力発電設備等の再生可能エネルギー利用設備の設置

イ グリーン電力証書およびグリーン熱証書の購入

(6) クレジットの活用

ア 京都メカニズムを活用したクレジットの取得

イ 国内クレジット制度を活用したクレジットの取得

ウ オフセット・クレジット制度を活用したクレジットの取得

エ J―クレジット制度を活用したクレジットの取得

オ 二国間オフセット・クレジット制度を活用したクレジットの取得

(7) その他の取組

ア 敷地内、壁面、屋上等の緑化

イ 従業員に対する環境教育の推進

4 自動車の使用に伴う温室効果ガスの排出の抑制に関する取組

(1) 一般的事項

ア 推進体制の整備

(ア) 温室効果ガスの排出抑制に関する取組を効果的に推進するための責任者の設置を行うとともに役割分担および責任の所在を明確にする。また、経営者により取組に関する方針等の明確化を行う。

(イ) 各担当部署での具体的な取組を立案し、それらを検討できる組織横断的な委員会等を設置する。

(ウ) 毎年度の燃料消費量から温室効果ガスの排出量を把握し、整理・分析を行いその結果を社内に情報共有する体制を整備する。

(エ) 管理マニュアルの作成、社内研修体制の整備等を行う。

イ エネルギーの使用に関するデータ管理

自動車ごとに走行距離、燃料消費量等を把握し、取組の効果が分析できるように管理する。

ウ 自動車の運用および保守の管理

(ア) 温室効果ガス排出量の削減を目的とした自動車に係る運転管理、計測・記録、保守・点検についての自主マニュアルを作成する。

(イ) 自動車の性能および効率の低下を防止するため、定期的に点検・整備し、適切に保守管理を行う。

(2) 自動車使用の合理化

ア 輸送の効率化

(ア) 事前に目的地までの効率的なルートを選定する。

(イ) 輸送量や使用目的に応じた適正な車両の使用を図る。

(ウ) 他事業者との連携による共同輸配送等の推進および帰り荷の確保を図ることにより、輸送効率の向上を図る。

(エ) 輸送の合理化等により、多頻度少量輸送の改善を行う。

(オ) 道路混雑時の輸送の見直しや、道路交通情報通信システム(VICS)等を活用し、輸送効率の向上を図る。

イ 積載率の向上

輸送物品の重量、形状、特性等を把握して、最適な輸送ロットの決定を行う。

ウ 輸送方法の選択

自動車から鉄道および船舶へ輸送方法を転換するモーダルシフトを推進する。

(3) より温室効果ガス排出量の少ない自動車の導入等

ア 電気自動車、ハイブリッド自動車、天然ガス自動車、トップランナー燃費基準達成自動車、アイドリング・ストップ装置装着自動車等の導入

イ 輸送目的に応じた適正な自動車の計画的な導入

ウ 蓄熱式暖房マット、蓄冷式ベッドルームクーラー等のエネルギー使用効率に優れた機械器具の導入

(4) 従業員に対する教育

ア エコドライブの推進

(ア) 急発進および急加速をしないこと、アイドリング・ストップの実施等、環境および安全に配慮した運転であるエコドライブを推進する。

(イ) エコドライブの具体的な実践方法についてマニュアル等を整備し、運転者への周知や講習会への参加等の教育を実施する。

(ウ) デジタル式運行記録計の活用等により、エコドライブの適切な推進を図る。

イ 公共交通機関の利用促進

(ア) 公共交通機関もしくは自転車の利用または徒歩による移動を推進し、不要不急の自動車使用の抑制を行う。

(イ) 「ノーマイカーデー」の実施等により、社内において自動車使用の抑制を行う。

事業活動に係る低炭素社会づくり指針

平成24年4月1日 告示第197号

(平成29年2月20日施行)

体系情報
第11編の2 生活環境/第3章 公害規制
沿革情報
平成24年4月1日 告示第197号
平成25年4月24日 告示第196号
平成26年3月31日 告示第173号
平成29年2月20日 告示第83号