○近江の地酒でもてなし、その普及を促進する条例

平成28年3月23日

滋賀県条例第13号

近江の地酒でもてなし、その普及を促進する条例をここに公布する。

近江の地酒でもてなし、その普及を促進する条例

古くから近江国と称された本県を拠点として全国で活躍した近江商人は、各地で日本酒をはじめとする醸造業を営み、日本酒を中心とした文化の育みと地域経済の発展に寄与し、全国の蔵元の中には、近江商人ゆかりの蔵元もある。

近年、国内外から日本酒への関心が高まっている中で、本県における日本酒の地位を高めていくとともに、日本を代表する酒としての日本酒のブランドを向上させ、日本酒を海外に発信していく必要がある。

しかしながら、県内で製造される日本酒である近江の地酒が県内で提供され、消費される割合は低い状況にある。

本県は、古くから交通の要衝であるとともに、穀倉地帯として知られ、近江盆地で生産される品質の高い米と琵琶湖を取り囲む山々を水源とする良質な地下水や伏流水を利用して酒造りが行われ、酒どころとして栄えてきた。いわば、豊かな自然の恵みを享受し、地理的風土から生まれ育まれた郷土の財産と言えるのが近江の地酒である。

また、日本酒は、蔵元で酒造りの伝統が受け継がれることにより、吟醸酒をはじめとする質の高い酒が生産されるとともに、日本酒に合う郷土料理や酒器が生み出されるなど、日本酒を中心とした文化を長年にわたり育み、地域経済の発展に寄与してきた。

更に、一献酌み交わすことにより人間関係を更に深めることができるだけでなく、近江の地酒を通じて、地域の風土や伝統的な食文化にも広く関わりを持つことができ、県外からの滞在者や旅行者をもてなすという社会的な気運を高めることが期待できる。

私たちは、肥沃な土壌、豊富な水資源等の豊かな自然の恩恵の下で、近江の地酒が果たしている役割、発酵食品に代表される本県の食文化の歴史等に対する理解を深めつつ、豊かで潤いのある県民生活の形成に資するよう、近江の地酒を積極的に使用してもてなし、その普及を促進していくことを決意し、ここに近江の地酒でもてなし、その普及を促進する条例を制定する。

(目的)

第1条 この条例は、琵琶湖を取り巻く豊かな自然環境から誕生し、本県の経済、文化等に果たしている近江の地酒の役割の重要性に鑑み、近江の地酒の価値を再認識するとともに、発酵食品に代表される本県の食文化の歴史等に対する理解を深めつつ、近江の地酒を積極的に使用してもてなし、その普及の促進を図り、もって豊かで潤いのある県民生活の形成に寄与することを目的とする。

(県の役割)

第2条 県は、発酵食品に代表される本県の食文化の歴史等に対する理解を深めつつ、近江の地酒でもてなし、その普及を促進するため、乾杯の実施その他適切な方法(以下「乾杯等の方法」という。)により、県民、滞在者および旅行者(いずれも20歳以上の者に限る。以下同じ。)(以下「県民等」という。)が近江の地酒に愛着を持ち、県民が近江の地酒を自主的かつ積極的に使用して県外からの滞在者および旅行者をもてなす社会的気運を醸成するための広報活動の充実、新たな需要の開拓の促進、良質な酒米の生産の推進その他必要な環境の整備に努めるものとする。

(事業者の役割)

第3条 近江の地酒を製造する事業者は、県内で生産される米を用いて質の高い近江の地酒を製造するよう努めるものとする。

2 近江の地酒を販売し、または提供する事業者は、乾杯等の方法の実施を積極的に推進するとともに、県内で製造される近江の地酒を積極的に販売し、または提供するよう努めるものとする。

3 近江の地酒を製造し、販売し、または提供する事業者(以下「事業者」という。)は、近江の地酒の原料または材料が自然環境から供給されていることに鑑み、本県の自然環境の保全に努めるものとする。

(県民等の協力)

第4条 県民等は、発酵食品に代表される本県の食文化の歴史等を認識した上で、近江の地酒に愛着を持ち、乾杯等の方法により近江の地酒を自主的かつ積極的に使用する取組に協力するよう努めるものとする。

2 県民は、滋賀の豊かな自然環境を体現できる近江の地酒の価値を認識しつつ、県外からの滞在者および旅行者に対し、これに関する理解を求め、近江の地酒を積極的に使用してもてなすよう努めるものとする。

(近江の地酒もてなし普及促進協議会)

第5条 県は、近江の地酒でもてなし、その普及を促進することについて協議するため、近江の地酒もてなし普及促進協議会(以下「協議会」という。)を設置する。

2 協議会は、県、県民、事業者その他関係者をもって構成する。

(近江の地酒の需要の拡大)

第6条 協議会の構成員は、発酵食品に代表される本県の食文化の歴史等に対する理解を深め、近江の地酒でもてなし、その需要を拡大するため、近江の地酒の需要に関する最新の状況を把握し、もてなしに係る酒類の選定に当たっての近江の地酒の使用の促進、近江の地酒に関する適切な情報の提供、近江の地酒の需要の拡大に向けた啓発その他必要な取組を行うものとする。

(近江の地酒もてなし普及促進月間)

第7条 協議会は、近江の地酒でもてなし、その普及を促進するため、近江の地酒もてなし普及促進月間(以下「月間」という。)を設けるものとする。

2 協議会の構成員は、月間の趣旨にふさわしい事業を実施するよう努めるものとする。

(個人の好等の尊重等)

第8条 県、県民等、事業者その他関係者は、近江の地酒でもてなし、その普及を促進するに当たっては、個人の好および意思を十分に尊重することを旨とし、飲酒の強要がないようにするとともに、健康への影響に配慮するものとする。

付 則

この条例は、公布の日から施行する。

近江の地酒でもてなし、その普及を促進する条例

平成28年3月23日 条例第13号

(平成28年3月23日施行)