○滋賀県永源寺ダム管理規則

昭和58年12月28日

滋賀県規則第71号

滋賀県永源寺ダム管理規則

(趣旨)

第1条 この規則は、滋賀県永源寺ダム管理条例(昭和58年滋賀県条例第27号。以下「条例」という。)第2条第4条および第6条の規定に基づき、永源寺ダム(以下「ダム」という。)の管理について必要な事項を定めるものとする。

(常時満水位)

第2条 ダムの常時満水位は、標高270メートルとし、水位をこれより上昇させてはならない。

(最低水位)

第3条 ダムの最低水位は、標高227メートルとし、点検、補修その他特に必要とする場合を除き、水位をこれより低下させてはならない。

(水位の基準)

第4条 ダムの水位は、取水塔に取り付けられた水位計の示度によるものとする。

(貯水)

第5条 ダムの貯水は、かんがい用水等を確保するため、別に定めるダム容量配分計画に基づき行うものとする。

(かんがい用水の取水)

第6条 東近江農業農村振興事務所長(以下「所長」という。)は、気象、水象および愛知川頭首工の取水状況等を考慮して、かんがいのための必要な水量を、ダムから取水しなければならない。

2 所長は、水質の汚濁等のため、前項の規定による必要な水量を取水することが困難な場合には、利水者(愛知川沿岸土地改良区をいう。以下同じ。)と協議して適切な措置を講ずるとともに、知事に報告するものとする。

(一部改正〔平成26年規則32号〕)

(発電事業の取水)

第7条 所長は、かんがい用水の取水に支障を及ぼさない範囲内において、発電事業のために必要な水量をダムから取水するものとする。

2 所長は、ダムの操作を行おうとする場合において発電事業のための取水に影響を及ぼすおそれがあると認められるときは、発電事業者に連絡するものとする。

(責任放流)

第8条 ダムからの責任放流は、ダムに係る河川法(昭和39年法律第167号)第95条の規定による協議で定められた水利使用規則に基づき行うものとする。

(放流の制限)

第9条 所長は、前3条に定めるもののほか、次の各号のいずれかに該当する場合に限り、ダムに貯留した水を放流することができる。

(1) 水位が常時満水位を超えるとき。

(2) 洪水時または洪水の発生するおそれがあるとき。

(3) ダムまたはダムを操作するために必要な機械、器具等の点検および整備を行う必要があるとき。

(4) その他特にやむを得ない理由により必要があるとき。

(放流量および方法)

第10条 ダムからの放流は、下流の水位の急激な変動を生じないようにして行わなければならない。ただし、洪水時等流入量が急激に増加しているときは、当該流入量の増加率の範囲内において、放流量を増加することができる。

(放流の際にとるべき措置等)

第11条 所長は、洪水吐ゲートまたは河川側放水口ゲートから放流(責任放流を除き、中途における放流量の増加で下流に危害が生ずるおそれがあるものを含む。)を行う場合は、放流開始の少なくとも1時間前に関係機関に通知するとともに、一般に周知させるため必要な措置をとらなければならない。

(洪水吐ゲートの操作)

第12条 洪水吐ゲートは、常時閉扉しておくものとし、次の各号のいずれかに該当する場合に限り、これを操作するものとする。

(1) 第9条の規定による放流を行うとき。

(2) 第15条の規定による点検および整備を行うとき。

(3) 貯水を行う必要がないとき。

(取水ゲートの操作)

第13条 取水ゲートは、取水の必要に応じて操作するものとし、かんがい用水の取水を行う場合にあつては、原則として貯水池の表面から取水するよう操作するものとする。ただし、貯水池の表面水が取水に適さない場合または水位が標高243メートル以下の場合は、この限りでない。

(河川側放水口ゲートの操作)

第14条 河川側放水口ゲートは、第8条の規定による責任放流を行う場合または第12条各号のいずれかに該当する場合に限り、これを操作するものとする。

(点検および整備)

第15条 所長は、堤体、湖岸、ゲート、ゲートの操作に必要な機械器具、警報および通信に必要な設備、その他ダムの管理に必要な機械、器具等を常に良好な状態に保つため点検および整備を行うとともに、ゲートおよび予備電源設備については、適時試運転を行わなければならない。

(洪水警戒体制)

第16条 所長は、次の各号のいずれかに該当する場合には、洪水警戒体制をとらなければならない。

(1) 彦根地方気象台から降雨に関する注意報または警報が発せられた場合において所長が必要と認めるとき。

(2) 洪水が発生したとき、または洪水の発生が予想されるとき。

(洪水警戒体制時における措置)

第17条 所長は、前条の規定により洪水警戒体制をとつたときは、次の各号に掲げる措置をとらなければならない。

(1) 要員の確保

(2) ダムの管理上必要な設備および機械、器具等の点検および整備

(3) 彦根地方気象台および関係機関との連絡ならびに気象および水象の観測および情報の収集

(4) 流入量の時間的変化の予測

(5) ダムの水位および流入量の状況により放流または貯水のために必要なゲートの操作

2 所長は、水害が発生するおそれがある場合には、河川法第47条第1項の規定により定められたダムの操作規程に基づき、貯留された水を事前に放流し、ダムの水位を低下させるよう努めるものとする。

(一部改正〔令和3年規則45号〕)

(洪水警戒体制の解除)

第18条 所長は、第16条各号に規定する事態が消滅したと認める場合には、堤体等の異常の有無を点検し、異常を認めたときは、速やかに必要な措置をとり、その後に洪水警戒体制を解除するものとする。

(干ばつ時における措置)

第19条 所長は、ダムの貯水状況、長期にわたる降雨量の予報等を考慮して、干ばつのおそれがあると認めたときは、節水計画を定め、利水者および発電事業者に通知し、これにより取水を行うものとする。

(気象および水象の観測)

第20条 所長は、気象関係および水象関係について、次に掲げる事項を定期的に観測しなければならない。

(1) 気象関係 天気、気圧、気温、相対湿度、風向、風速、蒸発量、降雨量等

(2) 水象関係 水位、流入量、放流量、取水量、水質等

(ダムのたい砂状況の調査)

第21条 所長は、毎年1回および洪水の直後で必要があると認めるときは、ダムのたい砂の状況を調査しなければならない。

(堤体の調査等)

第22条 所長は、堤体に設置された測定機器により、堤体の変位、揚圧力、漏水等について調査または観測を行わなければならない。

(管理日誌)

第23条 所長は、ダム管理日誌を備え、次に掲げる事項について記録しなければならない。

(1) 観測および調査の結果に関する事項

(2) ダムの状況ならびに点検および整備に関する事項

(3) 緊急時における措置に関する事項

(4) ゲート等の操作を行つたときは、操作の理由、操作の時刻、開度、取水量および放流量に関する事項

(5) その他ダムの管理に関する事項

2 所長は、毎月10日までに、前月の管理の状況を取りまとめ、その内容を知事に報告しなければならない。

この規則は、昭和59年1月1日から施行する。

(平成26年規則第32号抄)

(施行期日)

1 この規則は、公布の日から施行する。

(令和3年規則第45号)

この規則は、公布の日から施行する。

滋賀県永源寺ダム管理規則

昭和58年12月28日 規則第71号

(令和3年4月9日施行)