1(1)　奨励品種に指定するもの

ア　種類名　水稲(粳うるち)

イ　品種名　ゆめおうみ

(2)　新奨励品種の来歴および特性の概要

ア　来歴

「ゆめおうみ」は、良質多収良食味を目標に、昭和60年に「越南135号」を母、「滋系51号」を父として人工交配を行い、その後代から育成した品種である。

平成4年より奨励品種決定調査を行い、収量等について継続検討するとともに、現地での適応性を検討し、平成6年、雑種第11代(F11)で地方番号「滋賀60号」を付した。

平成8年度までの成績を検討の結果、特性の把握を完了、その成績が有望と認められ、試験を終了し、平成10年に「ゆめおうみ」と命名した。

イ　特性の概要

苗の草丈はやや短く葉色、葉幅は中。本田での初期生育、分げつの発生は良好で、葉身はやや短い。

稈かん長は「日本晴」に比較して約12センチメートル短く、穂長・穂数は「日本晴」と同程度の中間型の草型を示す。

粒着および芒ぼうは「日本晴」と同程度である。ふ先色は黄白色、脱粒性は難である。

玄米の千粒重は23グラム前後で「日本晴」よりやや大粒である。

外観品質は「日本晴」と同程度の良質である。

出穂・成熟期は「日本晴」より約3日早い、中生の早に属する粳うるち種である。

稈かんの太さ、剛つよさおよび倒伏抵抗性は、「日本晴」より優まさる強稈かんである。

いもち病抵抗性は、「日本晴」に優まさり、やや強である。

穂発芽性は「日本晴」に優まさる極難、紋枯病はややでにくい。

収量性は「日本晴」に比較して明らかに高い。

玄米蛋たん白含量、アミロース含量は「日本晴」より低く、「日本晴」に対して明らかに良食味である。

2(1)　奨励品種に指定するもの

ア　種類名　水稲(粳うるち)

イ　品種名　秋あきの詩うた

(2)　新奨励品種の来歴および特性の概要

ア　来歴

「秋あきの詩うた」は、良質多収良食味を目標に、平成2年に「吟おうみ」を母、「コシヒカリ」を父として人工交配を行い、その後代から育成した品種である。

平成8年より奨励品種決定調査を行い、収量等について継続検討するとともに、現地での適応性を検討し、平成8年、雑種第7代(F7)で地方番号「滋賀62号」を付した。

平成10年度までの成績を検討の結果、特性の把握を完了、その成績が有望と認められ、試験を終了し、同年に「秋あきの詩うた」と命名した。

イ　特性の概要

苗の草丈は中、葉色はやや濃く、葉幅はやや細い。本田での初期生育、分げつの発生は旺おう盛で、葉身はやや長い。

稈かん長は「日本晴」に比較して、約7センチメートル長く、「コシヒカリ」に比較して約6センチメートル短い。両品種より穂長は2センチメートル程度長く、穂数は両品種と同程度の中間型の草型を示す。

「日本晴」に比べ、粒着はやや密で2次枝梗しこうは少なく、2次枝梗しこう依存率は低い。芒ぼうは「日本晴」より少なく短く、「コシヒカリ」と同程度である。

ふ先色は黄白色、脱粒性は難である。

玄米の千粒重は23グラム前後で「日本晴」、「コシヒカリ」よりやや大きい。

外観品種は「日本晴」、「コシヒカリ」と同程度の良質である。

出穂・成熟期は「日本晴」と同程度か1～2日遅い、中生の晩に属する粳うるち種である。

稈かんの太さ、剛つよさは「日本晴」並、耐倒伏性は「日本晴」よりやや劣り、「コシヒカリ」に優まさる中弱である。

いもち病抵抗性は、「日本晴」に劣り、「コシヒカリ」に優まさるやや弱である。

穂発芽性は「日本晴」に優まさり、「コシヒカリ」と同程度の難である。

収量性は「日本晴」、「コシヒカリ」と比較して明らかに高い。

食味は「日本晴」に対して明らかに優まさり、「コシヒカリ」、「キヌヒカリ」並である。