○農作物奨励品種の指定

昭和57年8月25日

滋賀県告示第422号

農作物奨励品種の指定

滋賀県農作物奨励品種指定規程(昭和28年滋賀県告示第186号)第2条第1項の規定により、次のとおり滋賀県農作物奨励品種の指定をする。

1 奨励品種として指定するもの

(1) 種類名

大豆

(2) 品種名

エンレイ

2 新奨励品種の来歴および特性の概要

(1) 来歴

エンレイは、昭和36年に長野県農業試験場桔梗ケ原分場において農林2号を母とし、東山6号(シロメユタカ)を父として人工交配を行い、昭和40年(F4)に個体選抜を行つて以後選抜固定を図り育成したものである。昭和43年から東山57号の系統名で関係府県に配布され検討された。昭和46年5月には、大豆農林57号に登録され、エンレイと命名された。

本県では、昭和54年度から滋賀県農業試験場本場、湖北分場および湖西分場で試験を行い、昭和55年から昭和56年まで、現地試験を行い、検討した。

(2) 特性の概要

ア 形態的特性

茎長は、赤莢、タマホマレより短い短茎種である。主茎節数、分枝数はやや少ない。強茎で倒伏は少なく、蔓化も極めて少ない。草型は主茎型である。花は紫、莢色は褐、毛耳は灰白色で多い。

粒は、百粒重が30グラム以上で大粒に属し、粒形はやや楕円形である。

粒色は黄色で、へそ色は無色のいわゆる白目である。光沢は中位で外観上は美しい。障害粒は、タマホマレよりやや多い。

イ 生態的特性

開花期は、赤莢、タマホマレより早く、7月下旬、熟期は10月中旬で、赤莢より早い早中生種である。結実日数は赤莢と同程度で、タマホマレより15日程度短い。

耐病性については、ウイルス病、紫斑病ともに罹病性である。ウイルス病には赤莢よりやや弱く、褐斑病の発生もやや多い。

紫斑病は赤莢より弱い。収量性は赤莢より多収でタマホマレ程度である。茎重はタマホマレよりやや劣るが、粒茎比が高く子実生産効率の高い特性を示す。地域適応性は、秋雨の早い湖北、湖西の麦―大豆の作付体系をとる地域および中山間地の地力中庸以上の転換畑に適する。

農作物奨励品種の指定

昭和57年8月25日 告示第422号

(昭和57年8月25日施行)

体系情報
第9編 林/第1章 政/第1節
沿革情報
昭和57年8月25日 告示第422号