○滋賀県公衆浴場法施行条例

平成7年10月18日

滋賀県条例第45号

滋賀県公衆浴場法施行条例をここに公布する。

滋賀県公衆浴場法施行条例

(趣旨)

第1条 この条例は、公衆浴場法(昭和23年法律第139号)第2条第3項および第3条第2項の規定に基づき、公衆浴場の適正な配置の基準ならびに浴場業を営む者(以下「営業者」という。)が講じなければならない公衆浴場についての換気、採光、照明、保温および清潔その他入浴者の衛生および風紀に必要な措置の基準(以下「措置の基準」という。)を定めるものとする。

(配置の基準)

第2条 公衆浴場のうち、地域住民の日常生活において保健衛生上必要なものとして利用される公衆浴場(以下「一般公衆浴場」という。)の設置の場所の配置の基準は、既設の一般公衆浴場の敷地の境界線から設置しようとする一般公衆浴場の敷地の境界線までの最短距離が300メートル以上であることとする。

2 次の各号のいずれかに該当するときは、前項の規定は、適用しない。

(1) 一般公衆浴場を借り受け、または譲り受けた者が引き続き同一の場所において当該一般公衆浴場を経営するとき。

(2) 営業者が一般公衆浴場を新築し、増築し、もしくは改築し、または大規模の修繕もしくは大規模の模様替え等を行い、引き続き同一の場所において一般公衆浴場を経営するとき。

(3) 公共事業による移転等の対象となり、従前の場所において経営することができなくなった一般公衆浴場の営業者が一般公衆浴場を経営するとき。

(4) 利用者の利便、土地の状況、人口密度、既設の一般公衆浴場の収容能力その他特別の事情により知事が公衆衛生上必要があると認めるとき。

(公衆浴場の措置の基準)

第3条 公衆浴場(次条の規定の適用を受ける公衆浴場を除く。以下この条において同じ。)の営業者が講じなければならない構造および設備についての措置の基準は、次のとおりとする。

(1) 脱衣室および浴室は、男女別に設け、相互に、かつ、外部から見通すことができない構造とすること。

(2) 脱衣室および浴室には、開放することができる窓または換気設備を設けること。

(3) 脱衣室および浴室には、採光または照明のための設備を設けること。

(4) 脱衣室または浴室には、飲料水を供給する設備を設けること。

(5) 脱衣室については、次のとおりとすること。

 想定される入浴者数に応じた広さを有すること。

 保温設備を設けること。

 洗面設備を設けること。

 入浴者の衣類その他の携帯品を安全に保管することができる設備を設けること。

 ベビーベッドまたはこれに代わる設備を設けること。

(6) 浴室については、次のとおりとすること。

 天井は、水滴落下防止の方法を講じた構造とすること。

 床面から1.5メートルまでの壁は、耐水性の材料を用いること。

 床面は、耐水性の材料を用い、適当なこう配を設け、汚水を屋外の排水溝または排水管に排出することができるように仕上げ、かつ、清掃を容易に行うことができる構造とすること。

 洗い場は、想定される入浴者数に応じた広さを有すること。

 洗い場には、想定される入浴者数に応じた数の給水湯栓、シャワー設備、洗い桶および腰掛けを備えること。

(7) 浴室には、次に掲げる構造の浴槽を設けること。

 耐水性の材料を用いること。

 洗い場での使用水または浴槽からの流出水が浴槽内に流入しないこと。

 循環ろ過装置でろ過し、消毒設備で消毒された浴槽水を供給することができること。ただし、毎日換水する場合は、この限りでない。

 想定される入浴者数に応じた広さを有すること。

 入浴者の見やすい位置に浴槽水の温度を明示するための温度計等を有すること。

 必要に応じて手すりまたは踏段を有すること。

 浴槽に気泡発生装置、ジェット噴射装置等微小な水粒を発生させる設備を設置する場合には、当該設備の空気取入口から土ぼこりが入らないような構造とすること。

(7)の2 循環ろ過装置については、次のとおりとすること。

 ろ過器は、十分なろ過能力を有するものとし、ろ過器の前に集毛器を設けること。

 ろ過器は、ろ材の交換を適切に行うことができる構造である場合を除き、ろ材について十分な逆洗浄を行うことができる構造とすること。

(8) サウナ室またはサウナ設備を設ける場合は、次のとおりとすること。

 サウナ室は、男女を区別すること。

 サウナ室の床面、内壁および天井は、耐熱性の材料を用いること。

 サウナ室の床面は、清掃を容易に行うことができる構造とし、排水の必要がある場合には排水を容易に行うことができるように適当なこう配および排水口を設けること。

 サウナ室またはサウナ設備の蒸気もしくは熱気の放出口または放熱パイプは、入浴者の身体に直接接触しない構造とすること。

 サウナ室には、換気口を適当な位置に設けること。

 サウナ室またはサウナ設備には、温度調節設備を設け、かつ、温度計を入浴者の見やすい位置に設けること。

 サウナ室には、室内を見通すことができる窓を設け、かつ、非常用ブザー等を入浴者の利用しやすい位置に設けること。

(9) 脱衣室等入浴者の利用しやすい場所に男女別の便所を設け、開放することができる窓または換気設備および流水式手洗設備を設けること。

(10) 排水溝または排水管およびこれらに付属する排水ますは、耐水性の材料を用い、臭気の発散および汚水の漏出を防ぐことができる構造とすること。

(11) 屋外に浴槽を設ける場合は、次のとおりとすること。

 浴槽およびこれに至る通路は、男女を区別し、相互に、かつ、外部から見通すことができない構造とすること。

 浴槽に至る通路は、脱衣室、浴室等から直接出入りすることができる構造とすること。

 浴槽の構造は、第7号(を除く。)に掲げる構造とすること。

 屋外には、洗い場を設けないこと。

 屋外の浴槽内の湯水が循環ろ過装置を経ずに屋内の浴槽内の湯水に直接混入しない構造とすること。

2 公衆浴場の営業者が講じなければならない維持および管理についての措置の基準は、次のとおりとする。

(1) 浴槽水は、営業中常に満ちた状態に保つこと。

(2) 浴槽水の水質は、次の基準(知事が入浴者の衛生上支障がないと認める場合にあっては、またはを除く。)を満たすものであること。

 濁度は、5度以下とすること。

 有機物(全有機炭素の量)は1リットルにつき8ミリグラム以下とすることまたは過マンガン酸カリウム消費量は1リットルにつき25ミリグラム以下とすること。

 大腸菌群は、1ミリリットルにつき1個以下とすること。

 レジオネラ属菌は、検出されないこと。

(3) 給水湯栓およびシャワー設備から供給される湯水は、清浄に保つこと。

(4) 浴槽水は、毎日完全に換水し、清浄に保つこと。ただし、ろ過器を使用して浴槽水を循環させる場合は、1週間に1回以上完全に換水し、浴槽の清掃および消毒をすること。

(4)の2 原湯を貯留する貯湯槽内の湯水は、塩素系薬剤により消毒されている場合その他これと同等以上の消毒効果を有する方法により消毒されている場合を除き、その温度を摂氏60度以上に保つこと。

(4)の3 ろ過器を使用して浴槽水を循環させる場合は、次に掲げる措置を講ずること。

 ろ過器は、1週間に1回以上、逆洗浄等を行い、ろ材に付着した生物膜等の汚れを除去するとともに、内部の消毒をすること。

 浴槽水を循環させるための配管は、必要に応じて清掃および消毒をすること。

 浴槽水は、塩素系薬剤により消毒を行い、遊離残留塩素濃度が1リットルにつき0.2ミリグラム以上になるよう保つこと。ただし、これにより難い場合であって、塩素系薬剤による消毒とその他の方法による消毒を併用する方法等により適切に消毒を行うときは、この限りでない。

 浴槽水については、1年に1回(気泡発生装置、ジェット噴射装置等微小な水粒を発生させる設備を設置する浴槽または屋外の浴槽内の湯水を循環させる場合は、1年に2回)以上第2号の水質基準について検査を定期的に行い、その結果を3年間保管すること。

(4)の4 浴槽からあふれた湯水を回収する槽(以下「回収槽」という。)内の湯水は、浴用に供しないこと。ただし、回収槽内の清掃および消毒を十分に行い、かつ、回収槽内の湯水を塩素系薬剤により消毒する場合は、この限りでない。

(5) 浴槽水には、医薬品、医薬部外品その他の物質を加え、または電気、放射線等を作用させないこと。ただし、知事が適当と認めるものについては、この限りでない。

(6) 入浴者にタオル等の布類、くしまたはヘアブラシを貸与する場合は、新しいものまたは消毒した清潔なものとすること。

(7) 入浴者にかみそりを貸与する場合は、新しいものとすること。

(8) 脱衣室、浴室、便所その他の入浴者が利用する施設および設備は、常に清潔で衛生的に保つこと。

(9) 脱衣室および浴室に設けられた給水湯栓等から供給される湯水が水道法(昭和32年法律第177号)第4条に規定する水質基準に適合していないときは、入浴者の見やすい場所に「飲用不適」等の文字を表示すること。

(10) 伝染のおそれがある疾病にかかっている者またはその疑いがある者は、業務に従事させないこと。

(11) 風紀を乱すおそれのある文書、絵画、写真、物品、広告または装飾設備等を置き、掲げ、または設けないこと。

(12) 8歳以上の男女を混浴させないこと。

(13) 衛生および風紀を保持するため、入浴者の留意すべき事項を入浴者の見やすい場所に掲示すること。

(14) 脱衣室および浴室は、十分な照度とすること。

(15) 脱衣室および浴室は、脱衣または入浴に支障がない温度に保ち、かつ、換気を十分に行うこと。

3 一般公衆浴場以外の公衆浴場については、利用の目的および形態その他特別の理由により、知事が入浴者の衛生および風紀上支障がないと認めるときは、前2項に定める基準の一部を適用しないことができる。

(一部改正〔平成16年条例15号・令和2年24号〕)

(特殊公衆浴場の措置の基準)

第4条 公衆浴場のうち、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和23年法律第122号)第2条第6項第1号に該当する営業の施設として利用される公衆浴場(以下「特殊公衆浴場」という。)の営業者が講じなければならない構造および設備についての措置の基準は、次のとおりとする。

(1) 前条第1項各号(第1号第5号アおよび第6号エ第7号ウおよび第7号の2ならびに第8号アを除く。)に掲げる基準によること。

(2) 個室は、浴場の外部から見通すことができない構造とすること。

(3) 個室の床面積は、5平方メートル以上とし、適当な広さの脱衣室と浴室とに区分すること。

(4) 各個室への通路は、共用とすること。

(5) 個室の出入口は、幅0.7メートル以上、高さ1.8メートル以上とし、出入口戸には、上部半分の位置に幅0.6メートル以上、高さ0.7メートル以上の透明ガラス窓を設け、かつ、カーテン等個室の内部の見通しを妨げる物およびかぎを設けないこと。

(6) 個室内は、個室の出入口から見通すことができる構造とし、遮へい物を設けないこと。

(7) 個室内の照明の点滅器は、当該個室の外壁のみに設け、かつ、当該個室内の全部の照明の点滅をすることができるものとすること。

(8) 適当な広さの待合室を設けること。

(9) 適当な広さの従業員用休憩室を設けること。

(10) タオルの保管用戸棚は、個室以外の適当な場所に設けること。

2 特殊公衆浴場の営業者が講じなければならない維持および管理についての措置の基準は、次のとおりとする。

(1) 前条第2項各号(第1号第4号第4号の3および第6号を除く。)に掲げる基準によること。

(2) 浴槽水は、客1人ごとに換水すること。

(3) 従業員が客に対して使用し、または使用させるタオル、くしまたはヘアブラシは、新しいものまたは消毒した清潔なものとすること。

(4) 従業員に風紀を乱すおそれのある服装および行為をさせないこと。

(一部改正〔平成11年条例14号・16年15号〕)

(規則への委任)

第5条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

1 この条例は、平成8年4月1日から施行する。

2 この条例の施行の際現に公衆浴場法第2条第1項の許可を受けて営業している一般公衆浴場であって、第3条第1項第9号の規定の適用が困難で、かつ、入浴者の衛生上支障がないと知事が認めるものについては、同号の規定は、適用しない。

(平成11年条例第14号)

この条例は、平成11年4月1日から施行する。

(平成16年条例第15号)

この条例は、平成16年7月1日から施行する。

(令和2年条例第24号)

この条例は、公布の日から施行する。

滋賀県公衆浴場法施行条例

平成7年10月18日 条例第45号

(令和2年3月30日施行)

体系情報
第5編 生/第3章 公衆衛生/第3節 生活衛生
沿革情報
平成7年10月18日 条例第45号
平成11年3月18日 条例第14号
平成16年3月29日 条例第15号
令和2年3月30日 条例第24号