○滋賀県生活保護法に基づく保護施設の設備および運営に関する基準を定める条例

平成25年3月29日

滋賀県条例第5号

滋賀県生活保護法に基づく保護施設の設備および運営に関する基準を定める条例をここに公布する。

滋賀県生活保護法に基づく保護施設の設備および運営に関する基準を定める条例

(趣旨)

第1条 この条例は、生活保護法(昭和25年法律第144号。以下「法」という。)第39条第1項の規定に基づき、保護施設(医療保護施設を除く。以下同じ。)の設備および運営に関する基準(第3条において「基準」という。)について定めるものとする。

(定義)

第2条 この条例において使用する用語は、法において使用する用語の例による。

(設備および運営に関する基準)

第3条 法第39条第1項の条例で定める基準は、別表第1に定めるもののほか、次の各号に掲げる保護施設の種類の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める別表のとおりとする。

(1) 救護施設 別表第2

(2) 更生施設 別表第3

(3) 授産施設 別表第4

(4) 宿所提供施設 別表第5

この条例は、平成25年4月1日から施行する。

(令和3年条例第33号)

1 この条例は、令和3年8月1日から施行する。

2 この条例の施行の日から令和6年3月31日までの間(次項において「経過期間」という。)における改正後の別表第1第5項第2号の規定の適用については、同号中「講ずる」とあるのは、「講ずるよう努める」とする。

3 経過期間における改正後の別表第1第7項の規定の適用については、同項第1号中「講ずる」とあるのは「講ずるよう努める」と、同項第3号および第4号中「行う」とあるのは「行うよう努める」とする。

別表第1(第3条関係)

(一部改正〔令和3年条例33号〕)

1 保護施設の設置者(以下この表において「設置者」という。)は、健全な環境の下で、社会福祉事業(社会福祉法(昭和26年法律第45号)第2条に規定する社会福祉事業をいう。以下同じ。)に関する熱意および能力を有する職員によって入所者または利用者(以下この表において「入所者等」という。)の処遇を適切に行うよう努めること。

2 構造および設備

(1) 保護施設の配置、構造および設備は、採光、換気等の入所者等の保健衛生および入所者等に対する危害の防止について十分考慮されたものとすること。

(2) 設置者は、保護施設の設備を当該保護施設の用途以外の用途に供しないこと。ただし、入所者等の処遇に支障がない場合は、この限りでない。

3 職員

(1) 職員は、専ら当該保護施設の職務に従事する者とすること。ただし、入所者等の処遇に支障がない場合は、この限りでない。

(2) 保護施設の長は、社会福祉法第19条第1項各号のいずれかに該当する者もしくは社会福祉事業に従事した期間が2年以上である者またはこれらと同等以上の能力を有すると認められる者とすること。

(3) 設置者は、入所者等に対し適切な処遇を行う観点から、職場において行われる性的な言動または優越的な関係を背景とした言動であって業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより職員の就業環境が害されることを防止するための方針の明確化等の必要な措置を講ずること。

4 設置者は、入所者等の人権の擁護、虐待の防止等のため、責任者を設置する等必要な体制の整備を行うとともに、その職員に対し、研修の機会を確保すること。

5 衛生管理

(1) 設置者は、入所者等の使用する設備、食器等または飲用に供する水について、衛生的な管理に努め、または衛生上必要な措置を講ずること。

(2) 設置者は、当該保護施設において感染症または食中毒が発生し、またはまん延しないように、次に掲げる措置を講ずること。

ア 当該保護施設における感染症および食中毒の予防およびまん延の防止に関する対策を検討する委員会を定期的に開催するとともに、その結果を職員に周知すること。この場合において、当該委員会の開催は、テレビ電話装置その他の情報通信機器を用いて行うことができる。

イ 当該保護施設における感染症および食中毒の予防およびまん延の防止に関する指針を整備すること。

ウ 職員に対し、感染症および食中毒の予防およびまん延の防止に関する研修ならびに感染症の予防およびまん延の防止に関する訓練を定期的に行うこと。

6 非常災害対策

(1) 設置者は、消火用具、非常口その他非常災害の発生の際に必要な設備を設けるとともに、非常災害に関する具体的な計画を作成し、これに対する不断の注意および訓練をするよう努めること。

(2) 前号の訓練のうち、避難および消火に関する訓練は、定期的に行うこと。

(3) 設置者は、前号の訓練の実施に当たって、地域住民の参加が得られるよう連携に努めること。

7 業務継続計画の策定等

(1) 設置者は、感染症または非常災害の発生時において、入所者等に対する処遇を継続的に行い、および非常時の体制で早期の業務再開を図るための計画(以下この項において「業務継続計画」という。)を策定し、当該業務継続計画に従い他の社会福祉施設との連携その他必要な措置を講ずること。

(2) 設置者は、業務継続計画を職員に周知すること。

(3) 設置者は、定期的に研修および訓練を行うこと。

(4) 設置者は、定期的に業務継続計画の見直しを行い、必要に応じて業務継続計画の変更を行うこと。

8 設置者は、設備、職員、会計および入所者等の処遇の状況を明らかにする記録を整備すること。この場合において、当該記録の整備は、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。別表第2第4項第3号において同じ。)により行うことができる。

9 秘密保持

(1) 職員は、正当な理由がなく、その業務上知り得た入所者等またはその家族の秘密を漏らさないこと。

(2) 設置者は、職員であった者が、正当な理由がなく、その業務上知り得た入所者等またはその家族の秘密を漏らすことがないよう、必要な措置を講ずること。

10 苦情への対応

(1) 設置者は、その行った処遇に関する入所者等からの苦情に迅速かつ適切に対応するために、苦情を受け付けるための窓口を設置する等の必要な措置を講ずること。

(2) 設置者は、その行った処遇に関し、保護の実施機関から指導または助言を受けた場合は、当該指導または助言に従って必要な改善を行うこと。

(3) 設置者は、社会福祉法第83条に規定する運営適正化委員会が同法第85条第1項の規定により行う調査にできる限り協力すること。

別表第2(第3条関係)

(一部改正〔令和3年条例33号〕)

救護施設の設備および運営に関する基準

1 救護施設の規模等は、次に掲げるとおりとすること。

(1) 救護施設の規模は、30人以上の人員が入所できるものとすること。ただし、日常生活を営むことが困難な要保護者を入所させて生活扶助を行うことを目的とする施設(救護施設と一体的に管理運営を行うものに限る。)であって入所者が20人以下のものを設置する場合にあっては、当該救護施設の規模は、5人以上の人員が入所できるものとすることができる。

(2) 入所者の総数のうちに占める被保護者の数の割合は、おおむね80パーセント以上とすること。

2 構造および設備

(1) 救護施設の設置者(以下この表において「設置者」という。)は、居室、静養室、浴室、洗面所、便所、医務室、食堂、集会室、面接室、洗濯室または洗濯場、調理室、介護職員室、宿直室、汚物処理室、事務室および霊安室を設けること。ただし、他の社会福祉施設等の設備を利用することにより当該救護施設の効果的な運営を期待することができる場合であって、入所者の処遇に支障がないときは、これらの設備の一部を設けないことができる。

(2) 設置者は、必要に応じ、常時の介護を必要とする者を入所させる居室(以下「特別居室」という。)を設けること。

(3) 設備の基準は、次に掲げるとおりとすること。この場合において、当該記録の整備は、電磁的記録により行うことができる。

ア 居室

(ア) 定員は、原則として4人以下とすること。

(イ) 地階に設けないこと。

(ウ) 入所者1人当たりの床面積は、収納設備等を除き、3.3平方メートル以上とすること。

(エ) 1以上の出入口は、避難上有効な廊下、広間の類または屋外に直接面して設けること。

(オ) 入所者の寝具および所持品を各人別に収納することができる設備を設けること。

(カ) 特別居室は、原則として1階に設け、寝台またはこれに代わる設備を設けること。

イ 静養室

(ア) 医務室または介護職員室に近接して設けること。

(イ) (ア)に定めるもののほか、静養室については、ア((ア)および(ウ)を除く。)の規定を準用する。

ウ 洗面所は、居室のある階ごとに設けること。

エ 便所

(ア) 居室のある階ごとに設けること。

(イ) 男女別とすること。

オ 医務室には、入所者の診療に必要な医薬品および医療機器を備えるほか、必要に応じ、臨床検査設備を設けること。

カ 調理室の火気を使用する部分は、不燃材料を用いること。

キ 介護職員室は、居室のある階ごとに居室に近接して設けること。

ク その他

(ア) 廊下の幅は、1.35メートル(中廊下にあっては、1.8メートル)以上とすること。

(イ) 廊下、便所その他必要な場所には、常夜灯を設けること。

(ウ) 階段の傾斜は、緩やかにすること。

(4) 建物(入所者が日常生活を営むために使用しない附属の建物を除く。以下この表において同じ。)は、耐火建築物(建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条第9号の2に規定する耐火建築物をいう。)または準耐火建築物(同条第9号の3に規定する準耐火建築物をいう。)とすること。ただし、知事が火災予防、消火活動等に関し専門的知識を有する者の意見を聴いて、当該建物が次のアからウまでに掲げる要件のいずれかを満たす木造かつ平家建ての建物であって、火災に対する入所者の安全が確保されているものと認めたときは、この限りでない。

ア 初期消火および延焼の抑制に資する構造または設備を有すること。

イ 火災の早期発見および通報の体制が整備され、円滑な消火活動が可能であること。

ウ 火災の際の円滑な避難が可能な構造および体制を有すること。

3 職員

(1) 設置者は、救護施設の長(以下この表において「施設長」という。)、医師、生活指導員、介護職員、看護師または准看護師、栄養士および調理員を置くこと。ただし、調理業務の全部を委託する救護施設にあっては、調理員を置かないことができる。

(2) 生活指導員、介護職員および看護師または准看護師の総数は、おおむね入所者の数を5.4で除して得た数以上とすること。

(3) 生活指導員は、社会福祉法第19条第1項各号のいずれかに該当する者またはこれと同等以上の能力を有すると認められる者とすること。

4 設置者は、救護施設、更生施設、授産施設及び宿所提供施設の設備及び運営に関する基準(昭和41年厚生省令第18号)第16条の2に規定する給付金(以下この項において「給付金」という。)として支払を受けた金銭およびこれに準ずるもの(これらの運用により生じた収益を含む。以下「金銭」という。)を次に掲げるところにより管理すること。

(1) 入所者に係る金銭を当該入所者のその他の財産と区分すること。

(2) 入所者に係る金銭を給付金の支給の趣旨に従って用いること。

(3) 入所者に係る金銭の収支の状況を明らかにする記録を整備すること。

(4) 当該入所者が救護施設を退所した場合には、速やかに、入所者に係る金銭を当該入所者に取得させること。

5 生活指導等

(1) 施設長は、入所者に対し、生活の向上および更生のための指導を受ける機会を与えること。

(2) 施設長は、入所者に対し、その精神的および身体的条件に応じ、機能を回復し、または機能の減退を防止するための訓練または作業に参加する機会を与えること。

(3) 施設長は、教養または娯楽に関する設備等を備えるほか、必要に応じ、レクリエーションを行うこと。

6 給食

(1) 給食は、栄養ならびに入所者の身体的状況およびし好を考慮したものとすること。

(2) 調理は、あらかじめ作成された献立に従って行うこと。

7 衛生管理等

(1) 施設長は、1週間に2回以上入所者を入浴させ、または清しきをすること。

(2) 設置者は、当該救護施設に必要な医薬品その他の医療品を備えるとともに、その管理を適正に行うこと。

(3) 施設長は、入所者に対し、入所時および1年に2回以上、定期に健康診断を行うこと。

別表第3(第3条関係)

更生施設の設備および運営に関する基準

1 更生施設の規模等は、次に掲げるとおりとすること。

(1) 更生施設の規模は、30人以上の人員が入所できるものとすること。

(2) 入所者の総数のうちに占める被保護者の数の割合は、おおむね80パーセント以上とすること。

2 設備

(1) 更生施設の設置者(以下この表において「設置者」という。)は、居室、静養室、作業室または作業場、浴室、洗面所、便所、医務室、食堂、集会室、面接室、洗濯室または洗濯場、調理室、宿直室および事務室を設けること。ただし、他の社会福祉施設等の設備を利用することにより当該更生施設の効果的な運営を期待することができる場合であって、入所者の処遇に支障がないときは、これらの設備の一部を設けないことができる。

(2) 作業室または作業場には、作業に従事する者の安全を確保するための設備を設けること。

(3) 前2号に定めるもののほか、更生施設の設備については、別表第2第2項(第1号第2号ならびに第3号ア(カ)およびを除く。)の規定を準用する。

3 職員

(1) 設置者は、更生施設の長(以下この表において「施設長」という。)、医師、生活指導員、作業指導員、看護師または准看護師、栄養士および調理員を置くこと。ただし、調理業務の全部を委託する更生施設にあっては、調理員を置かないことができる。

(2) 生活指導員、作業指導員および看護師または准看護師の総数は、入所者の数が150人以下である更生施設にあっては6人以上、入所者の数が150人を超える更生施設にあっては6人に、入所者の数が150人を超えて40人増すごとに1人を加えた数以上とすること。

(3) 別表第2第3項第3号の規定は、前号の生活指導員について準用する。

4 生活指導等

(1) 入所者への生活指導等は、入所者の勤労意欲を助長するとともに、入所者が更生施設を退所した後、健全な社会生活を営むことができるよう行うこと。

(2) 施設長は、入所者が健全な社会生活を営むことができるよう、入所者ごとに更生に関する計画を作成すること。

(3) 施設長は、更生に関する計画に従い、入所者が更生施設を退所した後に自立するために必要な技能を修得させること。

(4) 施設長は、地域の実情および入所者の職歴を考慮して技能の修得に係る種目を決定すること。

(5) 前各号に定めるもののほか、更生施設の生活指導等については、別表第2第5項(第2号を除く。)の規定を準用する。

5 別表第2第4項、第6項および第7項の規定は、更生施設について準用する。

別表第4(第3条関係)

授産施設の設備および運営に関する基準

1 授産施設の規模等は、次に掲げるとおりとすること。

(1) 授産施設の規模は、20人以上の人員が利用できるものとすること。

(2) 利用者の総数のうちに占める被保護者の数の割合は、おおむね50パーセント以上とすること。

2 設備

(1) 授産施設の設置者は、作業室、作業設備、洗面所、便所、食堂および事務室を設けること。ただし、他の社会福祉施設等の設備を利用することにより当該授産施設の効果的な運営を期待することができる場合であって、利用者の処遇に支障がないときは、これらの設備の一部を設けないことができる。

(2) 設備の基準は、次に掲げるとおりとすること。

ア 作業室

(ア) 必要に応じ、危害を防止するための設備を設け、または保護具を備えること。

(イ) 1以上の出入口は、避難上有効な廊下、広間の類または屋外に直接面して設けること。

イ 便所は、男女別とすること。

3 授産施設の設置者は、授産施設の長および作業指導員を置くこと。

4 授産施設の長は、作業を通じて利用者が自立することができるよう指導を行うこと。

5 授産施設の長は、利用者に、事業の収入の額から当該事業に要した経費の額を控除した額に相当する金額の工賃を支払うこと。

別表第5(第3条関係)

宿所提供施設の設置および運営に関する基準

1 宿所提供施設の規模等は、次に掲げるとおりとすること。

(1) 宿所提供施設の規模は、30人以上の人員が利用できるものとすること。

(2) 利用者の総数のうちに占める被保護者の数の割合は、おおむね50パーセント以上とすること。

2 設備

(1) 宿所提供施設の設置者は、居室、炊事設備、面接室、便所および事務室を設けること。ただし、他の社会福祉施設等の設備を利用することにより当該宿所提供施設の効果的な運営を期待することができる場合であって、利用者の処遇に支障がないときは、これらの設備の一部を設けないことができる。

(2) 炊事設備の火気を使用する部分は、不燃材料を用いること。

(3) 前2号に定めるもののほか、宿所提供施設の設備については、別表第2第2項第3号ア((ア)および(カ)を除く。)およびク((ウ)を除く。)の規定を準用する。

3 宿所提供施設の設置者は、宿所提供施設の長を置くこと。

4 1の居室は、やむを得ない理由がある場合を除き、2以上の世帯に利用させないこと。

5 宿所提供施設の長は、生活の相談に応ずる等利用者の生活の向上を図ることに努めること。

滋賀県生活保護法に基づく保護施設の設備および運営に関する基準を定める条例

平成25年3月29日 条例第5号

(令和3年8月1日施行)

体系情報
第4編 生/第1章 社会福祉/第2節
沿革情報
平成25年3月29日 条例第5号
令和3年7月26日 条例第33号