○滋賀県行政手続条例

平成7年10月18日

滋賀県条例第40号

滋賀県行政手続条例をここに公布する。

滋賀県行政手続条例

目次

第1章 総則(第1条―第3条)

第2章 申請に対する処分(第4条―第10条)

第3章 不利益処分

第1節 通則(第11条―第13条)

第2節 聴聞(第14条―第25条)

第3節 弁明の機会の付与(第26条―第28条)

第4章 行政指導(第29条―第35条)

第5章 処分等の求め(第36条)

第6章 届出(第37条)

付則

第1章 総則

(目的等)

第1条 この条例は、行政手続法(平成5年法律第88号)第46条の規定の趣旨にのっとり、処分、行政指導および届出に関する手続に関し、共通する事項を定めることによって、行政運営における公正の確保と透明性の向上を図り、もって県民の権利利益の保護に資することを目的とする。

2 処分、行政指導および届出に関する手続に関しこの条例に規定する事項について、他の条例に特別の定めがある場合は、その定めるところによる。

(一部改正〔平成18年条例30号〕)

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 法律等 法律および法律に基づく命令(告示を含む。)をいう。

(2) 条例等 条例および規則(地方自治法(昭和22年法律第67号)第138条の4第2項に規定する規程および地方公営企業法(昭和27年法律第292号)第10条に規定する企業管理規程を含む。)をいう。

(3) 処分 行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為をいう。

(4) 申請 条例等に基づき、行政庁の許可、認可、免許その他の自己に対し何らかの利益を付与する処分(以下「許認可等」という。)を求める行為であって、当該行為に対して行政庁が諾否の応答をすべきこととされているものをいう。

(5) 不利益処分 行政庁が、条例等に基づき、特定の者を名あて人として、直接に、これに義務を課し、またはその権利を制限する処分をいう。ただし、次のいずれかに該当するものを除く。

 事実上の行為および事実上の行為をするに当たりその範囲、時期等を明らかにするために条例等の規定上必要とされている手続としての処分

 申請により求められた許認可等を拒否する処分その他申請に基づき当該申請をした者を名あて人としてされる処分

 名あて人となるべき者の同意の下にすることとされている処分

 許認可等の効力を失わせる処分であって、当該許認可等の基礎となった事実が消滅した旨の届出があったことを理由としてされるもの

(6) 県の機関 地方自治法第2編第7章に規定する執行機関として県に置かれる機関、滋賀県公営企業の設置等に関する条例(昭和43年滋賀県条例第22号)第3条第1項に規定する管理者、滋賀県病院事業の設置等に関する条例(昭和51年滋賀県条例第18号)第4条第1項に規定する病院事業の管理者、警察本部(警察署を含む。)もしくはこれらに置かれる機関またはこれらの機関の職員であって法令(法律等および条例等をいう。以下同じ。)により独立に権限を行使することを認められた職員をいう。

(7) 行政指導 県の機関がその任務または所掌事務の範囲内において一定の行政目的を実現するため特定の者に一定の作為または不作為を求める指導、勧告、助言その他の行為であって処分に該当しないものをいう。

(8) 届出 行政庁に対し一定の事項の通知をする行為(申請に該当するものを除く。)であって、条例等により直接に当該通知が義務付けられているもの(自己の期待する一定の法令上の効果を発生させるためには当該通知をすべきこととされているものを含む。)をいう。

(一部改正〔平成17年条例121号・19年27号〕)

(適用除外)

第3条 次に掲げる処分および行政指導については、次章から第5章までの規定は、適用しない。

(1) 議会の議決によってされる処分

(2) 議会の議決を経て、または議会の同意もしくは承認を得た上でされるべきものとされている処分

(3) 刑事事件に関する法令に基づいて司法警察職員がする処分および行政指導

(4) 国税または地方税の犯則事件に関する法令(他の法令において準用する場合を含む。)に基づいて徴税吏員(他の法令の規定に基づいてその職務を行う者を含む。)がする処分および行政指導

(5) 学校、講習所、訓練所または研修所において、教育、講習、訓練または研修の目的を達成するために、学生、生徒、児童もしくは幼児もしくはこれらの保護者、講習生、訓練生または研修生に対してされる処分および行政指導

(6) 留置施設において収容の目的を達成するためにされる処分および行政指導

(7) 公務員(国家公務員法(昭和22年法律第120号)第2条第1項に規定する国家公務員および地方公務員法(昭和25年法律第261号)第2条に規定する地方公務員をいう。以下同じ。)または公務員であった者に対してその職務または身分に関してされる処分および行政指導

(8) 専ら人の学識技能に関する試験または検定の結果についての処分

(9) 相反する利害を有する者の間の利害の調整を目的として法令の規定に基づいてされる裁定その他の処分(その双方を名宛人としてするものに限る。)および行政指導

(10) 公衆衛生、環境保全、防疫、保安その他の公益に関わる事象が発生しまたは発生する可能性のある現場において警察職員またはこれらの公益を確保するために行使すべき権限を法令上直接に与えられたその他の職員によってされる処分および行政指導

(11) 報告または物件の提出を命ずる処分その他その職務の遂行上必要な情報の収集を直接の目的としてされる処分および行政指導

(12) 第3章に規定する聴聞または弁明の機会の付与の手続その他の意見陳述のための手続において法令に基づいてされる処分および行政指導

2 条例等に基づき交付する補助金その他相当の反対給付を受けない給付金および貸付金に係る処分については、次章および第3章(第5条第7条および第13条を除く。)の規定は、適用しない。

3 国の機関または地方公共団体もしくはその機関に対する処分(これらの機関または団体がその固有の資格において当該処分の名あて人となるものに限る。)および行政指導ならびにこれらの機関または団体がする届出(これらの機関または団体がその固有の資格においてすべきこととされているものに限る。)については、この条例の規定は、適用しない。

(一部改正〔平成12年条例37号・19年27号・27年26号〕)

第2章 申請に対する処分

(審査基準)

第4条 行政庁は、申請により求められた許認可等をするかどうかをその条例等の定めに従って判断するために必要とされる基準(以下「審査基準」という。)を定めるものとする。

2 行政庁は、審査基準を定めるに当たっては、当該許認可等の性質に照らしてできる限り具体的なものとしなければならない。

3 行政庁は、行政上特別の支障があるときを除き、条例等により当該申請の提出先とされている機関の事務所における備付けその他の適当な方法により審査基準を公にしておかなければならない。

(標準処理期間)

第5条 行政庁は、申請がその事務所に到達してから当該申請に対する処分をするまでに通常要すべき標準的な期間(条例等により当該行政庁と異なる機関が当該申請の提出先とされている場合は、併せて、当該申請が当該提出先とされている機関の事務所に到達してから当該行政庁の事務所に到達するまでに通常要すべき標準的な期間)を定めるよう努めるとともに、これを定めたときは、これらの当該申請の提出先とされている機関の事務所における備付けその他の適当な方法により公にしておかなければならない。

(申請に対する審査、応答等)

第6条 行政庁は、申請がその事務所に到達したときは遅滞なく当該申請の審査を開始しなければならず、かつ、申請書の記載事項に不備がないこと、申請書に必要な書類が添付されていること、申請をすることができる期間内にされたものであることその他の条例等に定められた申請の形式上の要件に適合しない申請については、速やかに、申請をした者(以下「申請者」という。)に対し相当の期間を定めて当該申請の補正を求め、または当該申請により求められた許認可等を拒否しなければならない。

2 行政庁は、申請により求められた許認可等を拒否する処分をしようとする場合は、必要に応じ、あらかじめ、当該申請者に対し意見を述べる機会を与えるよう努めなければならない。

(理由の提示)

第7条 行政庁は、申請により求められた許認可等を拒否する処分をする場合は、申請者に対し、同時に、当該処分の理由を示さなければならない。ただし、条例等に定められた許認可等の要件または公にされた審査基準が数量的指標その他の客観的指標により明確に定められている場合であって、当該申請がこれらに適合しないことが申請書の記載または添付書類その他の申請の内容から明らかであるときは、申請者の求めがあったときにこれを示せば足りる。

2 前項本文に規定する処分を書面でするときは、同項の理由は、書面により示さなければならない。

(一部改正〔平成16年条例30号〕)

(情報の提供)

第8条 行政庁は、申請者の求めに応じ、当該申請に係る審査の進行状況および当該申請に対する処分の時期の見通しを示すよう努めなければならない。

2 行政庁は、申請をしようとする者または申請者の求めに応じ、申請書の記載および添付書類に関する事項その他の申請に必要な情報の提供に努めなければならない。

(公聴会の開催等)

第9条 行政庁は、申請に対する処分であって、申請者以外の者の利害を考慮すべきことが当該条例等において許認可等の要件とされているものを行う場合には、必要に応じ、公聴会の開催その他の適当な方法により当該申請者以外の者の意見を聴く機会を設けるよう努めなければならない。

(複数の行政庁が関与する処分)

第10条 行政庁は、申請の処理をするに当たり、他の行政庁において同一の申請者からされた関連する申請(法律等に基づくものを含む。第30条において同じ。)が審査中であることをもって自らすべき許認可等をするかどうかについての審査または判断を殊更に遅延させるようなことをしてはならない。

2 行政庁は、申請の処理をするに当たり、当該申請に対する処分について他の行政庁が関与するとき、または当該申請と同一の申請者からされた相互に関連する他の申請(法律等に基づくものを含む。)が他の行政庁にされているときは、必要に応じ、当該他の行政庁と相互に連絡をとり、当該申請者からの説明の聴取を共同して行う等により審査の促進に努めるものとする。

第3章 不利益処分

第1節 通則

(処分の基準)

第11条 行政庁は、不利益処分をするかどうかまたはどのような不利益処分とするかについてその条例等の定めに従って判断するために必要とされる基準(次項において「処分基準」という。)を定め、かつ、これを公にしておくよう努めなければならない。

2 行政庁は、処分基準を定めるに当たっては、当該不利益処分の性質に照らしてできる限り具体的なものとしなければならない。

(不利益処分をしようとする場合の手続)

第12条 行政庁は、不利益処分をしようとする場合には、次の各号の区分に従い、この章の定めるところにより、当該不利益処分の名あて人となるべき者について、当該各号に定める意見陳述のための手続を執らなければならない。

(1) 次のいずれかに該当するとき 聴聞

 許認可等を取り消す不利益処分をしようとするとき。

 に規定するもののほか、名あて人の資格または地位を直接にはく奪する不利益処分をしようとするとき。

 およびに掲げる場合以外の場合であって行政庁が相当と認めるとき。

(2) 前号アからまでのいずれにも該当しないとき 弁明の機会の付与

2 次の各号のいずれかに該当するときは、前項の規定は、適用しない。

(1) 公益上、緊急に不利益処分をする必要があるため、前項に規定する意見陳述のための手続を執ることができないとき。

(2) 条例等の規定上必要とされる資格がなかったことまたは失われるに至ったことが判明した場合に必ずすることとされている不利益処分であって、その資格の不存在または喪失の事実が裁判所の判決書または決定書、一定の職に就いたことを証する当該任命権者の書類その他の客観的な資料により直接証明されたものをしようとするとき。

(3) 施設もしくは設備の設置、維持もしくは管理または物の製造、販売その他の取扱いについて遵守すべき事項が条例等において技術的な基準をもって明確にされている場合において、専ら当該基準が充足されていないことを理由として当該基準に従うべきことを命ずる不利益処分であってその不充足の事実が計測、実験その他客観的な認定方法によって確認されたものをしようとするとき。

(4) 納付すべき金銭の額を確定し、一定の額の金銭の納付を命じ、または金銭の給付決定の取消しその他の金銭の給付を制限する不利益処分をしようとするとき。

(5) 当該不利益処分の性質上、それによって課される義務の内容が著しく軽微なものであるため名あて人となるべき者の意見をあらかじめ聴くことを要しないものとして規則で定める処分をしようとするとき。

(不利益処分の理由の提示)

第13条 行政庁は、不利益処分をする場合には、その名あて人に対し、同時に、当該不利益処分の理由を示さなければならない。ただし、当該理由を示さないで処分をすべき差し迫った必要がある場合は、この限りでない。

2 行政庁は、前項ただし書の場合においては、当該名あて人の所在が判明しなくなったときその他処分後において理由を示すことが困難な事情があるときを除き、処分後相当の期間内に、同項の理由を示さなければならない。

3 不利益処分を書面でするときは、前2項の理由は、書面により示さなければならない。

第2節 聴聞

(聴聞の通知の方式)

第14条 行政庁は、聴聞を行うに当たっては、聴聞を行うべき期日までに相当な期間をおいて、不利益処分の名あて人となるべき者に対し、次に掲げる事項を書面により通知しなければならない。

(1) 予定される不利益処分の内容および根拠となる条例等の条項

(2) 不利益処分の原因となる事実

(3) 聴聞の期日および場所

(4) 聴聞に関する事務を所掌する組織の名称および所在地

2 前項の書面においては、次に掲げる事項を教示しなければならない。

(1) 聴聞の期日に出頭して意見を述べ、および証拠書類または証拠物(以下「証拠書類等」という。)を提出し、または聴聞の期日への出頭に代えて陳述書および証拠書類等を提出することができること。

(2) 聴聞が終結する時までの間、当該不利益処分の原因となる事実を証する資料の閲覧を求めることができること。

3 行政庁は、不利益処分の名あて人となるべき者の所在が判明しない場合においては、第1項の規定による通知を、その者の氏名、同項第3号および第4号に掲げる事項ならびに当該行政庁が同項各号に掲げる事項を記載した書面をいつでもその者に交付する旨を当該行政庁の事務所の掲示場に掲示することによって行うことができる。この場合においては、掲示を始めた日から2週間を経過したときに、当該通知がその者に到達したものとみなす。

(代理人)

第15条 前条第1項の通知を受けた者(同条第3項後段の規定により当該通知が到達したものとみなされる者を含む。以下「当事者」という。)は、代理人を選任することができる。

2 代理人は、各自、当事者のために、聴聞に関する一切の行為をすることができる。

3 代理人の資格は、書面で証明しなければならない。

4 代理人がその資格を失ったときは、当該代理人を選任した当事者は、書面でその旨を行政庁に届け出なければならない。

(参加人)

第16条 第18条の規定により聴聞を主宰する者(以下「主宰者」という。)は、必要があると認めるときは、当事者以外の者であって当該不利益処分の根拠となる条例等に照らし当該不利益処分につき利害関係を有するものと認められる者(同条第2項第6号において「関係人」という。)に対し、当該聴聞に関する手続に参加することを求め、または当該聴聞に関する手続に参加することを許可することができる。

2 前項の規定により当該聴聞に関する手続に参加する者(以下「参加人」という。)は、代理人を選任することができる。

3 前条第2項から第4項までの規定は、前項の代理人について準用する。この場合において、同条第2項および第4項中「当事者」とあるのは、「参加人」と読み替えるものとする。

(文書等の閲覧)

第17条 当事者および当該不利益処分がされた場合に自己の利益を害されることとなる参加人(以下「当事者等」という。)は、聴聞の通知があった時から聴聞が終結する時までの間、行政庁に対し、当該事案についてした調査の結果に係る調書その他の当該不利益処分の原因となる事実を証する資料の閲覧を求めることができる。この場合において、行政庁は、第三者の利益を害するおそれがあるときその他正当な理由があるときでなければ、その閲覧を拒むことができない。

2 前項の規定は、当事者等が聴聞の期日における審理の進行に応じて必要となった資料の閲覧を更に求めることを妨げない。

3 行政庁は、前2項の閲覧について日時および場所を指定することができる。

(聴聞の主宰)

第18条 聴聞は、行政庁が指名する職員が主宰する。

2 次の各号のいずれかに該当する者は、聴聞を主宰することができない。

(1) 当該聴聞の当事者または参加人

(2) 前号に規定する者の配偶者、4親等内の親族または同居の親族

(3) 第1号に規定する者の代理人または次条第3項に規定する補佐人

(4) 前3号に規定する者であった者

(5) 第1号に規定する者の後見人、後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人または補助監督人

(6) 参加人以外の関係人

(一部改正〔平成12年条例37号・28年24号〕)

(聴聞の期日における審理の方式)

第19条 主宰者は、最初の聴聞の期日の冒頭において、行政庁の職員に、予定される不利益処分の内容および根拠となる条例等の条項ならびにその原因となる事実を聴聞の期日に出頭した者に対し説明させなければならない。

2 当事者または参加人は、聴聞の期日に出頭して、意見を述べ、および証拠書類等を提出し、ならびに主宰者の許可を得て行政庁の職員に対し質問を発することができる。

3 前項の場合において、当事者または参加人は、主宰者の許可を得て、補佐人とともに出頭することができる。

4 主宰者は、聴聞の期日において必要があると認めるときは、当事者もしくは参加人に対し質問を発し、意見の陳述もしくは証拠書類等の提出を促し、または行政庁の職員に対し説明を求めることができる。

5 主宰者は、当事者または参加人の一部が出頭しないときであっても、聴聞の期日における審理を行うことができる。

6 聴聞の期日における審理は、行政庁が公開することを相当と認めるときを除き、公開しない。

(陳述書等の提出)

第20条 当事者または参加人は、聴聞の期日への出頭に代えて、主宰者に対し、聴聞の期日までに陳述書および証拠書類等を提出することができる。

2 主宰者は、聴聞の期日に出頭した者に対し、その求めに応じて、前項の陳述書および証拠書類等を示すことができる。

(続行期日の指定)

第21条 主宰者は、聴聞の期日における審理の結果、なお聴聞を続行する必要があると認めるときは、更に新たな期日を定めることができる。

2 前項の場合においては、当事者および参加人に対し、あらかじめ、次回の聴聞の期日および場所を書面により通知しなければならない。ただし、聴聞の期日に出頭した当事者および参加人に対しては、当該聴聞の期日においてこれを告知すれば足りる。

3 第14条第3項の規定は、前項本文の場合において、当事者または参加人の所在が判明しないときにおける通知の方法について準用する。この場合において、同条第3項中「不利益処分の名あて人となるべき者」とあるのは「当事者または参加人」と、「掲示を始めた日から2週間を経過したとき」とあるのは「掲示を始めた日から2週間を経過したとき(同一の当事者または参加人に対する2回目以降の通知にあっては、掲示を始めた日の翌日)」と読み替えるものとする。

(当事者の不出頭等の場合における聴聞の終結)

第22条 主宰者は、当事者の全部もしくは一部が正当な理由なく聴聞の期日に出頭せず、かつ、第20条第1項に規定する陳述書もしくは証拠書類等を提出しない場合、または参加人の全部もしくは一部が聴聞の期日に出頭しない場合には、これらの者に対し改めて意見を述べ、および証拠書類等を提出する機会を与えることなく、聴聞を終結することができる。

2 主宰者は、前項に規定する場合のほか、当事者の全部または一部が聴聞の期日に出頭せず、かつ、第20条第1項に規定する陳述書または証拠書類等を提出しない場合において、これらの者の聴聞の期日への出頭が相当期間引き続き見込めないときは、これらの者に対し、期限を定めて陳述書および証拠書類等の提出を求め、当該期限が到来したときに聴聞を終結することとすることができる。

(聴聞調書および報告書)

第23条 主宰者は、聴聞の審理の経過を記載した調書を作成し、当該調書において、不利益処分の原因となる事実に対する当事者および参加人の陳述の要旨を明らかにしておかなければならない。

2 前項の調書は、聴聞の期日における審理が行われた場合には各期日ごとに、当該審理が行われなかった場合には聴聞の終結後速やかに作成しなければならない。

3 主宰者は、聴聞の終結後速やかに、不利益処分の原因となる事実に対する当事者等の主張に理由があるかどうかについての意見を記載した報告書を作成し、第1項の調書とともに行政庁に提出しなければならない。

4 当事者または参加人は、第1項の調書および前項の報告書の閲覧を求めることができる。

(聴聞の再開)

第24条 行政庁は、聴聞の終結後に生じた事情にかんがみ必要があると認めるときは、主宰者に対し、前条第3項の規定により提出された報告書を返戻して聴聞の再開を命ずることができる。第21条第2項本文および第3項の規定は、この場合について準用する。

(聴聞を経てされる不利益処分の決定)

第25条 行政庁は、不利益処分の決定をするときは、第23条第1項の調書の内容および同条第3項の報告書に記載された主宰者の意見を十分に参酌してこれをしなければならない。

第3節 弁明の機会の付与

(弁明の機会の付与の方式)

第26条 弁明は、行政庁が口頭ですることを認めたときを除き、弁明を記載した書面(以下「弁明書」という。)を提出してするものとする。

2 弁明をするときは、証拠書類等を提出することができる。

(弁明の機会の付与の通知の方式)

第27条 行政庁は、弁明書の提出期限(口頭による弁明の機会の付与を行う場合には、その日時)までに相当な期間をおいて、不利益処分の名あて人となるべき者に対し、次に掲げる事項を書面により通知しなければならない。

(1) 予定される不利益処分の内容および根拠となる条例等の条項

(2) 不利益処分の原因となる事実

(3) 弁明書の提出先および提出期限(口頭による弁明の機会の付与を行う場合には、その旨ならびに出頭すべき日時および場所)

2 前項の書面においては、弁明書の提出期限(口頭による弁明の機会の付与を行う場合には、その日時。次条において同じ。)までの間、当該不利益処分の原因となる事実を証する資料の閲覧を求めることができることを教示しなければならない。

(聴聞に関する手続の準用)

第28条 第14条第3項第15条ならびに第17条第1項および第3項の規定は、弁明の機会の付与について準用する。この場合において、第14条第3項中「第1項」とあるのは「第27条第1項」と、「同項第3号および第4号」とあるのは「同項第3号」と、第15条第1項中「前条第1項」とあるのは「第27条第1項」と、「同条第3項後段」とあるのは「第28条において準用する第14条第3項後段」と、第17条第1項中「当事者および当該不利益処分がされた場合自己の利益を害されることとなる参加人(以下「当事者等」という。)」とあるのは「第27条第1項の通知を受けた者(第28条において準用する第14条第3項後段の規定により当該通知が到達したものとみなされる者を含む。)」と、「聴聞が終結する時」とあるのは「弁明書の提出期限」と、同条第3項中「前2項」とあるのは「第28条において準用する第17条第1項」と読み替えるものとする。

第4章 行政指導

(行政指導の一般原則)

第29条 行政指導にあっては、行政指導に携わる者は、当該県の機関の任務または所掌事務の範囲を逸脱してはならないことおよび行政指導の内容があくまでも相手方の任意の協力により実現されるものであることに留意しなければならない。

2 行政指導に携わる者は、その相手方が行政指導に従わないことを理由として、不利益な取扱いをしてはならない。

(申請に関連する行政指導)

第30条 申請の取下げまたは内容の変更を求める行政指導にあっては、行政指導に携わる者は、申請者が当該行政指導に従う意思がない旨を明確に表明したにもかかわらず当該行政指導を継続すること等により当該申請者の権利の行使を妨げるようなことをしてはならない。

2 前項の規定は、申請者が行政指導に従わないことにより公益に著しい障害を生ずるおそれがある場合において当該行政指導に携わる者が当該行政指導を継続することを妨げない。

(許認可等の権限に関連する行政指導)

第31条 許認可等(法律等に基づくものを含む。以下この条および次条第2項において同じ。)をする権限または許認可等に基づく処分をする権限を有する県の機関が、当該権限を行使することができない場合または行使する意思がない場合においてする行政指導にあっては、行政指導に携わる者は、当該権限を行使し得る旨を殊更に示すことにより相手方に当該行政指導に従うことを余儀なくさせるようなことをしてはならない。

(一部改正〔平成28年条例24号〕)

(行政指導の方式)

第32条 行政指導に携わる者は、その相手方に対して、当該行政指導の趣旨および内容ならびに責任者を明確に示さなければならない。

2 行政指導に携わる者は、当該行政指導をする際に、県の機関が許認可等をする権限または許認可等に基づく処分をする権限を行使し得る旨を示すときは、その相手方に対して、次に掲げる事項を示さなければならない。

(1) 当該権限を行使し得る根拠となる法令の条項

(2) 前号の条項に規定する要件

(3) 当該権限の行使が前号の要件に適合する理由

3 行政指導が口頭でされた場合において、その相手方から前2項に規定する事項を記載した書面の交付を求められたときは、当該行政指導に携わる者は、行政上特別の支障がない限り、これを交付しなければならない。

4 前項の規定は、次に掲げる行政指導については、適用しない。

(1) 相手方に対しその場において完了する行為を求めるもの

(2) 既に文書(前項の書面を含む。)または電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。)によりその相手方に通知されている事項と同一の内容を求めるもの

(一部改正〔平成16年条例30号・27年26号〕)

(複数の者を対象とする行政指導)

第33条 同一の行政目的を実現するため一定の条件に該当する複数の者に対し行政指導をしようとするときは、県の機関は、あらかじめ、事案に応じ、これらの行政指導に共通してその内容となるべき事項を定め、かつ、行政上特別の支障がない限り、これを告示その他の適当な方法により公表しなければならない。

2 県の機関は、前項の事項が県民生活の安全の確保、環境保全その他の重要な公益に係るものである場合において、当該行政指導の目的を達成するために必要があると認めるときは、同項の規定による告示において定めるところにより、当該行政指導に従わない者の氏名その他の必要な事項を公表することができる。この場合において、当該県の機関は、あらかじめ、その者に対し意見を述べる機会を与えなければならない。

(行政指導の中止等の求め)

第34条 法令等(法令および法令に基づく県の機関の告示をいう。第36条において同じ。)に違反する行為の是正を求める行政指導(その根拠となる規定が法律または条例に置かれているものに限る。)の相手方は、当該行政指導が当該法律または条例に規定する要件に適合しないと思料するときは、当該行政指導をした県の機関に対し、その旨を申し出て、当該行政指導の中止その他必要な措置をとることを求めることができる。ただし、当該行政指導について、当該県の機関が、あらかじめ、その相手方に対し意見を述べる機会を与えたときは、この限りでない。

2 前項の申出は、次に掲げる事項を記載した申出書を提出してしなければならない。

(1) 申出をする者の氏名または名称および住所または居所

(2) 当該行政指導の内容

(3) 当該行政指導がその根拠とする法律または条例の条項

(4) 前号の条項に規定する要件

(5) 当該行政指導が前号の要件に適合しないと思料する理由

(6) その他参考となる事項

3 当該県の機関は、第1項の規定による申出があったときは、必要な調査を行い、当該行政指導が当該法律または条例に規定する要件に適合しないと認めるときは、当該行政指導の中止その他必要な措置をとらなければならない。

(全部改正〔平成27年条例26号〕)

(この章の解釈)

第35条 この章の規定は、県の機関が公益上必要な行政指導を行うことを妨げるものと解釈してはならない。

第5章 処分等の求め

(追加〔平成27年条例26号〕)

第36条 何人も、法令等に違反する事実がある場合において、その是正のためにされるべき処分(その根拠となる規定が条例等に置かれているものに限る。)または行政指導(その根拠となる規定が法律または条例に置かれているものに限る。)がされていないと思料するときは、当該処分をする権限を有する行政庁または当該行政指導をする権限を有する県の機関に対し、その旨を申し出て、当該処分または行政指導をすることを求めることができる。

2 前項の申出は、次に掲げる事項を記載した申出書を提出してしなければならない。

(1) 申出をする者の氏名または名称および住所または居所

(2) 法令等に違反する事実の内容

(3) 当該処分または行政指導の内容

(4) 当該処分の根拠となる条例等または当該行政指導の根拠となる法律もしくは条例の条項

(5) 当該処分または行政指導がされるべきであると思料する理由

(6) その他参考となる事項

3 当該行政庁または県の機関は、第1項の規定による申出があったときは、必要な調査を行い、その結果に基づき必要があると認めるときは、当該処分または行政指導をしなければならない。

(追加〔平成27年条例26号〕)

第6章 届出

(一部改正〔平成27年条例26号〕)

第37条 届出が届出書の記載事項に不備がないこと、届出書に必要な書類が添付されていることその他の条例等に定められた届出の形式上の要件に適合している場合は、当該届出が条例等により当該届出の提出先とされている機関の事務所に到達したときに、当該届出をすべき手続上の義務が履行されたものとする。

2 前項の機関は、届出が形式上の要件に適合していない場合は、速やかにその旨を当該届出をした者に通知しなければならない。

(一部改正〔平成27年条例26号〕)

(施行期日)

1 この条例は、公布の日から起算して6月を超えない範囲内において規則で定める日から施行する。

(平成7年規則第93号で平成8年1月1日から施行)

(経過措置)

2 この条例の施行前に第14条第1項または第27条第1項の規定による通知に相当する行為がされた場合においては、当該通知に相当する行為に係る不利益処分の手続に関しては、第3章の規定にかかわらず、なお従前の例による。

3 この条例の施行前に、届出がされた後一定期間内に限りすることができることとされている不利益処分に係る当該届出がされた場合においては、当該不利益処分に係る手続に関しては、第3章の規定にかかわらず、なお従前の例による。

4 この条例の施行の際現に県の機関が告示している事項で第33条第1項の事項に相当するものについては、同項の規定に基づいて告示されたものとみなす。

(平成12年条例第37号)

1 この条例は、平成12年4月1日から施行する。

2 民法の一部を改正する法律(平成11年法律第149号)附則第3条第3項の規定により従前の例によることとされる保佐人については、改正後の第18条第2項第5号の規定にかかわらず、なお従前の例による。

(平成16年条例第30号抄)

(施行期日)

1 この条例は、平成16年10月1日から施行する。

(平成17年条例第121号抄)

(施行期日)

1 この条例は、平成18年4月1日から施行する。

(平成18年条例第30号)

この条例は、平成18年4月1日から施行する。

(平成19年条例第27号)

この条例は、公布の日から起算して3月を超えない範囲内において規則で定める日から施行する。

(平成19年規則第42号で平成19年6月1日から施行)

(平成27年条例第26号)

(施行期日)

1 この条例は、平成27年4月1日から施行する。

(滋賀県税条例の一部改正)

2 滋賀県税条例(昭和25年滋賀県条例第55号)の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

(滋賀県青少年の健全育成に関する条例の一部改正)

3 滋賀県青少年の健全育成に関する条例(昭和52年滋賀県条例第40号)の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

(滋賀県消費生活条例の一部改正)

4 滋賀県消費生活条例(昭和50年滋賀県条例第43号)の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

(平成28年条例第24号抄)

(施行期日)

1 この条例は、平成28年4月1日から施行する。(後略)

滋賀県行政手続条例

平成7年10月18日 条例第40号

(平成28年4月1日施行)

体系情報
第1編 則/第8章
沿革情報
平成7年10月18日 条例第40号
平成12年3月29日 条例第37号
平成16年8月10日 条例第30号
平成17年12月27日 条例第121号
平成18年3月30日 条例第30号
平成19年3月20日 条例第27号
平成27年3月23日 条例第26号
平成28年3月23日 条例第24号