更新日:2015年10月6日

琵琶湖保全再生推進本部第1回本部員会議 本部長(知事)挨拶【訓示】

本日、「琵琶湖保全再生推進本部」を設置いたしました。

この本部は、9月28日に施行されました「琵琶湖の保全及び再生に関する法律」に定められた目的の達成に向けて、全庁一丸となって取り組んでいくために設置をしたものです。

琵琶湖に関する法律の制定は、琵琶湖総合開発特別措置法が平成9年3月に失効して以来、私たちにとって、本県にとって長年の悲願・宿願でありまして、その実現の瞬間に、私は滋賀県知事として、皆様方は滋賀県職員として、お互い立ち会うことができたということは、この上なく光栄なことであると同時に、とてつもなく重大な責任というものを背負っているんだということをお互い自覚したいと思います。私自身、身の引き締まる思いであります。

言うまでもなく、私たちがお預かりしている滋賀県政において、他府県にはない特性を最も発揮するのは、琵琶湖行政であります。。上下流の利害が相反するという難しい構図の中で、古くは琵琶湖周辺の洪水対策に始まり、高度経済成長期には水利用の問題が加わり、保全・治水・利水の課題について、国や下流府県も交えて国家的プロジェクトとして対策を行う琵琶湖総合開発事業が行われてまいりました。

また、赤潮の大発生を契機に、住民の皆様方が立ち上がり進めてこられた「せっけん運動」の盛り上がりを受けて制定された富栄養化防止条例でありますとか、それを発端に開催されることになりました世界湖沼会議の開催など、様々な先駆的な環境施策が進められてきたのもまた琵琶湖でありました。

さらには、生態系の保全をはじめとする琵琶湖総合開発後の課題をふまえて、マザーレイク21計画を策定し、「琵琶湖と人との共生」を基本理念として琵琶湖の総合保全を進めてまいりました。

こうした多くの先人達の取組の積み重ねの上に現在があるということを、お互いに今この場にいる私たちはあらためて肝に銘じたいと思います。

そして今、お陰様で琵琶湖に新法ができ、いよいよ取組のスタートという段階に入りましたので、基本的な姿勢として皆さんと共有したいことを4点申し上げます。

一つは、「速やかに、そして奥深く」ということです。

琵琶湖の環境改善は待ったなしの課題です。今議会でも多くの方々からそのことを指摘されています。これまでから、例えば、在来魚の減少による琵琶湖漁業の衰退を危惧する漁業者の悲鳴、悲痛な声、また、急速に拡大する外来水生植物の駆除に必死に取り組んでいただいている皆さんのお声というものを、たくさんお聴ききしました。それだけに、この新法への期待が非常に高く、熱く、そうした期待に応えるためにも、速やかな対応が必要であるということです。

同時に、琵琶湖の環境の問題は、まだまだ解明できていない、そういう課題・物事も多く、基礎的な研究などを通じて根本的な課題を見出して、対症療法ではない抜本的な対策をとるという姿勢が必要です。

二つ目は、「課題を共有し、つながりを深める」ということです。

琵琶湖の保全・再生のためには、まずは、琵琶湖について何が課題であるのか、何をしなければならないのかということについて、私たちもそうですし、私たち県庁の各部局がそうですし、県庁以外の方々にも、そしてできれば下流の方々にも、全国の人たちにも、世界の人たちにも知っていいただくということが不可欠であります。

その上で、庁内はもとより、住民、NPO、企業などの皆さん、あるいは国や他府県といった行政関係者の方々と、幅広く、深く琵琶湖との「つながり」を築き、ともに歩みを進めるという姿勢が必要です。

そのために、こちらから進んで、いろんな所に足を運んでいくことが肝心です。特に、今回の法律制定の最大の意義は、国として琵琶湖の保全再生に取り組むということが明確になったことであります。ぜひとも、各部局がそれぞれの関係省庁に足を運んで、琵琶湖の保全再生施策の重要性を訴えていただきたい。私も先頭に立って、そのことを実践してまいります。

三つ目は、「過去から未来へ、未来から過去へ」ということです。

琵琶湖についてこれまで、様々な取組が行われてきました。それぞれの時代、それぞれの人たちが、今の私たちと同じように、どうすればいいのかということを考えてきた歴史があります。ぜひ、過去の取組の経緯を学び、当時の人たちの思いに触れることにより、きっと未来への答えが出されるのではないか。歴史に学びたいということです。OBの職員の皆さん、そして様々な先輩たちに、例えば水政対策本部の時どうでしたかということも含めて、ご意見、ご知見を伺う、こういう機会をつくってまいりたいと思います。

同時に、逆に子どもや孫の視点、さらに、その子どもや孫の視点、こういうものも持って、未来から過去を振り返り、展望し、冷静に検証するという視点を持つことも重要であると考えております。

四つ目は、「世界から滋賀へ、滋賀から世界へ」ということです。

琵琶湖の「国民的資産」としての位置付けが明確にされました。琵琶湖の価値は、実は国民的資産にとどまらず、世界有数の古代湖である、固有種がいるということからして、やはり大きな価値を、世界的に評価される価値を持っているのだと思います。

こうしたことを、大切に守りながら、堂々と発信をしてまいりたいと思いますし、私たち人間以外の生き物、琵琶湖にまつわる生き物のことを考えるというこの姿勢を世界に向けて発信をしていきたいと思います。

以上、基本的な姿勢を申し上げましたが、マザーレイク21計画には、2050年頃のあるべき姿として、「活力ある営みの中で、琵琶湖と人とが共生する姿」ということを掲げております。この法律が目指しているのも、ある意味共通すると思いますので、しっかりこの目標を原点として持って、具現化してまいりたいと思います。

法律はできたばかりでありますし、これを活かせるも活かせないかもは、私たちの取組にかかっていると思います。しっかりとがんばってまいりたいと思います。

なお、本日、本部の実働部隊として、琵琶湖環境部内に琵琶湖保全再生室を設置しました。ぜひ庁内をあげて、もちろん室は室でがんばっていただきますが、連携をして、また、市町にもしっかりと取組を要請し、協力を願い、一緒に進めてまいりたいと思いますし、さらなる体制強化を今後進めてまいりたいと思いますので、皆様方の特段の取組を要請し、私からの冒頭のあいさつとします。