湖沼や河川等で繁殖する植物プランクトンの中には、かびくさいにおいや墨汁のようなにおい、いわゆる「かび臭」の原因となる物質(2-メチルイソボルネオールやジェオスミン)をつくりだすものがあります。
そのため、水源(湖沼や河川等)の水温上昇などによって、植物プランクトンが大量に繁殖した場合に、かび臭の原因物質がたくさんつくりだされ、水道水をつくるための通常の浄水処理(凝集、沈でん、砂ろ過)を行っても完全に取りきれず、水道水ににおいが残ってしまうことがあります。
かび臭物質を原因となる物質をつくりだす植物プランクトン
(写真:滋賀県琵琶湖環境科学研究センター提供)
かび臭の原因物質である2-メチルイソボルネオールとジェオスミンの水質基準値は、ともに浄水処理をした水で1リットルあたり0.00001ミリグラム(10ナノグラム)※以下となっています。この基準値は、一般の方がにおいを感じない量として設定されています。しかし、においに敏感な方は、基準値の半量の1リットルあたり0.000005ミリグラム(5ナノグラム)を超えるとかび臭を感じることがあります。
※1リットルあたり10ナノグラムとは、学校のプール約16杯分の水に目薬を1滴溶かしたくらいの濃度に相当します。
【プール:300m3(長さ25m×幅12m×深さ1m)、目薬1滴 0.05gとして計算】
滋賀県企業庁では、かび臭が発生した時は、通常の浄水処理に加えて、粉末活性炭を注入し、かび臭の原因物質を活性炭に吸着させて取り除くことで、水質基準値以下に保つよう努めています。
なお、かび臭の原因物質を吸着させた活性炭は、浄水処理の過程で取り除き、水道水に含まれていないことを確認しています。
粉末活性炭を水に混ぜるために、タンクへ投入しているところです。